空き家になってから年数が経っているため、誰かが住むにはリフォームが必要だなと思っています。
やはりリフォームしてから売る方が高く売れるのでしょうか?
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
築年数が古く、さらに長年空き家の家を売るとき、売却のためにリフォームを考える人は少なくありません。
しかし、リフォームしてから売り出すことは基本的におすすめできません。リフォーム費用を回収できるとは限らないなどデメリットが大きくなりがちだからです。
こちらでは、空き家を売るときにリフォームするメリット・デメリット、またリフォーム以外の方法についてもわかりやすく説明します。
もくじ
1.そもそもリフォームにはどのくらい費用がかかるの?
リフォームにかかる費用は、「どの程度リフォームするか」という範囲によって大きく異なります。
たとえば、「リビングの壁紙だけ」「トイレの便器を交換するだけ」などの簡易なリフォームなら、10万円前後と比較的手軽にリフォームができます。
しかし、水回りの設備を全部交換する、フローリングを張替える、外壁を直すなど、住まい全体にリフォーム範囲が及ぶと数百万円の費用がかかります。また、選ぶ機器や素材のグレードなどによってでも数万円から数十万円差が出るケースもあります。
リフォーム費用の目安は以下の通りです。
リフォーム箇所 | 相場価格 |
壁紙交換 | 1千円/㎡ |
床材張り替え | 1~7万円/畳 |
トイレ | 20~50万円 |
キッチン | 50~150万円 |
お風呂 | 50~150万円 |
洗面所 | 20~50万円 |
外壁 | 50~350万円 |
耐震補強・改修 | 100~200万円 |
リフォームしてから空き家を売ろうと考えているなら、まずはおおよその価格を知ることが大切です。何社かに見積もりを依頼して、リフォーム費用の相場を把握しつつ、リフォームすべきかを検討すべきです。
2.リフォームして空き家を売るメリット
冒頭でもお伝えしたとおり、リフォームしてから売り出すことは基本的におすすめできません。ただし、リフォームして売り出すメリットももちろんあります。
まずは、メリットとデメリットをきちんと理解した上でどうすべきか検討しましょう。
2-1.物件の印象がよくなることで売却が有利になる
築年数の古い家が欲しいという人は「古くても良い」という考えを持っているものです。
しかし、あまりにも管理状態が悪い空き家だと、見た目の汚さや部屋のニオイが原因で「買いたくないな」と購入意識が失せてしまうことも事実として少なくありません。リフォームすれば、ボロボロになっていた部分が綺麗に復活し、湿気によるカビ臭も消えて印象をアップできます。
見た目が新しくなった写真をインターネットなどの広告に掲載できるので、「これだったら見に行きたい」と買い手に思わせることもできます。内覧数が多いほど家は売れやすくなる傾向にあるため、それだけ早くでの売却に期待ができます。
2-2.買い手がすぐに住むことができる
リフォーム済みであれば「気に入ったらすぐに住める」というのも、買い手側からするとメリットになることもあります。
中古物件の購入では、リフォームしてから住むという方も多いですが、リフォームには最低でも約1ヶ月ほどかかってしまうため実際に住めるのは工事が終わってからとなってしまいます。
「◯◯月までに引っ越ししないといけない」という買い手の方もいるため、「リフォーム済物件」であることをアピールすれば、このようなニーズを持っている購入希望者にとっては理想的な物件です。
2-3.買い手の資金負担を減らすことができる
中古物件を購入後、リフォームするためには、買い手は住宅ローンとは別にリフォームローンを借り入れる必要があります。
中には、購入資金とリフォーム費用をまとめて借りられる一体型もありますが、別々に借り入れるとなるとリフォームローンは金利が2~5%と高く、返済期間も最長10~15年程度と短いため、借入金額が高いほど月々に返済しなくてはいけない額も大きくなり、買い手にとっては負担が大きくなってしまいます。
しかし、リフォーム済みであれば、住宅ローン一本の借り入れで済むので、買い手にとっても購入の際に負担を減らすことができます。
3.リフォームして空き家を売るデメリット
空き家をリフォームして売ろうと思ったら、事前に注意ポイントを確認しておきましょう。
3-1.リフォームしたから高く売れるは間違い
「リフォームにかかった費用分、高く売り出そう」と考えるのは普通のことです。数十万円からときには数百万円もかかるリフォーム工事です。それをすべて上乗せして売ろうとすると、元の価格設定によっては「高すぎる」と敬遠されることもあります。
例えば、2,000万円で売ろうと思っている空き家に、300万円ものリフォーム費用をかけたとします。それをプラスすると2,300万円という価格になりますよね。ただ、そもそも1,800万円程度が相場価格の家だとすると、かなり高い印象になってしまいます。
また、中古物件は必ず周辺の新築物件と比較されてしまうのが一般的です。どんなにリフォームしたからといっても、新築物件の価格より高ければ売れません。
リフォームして、価格を高めに設定するよりも、リフォームしない分、価格を安くして売る方が、相場よりも安いため買い手に注目されやすくなるでしょう。
3-2.リノベーションしたい買主にとっては対象外になる
「急に転勤が決まって家を探している」など、すぐにでも住みたい人であれば、すぐに生活がスタートできるリフォーム済の物件は魅力的です。それに、汚い家よりも綺麗な方が売りやすさは勝っています。
ただ、「価格を抑えて購入し、自分好みにリフォームしたい」という気持ちで中古住宅を購入する人も近年増えてきています。そのため、リフォームされた物件の時点で、購入の対象外になる可能性もあります。
3-3.買主の好みにマッチするのかわからない
費用をかけてもいいからリフォーム後に売り出したいという人もいるでしょう。ただ、そこで注意したいのは、リフォーム会社選びです。
壁や柱を取り払って間取りをだいぶ変更するようなリフォームは、設計が不十分だと家の強度を落としてしまいかねません。「見積金額が安い」という理由だけで選ぶと、グレードの低い設備や素材ばかり使われたり、工期を短く設定し過ぎて職人の作業の質が悪かったりすることもあります。
「空き家を売りやすく…」と考えた結果、完成度が低すぎて売れにくくなるとお金をかけた意味がありません。工事実績が多く、信頼できるリフォーム業者を慎重に選ぶことが大事です。
また、そもそも、あなたの好みでリフォームしたお家を購入希望者が気に入れば良いですが、人の好みは千差万別だということも考えて検討する必要があります。
4.物件の魅力を高めるのはリフォームだけではない
リフォームだけが中古物件の魅力や価値を高める方法ではありません。ほかにどのような方法があるかをみてみましょう。
4-1.①ハウスクリーニングでも十分印象はアップする
まず、おすすめしたいのは「ハウスクリーニング」です。
ハウスクリーニングとは、専門業者がお家の清掃をしてくれるサービスです。リフォームのように物件の査定額に直接影響するものではありませんが、内覧時、購入検討者に与える印象が大幅にアップします。
特に、キッチン、お風呂、トイレ、洗面所などの水回りだけでも汚れているのであればハウスクリーニングしておくべきです。水回りは、内覧時に厳しくチェックされる箇所でもあり、ここが清潔であるだけでも売却につながる可能性が高まるからです。
ハウスクリーニングにかかる費用の目安は以下の通りです。
ハウスクリーニング箇所 | 相場価格 |
キッチン | 15~20万円 |
お風呂 | 13~18万円 |
トイレ | 6,000~9,000円 |
洗面所 | 7,500~1万円 |
ハウスクリーニングはリフォームと比べると安いので、費用負担を抑えつつ、高い効果が得られます。
また、大掛かりなリフォームとなると1ヶ月ほどかかるのでその分、売却が遅れますが、ハウスクリーニングは1日あれば済むというところもおすすめする点です。
4-2.②ホームインスペクション(住宅診断)を利用する
ホームインスペクションとは、ホームインスペクター(住宅診断士)と呼ばれる国土交通省の所定の講習を受けた専門家が、第三者的な立場から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見極め、アドバイスを行なう住宅診断サービスのことです。
ホームインスペクションの費用相場は業者によって異なりますが、目視可能な範囲で調査する一次検査(基本調査)の場合は、5~6万円程度、機材を用いた二次検査(詳細診断)の場合は、10万円以上かかることもあります。
実は、費用を誰が負担するのかは明確には決められていませんが、買主を欠陥住宅から守るというのが本来の目的であるため、購入希望者が費用を負担することが一般的です。
しかし、費用がかかるとはいえ、ホームインスペクションが実施された物件は、一定の品質や安全性が保証されるので、より買い手がつきやすくなることに加えて、欠陥がなければ売却価格を高くすることができる可能性もあります。
また、ホームインスペクションもリフォーム費用と比べて安いので、売主が費用を支払ってでも実施する価値はあるといえます。
まとめ
傷みが激しい空き家であったり、築年数の古い空き家を売ろうと考えている人は「リフォームして売ること」を検討するかもしれません。
ただ、リフォームした後に「余計に売れにくくなった」「お金がもったいなかった」と後悔しては意味がありません。
まずは、最初に「このまま売るならいくら?」という空き家の現状の相場価格をチェックすることをおすすめします。
また、空き家の状態によっては「部分的に直した方がいい」ということもあります。例えば、壁紙はそれほど費用がかからないため、壁紙だけ変えるだけで、少しの費用負担で売れやすくなることもあります。
しかし、素人目には、そのボーダーラインが分かりづらいものです。「どこまで直したらいいか?」「このままでも売れそうか?」という販売戦略は、その地域のニーズをよく知っている売却に強い不動産会社と相談しながら決めていくとよいでしょう。
ご自身でリフォーム業者を探して依頼するよりも、不動産会社の紹介でリフォームする方が安く済むケースもあります。まずは、自身で判断せずに相談してみるべきです。
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