この記事では、埼玉県の
- 中古マンションの売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向
という中古マンションを売る際に知っておきたい基本情報に加えて、
- 高く売れる中古マンションの特徴
- 売れにくい中古マンションの特徴
- 売れにくい中古マンションを売るための対策方法
について知ることができます。
埼玉県の「マンションの売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「埼玉県のマンション売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
もくじ
この記事のポイントまとめ
1.【2023年度版】埼玉県の中古マンションが売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向
売却成約までにかかった期間は平均約3.8ヵ月、平均売却価格は約2,670万円です。
また相場の動向は、おおまかに以下のとおりです。
- 前年に比べ売却価格は、約7.6％上昇
- 前年に比べ成約した物件の㎡単価は、約7.8％上昇
- 前年に比べ成約件数は、約▲0.04％下降
詳しくは、「1.【2023年度版】埼玉県の中古マンションが売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向」をご覧ください。
2.埼玉県で高く売れる中古マンションの特徴（2023年度版）
埼玉県で高く売れる中古マンションの特徴は、一般的に以下のとおりです。
- 東京都心へのアクセスが良い
- 交通の便が良い
- 周辺環境が良い
- 使いやすい間取り
- 駅から近い立地
上にあげたような特徴が多くあてはまり、なおかつ「商業施設など生活に必要な施設が近くにある立地」に建っている中古マンションは査定額が高くなります。
詳しくは、「2.【チェックリスト付き】埼玉県で高く売れる中古マンションの特徴（2023年度版）」をご覧ください。
3.埼玉県で売れにくい中古マンションの特徴（2023年度版）
埼玉県で売れにくい中古マンションの特徴としてあげられるのは、一般的に次のようなものです。
- 東京都心から離れている
- 交通の便が悪い
- 周辺環境が悪い
- 使いにくい間取り
- 駅から遠い立地
詳しくは、「3.埼玉県で売れにくい中古マンションの特徴（2023年度版）」をご覧ください。
4.【事例で解説】埼玉県で売れにくい中古マンションを売るための対策方法3つ（2023年度版）
埼玉県で売れにくい中古マンションを売るための対策法3つについて、実例でご紹介いたします。
その方法は、次のとおりです。
| 対策方法（例） | |
|---|---|
| 東京都心から遠い | ・周辺環境の良さをアピールする |
| 周辺環境が悪い | ・売却価格を下げて売り出す |
| 使いにくい間取り | ・単身者や夫婦のみの世帯向けに売り出す |
詳しくは、「4.【事例で解説】埼玉県で売れにくいマンションを売るための対策方法3つ（2023年度版）」をご覧ください。
1.【2023年度版】埼玉県の中古マンションが売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向
1-1.【2023年度版】埼玉県の中古マンションが売却成約までにかかった期間
| 埼玉県平均 | |
|---|---|
| マンションの売却成約までにかかった期間 | 約3.8ヵ月 |
不動産の売れやすさは「マンション＞戸建て＞土地」の順になっています。
埼玉県のマンション取引件数は、最新のデータでは全国第4位と活発で、比較的早く売却できるケースが多いと言えるでしょう。
参考として実際に売却成約した売主へのアンケート結果を見てみると、全体の7割以上が半年以内に売却できていることがわかります。
| 順位 | 売却にかかった期間 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 3ヵ月以内 | 42.8% |
| 2位 | 6ヵ月以内 | 33.7% |
| 3位 | 1年以内 | 11.5% |
| 4位 | 2年以内 | 7.0% |
| 5位 | 2年以上 | 5.0% |
※イクラ不動産の利用者アンケートより
1-2.【2023年度版】埼玉県の中古マンションの売却価格・相場の動向
| 埼玉県平均 | |
|---|---|
| マンション売却価格・相場 | 約2,670万円 |
2023年現在、埼玉県の中古マンション相場の動向は次のような傾向です。
〈2023年度版 埼玉県の中古マンション相場の動向まとめ〉
- 前年に比べ売却価格は、約7.6％上昇
- 前年に比べ成約した物件の㎡単価は、約7.8％上昇
- 前年に比べ成約件数は、約▲0.04％下降
【主な要因】
- 在宅ワークと通勤を併用できる、都内にアクセスしやすいエリアの人気が高まった
- 東京都のマンション価格が高騰しているため、周辺地域のマンションを求める人が増えた
- 都内にアクセスのしやすい地域は盛り上がりを見せているが、県北などは転出する人が多く偏りがある
埼玉県は人口増加傾向が続いており、2022年の住民基本台帳の人口移動報告では、転入超過数が全国第3位と非常に転入者数が多い地域です。
※転入超過数：県外から入る人（転入者）から県内から出る人（転出者）を差し引いた人数のこと
また、全国の市区町村単位で見ると、さいたま市が転入超過数2位という結果でした。このことからも、マンションをはじめとする住宅需要が高まっていることがわかります。
さいたま市の中でも、JR京浜東北線など主要沿線が通る浦和区・大宮区・南区は、都心まで電車で約30分の距離にあり、特に人気があります。また、JR京浜東北線が通る川口市も、荒川を挟んで都心まで電車で約30分の距離にあり人気が高いエリアです。
さらに、住宅ローン専門金融機関が実施した「本当に住みやすい街大賞2022」において川口市が第2位に選ばれるなど、利便性の良さが県内外から評価されています。
しかし、2018年以降、埼玉県内の新築マンション建設数の数が減っており、中古マンションの需要があがっているものの、成約件数はやや下降傾向です。
また、以下のようなエリアの住宅需要・地価が高まっています。
〈住宅需要・地価が高まっているエリア〉
1.都心へアクセスしやすいエリア
⇒JR京浜東北線：さいたま市、川口市
⇒JR武蔵野線：さいたま市、越谷市
⇒西武新宿線：所沢市、川越市
【主な要因】
- 東京都内のマンション価格や家賃が高騰し続けていることから、埼玉県内のマンションに引っ越すケースが多い
- 都心へアクセスしやすいエリアの人気が高まっている
参考：埼玉県「住民基本台帳人口」
総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2022年（令和4年）結果」
2.【チェックリスト付き】埼玉県で高く売れる中古マンションの特徴（2023年度版）
基本的に中古マンションは、建っている場所が「商業施設などが近くにある生活しやすい立地」でなければ高くは売れません。
加えて、埼玉県では以下に掲げた特徴に多く当てはまっているほど、査定額が高くなります。
| チェック項目 | チェック | |
|---|---|---|
| 東京都心へのアクセスが良い | ・都心から30分圏内にある | ✅ |
| 交通の便が良い | ・駅までの交通手段が近くにある ・特急が止まる駅がある 等 |
✅ |
| 周辺環境が良い | ・商業施設、病院、銀行などが近い ・学校、幼稚園が近い 等 |
✅ |
| 使いやすい間取り | ・ファミリー層に使いやすい一般的な間取り ・収納スペース多い 等 |
✅ |
| 駅から近い立地 | ・駅から徒歩10分圏内の物件 | ✅ |
以下の章で、これらの特徴について詳しく解説します。
2-1.［特徴1］東京都心に近くでアクセスが良い
埼玉県内で特に人口の多いさいたま市は、JR京浜東北線・JR武蔵野線線・湘南新宿ラインといった主要沿線が通っており、都心まで電車で約30分というアクセスの良さのため、在宅ワークの定着に伴い人気が上がっています。
ほかにも、川口市や所沢市などの都心に近い市も同様に人気が高まっており、中古マンションの取引件数も集中しています。
2-2.［特徴2］交通の便が良い
マンションから駅まで10分以内や、特急・急行が止まる駅周辺施設へのアクセスがしやすいマンションは高く売れやすいです。
郊外でも駅や周辺施設へのバス停があるマンションは、同様に高く売れやすいと言えます。
2-3.［特徴3］周辺環境が良い
ファミリー層向けのマンションは、周辺環境が良いエリアに建っていると高く売れやすいです。
商業施設や病院、銀行といった生活に必要な施設が近くにあるほか、歩道が整備されていたり小学校・中学校が近くにあるマンションであれば、より購入意欲がアップする物件になります。
2-4.［特徴4］使いやすい間取り
埼玉県では、3LDKのマンションが特に人気があります。マンションのメイン購入者であるファミリー層が使いやすい間取りは、買い手がつきやすいです。
例えば、マンションの間取りの中でも多い「田の字型」の間取りは、漢字の「田」のように中央の廊下を挟んで部屋同士が分かれているため、部屋の独立性を保ちやすく、部屋間での騒音が気になりにくいといった特徴があります。
また、キッチン・トイレ・浴室といった水回りの施設が集まっていることが多く、メンテナンスしやすいのも特徴です。
ただし、収納スペースが十分にないマンションは人気が出にくいため、間取りとあわせて収納スペースも確認しておくとよいでしょう。
2-5.［特徴5］駅から近い立地
一般的に駅に近いほど、人気も価格も高くなります。徒歩10分圏内であれば相場よりも高く売却することが可能でしょう。
埼玉県の場合、浦和駅やさいたま新都心駅など、都心へアクセスしやすい駅に近い物件は特に人気があります。
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3.埼玉県で売れにくい中古マンションの特徴（2023年度版）
| 説明 | |
|---|---|
| 東京都心から遠い | ・都心から1時間以上かかる |
| 交通の便が悪い | ・最寄りの駅までの交通手段がない ・バスの間隔が30分以上あいている 等 |
| 周辺環境が悪い | ・基地、廃棄物処理場などの嫌悪施設が近くにある ・大気汚染や騒音がなどがひどい場所にある 等 |
| 使いにくい間取り | ・部屋数が少ないなど、ファミリー層に使いにくい間取り ・収納スペースが少ない 等 |
| 駅から遠い立地 | ・駅から徒歩20分以上の物件 |
以下の章で、これらの特徴について詳しく解説します。
3-1.［特徴1］東京都心から遠い
埼玉県では、さいたま市や川口市といった都心への交通アクセスがしやすい地域が特に人気があるため、郊外にある地域はなかなか買い手がつきにくいです。
一般的に、通勤や通学に便利な交通の便が良いマンションのほうが好まれる傾向にあり、条件を満たしていないマンションは売れにくく、売れても高値はつきにくいです。
3-2.［特徴2］交通の便が悪い
駅やバス停、国道などの幹線道路までの距離が遠い物件はあまり人気がありません。
ただし、埼玉県の主要都市であるさいたま市に車で30分以内でアクセスできるような物件であれば、比較的売りやすいでしょう。
3-3.［特徴3］周辺環境が悪い
以下のような施設が近い戸建ては、売り出してもなかなか買い手がつきません。
- 墓地・焼却場・米軍基地などの嫌悪施設工場
- ガソリンスタンドなど、においが強い施設
- 高速道路や幹線道路など、排気ガスによる大気汚染の影響がある場所
- 線路横や踏切など、騒音がひどい場所
用語解説
- 嫌悪施設……一般的に、住んでいるところの近くにあると嫌な気持ちになりがちな施設や建物のこと。墓地、焼却場、廃棄物処理場、暴力団関連の建物、など
3-4.［特徴4］使いにくい間取り
マンションの主要な購入者であるファミリー層が使いにくい間取りは、買い手がつきにくいです。
また、ファミリー層に人気のある3LDKよりも狭い物件や、収納スペースが専有面積の8%に満たないなど、使い勝手の悪い間取りの物件はあまり需要がありません。
ただし、新婚・老夫婦といった二人世帯からの需要は見込めるため、ターゲット層を見極めて売り出すと、買い手がつきやすくなります。
3-5.［特徴5］駅から遠い立地
駅から遠い物件は、通勤・通学に不便と見なされ買い手がつきにくい傾向にあります。埼玉県内では、駅から徒歩5分～15分と、比較的駅に近い物件の人気が高いです。
4.【事例で解説】埼玉県で売れにくい中古マンションを売るための対策方法3つ（2023年度版）
埼玉県で売れにくい中古マンションを売るための対策法3つについて、実例でご紹介いたします。
その方法は、次のとおりです。
| 対策方法（例） | |
|---|---|
| 東京都心から遠い | ・周辺環境の良さをアピールする |
| 周辺環境が悪い | ・売却価格を下げて売り出す |
| 使いにくい間取り | ・単身者や夫婦のみの世帯向けに売り出す |
〈事例1〉
東京都心から遠い立地の場合の成功事例
〈概要〉
売主Uさんは、狭山市内に所有していたマンションの売却を決意しました。都内まで1時間以上かかるため、なかなか売れないだろうと考えていましたが、生活の便利さや周辺環境の良さを購入希望者にしっかりとアピールすることで、無事に売却できました。
〈売れたポイント〉
- ・周辺環境の良さをアピールする
- 周辺環境の良いマンションは、埼玉県に限らず、全国的にも売れやすい傾向にあります。
- スーパーやコンビニなどの商業施設
- 小学校などの教育機関
- 病院などの医療機関
これらの施設が徒歩何分圏内にあるか、日常生活に困らないことや子育てのしやすさ、治安の良さをしっかりとアピールするのがポイントです。
〈お客様の声〉
狭山市内で所有していたマンションの売却を決意しました。東京までの通勤に1時間以上かかるため、もっと便利なところに引っ越しをしたかったからです。なかなか売れないのではないかと心配していましたが、駅からそれほど離れていないことや、周辺の商業施設が充実してきたことなどを不動産会社がアピールして買い手を探してくれたので、思っていたよりも早く売却が決まりました。
〈事例2〉
周辺環境が悪い場合の成功事例
〈概要〉
売主Mさんは、川口市内のマンションを相続しましたが、使い道がなかったので売却することになりました。最近、周辺の住民トラブルが多い地域にあるマンションだったため、相場よりも価格を下げて売り出しました。価格の安さと利便性の良さが評価され、3ヵ月後に買い手がつきました。
〈売れたポイント〉
- ・売却価格を下げて売り出す
- 周辺環境が良くない場合は、相場よりも価格を下げることでスムーズに売却することができます。なかなか買い手が見つからない場合は、売却価格の見直しをしてみると良いでしょう。地元の不動産事情に詳しい不動産会社に相談し、買い手のつきやすい適正価格にすることで売れるケースも多いです。
〈お客様の声〉
川口市内のマンションを相続したのですが、使い道がなかったので売却することにしました。近くで外国籍の人（？）とのトラブルがよくあるようなので、不動産会社の人からの提案で少し安めに売り出すことにしました。その方が、あとから値下げするよりも早く売れやすいと教えてもらったからです。結果、3ヵ月後に売ることができました。早く手放すことができて良かったです。
〈事例3〉
使いにくい間取りの場合の成功事例
〈概要〉
売主Tさんは、八潮市内に専有面積約45㎡の2DKのマンションを所有して住んでいました。しかし、実家に戻ることになり売却することになりました。ターゲットを単身世帯や二人世帯に絞って売却活動をしてもらったところ、4ヵ月後に無事売却することができました。
〈売れたポイント〉
- ・新婚向け、老夫婦向けに売り出す
- 埼玉県では、70㎡以上あるファミリー層向けのマンションの人気が高く、それよりも狭い物件は買い手がつきにくい傾向にあります。今回、売却に出された2DKの物件は単身世帯や二人暮らし世帯に需要があるため、単身者や新婚、老夫婦向けとしてターゲット層を絞って売り出していくのが売却を成功させるコツです。
〈お客様の声〉
実家に戻るため、一人暮らしをしていた八潮市内の2DKのマンションを売ることになりました。生活に便利な場所だったのでファミリー層にも需要があるのでは？と思いましたが、専有面積が狭いので単身者や二人世帯をターゲットにすることに。その結果、結婚を機にマンションを探しているカップルが興味を持ってくれて、売り出して4ヵ月後に売却が決まりました。
