戸建ての売却を得意とする不動産会社の現役担当者に実際にアンケートを行い、その回答をランキング形式で紹介しています。
さらに「なぜそのポイントを大事にするのか」、そして「売主にとってどのようなメリットがあるのか」も解説していますので、「売却時に自分の不動産を任せる不動産会社を選ぶ基準」として、ぜひ役立てください。
中古戸建ての売却が得意な
不動産会社が大事にしている事
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位親身になって売主様の相談にのること(20.5%) |
戸建ての家の売却は、通常の住み替えや転勤だけでなく、離婚や生活苦などを理由とする場合もあります。そのような場合にも、売主様に寄り添って親身なって相談にのることを大切にしているという回答が1位という結果でした。 |
2位誠意ある公正なお取引をすること(19.4%) |
家を売却する人の多くが、不正な取引が行われるのでないかと心配しています。査定価格の根拠を説明したり買い手とのやり取りを細かく伝えたりするといった誠意を見せることで、売主に信頼してもらうことが叶います。 |
3位わかりやすく説明すること(18.2%) |
不動産業界で使われている用語はわかりにくいため、専門用語をなるべく使わずわかりやすい説明をすることを大事にしているという担当者の声が3位という結果でした。 |
4位迅速なレスポンスと行動をすること(13.1%) |
すべての連絡に即返事、即レスポンスをすることで、売却のタイミングやチャンスを逃さないようにしているという声が4位に入りました。 |
5位売却後も長く続くお付き合いをすること(11.9%) |
戸建ての場合、売却後に何らかの不具合があるのではないかと心配する売主も多いです。また、住み替え先を同じ不動産会社に依頼することもあるため、売却後も長くお付き合いできるような関係性を築くようにしているという声が見受けられました。 |
6位お客様第一主義を貫くこと(11.04%) |
何においても売主をはじめとするお客様を優先するという「お客様第一主義」を大事にしているという担当者も多いようです。 |
7位売主様が満足するまでお付き合いすること(8.78%) |
売主が満足して戸建てを売却できるよう、できる限り希望や要望を聞いたうえで、とことんお付き合いすることを大切にしているというのがこちらの回答です。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産加盟店へのヒアリングシートによるアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2021年10月〜2023年11月
順位別に戸建ての売却が得意な不動産会社の実際の声&大事にしていることをご紹介
戸建ての売却を得意とする不動産会社の実際の回答とあわせて、そのような会社の現役担当者は、どうしてこのポイントを大事にしているのか、また売主にとってのメリットについてくわしく解説します。
1位(20.5%)親身になって売主様の相談にのること
〈不動産会社担当者の実際の声〉
〈それを大事にしている理由〉
家、特に戸建ては、さまざまな思い出や思い入れを売主が持っていることが多いため、担当者が親身になって売却の相談相手になってくれるとうれしいものです。
たとえば、「長年暮らした家を取り壊さずに売りたい」と売主が希望するケースがあるとします。しかし、戸建ての場合築30年頃から建物の価値はほとんどなくなってしまうため、何とか家を残して売ろうとしてもうまく売れず、泣く泣く妥協することにもなりかねません。
そのような場合に、売主の事情を十分に汲んでくれる担当者だと、多様な着眼点を持って売却を進めてくれるため、売りにくい物件でも成約しやすく、売主は「自分の物件が大切に扱ってもらえている」という安心感も得ることが出来ます。
2位(19.4%)誠意ある公正なお取引をすること
〈不動産会社担当者の実際の声〉
〈それを大事にしている理由〉
戸建ては、土地だけでなく建物部分の査定・評価が必要です。築年数によっては建物の評価額が大きく下がるため、建物価格について売主が納得しにくいケースがよくあります。
実際にはその「低い査定額」でないと買い手がつかないのに、高めの額で売却を試みて売却成約までの期間が長びくこともしばしばです。
しかし、担当者が売主に過度に媚びることなく、誠意のある態度で公正な査定や妥当な売り出し価格の設定をすれば、売主も買主も適正な価格・期間内で満足した取引ができます。
まさに中古戸建の売却を円滑に進めるには、この価格に対する「誠意や公正」のある態度が重要です。
不動産会社や担当者の選び方や見極めるポイントについては、「戸建てやマンションの売却はどこがいい?不動産売却に強い不動産会社の選び方、探し方を解説!」「不動産会社や担当者を変えたい!変更方法と注意点についてまとめた」でくわしく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。
3位(18.2%)わかりやすく説明すること
〈不動産会社担当者の実際の声〉
〈売主にとってのメリット〉
不動産業界は専門用語や独特の言い回しが多いので、できるだけ一般的な表現でわかりやすく説明することを心かげているようにしている担当者が多いようです。
理解しにくい点を詳細に解説してもらうことによって、売主自身が納得しながら取引を進めていけるようになります。
さらに、売却方法や取引についてのメリット・デメリットについてもわかりやすく説明をしてもらうことで、結果、売主の選択肢が増え、より条件の良い売却に結び付けることができるという傾向も見受けられます。
4位(13.1%)迅速なレスポンスと行動をすること
〈不動産会社担当者の実際の声〉
〈売主にとってのメリット〉
迅速なレスポンス・行動をしている会社の担当者は、気にかかったことがあればすぐに対応してくれるため、自分の不動産が今どのような状態なのかを遂一確認でき、安心して売却を進めることができます。
また、好条件の買主が現れたときも素早い対応をしてもらえるため、売却の好機を逃しません。
買主の引き止めに失敗して売却のチャンスがなくなり、その結果、妥協した価格や条件で売らざるを得なくなるといった事態を防げるため、好条件での売却が叶えられるようです。
5位(11.9%)売却後も長く続くお付き合いをすること
〈不動産会社担当者の実際の声〉
〈売主にとってのメリット〉
戸建ての売却理由には住み替えや買い替えが多いこともあるため、売却後も不動産会社との関係性が続いていると、売却後に物件を探す予定がある場合に頼りになると言えます。
また売却後にトラブルがあった時にも、売主として取るべき対策を教えてもらうことも可能です。
売却後に物件に白アリ被害や雨漏りなどが見つかってトラブルになるなど、契約内容によっては契約不適合責任が問われることもあります。
このような事態に備えるためにも、売却前に売主側が会社と買主に家の状態をしっかり伝えておかなければなりません。
しかし、売主の多くは売却は未経験のため、意図せずして窮地に陥ってしまうこともあります。
売却後の付き合いを大切にしている会社はそのようなことがないよう、よく気を遣っていることがほとんどです。
防止策を教えてもらえるだけでなく、万が一何かあった時でも専門家を立てるなどの対策を取ってもらえるため、安心できます。
契約不適合責任については、「契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いを確認」で説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
6位(11.6%)お客様第一主義を貫くこと
〈不動産会社担当者の実際の声〉
〈それを大事にしている理由〉
お客様第一主義を貫く担当者は、売主の要望を最大限に重んじてくれるため、売却のより多彩な方法を考え、提案してくれます。
売主への気遣いや配慮が足りない会社だと、売主側の「できるだけ好条件で売りたい」「ローンの返済のために少しでも高く売りたい」といった事情があっても、不動産会社の都合を優先されるといったことにもなりかねません。
「お客様第一主義」を大事にしている担当者だと、希望の売却を断念せずにすむ確率が高まり、納得感のある売却が実現しやすくなるため評判も良く、さらに買主も集まりやすいと言えるでしょう。
7位(5.3%)売主様が満足するまでお付き合いすること
〈不動産会社担当者の実際の声〉
〈それを大事にしている理由〉
思い入れのある家であればあるほど、売主の売却に対するこだわりや要望は強くなりがちです。
そのような売主の思いに寄り添って売却をサポートしてくれる担当者だと、納得したうえで満足のいく売却が実現できる率が高くなります。
不動産取引はほとんどの売主にとって初めてのことであり、知識や経験が十分でないのが普通です。そのため想定外の事態が起きたときは混乱してしまいます。
そのような時に、事態が起きている原因を説明し、解決法や対策などを提案して売主の満足がいくまで考えさせてくれる担当者だと、焦って決断するようなことがないため、希望通りの売却も叶いやすいと言えます。
この記事のポイントまとめ
このアンケート調査で分かったことは、次のとおりです。
- 戸建ての売却が得意な不動産会社の担当者が、売却を依頼されたときに心がけていることで一番多かった回答は、「親身になって売主様の相談にのること」で、総回答数のおよそ2割という結果だった。
- 2位に「誠意ある公正なお取引をすること」が入っていることから、戸建ての査定は不明瞭なことが多いため、価格設定についてきちんと説明をし、売主から納得してもらうことが円滑に取引を進めるための肝だと多くの担当者が認識していることがうかがえる。
- 戸建ての売却のチャンスを逃さないためにも、売主だけでなく買主からの連絡にも「即レス、即対応」を心がけていると回答した担当者も多かった。