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【2023年度版 詳細解説】全国の土地売却価格相場・動向

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【2023年度版 詳細解説】全国の土地売却価格相場・動向

この記事では、全国の

  • 土地の売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向

という、土地を売る際に知っておきたい基本知識に加え、

  • 高く売れる土地の特徴
  • 売れにくい土地の特徴
  • 売れにくい土地を売るための対策方法

について知ることができます。

全国の「土地の売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「全国の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。

もくじ

この記事のポイントまとめ

1.2023年現在の土地の売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向(全国)

2023年度の、売却成約までにかかった期間は平均約6.1ヵ月、平均売却価格は約1,810万円です。

2023年現在の土地売却価格・相場は、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも上昇しており、特に住宅地の価格は2021年ごろから増加傾向にあります。

くわしくは「1.2023年現在の土地の売却成約までにかかった期間および売却価格・相場の動向(全国)」をご覧ください。

2.高く売れる土地の特徴(2023年度版)

高く売れる土地の特徴は、一般的に以下のとおりです。

  • 土地の形が良い
  • 法的な制限が少ない
  • 隣地との境界が明確
  • 地盤・自然災害に強い
  • 日当たり・風通しが良い
  • 車が出し入れしやすい

上にあげたような特徴が多くあてはまり、なおかつ「駅や商業施設などが近くにある生活しやすい」場所にある土地だと査定額が高くなります。

くわしくは、「2.【チェックリスト付き】高く売れる土地の特徴(2023年度版)」をご覧ください。

3.売れにくい土地の特徴(2023年度版)

売れにくい土地の特徴としてあげられるのは、一般的に次のようなものです。

  • 土地の形が悪い
  • 法的な制限がある
  • 周辺環境が悪い
  • 土壌汚染のリスクがある
  • 自然災害のリスクが高い
  • 市街化調整区域にある

くわしくは、「3.売れにくい土地の特徴(2023年度版)」をご覧ください。

4.売れにくい土地を売るための対策方法(2023年度版)

最後に、売れにくい土地で一般的に問題になりやすい次の3点について、少しでも高く、早く売るための対策方法をご紹介します。

  • 土地の形が悪い
  • 境界が不確定
  • 再建築不可の土地

その方法は、次のとおりです。

【全国版 売れにくい土地を売る対策方法の例】
対策方法(例)
土地の形が
悪い
・分筆して整形地にする
境界が
不確定
・売却前に境界を確定させる
再建築不可の土地 ・宅地以外で利用する業者に売却する

4.【事例で解説】売れにくい土地を売るための対策方法(全国・2023年度版)」の章で、くわしくご覧いただけます。

1.2023年現在の土地の売却成約までにかかった期間および売却価格・相場の動向(全国)

1-1.土地の売却成約までにかかった期間(全国)

2023年度の土地の売却成約までにかかった期間は以下の通りです。

【全国 土地の売却成約までにかかった期間】
全国平均
土地の売却成約までにかかった期間 約6.1ヵ月

不動産は、「マンション>戸建て>土地」の順に売れやすく、土地の場合、以下のような理由から売却期間が長くなりがちです。

  • 境界の調査や確定に時間がかかる
  • 古い家が建っている場合、解体して更地にしてから売買契約を結ぶケースもある

参考として実際に売却成約した売主のアンケートを見ると、全体の半数以上が1年以内に契約しているものの、2年を超えるケースも一定数認められていることが分かります。

【全国版 土地の売却にかかった期間アンケート】
順位 売却にかかった期間 割合
1位 6ヵ月以内 33.5%
2位 1年以内 24.3%
3位 2年以内 17.2%
4位 2年より長い 13.2%
5位 3か月以内 11.8%

※イクラ不動産の利用者アンケートより

1-2.2023年現在の土地の売却価格・相場の動向(全国)

2023年度の土地の平均売却価格は以下の通りです。

【全国 土地の売却価格・相場】
土地売却価格・相場
土地売却価格・相場 約1,810万円

国土交通省が2023年3月に発表した公示地価によると、2023年現在の土地の売却価格・相場の動向(全国)は次のような傾向です。

〈2023年の土地売却価格・相場の動向(全国)〉

2023年公示地価は、
全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年連続で上昇。
【おもな要因】

  • 低金利
  • コロナ禍が落ち着いたことにより観光地などの地価が回復
  • 政府による住宅ローン控除
    (※2022~2023年に新築住宅に入居した場合に限り、控除期間が13年に延長されるというもの)

新型コロナウイルスの影響で下落傾向であった地価は、コロナ禍が落ち着いたことも影響して、2021年後半から徐々に回復の兆しを見せ、2023年では2年連続で平均地価が上昇しています。

全国の広いエリアで用途に関わらず地価の上昇がみられ、特に観光地では観光客が回復したことから商業地の需要が高まっています。

また、次のようなエリアの住宅需要や地価が高まっています。

〈住宅需要・地価が高まっているエリア〉

1.千葉、神奈川、埼玉等に代表される郊外エリア
⇒特にオフィス街への通勤時間が1時間程度のエリア
2.地方でも、以下の条件に当てはまるエリア
⇒交通利便性が良く、住環境の良いエリア
⇒ターミナル駅近くや再開発が進んでいるエリア
【おもな要因】

  • 生活スタイルの多様化により郊外地域にも需要が増えた
  • 観光客の回復などにより商業地の地価が上昇した

2.【チェックリスト付き】高く売れる土地の特徴(2023年度版)

基本的に、土地は「駅や商業施設などが近くにある生活しやすい立地」でなければ高くは売れません。

加えて、次に掲げた特徴に多く当てはまっているほど、査定額が高くなります。

【全国版 高く売れる土地の一般的な特徴 チェックリスト】
チェック項目 チェック
土地の形が良い ・正方形や長方形に近く、建物が建てやすい形をしている
法的な制限が少ない ・建てられる建物の自由度が高い
隣地との境界が明確 ・境界標が設置されている
地盤・自然災害に強い ・田んぼや池、沼などの埋立地でない
・水害が起こりにくい地域である など
日当たり・風通しが良い ・開口部側に高い建物がない
・湿気が溜まりにくい など
車が出し入れしやすい ・駐車スペースから幹線道路まで、車を出し入れしやすい

これらの特徴について解説します。

2-1.[特徴1]土地の形が良い

土地は正方形や長方形に近い形をしていると、無駄なスペースが生じにくく、敷地を最大限に活用することができるため高く売れやすくなります。

2-2.[特徴2]法的な制限が少ない

建築基準法や市区町村の条例による縛りがない土地は、建てられる物件の自由度が高いため査定額が高くなります。

反対に、法的な制限がある土地は、建物の大きさや高さ、種類などが細かく制限されているため、売れにくいです。

2-3.[特徴3]隣地との境界が明確

境界標が設置されているなど、隣地や道路などとの境界が確定している土地は高く売れやすくなります。

境界が確定していない土地の場合、売買の際に隣地の住人とのトラブルが生じたり、境界を確定するための調査に時間や費用がかかったりすることがあるため、高価格で売れにくいです。

2-4.[特徴4]地盤・自然災害に強い

日本は地震や水害が多いため、地盤が強固で自然災害に強い土地は高く売れます。

洪水、土砂災害、高潮、津波といった自然災害が起こりやすい土地かどうかは、国土交通省が公開している「ハザードマップ」で確認できます。

地盤については、ジャパンホームシールドが公開している「地盤サポートマップ」で調べることが可能です。売却前に、確認しておいても良いでしょう。

2-5.[特徴5]日当たり・風通しが良い

日当たりや風通しの良さは生活環境を向上させるだけでなく、家などがカビやシロアリの被害に遭いにくくなるといったメリットもあります。

2-6.[特徴6]車が出し入れしやすい

自宅に駐車場を確保するために土地の購入を検討する人も多くいるので、車の出し入れがしやすいと高く売れやすくなります。

土地から接面している道路に車が出しやすいかどうかだけでなく、

  • 幹線道路まで車が行き来しやすい
  • 急な曲がり角や一方通行の道が周辺にない

といった条件も満たされているとより一層高く売れやすいです。

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3.売れにくい土地の特徴(2023年度版)

売れにくい土地の特徴としては、一般的に次のようなものがあげられます。

【全国版 売れにくい土地の一般的な特徴一覧表】
説明
土地の形が悪い ・三角地や旗竿地といった不整形地
法的な制限が強い ・再建築不可
・高さ制限などの法的な制限が強い 等
周辺環境が悪い ・墓地、廃棄物処理場などの嫌悪施設が近くにある
・大気汚染や騒音がなどがひどい場所にある 等
土壌汚染のリスクがある ・ゴミの埋め立て地や工場など、土壌汚染のリスクがある場所にある
市街化調整区域にある ・建物を自由に建てられない市街化調整区域の土地(田畑などの農地を含む)

これらの特徴についてくわしく解説します。

3-1.[特徴1]土地の形が悪い

三角地や旗竿地といった不整形地は、「整形地に比べて、実際に活用できる面積が狭い」、「建物が建てにくい」など、使い勝手が良くないため売れにくいです。

旗竿地の査定については、「土地が旗竿地(専通)の場合の査定方法についてまとめた」でくわしく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。

用語解説

  • 三角地……三角形の土地
  • 旗竿地……前面道路と細長い通路でつながっている、ちょうど旗のような形の土地

3-2.[特徴2]法的な制限が強い

法的な制限が強い土地だと建てられる建物の自由度が低くなるため、売れにくい傾向があります。

特に再建築不可の土地の場合、価値や価格は極端に低くなります。

現在の建築基準法に適っていない等の理由で、今の建物を取り壊すと新たに建て直すことができないほか、増築、増床も自由にできず、リフォームやリノベーションにも制限がかかるためです。

再建築不可物件については、「再建築不可物件は売却できる?相場は?再建築を可能にする方法」でくわしく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。

用語解説

  • 再建築不可物件……現在家が建っていたとしても、現行の建築基準法における接道義務を満たしていないなどの理由のため、取り壊してしまうと新たに建てることができない物件のこと
  • 建築基準法……1950年に策定された、建物を建てる際や利用する際に守らなければならない最低限のルール。古い建物の場合、現在の建築基準法に沿って建てられていないものもある

3-3.[特徴3]周辺環境が悪い

次のような施設が近くある土地の場合、売り出してもなかなか買い手がつかないことがあります。

  • 墓地・焼却場・暴力団事務所などの嫌悪施設
  • 工場・ガソリンスタンドなど、においが強い施設
  • 高速道路や幹線道路など、排気ガスによる大気汚染の影響がある場所
  • 線路横や踏切など、騒音がひどい場所

用語解説

  • 嫌悪施設……一般的に、住んでいるところの近くにあると嫌な気持ちになりがちな施設や建物のこと。墓地、焼却場、廃棄物処理場、暴力団関連の建物、など

3-4.[特徴4]土壌汚染のリスクがある

以前にゴミの埋立地であったり薬品工場の敷地だったりするなど、土壌汚染のリスクが懸念されるような場合は、あらかじめ専門の調査機関で調べておくなどの措置を取りましょう。

万が一、汚染が明らかになれば、そのままでは宅地として売れないため、土壌改良をする、宅地以外で売却するといった対処が必要です。

3-5.[特徴5]市街化調整区域にある

市街化調整区域には、原則として、許可なく家をはじめとする建物を建てることはできません。

今、建っている家が市街化調整区域に入っているケースもあり、その場合、売れたとしても値段はかなり安くなってしまいます。

市街化調整区域にある物件の売却については、「市街化調整区域にある家や土地の売却方法についてわかりやすくまとめた」でくわしく説明しています。ぜひ読んでみてください。

用語解説

  • 市街化調整区域……都市計画法により、市街化を抑制すべきとされている区域

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4.【事例で解説】売れにくい土地を売るための対策方法(全国・2023年度版)

最後に、売れにくい土地で一般的に問題になりやすい次の3点について、少しでも高く早く売るための対策方法をご紹介します。

  • 土地の形が悪い
  • 境界が不確定
  • 再建築不可の土地

その方法は、次のとおりです。

【全国版 売れにくい土地を売る対策方法の例】
対策方法(例)
土地の形が悪い ・分筆して整形地にする
境界が不確定 ・売却前に境界を確定させる
再建築不可の土地 ・隣地の所有者に売却する
・宅地以外で利用する業者に売却する

〈事例1〉
土地の形が悪い場合

〈概要〉

売主Aさんは不整形地を所有していましたが、分筆することで整形地を作り、売却実現につなげました。

〈高く売れたポイント〉

・分筆して整形地にする
分筆とは、一つの土地を分割して、それぞれ単独の名義にすることです。
売却しようとする土地がある程度の広さである場合、分筆して整形地を作り出すという手があります。
余った土地に関しては、駐車場にして貸し出すなど、土地活用をすることも可能です。

〈お客様の声〉

売却したい土地が変な形で困っていました。売却を依頼した不動産会社の担当者の人に、分筆して整形地にしてから売却するというアドバイスをもらい、長い間買い手がつかなかった土地を売却できました。整形地にした残りの土地は、台数は少ないですがコインパーキングにしました。無駄なく活用できてよかったです。

〈事例2〉
境界が不確定な場合

〈概要〉

売主Bさんが相続した土地は、境界線が不明確でした。そこで、測量の手続きもしてくれる不動産会社に売却を依頼して境界を確定し、売却につなげることができました。

〈高く売れたポイント〉

・売却前に境界を確定させておく
土地の境界を確定するには、次の3つの方法があります。

  • 法務局で調べる
  • 測量士に測量してもらう
  • 土地家屋調査士に調査してもらう

法務局で、登記記録や地積測量図から境界を確定できる場合もありますが、売却の予定がある場合は、測量士や土地家屋調査士と連携がある不動産会社を選び、境界確定をしてもらうとスムーズです。

〈お客様の声〉

相続した土地の登記簿が古くどこが境界かわからない状態でした。でも、不動産会社の担当者の人がすべての手続きを行ってくれて、こちらは境界確定の立会いをして報告と説明を受けるだけで売却までこぎつけられました。相続に強く、測量サービスのある不動産会社にお願いしてよかったです。

〈事例3〉
再建築不可の土地の場合

〈概要〉

売主Cさんは古い家の売却を考えていましたが、敷地が再建築不可のため、更地にして売却することができずに困っていました。そこで、不動産会社に相談をし、再建築不可の状態でも売却できる土地活用のアドバイスを受けて売却を成功させました。

〈高く売れたポイント〉

・宅地以外の活用方法で売却する
現在の建築基準法を満たしておらず、新たに家を建てることができない土地であっても、駐車場など、ほかの用途に使える場合があります。

〈お客様の声〉

相続した実家を空き家のまま放置していたので、建物はとても住める状態ではありませんでした。更地にして売りたかったのですが、再建築不可の土地とのことでどうしようかと困っていたところ、売却を相談した不動産会社から隣にある店舗の駐車場としてニーズがあることを教えてもらいました。その結果、駐車場を経営している会社に無事に売ることができ、店舗用の駐車場として活用してもらっています。