広島県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
広島県の「戸建ての売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「広島県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)(27.2%) |
広島県の戸建てを売却した理由ランキング1位は「住み替え」でした。ライフスタイルや家族構成の変化に伴って、自分や家族にとって理想的な暮らしのために、今住んでいる家を住み替えたいと考える方は非常に多く見受けられます。 |
2位 売り時だと思ったから (23.0%) |
広島県が発表した「地価調査結果」によりますと、住宅地の平均価格は広島市、福山市などで上昇に転じた一方で、島しょ部や山間町では下落が続いている。今後も利便性の良い都市部の人気は高まり、売り時と判断する方は多いと思われます。 |
3位ローンの返済苦など金銭的な理由 (12.5%) |
戸建てを売却した理由の2位は、「金銭的な理由」というものでした。コロナ禍が落ち着いたことで、広島県でも一部の業種では経営状況が改善していますが、依然として低迷しているところもあるため、金銭的な理由で戸建てを売却するケースが多いのかもしれません。 |
4位 相続関連(12.1%) |
相続した不動産を使用しない場合でも、固定資産税や管理のための費用は発生します。利用する予定がない場合は、建物が劣化して価値が下がる前に売却に動く方が多いようです。 |
5位 転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)(12.1%) |
総務省「人口移動報告」によると、広島県の転出者数は約5万6千人でした。東京、大阪など遠隔地に転勤する場合は、戸建てを売却する方も少なくないようです。 |
6位 離婚・別居(9.3%) |
第6位は「離婚・別居」です。離婚・別居を理由とする戸建ての売却は件数としては少ないものの、よくある理由の一つです。 |
7位 その他 (3.9%) |
その他の広島県における戸建ての売却理由として、「介護施設への入居」、「投資用物件を売却した」という回答が多く見受けられました。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(27.2%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
新築を建てて住み替えるために売却することにしました。高く売れたら子どもの教育資金にも充てたかったので、不動産会社から提案してもらった戦略として相場よりも少し高い売り出し価格で設定したところ、運良くその価格で購入してくれる購入希望者が現れ、予想よりも高く売却できました。非常に満足しています。
〈買主への上手な伝え方〉
戸建ても年月が経つと劣化していきます。それに伴ってメンテナンスが必要になるため、新築の物件や築年数の新しい家に住み替える例も少なくありません。買主には、「住み替え」と伝えると良いでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「買い替え(住み替え)で家やマンションを売却する流れと成功のコツを基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(23.0%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
定年を迎え、資産を整理したかったので、別宅として所有していた家を売却することにしました。物件は呉市で、割と中心部だったため、それなりに高額で取引できるのではないかと予想はしていました。また、時期的にも良かったのか年明けに購入希望者が出てきて、そのまま売却となりました。老後資金の足しにできました。
〈買主への上手な伝え方〉
広島県全体で見ると地価はやや上昇傾向で、特に広島市内の一部のエリアや駅の周辺では売り時と言えるようです。しかし、買主にとっては高く買うことになる状況のため、金銭的な事情は伝えず、単に「住み替え」であると伝えましょう。
3位(12.5%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
数年前から会社の業績が落ち、給与やボーナスも減額されてしまい住宅ローンの支払いが苦しくなりました。ローン残債もありすぐ売却できるのか不安でしたが、年度末という時期が良かったのか、売却に出してから2ヵ月足らずで買い手がつきました。正直もっと時間がかかり価格も下げることになると予想していたので嬉しかったです。
〈買主への上手な伝え方〉
ローンの返済が苦しくなった、まとまったお金が急に必要になったなど、金銭的な理由で家を売却するケースも多いです。買主に影響がないのであれば、個人的な理由を伝える必要は特にありません。「資産整理」や「住み替え」などと濁しておいて良いでしょう。
4位(12.1%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
両親が住んでいた広島市の一戸建てを相続しました。私は大阪に居住しており、遠隔地の維持管理が難しいことから売却を決意しました。相続した家は住宅地と自然が混在するとても良いところであったためか、購入希望者も短期間で見つかり、想定していた価格で売却することができました。
〈買主への上手な伝え方〉
子どもが離れて暮らす場合は、家を相続しても管理がむずかしいため、売却に踏み切ることは珍しくありません。一般的な売却理由のため、買主には「相続での売却」と伝えて良いでしょう。
5位(12.1%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
仕事の都合で急に転居しなければならなくなり、不動産会社さんに戸建ての売却を依頼しました。急いでいたため、タイミング良く購入して下さる方が見つかった時は凄くうれしかったです。新居での生活に安心感が得られました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤での戸建て売却もまた、一般的なことです。買主には「転勤のため」と伝えても問題ありません。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」や「転勤で持ち家の戸建てやマンションを売却!不動産会社選びで失敗しないポイント」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
6位(9.3%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
二人での生活に疲れ、60歳で熟年離婚をしました。それなりに貯蓄もあったので、財産分与で貰った戸建てに私がそのまま残ることになりました。しかし、家族がいた時のままの4LDKでは広すぎたので、やはり手放すことにしました。子どもが帰省した時に不便ではありますが、納得してくれました。売却したお金で悠悠自適に過ごそうと思います。
〈買主への上手な伝え方〉
昨今、離婚は「後ろめたいこと」から「再スタート」といった前向きなイメージに変わりつつあります。ただし、すべての人がそのように感じているわけではないのも事実です。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
7位(3.9%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
父が高齢になって高齢者施設に入居したので、これまで父が一人で住んでいた戸建てを処分することにしました。立地的には良い場所だと思っていましたが、狭かったので売れるかどうか心配でした。それでも何とか売却することができ、不動産会社さんの努力のお蔭だと感謝しています。
〈買主への上手な伝え方〉
高齢者施設に入居することとなり、これまで住んでいた家を売却するケースも多いです。家で人が亡くなったりしていないのであれば、買主にそのまま伝えても良いですし、単に「住み替え」としても問題はないでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 広島県の戸建ての売却理由で最も多かったのは「住み替え」という結果だった
- 広島県では、ほかの都道府県よりも「金銭的な理由」による戸建ての売却が多い傾向にある