空き家を売却したいと思っても、「まず誰に相談すればいいのか分からない」という人も多いでしょう。
空き家の売却するのであれば、まずは自分の状況に合った「正しい相談先」を選ぶことがとても重要です。
この記事では、目的別におすすめの相談先と、相談先の選び方、売却までの流れをわかりやすくご紹介していきます。
この記事で具体的にわかる3つのポイント
- 空き家売却における目的別の相談先がわかる
- 空き家売却の相談先を選ぶときに気をつけたいポイントがわかる
- 空き家売却の大まかな流れと事前準備についてわかる
- この記事はこんな人におすすめ!
- 空き家の売却をどこに相談しようかと迷っている人
- 空き家売却の相談先の選び方を知りたい人
- 空き家売却の流れや事前準備、注意点を知りたい人
1.空き家売却の相談先は?目的別におすすめを紹介!
空き家を売却する際は、目的や状況に応じて最適な相談先は変わってきます。
ここでは、目的別に空き家の売却を相談できる先を紹介します。
1-1.【とにかく売ってしまいたい場合】 不動産会社へ相談
「とにかく早く手放したい」「管理が大変なので一刻も早く売りたい」という場合は、不動産会社への相談が最も現実的です。
不動産会社に相談すると、実際に物件をチェックした上で、売り出す時期や希望売却価格など、ひとつひとつの状況に合わせた最適なアドバイスをしてくれます。
また、不動産会社に相談する前に「建物が古すぎて解体するしかない」と思っていても、不動産会社に相談することで「建物にも価値がある」と分かり、思ったよりも高めに売れることもあります。
空き家を売却するときは、今住んでいる家から空き家が近いのか、遠方に空き家があるのかによって不動産会社の選び方が異なってきます。
基本的には、空き家がある地域での売却実績がある会社や、物件がある地域にくわしい地元密着の不動産会社に依頼すべきです。
空き家の売却時の注意点については「空き家を売却するときに知っておくべき注意点についてまとめた」で説明していますので、ぜひご覧ください。
1-1-1.【少しでも高く売りたい場合】仲介で売却する
空き家を少しでも高く売りたい場合は、仲介での売却がおすすめです。
不動産会社に買い手を探してもらう仲介での売却だと、相場価格に近い額で売れる可能性が高くなります。
ただし、売却までに時間がかかるケースがあるだけでなく、必ずしも買い手が現れるとは限りません。また、仲介での売却が成約した場合は、不動産会社への仲介手数料の支払いが必要です。
仲介での売却については、「不動産仲介とは?家を希望に近い価格で高く売却できる方法を解説!」でくわしく説明しているので、参考にしてみてください。
1-1-2.【すぐに売りたい場合】買取で売却する
空き家をすぐに売ってしまいたい場合は、買取での売却がおすすめです。
買取を利用すれば、不動産会社や買取業者に空き家を直接買い取ってもらえるため、すぐに現金化することができます。仲介で売りに出したものの、買い手が現れずに買取で売却するというケースも多いです。
ただし、買取の場合、売却額は相場価格の7割程度になってしまいます。
買取については、「不動産買取とは?なぜ安くなる?相場額や注意点、おすすめの場合を解説」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
1-2.【地域に役立てたい・活用したい場合】 空き家バンクや自治体へ相談
売却を急がず、地域のために役立てたいという思いがある方には、空き家バンクや自治体の相談窓口も選択肢のひとつです。
空き家バンクとは、自治体が運営する空き家のマッチング制度で、おもに移住希望者や地域での定住を希望する人との橋渡しをしてくれます。
ただし、売却までに時間がかかることがあり、売れないまま登録だけして終わることもあるため、活用方法やサポート体制を事前に確認しておくことが大切です。
1-2-1.空き家バンクのメリット
空き家バンクのメリットは、次の2点です。
- 仲介手数料が不要
- 売主と買主に対する助成金がある場合も
空き家バンクも「仲介」ではないので、仲介手数料は不要です。登録料などもかかりません。
また、売主や買主に対して、空き家のリフォーム費用などの助成金を出す自治体が多いので、「売りやすく買いやすい」という点が、空き家バンクのメリットだといえるでしょう。
1-2-2.空き家バンクのデメリット
空き家バンクのデメリットは、次の2点です。
- 認知度が低い
- 買い手と直接交渉しなければならない場合がある
空き家バンクの最大のデメリットは、認知度の低さです。「家を買いたい」という人が向かう先は十中八九、不動産会社です。多くの人の目に触れないということは、好条件で売れる可能性は低いと考えられます。
また、空き家バンクは、あくまで買いたい人と売りたい人をつなぐ仕組みです。自治体は両者の交渉や売買契約の仲介はしてくれないので、自らが買い手と交渉しなければなりません。
宅建協会に仲介をお願いできる自治体も多くありますが、その場合は仲介手数料が必要になってくるので空き家バンクのメリットが損なわれてしまうともいえます。
1-3.【相続・登記・税金などの問題がある場合】 司法書士・税理士などへ相談
「相続登記が終わっていない」「複数人での共有名義になっている」「譲渡所得税が発生しそう」など、法律や税金に関わる相談が必要な場合は、専門家のサポートが不可欠です。
司法書士は名義変更や相続登記の手続きを、税理士は売却に伴う税務の相談を、それぞれ専門的な立場から対応してくれます。
不動産会社に相談する前に、まずは法的な整理をしておくことで、売却がスムーズに進むケースもあります。
1-4.【ご近所に売れる可能性も?】 隣地の所有者に声をかけてみる
少し意外かもしれませんが、隣接する土地の所有者に直接「買いませんか?」と打診するのも、実は有効な方法です。
隣地を持っている人にとっては、空き家の土地を買い足すことで、駐車場や庭、家庭菜園のスペースを広げられる可能性があります。また、将来的に家族が家を建てるために、土地を拡張したいと考えているかもしれません。
不動産会社を通さずに話がまとまれば、仲介手数料がかからない、話が早いなどのメリットもあります。売却がむずかしい立地でも、意外な形で決まる可能性があるため、一度声をかけてみる価値があるでしょう。
2.空き家売却の相談先を選ぶときに気をつけたい3つのポイント
誰に相談するかによって、空き家売却の結果は大きく変わります。
選ぶ際には、次のようなポイントを押さえておくと安心です。
2-1.まずはある程度自分でリサーチしてみる
今は、ほとんどの人がパソコンやスマホを持っているので、誰かに相談しなくても、空き家の処分や売却について調べることができます。
まずは、価格がいくらぐらいになるのか知りたいことでしょう。
ただし、空き家(不動産)の売却価格は「一刻も早く売って現金化したい」や「時間に余裕があるので、市場価格で売りたい」など、売り手の事情によって変動します。
実際のところ、不動産会社に査定をしてもらわなければ、現実的な売却価格を知ることはむずか場合も多いです。
そうなると「初めから不動産会社に相談すればいいのでは?」と思うかもしれませんが、「知らないから騙される」ということは少なくありません。
そのため、不動産会社に相談するにしても、最低限の知識があった方が良いでしょう。
空き家の査定方法については、「空き家の売却方法と査定方法についてわかりやすく説明する」で説明していますので、ぜひご覧ください。
2-2.空き家を売却する不動産会社選びに注意する
空き家の売却を依頼する不動産会社を選ぶときは、「空き家の取扱実績があるか」「物件の所在地に強いか」をチェックしましょう。
一括査定サイトなどではわからない、地域特有の事情に対応できる会社かどうかが重要です。
また、相談時の対応も大切です。親身になって話を聞いてくれるか、売却だけをゴリ押ししてこないかといった姿勢にも注目しましょう。
そして、最初から1社に絞らず、複数の相談先を比較して検討することもおすすめです。それぞれの対応を見比べることで、自分にとって最適なパートナーが見つかりやすくなります。
不動産会社の選び方については、「戸建てを高く売るにはどこがいい?売却に強い不動産会社の選び方とポイントを解説」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
2-3.空き家買取の場合は最終的に手元に残る額で選ぶ
空き家の場合、買取を利用して売却するケースも多いです。
不動産会社や買取業者の買取を利用する際は、複数の会社の査定額や見積額をしっかりと比較したうえで、最終的に手元に残る額が1円でも多く残るところを選びましょう。
なぜなら、買取の場合は、買取額から不用品処分の費用や測量費用などを差し引かれることがあります。極端な場合、マイナスになって支払いを求められるケースもあり得るのです。
査定額や見積もり額を出してもらったら、「最終的に手元に残る額はいくらになりますか?」とたずねたうえで、買取先を選ぶことが大切です。
買取のコツについては、「買取で家を高く買い取ってもらうコツとは?元不動産屋が教えます!」で説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
3.空き家売却の流れと、事前に準備しておきたいこと
実際に空き家を売るとなった場合、どのような流れで売却することになるのか、また、事前に何を準備しておけば良いのかについても押さえておきましょう。
3-1.空き家売却の大まかな流れ
実際に空き家を売却する際には、大まかに次のようなステップを踏むことになります。
3-1-1.空き家の現地調査・状態確認
最初に、自分の空き家がどんな状態なのかをざっと把握しておくと、後の相談や査定がスムーズです。
雨漏りやシロアリ被害、倒壊リスクがある場合は、事前にリフォームや解体の必要性が出てくることもあります。
3-1-2.売却に向けた相談・査定の依頼
不動産会社や空き家バンク、隣地の所有者など、自分に合った相談先に問い合わせ、査定を受けます。
査定は無料で依頼できるため、複数社に依頼して比較すると、より納得感のある売却ができます。
3-1-3.売却価格や条件の決定
査定額をもとに売却価格を決めますが、「現状のまま売る」「更地にして売る」「時間がかかっても高く売る」など、売り方にもいくつかの戦略があります。
不動産会社としっかり相談しながら進めましょう。
3-1-4.売買契約の締結
購入希望者が現れたら、売買条件を詰めて契約を交わします。
この時点で、司法書士などに登記の相談をするケースも出てきます。
3-1-5.所有権移転と引き渡し
契約完了後、必要書類をそろえて所有権を移し、物件を引き渡して完了です。
売却益が出る場合は、確定申告などの手続きが必要になることもあります。
3-2.空き家売却の事前準備
空き家を売却する際に、事前に準備しておきたいこととしては、以下のようなポイントがあります。
- 登記簿の名義確認(相続登記が未了なら要手続き)
- 権利関係の整理(共有名義の場合、全員の同意が必要)
- 必要書類のチェック(登記簿謄本、固定資産税納税通知書など)
- 建物の図面や修繕履歴(あればまとめておくと良い)
これらの準備をしておくことで、スムーズに相談や売却が進みやすくなります。
また、売却時には仲介手数料や譲渡所得税などの費用もかかるため、あらかじめ予算感を持っておくと安心です。
空き家をはじめとする不動産を売却する際に必要なものについては、「不動産売買契約で売主が用意する必要書類などをわかりやすく解説」で説明しているので、ぜひ読んでみてください。
まとめ
空き家を売却するには、まず自分の状況を整理し、目的に合った相談先を選ぶことが第一歩です。
不動産会社や自治体だけでなく、隣地所有者や士業など、状況に応じてさまざまな選択肢がありますが、空き家の売却を考えているならば、不動産会社に相談するのが一番です。
不動産会社に相談するといくらぐらいで売れるのか、どうやって売るのかなどを知ることができます。
とはいえ、不動産会社に相談すると「無理やり売らされるのではないか」と思い、いきなり相談すること自体に抵抗を感じる方も少なくありません。
空き家の処分・売却を検討しているという人は、まず「イクラ不動産」をご利用ください。無料&秘密厳守で簡単に素早く査定価格がわかるだけでなく、あなたにピッタリ合った不動産会社を選べます。
さらに、空き家の売却でわからないことや不安なことがあれば、宅建士の資格を持ったイクラの専門スタッフにいつでも相談できるので安心して売却を進めることができます。
イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。