神奈川県の「戸建てを売却した理由」について、売主様アンケートの回答をランキング形式で紹介し、あわせて買主への上手な売却理由の伝え方を解説します。
神奈川県の「戸建ての売却相場・動向データ」や「売却実績事例データ」を知りたい方は、「神奈川県の土地・中古戸建て売却価格の相場と動向をやさしく解説」に掲載しているので、ぜひご覧ください。
戸建てを売却した理由
ランキングTOP7
順位 | ポイント |
---|---|
1位 住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて) (35.3%) |
神奈川県における戸建て売却理由の第1位は「住み替え」でした。 ベッドタウンにある戸建てに暮らしていた方が、年齢を重ね、将来を考えて街に住み替えるケースも見受けられます。 |
2位売り時だと思ったから (23.3%) |
土地価格相場によると、神奈川県の57地点中51地点で基準地価の変動率が上昇しています。インバウンドの回復により、箱根、鎌倉といった観光地の人気や需要も上昇傾向です。 |
3位 転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)(14.4%) |
第3位は「転勤・転職」という結果でした。「人口移動報告」によると、2022年に神奈川県から県外へ転出した人の数は約21万にのぼります。戻ってくる予定がない転勤の場合、自宅を売却するケースが多いようです。 |
4位 離婚・別居 (10.9%) |
「人口動態調査」によると神奈川県の離婚率は1.42(人口千対:2022年)です。金銭トラブルの心配をなくし、お互いすっきりと再出発するために、住んでいた家を売却することが多いようです。 |
5位 相続関連 (8.3%) |
第5位の売却理由は「相続」です。神奈川県において、相続を理由とする戸建ての売却は件数としては少ないものの、一般的によくある売却理由の一つです。相続したけれどすでに持ち家があって住まない場合や、複数の相続人で家を分割したい場合は売却することが多いようです。 |
6位その他 (4.5%) |
その他の売却理由の一つとしてあげられるのが、投資用物件の売却です。不動産投資を続けていくと、ライフステージの変化によって売却を迫られるケースも一定数あります。 |
7位 ローンの返済苦など金銭的な理由(3.3%) |
神奈川県の景気情勢は上昇傾向ですが、家の修繕、家族の病気、税金・物価の高騰など、突発的な支出に対応できずに、住宅の維持が難しくなることもあるようです。 |
- <調査概要>(データ参照元)
- イクラ不動産で不動産を売却した売主様に向けたアンケート調査
- <実施方法>
- 実施日 2022年10月〜2023年11月
順位別に実際の売主様の声&買主への上手な伝え方をご紹介
こちらでは、戸建て売却を決めた売主の実際の回答に加えて、売却理由別に買主への上手な伝え方を解説しています。
1位(35.3%)住み替え(家族の変化・より良い住まいを求めて)
〈売主様の実際の回答・声〉
通勤・通学のために、駅近への住み替えをしたくて売却を決意しました。必ず売りたかったわけではなく、良い物件があればとローン完済と住み替え費用の確保を条件に設定しました。売り出しから1年近く売れなかったのですが、不動産会社の人が辛抱強く売却活動をしてくれたおかげで、希望価格で売却できました。
〈買主への上手な伝え方〉
住み替えを理由とする戸建て売却は、どの都道府県においても上位にランクインするメジャーな理由のため、買い手に正直に伝えて問題ないでしょう。
買い替えや住み替えの相談については、「家の買い替え・住み替えの相談はどこにするべき?」で、また買い替え全般については、「【買い替え(住み替え)×自宅売却まとめ】流れと成功のコツ・考え方を基本から解説」で詳しく説明しています。
2位(23.3%)売り時だと思ったから
〈売主様の実際の回答・声〉
賃貸併用住宅(投資物件)の売却を行いました。永住するために購入した戸建ではなかったので、土地の価格が上がっている今なら売り時だと思い売却を決断しました。依頼した不動産会社では、収益性のある物件として賃貸に出した場合の利回りまで考えて査定金額を提示してくれ、今回の売却で利益を得ることができました。
〈買主への上手な伝え方〉
収益物件に適した売り時を理解しておかないと、大きな損失につながる恐れがあります。ただし、売主にとっての売り時は、買主にしてみると買い時ではないかもしれません。買主には、資産整理のためと伝えておけば十分でしょう。
3位(14.4%)転勤・転職(仕事や勤務地の変化など)
〈売主様の実際の回答・声〉
急な転勤で、自宅を不動産会社に買い取っていただくことにしました。急ぎの場合は相場より下がる覚悟はしていましたが、築浅、駅近と言う事もあり、即決で納得いく価格で売却でき大変満足しました。
〈買主への上手な伝え方〉
転勤・転職を理由とする戸建て売却はメジャーで悪い印象を与えないため、そのまま正直に伝えて問題ありません。
転勤による売却については、「転勤で持ち家はどうする?売却と賃貸の流れと判断基準、高く売る注意点は?」でくわしく説明しています。ぜひ読んでみてください。
4位(10.9%)離婚・別居
〈売主様の実際の回答・声〉
離婚して今の家に一人で住み続けるには広すぎるし、ローンの負担も多かったので売却を決めました。相場を調べて同じような物件より、少し安めに売出し価格を設定したのが早い売却につながったと思います。住宅ローンを完済して、なお少し売却代金が残ったので財産分与しました。
〈買主への上手な伝え方〉
離婚・別居を理由とする戸建ての売却は、「縁起が悪い」と敬遠する人もいます。素直に買い手に伝えてしまうとなかなか成約に至らない可能性もあります。
基本的に、説明が義務付けられた以下の4つの瑕疵にあたらず、物件そのものに関係がないのであれば、個人的な理由を説明する必要はありません。「住み替え」などと濁して伝えるほうが良いでしょう。
瑕疵の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
心理的瑕疵 | 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 | ・過去に自殺や事故があった物件 ・嫌悪施設の跡地 等 |
法律的瑕疵 | 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 | ・再建築不可物件 ・建築基準法違反 ・市街化調整区域に建っている 等 |
物理的瑕疵 | 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 | ・耐震強度不足 ・地中埋設物 ・シロアリによる被害・ヒビ、水漏れ 等 |
環境瑕疵 | 物件を取り巻く環境に問題がある場合 | ・隣人トラブル ・嫌悪施設の付近である ・騒音がある 等 |
離婚による売却については、「【離婚×不動産まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説 」でまとめて説明しています。ぜひ読んでみてください。
5位(8.3%)相続関連
〈売主様の実際の回答・声〉
実家が空き家になり、維持管理が大変なため売ることにしました。元々、ご近所の方で購入したいと仰る方がいたので、不動産屋さんに仲介に入っていだきながらお話を進めました。直接のやり取りをせずに済んだのでトラブルもなくスムーズに売却することができました。
〈買主への上手な伝え方〉
相続による売却は、比較的多い売却理由としてあげられます。正直に伝えたからといって買主がネガティブなイメージを抱くことはほとんどないと言えます。
ただし、室内で自殺があったり孤独死の発見が遅れたりして事故物件になった場合は、必ず買主に伝えなければなりません。不動産会社に相談をして、上手に伝えてもらいましょう。
事故物件になった場合の売却については、「事故物件を売るには?売却方法を徹底解説!相場価格や買取のコツも紹介」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
6位(4.5%)その他
〈売主様の実際の回答・声〉
家の前の道路がトラックの往来が多く購入当初から揺れに悩まされてきました。ローンの残債が残るのが不安で踏み切れませんでしたが、残債が残らない可能性が高まったところで売却を決意しました。売れるまで少し時間がかかりましたが、ほぼ希望した価格で売却できました。
〈買主への上手な伝え方〉
ネガティブな要因がある場合は売却価格にも大きな影響を与えてしまいます。不動産会社に相談をして、上手に伝えてもらいましょう。
7位(3.3%)ローンの返済苦など金銭的な理由
〈売主様の実際の回答・声〉
事業がうまくいかずローンの返済が厳しくなったため、 売却を考えました。土地が旗竿地だから近隣の半額以下を覚悟しましたが、相場価格に近い額で売却できました。最後まで諦めないで良かったです。
〈買主への上手な伝え方〉
買主の購入に影響を与えないのであれば、売主のプライベートな理由を特に伝える必要はありません。買主から売却理由を聞かれたら、「住み替えのため」と答えを濁しても問題ないでしょう。
この記事のポイントまとめ
今回のアンケート調査からわかったことは、次のとおりです。
- 神奈川県の戸建ての売却理由は、「住み替え」が1位という結果だった
- 神奈川県でも基準地価が上昇傾向のため、今が売り時だと売却に踏み切るケースも多い