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不動産担保ローンとは?家やマンションを担保にしてお金を借りる方法を解説

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不動産担保ローンとは?家やマンションを担保にしてお金を借りる方法を解説

「急にまとまったお金が必要になった…」

そのような場合に選択肢のひとつとなるのが、「不動産担保ローン」です。

不動産担保ローンとは、持ち家や土地などの不動産を担保にして、金融機関からまとまった資金を借り入れるローンになります。

担保がある分、カードローンなどに比べて低金利で借りられる可能性が高く、必要な資金を柔軟に調達できるのが大きな特徴です。

こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。

【実際の相談例】

💬 事業資金としてまとまったお金が必要になりました。自宅を担保にお金を借りられると聞きましたが、ローンを返せなくなったら家を失うと聞き、リスクが怖くて踏み出せません……。
安全に利用する方法はあるのでしょうか?

もちろん、大切な不動産を担保にする以上、仕組みやリスクをきちんと理解してから利用することがとても大切です。

この記事では、不動産担保ローンを安心して活用するために知っておきたいポイントを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

【この記事でわかること】不動産担保ローンで後悔しないための全知識

  • 不動産担保ローンの基本的な仕組みと金利や手数料の目安、メリット・デメリットなどがわかる
  • 不動産担保ローンの知っておくべきリスクと具体的な回避策、失敗しないための注意点がわかる
  • 不動産担保ローンで「借りる」以外の資金調達方法との比較がわかる
この記事はこんな人におすすめ!
まとまったお金が必要で、不動産担保ローンの利用を検討している人
不動産担保ローンの審査や手続きの流れがわからず、不安な人
自分にとって不動産担保ローンが本当に最適な選択肢なのか判断したい人

もくじ

1.不動産担保ローンとは?仕組みとメリット・デメリット

3つのポイント

  • 不動産担保ローンとは、家に抵当権を設定して担保とし、まとまったお金を借り入れる商品のこと
  • 不動産担保ローンは、比較的低い金利で借りられる点がメリットだが、審査に時間がかかる、返済が滞ると不動産を競売にかけられるといったデメリットやリスクがある
  • 住宅ローンが残っている場合、残額が多すぎると不動産担保ローンを借り入れできない場合がある

家を担保にお金を借りる方法として、「不動産担保ローン」は一般的な方法です。

しかし、言葉は聞いたことがあっても、その詳しい仕組みやメリット・デメリットを正確に理解している方は少ないかもしれません。

ここでは、後悔しないための第一歩として、不動産担保ローンの基本的な知識をわかりやすく解説します。

1-1.不動産担保ローンの基本的な仕組み

不動産担保ローンとは、所有する家や土地などの不動産を担保にして、金融機関からお金を借り入れるローン商品のことです。

金融機関は、万が一ローンの返済が滞った場合に、担保となる不動産を売却(競売など)して貸したお金を回収できるため、貸し倒れのリスクが低くなります。

そのため、借りる側は無担保のローンに比べて有利な条件で融資を受けられる可能性があります。

このとき、不動産に設定されるのが「抵当権(ていとうけん)」です。

抵当権とは、金融機関がその不動産を担保にとっていることを公に示す権利のことで、法務局で登記されます。

もちろん、ローンをきちんと返済している間は、これまで通りご自身の家に住み続けることができますし、ローンを完済すればこの抵当権の登記は抹消できます。

つまり、不動産という「信頼の証」を差し出すことで、有利な条件でお金を借りる、というのが不動産担保ローンの基本的な仕組みです。

1-2.【メリット】無担保ローンにはない4つの大きな利点

不動産を担保に入れるからこそ、カードローンなどの無担保ローンにはない、以下のような大きなメリットがあります。

1-2-1. メリット1:高額な借り入れが可能

不動産の評価額に応じて融資限度額が決まるため、数百万円から、場合によっては数千万円、1億円以上といったまとまった額のお金を借り入れることが可能です。

無担保ローンでは対応できないような、事業資金や高額な教育資金、複数の借入金の一本化といったニーズにも応えられます。

1-2-2. メリット2:無担保ローンより金利が低い

金融機関にとって貸し倒れリスクが低い分、金利も低く設定されています。カードローンやキャッシングの金利が年15~18%程度であるのに対し、不動産担保ローンは金融機関や審査内容によりますが、年2~8%程度が一般的です。

金利が低いということは、支払う利息の総額を大きく抑えられるということであり、最大のメリットの一つと言えるでしょう。

1-2-3. メリット3:返済期間が長く、月々の負担を軽減できる

返済期間を10年、20年、最長で30年や35年といった長期間で設定できるため、月々の返済額を無理のない範囲に抑えることができます

これにより、家計への負担を軽減しながら、計画的な返済が可能になります。

1-2-4. メリット4:資金使途が比較的自由

住宅ローンのように使いみちが「住宅購入費用」に限定されず、事業性資金、教育資金、医療・介護費用、ローンの借り換え、家のリフォーム費用など、原則として自由(一部除外あり)に使える商品が多いのも特徴です。

ただし、金融機関によっては資金使途の確認が必要な場合もあります。

1-3.【デメリット】後悔しないために知るべき3つの注意点とリスク

有利な点が多い一方で、不動産を担保に入れるからこそのデメリットや重大なリスクも存在します。

これらを理解せずに利用するのは非常に危険です。きちんと確認しておきましょう。

1-3-1. デメリット1:融資までに時間がかかる

不動産担保ローンは、担保となる不動産の価値を評価する「査定」や、法務局での「抵当権設定登記」などの手続きが必要なため、申し込みから実際の融資実行までに時間がかかります

一般的に、早くても数週間、物件の調査に時間がかかれば1ヵ月以上を要することもあります。「明日までに現金が必要」といった急ぎの資金需要には対応しにくい点はデメリットです。

1-3-2. デメリット2:家を失う可能性がある【最大のリスク】

これが不動産担保ローンにおける最大のリスクです。万が一、病気や失業などでローンの返済が困難になり、滞納が続くと、金融機関は抵当権を行使し、担保に入れている不動産を差し押さえて「競売」にかけ、強制的に売却してしまいます

そうなると、大切なマイホームを失うことになり、ご自身やご家族の生活基盤が揺らいでしまいます。

借入額や返済計画は、この最悪の事態を避けるために、慎重の上にも慎重に検討する必要があります。

1-3-3. デメリット3:手数料などの諸費用が必要

金利とは別に、契約時には様々な手数料や諸費用がかかります。

おもなものとして、契約時の事務手数料、保証会社に支払う保証料、抵当権を設定するための登記費用(登録免許税・司法書士報酬)、契約書に貼る印紙代などがあります。

これらの諸費用は合計で数十万円以上になることも珍しくなく、融資金から差し引かれる形で支払うのが一般的です。

1-4. 住宅ローンが残っている家でも利用できる?

「住宅ローンがまだ残っているけど、この家を担保にできるの?」という疑問もよく聞かれます。結論から言うと、住宅ローンが残っていても不動産担保ローンを利用できる可能性はあります

ただし、それには条件があります。

金融機関は、家の担保価値から現在の住宅ローンの残高を差し引いた「残りの価値(余力)」を評価します。

そのため、住宅ローンの残高が家の評価額に対して多すぎる場合は、担保価値がないと判断され、借り入れはできません

なぜなら、万が一競売になった場合、売却代金はまず住宅ローンを貸している金融機関(第一抵当権者)の返済に優先的に充てられ、その残りがないと不動産担保ローンを貸した金融機関(第二抵当権者)は貸したお金を回収できないからです。

住宅ローンの残高がどのくらいなら借りられるかは、金融機関の審査次第ですが、まずは借入先に相談してみることが大切です。

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2.不動産担保ローンの「査定」と「利用条件」

3つのポイント

  • 不動産担保ローンの査定でおもに重視されるのは、土地の面積、建物の状態、収益性の3点
  • 不動産担保ローンを利用できるかどうかは、年齢、年収、職業、信用情報などで判断される
  • 不動産担保ローンの利用を検討する際は、複数の金融機関を比較してから選ぶ

不動産担保ローンを利用するうえで気になるのが「自分の家はいくらの価値(担保評価)になるのか?」そして「そもそも自分はローンを利用できるのか?」という2つポイントです。

ここでは、融資の可否や借入額を大きく左右する「不動産の査定」の仕組みと、ローンを利用するための「条件」について、後悔しないために知っておくべき最重要知識を解説します。

2-1. あなたの家はいくらの価値?不動産担保評価(査定)の仕組み

金融機関は、融資の申し込みがあると、まず担保となる不動産の価値を評価(査定)します。

この評価額が、借入可能額の上限を決める重要な基準となります。

2-1-1. 金融機関はどこを見ている?査定で重視される3つのポイント

不動産の査定は、多角的な視点から行われますが、特に金融機関が重視するのは以下の3つのポイントです。

  • ポイント1:土地の価値(立地・法的規制など)
    一戸建ての場合、建物以上に「土地」そのものの価値が重視されます。駅からの距離や周辺環境といった「立地条件」はもちろん、土地の形状、道路との接面状況、そして都市計画法上の用途地域や建ぺい率・容積率といった「法的規制」も厳しくチェックされます。これらの要素が、土地の資産価値の土台となります。
  • ポイント2:建物の状態(築年数・構造・管理状況など)
    建物については、「築年数」が最も基本的な評価項目です。その他、木造・鉄骨造といった「構造」、内外装の劣化具合やリフォーム履歴といった「管理状況」も評価に影響します。特に、耐震基準(旧耐震か新耐震か)は重要なチェックポイントです。
  • ポイント3:収益性と流動性(賃貸価値・売却のしやすさ)
    金融機関は「万が一返済が滞った場合に、その不動産を売却して貸付金を回収できるか」という視点も持っています。そのため、その物件を賃貸に出した場合にどれくらいの家賃収入が見込めるかという「収益性」や、市場でスムーズに売却できるかという「流動性(市場性)」も査定の際に考慮されます。

2-1-2. 担保評価額 ≠ 借入可能額!「掛目」という考え方

ここで非常に重要なのが、「不動産の査定額(担保評価額)=借りられる金額」ではない、ということです。

金融機関は、将来的な不動産価格の下落リスクなどを考慮して、算出した担保評価額に一定の割合を掛けた金額を、融資の上限とします。この割合のことを「掛目(かけめ)」と呼びます。

掛目は金融機関や物件の種類によって異なりますが、一般的には担保評価額の70%程度に設定されることが多いです。

MEMO

【計算例】

担保評価額が2,000万円の不動産で、掛目が70%の場合…
2,000万円 × 70% = 1,400万円

この場合、借入可能額の上限は1,400万円となります。

2-2. 私は借りられる?不動産担保ローンの利用条件

いくら担保価値の高い不動産を持っていても、借りる人自身の条件が合わなければ、不動産担保ローンを利用することはできません。

ここでは、おもな利用条件を「申込者」と「物件」の2つの側面から見ていきましょう。

2-2-1. 申込者の条件(年齢・年収・職業・信用情報)

金融機関は、申込者の「返済能力」を厳しく審査します。

  • 年齢:多くの金融機関で「申込時 満20歳以上、完済時 満75歳~80歳以下」といった年齢制限が設けられています。
  • 年収・職業:安定した継続収入があることが大前提です。「年収〇〇万円以上」といった明確な基準がある場合や、勤続年数、雇用形態(正社員、自営業など)が問われる場合があります。
  • 信用情報:過去にクレジットカードやローンの返済を長期間延滞したり、債務整理(自己破産など)をしたりした経験があると、「信用情報機関」に記録が残り、審査に通るのは非常に難しくなります。

2-2-2. 対象となる物件の条件(本人所有・共同名義・住宅ローン残債)

担保に入れる不動産にも、いくつかの条件があります。

  • 所有者:原則として、申込者本人またはその家族(配偶者、親、子など)が所有する不動産である必要があります。
  • 共同名義:複数人の共有名義になっている不動産の場合、原則として共有者全員の同意が必要です。同意が得られない場合は、担保として提供できません。
  • 住宅ローン残債:第1章でも触れた通り、住宅ローンが多く残っている場合は注意が必要です。「物件の担保評価額 ー 住宅ローンの残債」が、希望する借入額を上回っていることが一つの目安となります。
  • 物件種別・エリア:金融機関によっては、借地権付きの物件や再建築不可の物件、市街化調整区域内の物件などを担保対象外としている場合があります。

</list]

2-2-3. 資金使途(何に使うお金か)に関する条件

多くの不動産担保ローンは資金使途が自由ですが、投機的な目的(株式投資やFXなど)での利用は認められないのが一般的です。

事業性資金として利用する場合は、専用のローン商品を利用する必要があり、事業計画書の提出などが求められることもあります。

2-3. 少しでも有利な条件で借りるためのコツ

審査をクリアし、少しでも良い条件(低い金利、高い融資額など)で借り入れをするためには、いくつか押さえておきたいコツがあります。

2-3-1. 複数の金融機関を比較検討する

不動産担保ローンは、銀行、信用金庫、ノンバンクなど、様々な金融機関が取り扱っています。そして、金融機関によって審査基準、金利、手数料、担保評価の方法などが異なります

1社だけに絞らず、必ず複数の金融機関に相談し、条件を比較検討することが、最も有利なローンを見つけるための基本にして最大のコツです。

2-3-2. 物件の価値を正しく伝える資料を準備する

査定の際に、物件のプラス評価に繋がりそうな資料をこちらから準備して提示するのも有効です。

過去のリフォーム履歴や設備の保証書、購入時のパンフレット、耐震診断報告書などがあれば、物件の価値を正しく評価してもらう助けになります。

2-3-3. 自身の返済能力を明確に示す(事業計画など)

特に事業性資金として借り入れをする場合は、「なぜこの資金が必要で、それを元にどのように収益を上げ、返済していくのか」を具体的に示した事業計画書を準備しましょう。

しっかりとした計画は、金融機関からの信頼を得て、スムーズな融資に繋がります。

個人の場合でも、収入証明書などをきちんと揃え、安定した返済能力があることを示すことが大切です。

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3.【実践編】審査から融資実行までの流れと注意点

3つのポイント

  • 不動産担保ローンを利用する場合は、仮審査を通過後の本申込みを経て、本審査を通過する必要がある
  • 契約の際には、「金銭消費貸借契約」と「抵当権設定契約」を締結することになる
  • 不動産担保ローンの借り入れにかかる手数料は、融資金から清算される

不動産担保ローンの利用を決めたら、次は実際に申し込み手続きに進みます。

どのようなステップを経て融資が実行されるのか、全体の流れを把握しておくことで、不安なく、そしてスムーズに手続きを進めることができます。

この章では、申し込みから融資実行までの具体的な流れと、それぞれのステップで「後悔しない」ための注意点を詳しく解説します。

3-1. 申し込みから融資実行までの全ステップ

不動産担保ローンの手続きは、一般的に以下の4つのステップで進みます。

金融機関によって多少の違いはありますが、大まかな流れは共通です。

不動産担保ローン利用の4ステップ

  1. 相談・仮審査(事前審査)
    まず、金融機関に相談し、借入希望額や物件情報などを伝えて仮審査を受けます。この段階で、おおよその借入可能性や条件が示されます。(期間の目安:数日~1週間程度)
  2. 本申し込み・必要書類の提出
    仮審査を通過したら、正式に申し込み手続きを行います。申込書と共に、身分証明書や収入証明書、不動産関連の書類などを提出します。
  3. 物件調査・本審査
    提出された書類と、金融機関による物件の現地調査などを基に、担保価値の最終的な評価と、申込者の返済能力に関する本審査が行われます。(期間の目安:1~3週間程度)
  4. 契約・融資実行
    本審査を無事に通過すれば、融資条件が確定します。内容に合意の上で契約手続きを行い、抵当権設定登記が完了した後、指定の口座に融資金が振り込まれます。

申し込みから融資実行までの全期間は、スムーズに進んでも3週間~1ヵ月半程度を見ておくと良いでしょう。

不動産の状況や審査内容によっては、さらに時間がかかる場合もあります。

3-2. 審査をスムーズに進めるための準備

審査や契約手続きを円滑に進めるためには、事前の準備が重要です。

特に、必要書類を早めに揃えておくことで、手続きの遅延を防ぐことができます。

3-2-1. 早めに準備しておきたい主な必要書類

本申込の際には、おもに以下のような書類が必要となります。金融機関によって異なる場合があるため、必ず事前に確認しましょう。

【不動産担保ローン本申込みの際に必要な主な書類】
書類の種類 チェック
【本人に関する書類】
 ・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
 ・健康保険証
 ・実印と印鑑証明書(発行から3ヵ月以内のもの)
【収入に関する書類】
 ・源泉徴収票、確定申告書、住民税決定通知書など
【物件に関する書類】
 ・不動産登記簿謄本(登記事項証明書)
 ・不動産権利証(または登記識別情報)
 ・公図、地積測量図、建物図面など
 ・固定資産評価証明書(または固定資産税納税通知書)
【その他】
 ・借入残高証明書(住宅ローンなどが残っている場合)

※法人の場合や資金使途によっては、上記以外の書類(商業登記謄本、決算書、事業計画書など)が必要になることがあります。

3-2-2. 審査における注意点

仮審査に申し込む際、複数の金融機関に同時に申し込むのは避けた方が賢明です。

短期間に複数の申し込み記録が信用情報機関に残ると、「相当お金に困っているのでは?」と見なされ、かえって審査に通りにくくなる可能性があります。

まずは1~2社に絞って相談し、もし審査に通らなかった場合に次の金融機関を検討するようにしましょう。

3-3.【最重要】契約時に必ずチェックすべきポイント

本審査を無事に通過し、融資条件が提示されたら、いよいよ契約手続きです。

ここで提示される契約書は、法的な効力を持つ非常に重要な書類です。安易に署名・捺印せず、内容を隅々まで確認することが、後悔しないための最後の砦となります。

3-3-1. 契約書で確認すべき重要項目チェックリスト

契約書(金銭消費貸借契約書)を受け取ったら、少なくとも以下の項目は必ず確認しましょう。

[list class="stitch-red"]
  • 借入金額:申込金額と相違ないか。
  • 金利(年利):提示された金利と相違ないか。また、「固定金利」か「変動金利」かは非常に重要です。変動金利の場合は、将来金利が上昇するリスクがあります。
  • 返済期間と返済回数:何年で何回払いになるのか。
  • 毎月の返済額:無理なく返済していける金額か。
  • 遅延損害金:返済が遅れた場合に発生するペナルティの利率。
  • 繰り上げ返済:まとまった資金ができた際に、繰り上げて返済することが可能か。また、その際に手数料はかかるのか、いくらかかるのか
  • 諸費用の内訳:融資金から差し引かれる事務手数料や保証料などの金額が明記されているか。

3-3-2. 契約は慎重に!納得できるまで質問を

契約書の中に少しでも不明な点や、納得のいかない条項があれば、絶対にそのままにせず、担当者に質問しましょう。

誠実な担当者であれば、あなたが理解できるまで丁寧に説明してくれるはずです。

その場で即決を迫られたり、質問に対して曖昧な回答しか返ってこなかったりするような場合は、一度立ち止まって契約を見直す勇気も必要です。

可能であれば、契約書を持ち帰って家族や信頼できる人に相談する時間をもらうと、より安心して判断できます。

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4.不動産担保ローンの5大リスクと回避策

不動産担保ローンは、低金利でまとまった資金を調達できる非常に便利な方法ですが、それはあくまでも計画通りに返済できることが大前提です。

安易な気持ちで利用すると、取り返しのつかない事態に陥る可能性もゼロではありません。

ここでは、「こんなはずではなかった…」と後悔しないために、知っておくべき5つの重大なリスクと、それを未然に防ぐための具体的な回避策を解説します。

4-1. リスク1:【家を失う】返済不能になった場合の競売までの流れ

不動産担保ローンにおける最大のリスクは、先にも述べたように、返済不能に陥った場合に、大切な家を失ってしまう可能性があることです。

具体的に、どのような流れで家を失うことになるのかを説明します。

  • ① 返済の滞納:病気や失業など、何らかの理由でローンの返済が遅れ始めます。
  • ② 督促・催告:金融機関から電話や書面で返済を求める「督促」が届きます。これを無視し続けると、内容証明郵便で「催告書」が送られてくることもあります。
  • ③ 期限の利益の喪失:滞納が一定期間(通常3~6ヵ月程度)続くと、「期限の利益」を喪失し、金融機関からローン残高の一括返済を求められます。
  • ④ 抵当権の実行・差し押さえ:一括返済ができない場合、金融機関は抵当権を実行し、担保となっている不動産を差し押さえます。
  • ⑤ 競売(けいばい):差し押さえられた不動産は、裁判所を通じて「競売」にかけられ、強制的に売却されてしまいます。売却代金はローンの返済に充てられます。

</list]

【回避策】
このような事態を避けるための唯一にして絶対の方法は、契約前に「無理のない返済計画」を立てることです。

現在の収入だけでなく、将来の収入減少や予期せぬ出費なども考慮し、余裕を持った借入額に留めることが重要です。

もし返済が苦しくなってきたら、手遅れになる前に、すぐに金融機関に相談しましょう。

4-2. リスク2:【返済額が増える】変動金利の金利上昇リスク

不動産担保ローンには、返済終了まで金利が変わらない「固定金利」と、市場の金利動向に応じて金利が変動する「変動金利」があります。

一般的に、変動金利の方が当初の金利は低く設定されていますが、そこにはリスクも潜んでいます。

将来、市場金利が上昇すると、変動金利のローンの金利もそれに伴って上昇し、毎月の返済額や返済総額が増えてしまう可能性があります。

契約当初は余裕があると思っていた返済計画が、金利上昇によって苦しくなってしまうケースも考えられます。

【回避策】
金利のタイプごとの特徴を理解し、ご自身の考えに合ったものを選ぶことが大切です。

[list class="stitch-red"]
  • 安定を求めるなら「固定金利」:返済額が変わらないため、将来の計画が立てやすいというメリットがあります。
  • 低金利のメリットを享受したいなら「変動金利」:金利上昇のリスクを十分に理解し、万が一金利が上昇しても対応できるだけの資金的余裕がある場合に検討しましょう。

4-3. リスク3:【想定外の出費】手数料や保証料などの諸費用

第2章でも触れましたが、不動産担保ローンを利用する際には、金利以外にも様々な諸費用がかかります。

契約時の事務手数料や登記費用、保証料などを合わせると、合計で数十万円以上になることも珍しくありません。

これらの諸費用を事前に把握しておかないと、「融資金から差し引かれて、実際に手元に残るお金が思ったより少なかった」「別途用意する費用があるとは思わなかった」といった想定外の事態に陥る可能性があります。

【回避策】
契約前に、どのような諸費用が、合計でいくらくらいかかるのか、その明細を必ず金融機関に確認しましょう。

そして、それらの費用も考慮に入れた上で、本当に必要な金額を借り入れるように計画を立てることが重要です。

4-4. リスク4:【相続時のトラブル】家族の理解不足による問題

特に、ご高齢の方が不動産担保ローンを利用する場合や、返済期間が長期にわたる場合、将来の「相続」についても考えておく必要があります。

ローン契約者が亡くなった場合、残っているローン(債務)と、担保に入っている不動産は、原則として相続人が引き継ぐことになります。もし相続人が返済を続けられない場合、最終的には家を売却して返済せざるを得ません。

家族がローンの存在を全く知らなかった場合、突然大きな負債を背負うことになり、「こんなはずではなかった」と相続トラブルに発展するケースがあります。

【回避策】
家を担保にお金を借りるという大きな決断をする際には、必ず事前に家族(特に将来相続人となる可能性のある方)に相談し、理解と同意を得ておくことが、将来のトラブルを防ぐために非常に大切です。

なぜお金が必要なのか、返済計画はどうなっているのかを誠実に説明し、家族全員で情報を共有しておきましょう。

4-5. リスク5:【悪徳業者】甘い言葉で誘う悪質な業者や高金利ローン

「審査なしで即日融資!」「他社で断られた方も歓迎!」といった甘い言葉で誘ってくる業者には、最大限の注意が必要です。

中には、法外な高金利を請求したり、不透明な手数料を上乗せしたり、あるいは最終的に不動産を不当に安く奪い取ろうとしたりする悪質な業者(いわゆるヤミ金や紹介屋など)も存在します。

安易にそのような業者に手を出してしまうと、後悔するだけでは済まない深刻な事態に陥る危険性があります。

【回避策】
怪しいと感じたら、絶対に契約してはいけません。業者を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。

  • 正規の登録業者か確認する:金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で、国や都道府県に登録されている正規の業者か必ず確認する。
  • 金利が法律の上限内か確認する:利息制限法で定められた上限金利(借入額に応じて年15~20%)を超えていないか確認する。
  • 契約を急かさないか見極める:安易に即日契約を迫ったり、契約書の内容を十分に説明しなかったりする業者は危険です。
  • 複数の業者を比較する:複数の信頼できる金融機関から話を聞き、条件を比較することが、悪徳業者を見抜く最善の策です。

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5.「借りる」以外の選択肢とよくある質問

3つのポイント

  • 急にお金が必要になった場合、不動産担保ローン以外の対処法として、親などから援助してもらう、生命保険を解約する、担保なしで借金するなどがある
  • 不動産がある場合は、売却をしてまとまったお金を作るという手もある
  • リースバックが利用できれば、家を売って売却代金を受け取ったあとも、賃貸として住み続けることができる

不動産担保ローンは有効な資金調達手段の一つですが、それが唯一の、あるいは最善の選択肢とは限りません。

状況によっては、「借りる」以外の方法がより適している場合もあります。

ここでは、不動産担保ローンを利用する前に検討すべき他の選択肢と、よくある質問について解説します。多角的に検討することが、後悔しないための重要なステップです。

5-1. 家を担保にする前に検討すべき他の方法

不動産という大きな資産を担保に入れる前に、まずは以下のような他の資金調達方法が利用できないか検討してみましょう。

  • 親などの親族に援助してもらう:もし可能であれば、これが最もリスクの低い方法の一つです。ただし、たとえ親族間であっても、後のトラブルを避けるためにきちんと借用書を作成しておくことが大切です。
  • 生命保険の契約者貸付や解約:積立型の生命保険に加入している場合、解約返戻金の一定範囲内で貸付を受けられる「契約者貸付制度」や、保険を解約して「解約返戻金」を受け取る方法があります。
  • 公的融資制度を利用する:生活福祉資金貸付制度など、国や自治体が提供する公的な融資制度を利用できる場合があります。金利が低い、または無利子の場合もあるので、お住まいの市区町村の社会福祉協議会などに相談してみましょう。
  • 無担保ローンを利用する:銀行のフリーローンやカードローンなど、担保なしで借り入れをする方法です。手続きが早く手軽ですが、不動産担保ローンに比べて金利が高く、借入限度額も低いのが一般的です。

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5-2. 最終手段としての「不動産売却」という選択肢

借入金の返済が将来的に困難だと予想される場合や、より多くの現金が必要な場合は、思い切って家を売却してお金を作るという方法が、結果的により良い選択となることもあります。

5-2-1. 通常の仲介売却・買取

時間をかけてでも高く売りたいなら「仲介」、とにかく早く確実に現金化したいなら「買取」という方法があります。

特に買取であれば、最短数日~数週間で売却を完了させることが可能です。

5-2-2. 住み続けながら現金化できる「リースバック」とは?

「現金は必要だけど、今の家に住み続けたい…」という場合に有効なのが「リースバック」です。

これは、自宅を不動産会社などに売却して現金を受け取り、その後、賃貸契約を結んで家賃を払いながら、そのまま住み続けることができる仕組みになります。

契約内容によっては、将来的にその家を買い戻すことも可能です。

リースバックについては、「【リースバックのまとめ】家を売っても住み続けられる!利用方法や注意点を詳しく解説」で説明していますので、ぜひ一読してみてください。

5-2-3. ローン返済が困難な場合の「任意売却」

すでに住宅ローンなどの返済が困難になっている場合、家が競売にかけられる前に、金融機関の合意を得て市場価格に近い価格で売却する「任意売却」という方法もあります。

競売よりも高い価格で売却できる可能性が高く、残った債務の返済についても柔軟な交渉がしやすいというメリットがあります。

任意売却については、「任意売却とは?メリットとデメリットやリスク、注意点をわかりやすく解説!」でくわしく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。

MEMO

【補足】シニア世代向けの「リバースモーゲージ」という選択肢

先でも少し触れましたが、特に55歳や60歳以上のシニア世代の方には、自宅を担保に生活資金などを借り入れ、返済は生前利息のみ、元金は亡くなった時に自宅を売却して返済する「リバースモーゲージ」という選択肢もあります。

これは老後の生活資金確保に特化した特殊なローンであり、不動産担保ローンとは仕組みやリスクが異なります。詳しくは、こちらの記事で解説しています。

リバースモーゲージについては、「家に住みながらお金を借りることができるリバースモーゲージとは?」で説明しているので、ぜひ読んでみてください。

5-3. 不動産担保ローンに関するよくある質問(Q&A)

最後に、不動産担保ローンに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1. 住宅ローンが残っていても借りられますか?

A1. はい、可能性はあります。ただし、先に説明したように、「物件の担保評価額 ー 住宅ローンの残高」に十分な余力があることが条件となります。金融機関の審査次第ですので、まずは相談してみることが大切です。

Q2. 共有名義の家でも担保にできますか?

A2. はい、可能です。ただし、原則として共有者全員の同意と、全員が「連帯保証人」または「物上保証人(自分の持分を担保提供する人)」になることが求められます。共有者の一人が反対している場合は、利用できません。

Q3. 審査にどのくらい時間がかかりますか?

A3. 金融機関や物件の状況によりますが、申し込みから融資実行まで、一般的に3週間~1ヵ月半程度が目安です。カードローンのように即日融資はできないため、資金が必要になる時期から逆算して、早めに動き出すことが重要です。

Q4. 審査に落ちてしまったら、もう借りることはできませんか?

A4. 一つの金融機関で審査に落ちたとしても、諦める必要はありません。金融機関によって審査基準は異なるため、他の金融機関では審査に通る可能性もあります。ただし、短期間に複数の申し込みをすると信用情報に影響が出る場合があるので、注意が必要です。

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まとめ

この記事のポイントをまとめました。

  • 不動産担保ローンとは、家やマンションといった不動産に抵当権を設定して担保とし、まとまった額の借り入れができる仕組み
  • 不動産担保ローンのおもなメリットとして、次のようなものがある
    • 無担保ローンより高額な借り入れが可能
    • 金利が比較的低く、返済総額を抑えられる
    • 返済期間を長く設定でき、月々の負担を軽減できる
  • 不動産担保ローンのおもなデメリットとして、次のようなものがある
    • 融資実行までに時間がかかる
    • 手数料などの諸費用が必要になる
    • 返済が滞れば家を失うという最大のリスクがある
  • 借入可能額を決める「査定」では、おもに次の3つのポイントが重視される
    • ①土地の価値
    • ②建物の状態
    • ③市場での売れやすさ
  • 不動産担保ローン利用の流れは、一般的に「①相談・仮審査」→「②本申し込み」→「③物件調査・本審査」→「④契約・融資実行」のステップで進む
  • 後悔しないためには、「家を失う」「金利が上昇する」「相続で揉める」といった重大なリスクと、その回避策を事前に理解しておくことが不可欠
  • 「借りる」以外の選択肢として、状況によっては「リースバック」や「任意売却」といった不動産売却も有効な資金調達方法となる

不動産担保ローンは当初から不動産に担保を付けることを前提とした融資です。そのため、契約書や登記なども借入先で全部やってくれるため、基本的に利用はとても簡単です。

申し込んだらすぐに仮審査が行われ、仮審査の通過後、本審査で家の担保価値の査定や融資の審査が行われてお金を借り入れることができます。

不動産担保ローンの利用を検討しているのであれば、あらかじめメリットやデメリット、利用の流れなどをしっかりと把握しておきましょう。

ただし、残っている住宅ローンが多い場合は、不動産担保ローンを利用できない場合があります。

そのような場合は、無担保ローンを利用する、住宅ローンが残っている状態で売却できるようにしてもらう「任意売却」をする、などの方法を検討してみても良いでしょう。

ローンが残っている場合については、「オーバーローンでも家やマンションを売却できる?5つの対処法を解説」でくわしく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。

また、もし不動産担保ローンを利用して借り入れをしても、将来的に返済ができそうにない場合は、思い切って売却するのも一つの手です。

家やマンションの売却を検討するのであれば、無料&秘密厳守で利用できるイクラ不動産にぜひご相談ください。

宅建士の資格を持ったイクラ不動産の専任スタッフが、あなたの状況をしっかりとお聞きしたうえで、中立な立場からどのようにすれば良いかを無料でアドバイスさせていただきます。

さらに、売却に強い地元の不動産会社を探したり買取やリースバックについて相談したりできるので、安心して売却を進めることができます。

イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。