お金が必要なので家を売りたいけれど、できれば引っ越しをせずに、今の家に住み続けたい、と考えている人がいるかもしれません。
そのような人におすすめなのが、リースバックです。
リースバックを利用すれば、家を売って売却代金を受け取ったあとも、使用料(家賃)を支払いながらそのまま住み続けることができます。
ここでは、「家を売っても住み続けられる」リースバックの利用方法やメリット・デメリット、リースバックでお困りごとを解決した事例、利用時の注意点などをわかりやすく説明します。
- リースバックの仕組みと、どのようなメリット・デメリットがあるのかについてわかる
- リースバックを利用する際のチェックポイントや注意点についてわかる
- リースバックを使った家のお悩みごとの解決事例がわかる
- この記事はこんな人におすすめ!
- 家を売却したお金が必要だが、できれば今の家から引っ越しをせずに住み続けたい人
- リースバックの仕組みやメリット、デメリットなどをくわしく知りたい人
- リースバックを使った、実際のお悩みごと解決事例を知りたい人
不動産売却について基本から解説
- リースバック大手おすすめ業者7選を徹底比較!サービスの違いや特徴を紹介
- リースバックの失敗・後悔事例7つ│トラブルの回避法・失敗しないコツも紹介
- リバースモーゲージとは?家に住み続けながら老後資金を借りられる
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もくじ
1.「家を売っても住める」リースバックとは?
- リースバックとは、家を売却して売却代金を受け取ってから、賃貸として今の家にそのまま住み続けられる売却方法
- リースバックのおもなメリットは、すぐに家の売却代金を受け取れる点と、引っ越しをせずに今の家に住み続けられる点
- リースバックのおもなデメリットは、売却額が相場価格よりも安くなる点と、賃貸契約内容によっては長く住み続けられないことがある点
まず、「家を売っても住める」リースバックとはどのようなものか、わかりやすく説明します。
1-1.リースバックの仕組み
リースバックとは、家を売却しても、使用料(家賃)を支払いながらそのまま住み続けられる売却方法です。
通常、家やマンションといった不動産を売却すると、所有権がなくなるため明け渡さなければならず、当然、住み続けることはできません。
しかし、リースバックを利用すれば、家を売却しても、新たに所有者となった買い手から家を借りるという形で、引っ越しをせずに、今の家に住み続けることができます。
近年、リースバックは高齢者世帯の住み替えや金銭問題を解決する売却方法として、利用が増加しています。
そこで、国土交通省ではトラブル防止の観点から、リースバックの適切な活用方法や注意点などをまとめた「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表しました。
リースバックの利用を検討している方は、ぜひ一度確認してみてください。
国交省報道発表資料:住宅のリースバックに関するガイドブック」 を公表しました
1-2.リースバック利用の流れと必要な期間
リースバック利用の大まかな流れと利用時に必要となる期間は、次のとおりです。
リースバックの流れ | 具体的な内容 | 売り手がやるべきこと | 期間 |
---|---|---|---|
①買取額の査定 | 金融機関や不動産会社、リースバック業者が家の査定を行い、買取額(売却代金)を提示する |
|
数日〜数週間程度 |
②売買契約の 締結 |
買取額や諸条件が合えば売買契約を結び、所有権が売主から金融機関やリースバック会社に移る |
|
査定〜数日(即日の場合もある) |
③賃貸借契約の締結 | 金融機関やリースバック会社が貸主、売主が借り主となり、家の賃貸借契約を結ぶ |
|
即日(売買契約と同時) 〜住み続けている間 |
④リースバック終了(以下のどちらかになる) |
|||
買い戻す場合 |
リースバックの契約時に取り決めていた買戻し額を支払えば、所有権を売主に戻すことができる |
|
数年(契約時に定められた期間内) |
退去する場合 | あらかじ定められた賃貸期間が過ぎた場合、買戻しをしなければ退去となる |
|
数年(契約時に定められた期間内) |
こちらからもわかるように、仲介での売却のように買い手を探す必要がないため、不動産会社やリースバック会社との契約条件さえ整えば、最短、数日間でリースバックを利用することできます。
さらに、リースバックなら引っ越しもせずに済むため、引っ越しにかかる手間や時間、費用も不要です。
1-3.リースバックのメリットとデメリット
次に、リースバックのメリットとデメリットについて説明します。
1-3-1.リースバックのメリット
リースバックのメリットとして、次のような7つの点があげられます。
- 家の売却代金として、まとまったお金が手に入る
- 売却しても、今の家に住み続けられる
- 売却したお金は何に使っても自由
- 利用にあたり、年齢制限や年収制限なし
- 固定資産税や管理費用がかからなくなる
- 引越しや住み替えの費用がかからない
- 将来的に、買い戻すこともできる
家の売却代金が一度に受け取れる点と、今の家に住み続けられる点が、リースバックの最大のメリットです。
特に学校に通っている子供がいる家庭の場合だと、家を売って引越しすることで学校区が変わり、転校しなければならないこともあります。
その点、リースバックであれば引越しや転校の心配がなくなるため、家族への負担が少なくなると言えるでしょう。
1-3-2.リースバックのデメリット
メリットがある一方で、次のような点がリースバックのデメリットとして次の4つがあげられます。
- 仲介で売却するより、家の売却代金(買取額)が安くなる
- 定期賃貸借契約の場合、定められた期間が過ぎると退去しなければならない
- 不動産の所有権がなくなる
- 買い戻す際の額が売却した際の額よりも高くなる
リースバックの2大デメリットは、売却額が相場価格よりも安くなることと、賃貸契約内容によっては住み続けられないことです。
これらのデメリットを踏まえておかないと、リースバックの利用を後悔することになりかねません。
リースバック会社を選ぶときは、このようなデメリットや注意点を踏まえおくことが大切です。
リースバック大手業者については、「リースバック大手おすすめ業者7選を徹底比較!サービスの違いや特徴を紹介」で詳しく説明しています。
また、どのリースバック会社を選べば良いのかわからない場合は、イクラ不動産にぜひご相談ください。
宅建士の資格を持ったイクラ不動産の専任スタッフが、あなたの状況をしっかりとお聞きしたうえで、中立な立場から適切なアドバイスをさせていただきます。
また、イクラ不動産独自の価格シミュレーターを使えば、簡単に素早く相場価格を調べることが可能です。もちろん、無料&秘密厳守でご利用いただけます。
ご希望の方には、リースバック会社や不動産会社をご紹介いたしますので、お気軽にご相談ください。
2.リースバックの利用時に、確認しておくべき4つのポイント
- リースバックで押さえておくべきポイントは、買取額、家賃、賃貸契約内容、買い戻し額の4点
- リースバックでの売却額の相場は相場価格の7割程度、年間の家賃は売却額の5〜10%程度のことが多い
- 定期借家契約でリースバックをすると賃貸の契約更新ができないため、長く住み続けたいのであれば普通賃貸借契約を結ぶ
リースバックで押さえておくべきポイントは、次の4つのポイントの確認が必要です。
- いくらで売れるのか(買取額)
- いくらで借りられるのか(家賃)
- いつまで住めるのか(賃貸契約内容)
- いくらで買い戻せるか(買い戻し額)
具体的にどのようなことを確認しておくべきなのか、一つずつくわしく説明します。
2-1.買取額(いくらで売れるのか)
まず、リースバックを利用する際の重要な確認ポイントとして、買取額(家がいくらで売れるのか)があげられます。
リースバック会社の条件や物件の状態にもよりますが、一般的に家やマンションをリースバックで買い取ってもらう場合の買取額は、市場相場価格の7割程度になることが多いです。
たとえば、仲介、買取、リースバックで、市場相場価格が2,500万円の家を売却した場合、査定額と売却にかかる期間の目安は次のようになります。
売却方法 | 相場価格2,500万円の物件の場合 | 売却にかかる期間 |
---|---|---|
仲介 | 2,500万円程度(ほぼ相場価格) | 3ヵ月〜1年(1年以上かかることもある) |
買取 | 1,750万円程度(相場価格の7割程度) | 数日〜数週間程度(即日の場合もある) |
リースバック | 1,750万円程度(相場価格の7割程度) | 数日〜数週間程度(即日の場合もある) |
2-2.家賃(いくらで借りられるのか)
次に、家賃(いくらで借りることができるのか)を確認しておかなければなりません。
リースバックを利用して売却した家やマンションを借りる場合の賃料は、売却額(買取額)の5〜10%程度の間で設定されることが多いです。
この割合は、買取額と同様、リースバック会社や物件によって決まります。
たとえば、リースバックでの買取額が1,500万円、賃料が8%で設定された場合、おおよその月々の家賃は次のとおりです。
1,500万円×0.08=120万円(年間の家賃)
120÷12ヵ月=10万円(月々の家賃)
地域差がありますが、一般的に分譲マンションや戸建ての家賃相場は、物件の価額の5〜12%だと言われています。
これを考慮すると、リースバックでの家賃設定の目安は、決して高いわけではありません。
ただし、賃貸借契約の内容によっては、契約時の敷金や礼金、契約更新時の更新手数料などがかかることもあるため、あらかじめしっかりと確認しておくことが大切です。
2-3.賃貸契約内容(いつまで住めるのか)
リースバックを利用する際は、賃貸契約内容(売却した家にいつまで住めるのか)もしっかりと確認しておきましょう。
リースバックで賃貸借契約を結ぶ際に、必ず確認しなければならないのが「普通借家契約」なのか「定期借家契約」なのかという点です。
普通借家契約であれば、契約期間が満了しても、希望すれば契約を更新して住み続けることができます。
しかし、定期借家契約は原則として契約更新ができないため、あらかじめ決められた契約期間が満了すれば退去しなければなりません。
普通借家契約と定期借家契約の特徴をまとめたものが、次の表です。
普通借家契約 | 定期借家契約 | |
---|---|---|
契約期間 | 1年以上 | 制限なし |
契約満了時の更新 | できる | できない(再契約できる場合もある) |
賃料の増減 | 特約にかかわらず可能 | 特約の定めに従う |
中途解約 | 可能 特約で定めがあれば特約に従う |
やむを得ない場合は可能 特約で定めがあれば特約に従う |
リースバックを選ぶ際は、普通借家契約なのか定期借家契約なのかをしっかりと確認するようにしましょう。
2-4.買い戻し額(いくらで買い戻せるか)
将来、リースバックで売却した家やマンションを買い戻す予定がある場合は、買い戻し額(いくらで家を買い戻せるか)を確認しておくことも重要です。
買い戻し額がいくらになるかは、リースバック契約をする際にあらかじめ定められます。
リースバック会社や物件、買い戻す時期によって異なりますが、買い取ってもらった額(売却額)の2〜3割増しに設定されていることが多いようです。
例えば、相場価格が3,000万円の家をリースバックで売却し、買い戻す場合の目安額は次のようになります。
リースバックでの買戻し額:2,310万円〜2,730万円(買取額の1〜3割増し)
リースバックで締結する賃貸借契約が定期借家契約の場合、期間内であれば売却した自宅を再度購入することができる買い戻し優先権がついています。
しかし、期間内に買い戻せなければ、家を明け渡さなければなりません。
将来、買い戻す予定がないとしても、万が一買い戻すことになった場合に後悔しないよう、賃貸契約内容と買い戻し額の設定についてしっかりと確認しておきましょう。
3.リースバック利用時の注意点
- リースバックの利用を検討する際や契約を結ぶ際には、契約内容をしっかりと確認することが大切
- 住宅ローンの残額が多いと、リースバックを利用できないことがある
- リースバックとリバースモーゲージ(持ち家を担保として銀行からお金を借り、利用者が亡くなってから家を売却して一括返済する)は似ているが、異なる仕組みである点に注意する
家を売却しても住み続けることができる便利なリースバックですが、しっかり検討や確認をせずに利用すると、失敗や後悔につながることもあるため注意が必要です。
最後に、リースバックを利用する際の注意点をご紹介します。
3-1.リースバックの契約内容をしっかりと確認する
リースバックを利用して失敗や後悔をした事例として、次のようなものがあげられます。
- 賃貸契約内容の理解が不十分だった(定期借家契約になっていたため、2年で退去せざるを得なかった)
- 賃貸中に家賃を上げられた(契約更新の際、家賃を大幅に上げられてしまった)
- 買戻し額が高かった(周辺の不動産相場の上昇を理由に、買戻し額が高くなった)
いずれも、リースバックの利用を検討する際や契約を結ぶ際に、契約内容をしっかりと確認しなかったことが原因だと言えます。
このような失敗や後悔をしないためにも、リースバックを利用する際は、どのような契約内容になっているかを十分に精査することが大切です。
リースバックで失敗や公開した事例については、「リースバックで失敗・後悔した事例7つとトラブル回避法・失敗しないコツを紹介」で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
3-2.住宅ローンが残っているとリースバックが利用できない場合がある
住宅ローンが残っていても、買取額(売却代金)で完済できるのであればリースバックが使える場合があります。
しかし、買取額よりも住宅ローンの方が多い場合は、リースバックが利用できない可能性が高いです。
住宅ローンの方が買取額よりも多い場合は、返済滞納時など「いざというとき」に換金できる家がなくなってしまうため、銀行は売却することを許してくれません。
このような場合は、住宅ローンの完済に足りない金額を、貯金などの自己資金から用意する必要があります。
住宅ローンの残額が家の売却額よりも多いオーバーローンの状態でも家を売る方法については、「オーバーローンの家やマンションは売却できない?調べる方法と5つの対処法を解説」で説明しているので、ぜひ読んでみてください。
3-3.リースバックとリバースモーゲージとは違う
リースバックとよく比較されるものとして、リバースモーゲージがあります。
リバースモーゲージとは、持ち家を担保(たんぽ)として銀行からお金を借り、利用者が亡くなって契約が終了した時に銀行が担保となった不動産を売却して清算するという金融機関の商品です。
リバースモーゲージは「お金を借りる」だけで売却するわけではないため、利用者が所有権を保持したままになります。
そのほかのリースバックとリバースモーゲージの違いをまとめたものが、次の表です。
リースバック | リバースモーゲージ | |
---|---|---|
まとまったお金が入る | ◯ | ◯(契約内容による) |
住める期間 | 普通借家契約だと希望する期間 | 亡くなるまで |
年齢制限 | なし | あり |
年収制限 | なし | あり |
お金の使い道の制限 | なし(自由) | あり |
対象となる物件の種類 | マンション・戸建て | 戸建て(土地の価値が高い物件) |
リバースモーゲージは一般的に融資と同じ扱いであるため、もし金利が上昇した場合は返済額が増加したり、担保評価として不動産の価値が下がった場合は、早期返済を求められたりする可能性があります。
また、年齢、年収、融資されたお金の使い道など、いろいろと制約が多い点がデメリットです。
リバースモーゲージについては「家に住みながらお金を借りることができるリバースモーゲージとは?」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
4.リースバックを利用したお悩み解決事例5選
ここでは、リースバックを利用することで、金銭的な問題をはじめ、どのようなお困りごとを解決できるのか、具体的な解決事例を紹介します。
4-1.教育資金が急に必要となったお悩みをリースバックで解決
最初に紹介するのは、リースバックを使って、まとまった額の教育資金が急に必要となった状況を解決できた事例です。
〈リースバックを利用した方の声〉
【群馬県前橋市 N様】
・50代夫婦 子供あり(2人)
・年収600万円代
・中古で購入した低層マンションに居住中
下の子が高校を卒業するまでは引っ越しをしたくないのですが、大学に入学したら家を出る予定なので、今の家に住み続けるのはあと3〜4年程度かと思い、リースバックの利用に踏み切りました。結果、借金をせずにリースバックでまとまったお金を得て教育資金に充てることができ、引っ越しもしなくて済んだので助かりました。
〈リースバックのポイント〉
家を売却してまとまったお金が必要だけれども引っ越しはしたくないという場合に、リースバックはおすすめの解決方法です。
売却代金の使い道も限られていないため、教育資金や生活費などに充てることができます。
まとまったお金を工面には不動産担保ローンや無担保ローンなどもありますが、リースバックはお金を借りる「借金」ではないため、心理的な負担が少ないと考える人も多いようです。
4-2.家の住み替えでの仮住まいのお悩みをリースバックで解決
次に紹介するのは、買い替えや住替えの際に必要となる「仮住まい」のお悩みを、リースバックを使って解決した事例です。
〈リースバックを利用した方の声〉
【大阪府豊中市 T様】
・40代夫婦 子供あり(3人)
・世帯年収1,000万円代
・中古で購入したマンションに居住中
ただ、今のマンションが売れないことには新たに住宅ローンを組むことができず、さらに売れたとしても仮住まいが必要になるとのことで、子供3人を連れて2回も引っ越しをしなければならないのかとうんざり。さらに近くで適当な仮住まいが見つかりそうになかったので、リースバックを利用することにしました。
マンションの売却代金は少し安くなりましたが、何度も買い手が内見に来たり引っ越しの手間やお金がかかったりすることを考えれば、全然ありだと思いました。新しい家が建ってからも、不用品を処分しながら何度かに分けて引っ越すことができたので、仮住まいにしなくて本当に良かったです。
〈リースバックのポイント〉
買い替えや住替えの際、今の家を売ってからでないと新しい家を購入したり建てたりできないことがあります。
そのような場合、仮住まいをするケースが多いのですが、家が離れていたり子供がいたりすると、今の家から仮住まいへと、仮住まいから新居への2回の引っ越しは大きな負担です。
このような場合、リースバックを利用すれば、家の売却代金を得てからも、新しい家の準備が整うまでこれまでと同じように今の家に住み続けられるため、買い替えや住替えの負担を減らすことができます。
買い替えについては、「【買い替え(住み替え)×自宅売却まとめ】流れと成功のコツ・考え方を基本から解説」や「家の買い替えの流れを解説!売ってから買う?買ってから売る?」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
4-3.兄弟で実家を分割相続する際のお悩みをリースバックで解決
兄弟で家を相続した場合、どのように分けるかで揉めることがしばしばあります。こちらは、実家に住んでいる兄と実家を出ている弟とが、リースバクを使って分割相続のお悩みを解決した事例です。
〈リースバックを利用した方の声〉
【大阪府大阪市港区 M様】
・70代と60代の兄弟
・兄は独身で実家暮らし(収入は年金のみ)
・弟は独立世帯(妻と独立した子供)
・兄と同居していた母が亡くなり兄弟で実家を相続
そのような時、リースバックが使えることを知り、さっそくお願いしました。リースバックで売った家の代金を弟と分けることで相続分割が完了。私は、家賃を支払いながら今の家に住み続けています。このような方法があるとは知らなかったので、教えてもらって感謝しかありません。
〈リースバックのポイント〉
実家などの不動産を復数の相続人で分ける場合、売却した代金を分けるのが便利な方法です。
ただし、その家に住んでいる相続人がいる場合、家を売ってしまうと住むところがなくなってしまう場合があります。
実家に住み続けたい相続人がいる一方で、相続人の間で代償金を支払うのがむずかしいような場合は、リースバックで家を売った代金を相続人で分け、これまで住んでいた人が家賃を支払って住み続ければ、問題なく相続問題を利用すれば解決できます。
相続した家を兄弟で分ける方法については、「実家を兄弟で相続!住んでいる人がいてもトラブルを回避してスムーズに分割する」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
4-4.離婚で財産分与しても妻と子供が住み続けたいお悩みをリースバックで解決
離婚の財産分与で扱いに困るのが、夫婦共有名義の不動産です。夫婦で購入したマンションの財産分与と、離婚後も妻と子供が今のマンションに住み続けたいという問題をリースバックで解決した事例です。
〈リースバックを利用した方の声〉
【埼玉県川口市 K様】
・30代夫婦 子供あり(1人)
・夫年収550万円 妻年収280万円
・共有名義で購入した中古マンションに居住中
・離婚後、妻と子供は今のまま住み続けたい
そこで、リースバックを使ってマンションを一旦売却し、私が家賃を支払って子供と住み続けることにしました。夫がローンを支払い続けて私が夫に家賃を渡すという方法も考えたのですが、ローンを滞納されても困るし、何らかの繋がりを持ち続けるのも嫌だったので、リースバックを利用することにして本当に良かったです。
〈リースバックのポイント〉
ローンが残っている家に離婚した妻や子供が住み続け、夫がローンを支払い続けるケースは、後々、トラブルに発展することが多いためあまりおすすめではありません。
リースバックを利用すれば、夫婦共有名義の不動産を円満に処分できるだけでなく、引っ越しで子供が転校することもなく同じ環境で生活できます。
離婚による家の売却については、「離婚が原因で家を売却する時の5つのポイント(マンション・一戸建て・土地編)」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
4-5.介護費用や高齢者施設の入居費のお悩みをリースバックで解決
資産である家を活用して高齢の方がまとまったお金を得るには、リースバックのほかに、後述する「リバースモーゲージ」という方法が取れる場合もあります。
ただし、リバースモーゲージはいろいろと利用条件があるため、リースバックのほうが手軽だと考える人も多いようです。
高齢のご夫婦が、介護費用と高齢者施設の入居費問題をリースバックで解決した事例を紹介します。
〈リースバックを利用した方の声〉
【神奈川県川崎市 H様】
・80代と70代の夫婦 子供あり(2人兄弟独立)
・収入は年金のみ
・夫が自宅介護となり費用がかかる状況
・夫が亡くなったら妻は高齢者施設に入居予定
そこで、友達に教えてもらったリースバックを使うことにしました。家の売却代金が入り、家賃を支払えば夫が亡くなるまで住み続けられます。私の入所費用も捻出できるし、仲が悪い息子たちが家の相続で揉めることもなくなると、いい事づくしです。良い方法が見つかって安堵しました。
〈リースバックのポイント〉
介護費用や高齢者施設に入る費用を捻出するために、自宅を売却する高齢者も多数います。通常、家を売ると明け渡さなければなりませんが、高齢者が新しく賃貸を探すのはむずかしいのが現状です。
このような場合も、リースバックなら後述するリバースモーゲージよりも利用条件が少なく、家を売っても安心して住み続けることができます。
さらに、リースバック会社によっては、高齢者の見守りサービスを付けられるプランもあるため、日常生活に不安のある高齢者におすすめだと言えるでしょう。
高齢者の家の買い替えや住替えについては、「高齢者の家の買い替え(住み替え)は早めの相談がポイント」で説明しています。ぜひよんでみてください。
5.リースバックを利用したい!まず何をすればいい?
「リースバックを利用してみたいけれども、何から始めればいいかわからない」という方に向けて、どのように手続きを進めていくのかをわかりやすく説明します。
5-1.リースバックで何を解決したいかを明確にする
まず、今どのような問題があるのか、リースバックの利用で解決したいのは何かを明確にします。
とは言え、今の状況や自分の場合がリースバックに適しているかわからない方も多いことでしょう。そのような場合は、まずイクラ不動産にご相談ください。
宅建士の資格を持ったイクラ不動産の専任スタッフが、あなたの状況をしっかりとお聞きしたうえで、中立な立場から適切なアドバイスをさせていただきます。
ご利用は無料&秘密厳守です。
リースバックのご利用がむずかしい場合は、ほかの売却方法や手段をご案内させていただきますので安心してご相談ください。
5-2.リースバックでの買取額を査定してもらう
次に、リースバックで売却する家やマンションが、いくらぐらいで売れそうか(=買い取ってもらえそうか)を調べます。
このときに大切なことは、復数の会社に査定を依頼して比較することです。
実際にリースバックを利用することも踏まえて、買取額だけでなく、賃貸の契約内容や買戻し額の設定なども調べておきましょう。
イクラ不動産独自の価格シミュレーターを使えば、自分で相場価格を簡単に素早く調べることができ、さらに、宅建士の資格を持ったイクラ不動産の専任スタッフに査定してもらうこともできます。
もちろん、ご利用は無料&秘密厳守です。
5-3.リースバック会社を決定する
希望する条件や買取額に合ったリースバックが見つかれば、リースバック会社を決定します。
必要な書類をそろえて、手続きを進めていきましょう。
リースバック会社の選定や手続きの間も、イクラ不動産の宅建士の資格を持った専任スタッフがしっかりサポートいたします。
リースバック会社や不動会社に聞きにくいことやわからないことががあっても、いつでも無料で相談できるので安心です。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- リースバックとは、家を売却してお金を受け取り、そのまま賃貸として住み続けられるという売却方法
- リースバックの利用の流れは次のとおり
・リースバック会社に買取額の査定をしてもらう
・売買契約を締結して家を買い取ってもらう
・売却した家の賃貸借契約を締結する
・買戻し、または退去で終了 - リースバックのメリットとして、次のようなものがあげられる
・家の売却代金として、まとまったお金が手に入る
・売却しても、今の家に住み続けられる
・売却したお金は何に使っても自由
・利用にあたり、年齢制限や年収制限なし
・固定資産税や管理費用がかからなくなる
・引越しや住み替えの費用がかからない
・将来的に、買い戻すこともできる - リースバックのデメリットとして、次のようなものがあげられる
・仲介で売却するより、家の売却代金(買取額)が安くなる
・定期賃貸借契約の場合、定められた期間が過ぎると退去しなければならない
・不動産の所有権がなくなる
・買い戻す際の額が売却した際の額よりも高くなる - リースバックを利用する際に確認すべき点は次の4つ
・買取額(いくらで売れるのか)
・家賃(いくらで借りられるのか)
・賃貸契約内容(いつまで住めるのか)
・買戻し額(いくらで買い戻せるのか) - リースバック利用時の注意点は次のとおり
・リースバックの契約内容をしっかりと確認しておく
・住宅ローンが残っていると利用できない場合がある
・「リースバック」と、家を担保にしてお金を借りる「リバースモーゲージ」とは違う
リースバックは、家の売却代金を手に入れてから賃貸として住み続けることができるという、家を売っても引っ越しをしたくない人におすすめの売却方法です。
さらに、使い方によってはお金の問題だけでなく、相続や離婚、買い替えなど、さまざまなお困りごとを解決できます。
ただし、買取額が安くなる、契約内容によっては住める期間が限られてしまうといったデメリットもあるため注意が必要です。
リースバックの利用を検討する際は、リースバックを取り扱っている会社や契約内容をしっかりと確認、比較したうえで選ぶようにしましょう。
「まとまった資金が必要だけど、気に入っている自宅から出ていくのは嫌だな」「リースバックを利用したいけど、自分に合っているかわからなくて不安」と考えている方は、無料&秘密厳守でリースバックや不動産売却の相談ができるイクラ不動産をぜひご利用ください。
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イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。