離婚するとき、夫婦で購入した家やマンションは財産分与の対象になります。
しかし、家の価値よりも住宅ローンの残高のほうが多い「オーバーローン」の状態だと、離婚で家を財産分与するときや売却するときのトラブルになりやすいため注意が必要です。
こちらでは、離婚をするときに、家やマンションがオーバーローンかどうかを調べる方法や、オーバーローンだった場合の対処方法についてわかりやすく説明します。
この記事で具体的にわかる3つのポイント
- 離婚の際に、オーバーローンの家やマンションがあるとなぜ問題になるのかがわかる
- 離婚の際に、家やマンションがオーバーローンかを調べる方法がわかる
- 離婚の際に、オーバーローンの家やマンションをどうすべきかがわかる
- この記事はこんな人におすすめ！
- 離婚する予定で住宅ローンが残っている家やマンションがある人
- 離婚するので家やマンションがオーバーローンかどうかを調べたい人
- 離婚の際に家がオーバーローンの場合の対処法を知りたい人
もくじ
1.オーバーローンとは
オーバーローンとは、家やマンションを購入する際に組んだ住宅ローンの残額が、不動産の価値を上回っている状態のことです。住宅ローンの残額が不動産の価値をオーバーしているので、「オーバーローン」と言います。
反対に、残っている住宅ローンの金額が不動産の価値より低いケース、つまり、売却額でローンを完済できる状態は「アンダーローン」です。
1-1.オーバーローンの家やマンションはそのままでは売却できない
アンダーローンの場合は、売却代金から残っている住宅ローンを返済すれば良いので、問題なく売却できます。
しかし、オーバーローンの場合は、家を売却しても残っている住宅ローンを完済できず、住宅ローンを組む際に設定した「抵当権」を外すことができないため、原則としてそのままの状態で売却することはできません。
そのため、オーバーローンの家やマンションを売却するには、あとで説明するような対処法が必要になります。
1-2.オーバーローンの家やマンションは財産分与の対象にならない
家やマンションなどの不動産は、離婚時の財産分与の対象です。
しかし、売却代金よりも住宅ローンの残額のほうが多いオーバーローンの不動産は、マイナスの資産となるため財産分与の対象にはなりません。
オーバーローンの不動産をはじめ、住宅ローンや借金といったマイナスの資産は、ローンの名義人や借金をした本人が離婚後も支払うことになります。
2.オーバーローンかどうかの調べ方
離婚をする時、家やマンションがオーバーローンの状態かどうかは、住宅ローンの残額と家の価値を調べます。
これらの2つの数字が明らかになったら、家の価値からローン残額を引き算し、結果がマイナスになっていたらオーバーローン、プラスになっていたらアンダーローンです。
2-1.住宅ローンの残額の調べ方
住宅ローンの残額を知るためには、借入先の金融機関（銀行など）から届いているローン返済計画書や残高証明書を確認します。
住宅ローンが固定金利の場合には、ローン借入時にまとめてローン返済表や償還予定表をもらっていることが多いです。
変動金利の場合には、6ヵ月ごとなどの金利見直し時に、定期的にローン返済表が届いているケースがあります。
また、金融機関によっては、インターネット上で住宅ローンの状況を確認することできます。
書類を紛失していたり、ネットのページにログインできなかったりする場合は、借入先の金融機関に問い合わせて教えてもらいましょう。
2-2.売却価格（家の価値）の調べ方
近隣の同じような条件の物件がいくらくらいで売り出されているかや、過去に売れた成約事例を調べると、おおよその相場価格が判明します。
家の価値をくわしく知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼すると良いでしょう。ただし、不動産会社に査定を依頼する場合は、売却することが前提となります。
査定を依頼する際は、複数の不動産会社に依頼して比較することが大切です。
査定価格は、各社だいたい似たような金額になることが多いですが、百万円以上の開きが出ることも珍しくありません。そのため、1社に査定を依頼しただけではその価格が正しいかどうか判断できないからです。
とはいえ、まだ売るかどうか決まっていないのに、不動産会社に査定してもらうのは気が引けるという方も多いです。
そのような場合は、ぜび無料＆秘密厳守で売却相談ができる「イクラ不動産」をご利用ください。
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3.オーバーローンだった場合
離婚する際に、夫婦で購入した家やマンションがオーバーローンだった場合のおもな選択肢は次の3つです。
- 夫婦のどちらかが住んでローンを払い続ける
- ローン完済に足りない分を補填して売却する
- 任意売却をする
一つずつ、説明します。
3-1.夫婦のどちらかが住んでローンを払い続ける
1つ目は、夫婦のどちらかが住み続けてローンを支払い続ける方法です。
たとえば、ローンと家の名義が夫単独の場合、夫が家に住み続けてローンも夫が支払い続ければ、特に問題は起こりません。
一方、ローンや家の名義は夫なのに妻が住み続ける場合には、離婚後に夫婦のどちらが住宅ローンを負担するのか話し合う必要があります。
ローン名義は夫のままになるので、基本的には夫が住宅ローンを支払わなければなりません。
妻が住み続けたいと希望して支払う場合には、妻がローンを引き継ぐか、ローンの引き落とし口座に妻が入金するなどの対応が必要です。
慰謝料や財産分与の代わりに夫がローンを支払う場合、将来、夫が住宅ローンを支払えなくなったときに妻が住む家を失ってしまうリスクが残ります。
離婚後の名義については「離婚後も夫名義の持ち家に安心して妻が住むには？住宅ローンの有無別にご紹介」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
3-2.ローン完済に足りない分を補填して売却する
2つ目は、売却代金では足りない分のお金を用意して、住宅ローンを完済してから売却するという方法です。
足りない額の補填方法としては、貯蓄を使う、親や親戚から借り入れをする、車や株を売却する、無担保ローン（フリーローン）を利用するなどがあります。
オーバーローンの補填でフリーローンの利用を検討するのなら、一括で複数の銀行への申し込みと審査ができる「クラウドローン」と提携している「イクラ不動産のオーバーローン」がおすすめです。
銀行のフリーローンであっても、借り入れの申し込み時には審査を受けなければなりません。
もし、個人で申し込みをして審査に落ちれば、信用情報に「審査落ち」というマイナスの記録が残ってしまいます。
しかし、無料＆秘密厳守で利用できるイクラ不動産のオーバーローンで相談すれば、そのような心配は不要です。
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3-2.任意売却をする
3つ目の方法は「任意売却（にんいばいきゃく）」です。
オーバーローンの場合、家を売却しても売却代金だけではローンを完済できないので、銀行など金融機関は勝手に売却することを許してくれません。
そこで、金融機関に売却の了承を取り、連携して普通の売却と同じように、市場で物件を売却する方法です。
任意売却してもローンを完済できないので、金融機関にとっては不利益でしかありません。しかし、競売（けいばい・きょうばい）になるともっと低い金額しか回収できなくなるため、任意売却が認められるのです。
競売については「【競売とは？】メリット・デメリット、回避する方法を紹介します！」で説明しているので、ぜひ読んでみてください。
任意売却するときには、一般的に、不動産会社に査定依頼を出して、その査定額で売却することについて金融機関の了承を得る必要があります。
その後、その不動産会社に売却仲介を依頼して物件を売り出し、買い手を探して不動産を売却します。売却代金は全額ローン返済に充てられ、返済しきれなかった分は、返済を続けることになります。
離婚時の任意売却については、「任意売却するなら離婚前！離婚後の住宅ローンリスクを回避する方法」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 住宅ローンが残っている家やマンションは、原則として住宅ローンを完済しないと売却できない
- 住宅ローンの残額が売却代金を上回る状態を「オーバーローン」、売却代金で住宅ローンを完済できる状態を「アンダーローン」と呼ぶ
- 離婚の際、夫婦で購入した家やマンションがオーバーローンの場合は財産分与の対象にならない
- オーバーローンかどうかは、住宅ローンの残債（残高）から家の売却価格（相場価格）を差し引くことでわかる
- 住宅ローンの残額は、借入先の金融機関から届くローン返済計画書や残高証明書で、家の売却価格は、周辺にある同じような物件の売出し価格や成約事例から割り出した相場価格で調べることができる
- 離婚の際、家やマンションがオーバーローンのときに取れるおもな選択肢は次の3つ
・夫婦のどちらかが住み続けてローンを支払う
・無担保ローン（フリーローン）などを利用してローンを完済する
・任意売却をする
オーバーローンの家やマンションは、マイナスの資産になるため財産分与の対象になりません。
そのため、離婚の際に夫婦で購入した家やマンションがオーバーローンの場合は、夫婦のどちらかが住み続けてローンを支払う、オーバーローンの分を補填して売却する、任意売却をする、のいずれかの方法を取ることが多いです。
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イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
