一戸建ての売却は、土地やマンション以上に気にしなければならないことが多いため、一般的にむずかしいと言われています。
こちらでは、一戸建てを売却するときの注意点についてまとめています。
- この記事はこんな人におすすめ!
- はじめて一戸建てを売却することになった人
- 一戸建ての売却で失敗しないための注意点を知りたい人
もくじ
1.注意点①一戸建て売却には諸費用や税金がかかる
一戸建ての売却には、さまざまな諸費用や税金が必要です。
あらかじめ売却にかかる費用を知っておくことで、想定以下の手取りになってしまうことを避けることができます。
詳しくは「家やマンションの売却にかかる費用を解説!手元に残るのは結局いくら?」で説明していますので、ぜひご覧ください。
1-1.仲介手数料
仲介手数料は、売買成約にいたったときに不動産会社に支払う報酬です。
売買金額に対する仲介手数料の上限は以下のようになっており、上限いっぱいで請求されるのが一般的です(別途消費税がかかります)。
仲介手数料について詳しくは「家を売るときの仲介手数料はいくら?高い?なぜかかるの?」で説明していますので、ぜひご覧ください。
売買金額(税込) | 売主の上限手数料 |
400万円以下 | 18万円 |
400万円超 | 売買金額の3%+6万円 |
1-2.印紙税
不動産の売買契約書には、印紙税として売買金額に応じた収入印紙を貼付する必要があります(以下の軽減措置の税額は2024年3月31日まで)。
売買金額 | 印紙税額(軽減措置) |
100万円超〜500万円まで | 1,000円 |
500万円超~1,000万円まで | 5,000円 |
1000万円超〜5,000万円まで | 10,000円 |
5000万円超~1億円まで | 30,000円 |
1億円超~5億円まで | 60,000円 |
(国税庁のHPより転載)
1-3.住宅ローンが残っている一戸建てを売る場合にかかる費用
売却時に住宅ローンを完済するにあたり、次の2つの費用がかかります。
1-3-1.①抵当権抹消費用
住宅ローンを組んで購入した戸建てに設定されている抵当権を抹消する費用です。
抹消手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、費用は2万円前後になります。
1-3-2.②完済手数料
住宅ローンを完済する際に、金融機関に支払う事務手数料です。
金融機関によって異なりますが、費用は5千円~5万円ほどになります。
1-4.売却益にかかる税金
一戸建ての売却で売却益(譲渡所得)がでた場合、所得税と住民税が課税されます。
譲渡所得 = 譲渡収入金額 -(取得費 + 譲渡費用)
譲渡収入金額:戸建ての売却金額
取得費:戸建てを購入したときの金額と購入にかかった諸費用から減価償却相当額を引いたもの
譲渡費用:戸建てを売るときにかかった諸費用
減価償却費:建物部分の購入金額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
償却率:木造(非事業用)0.031、軽量鉄骨(非事業用)0.025
譲渡所得には住民税と所得税が課税されますが、それぞれの税率は家を所有していた期間によって異なります。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
5年超 | 15% | 5% | 0.32% | 20.32% |
1-5.測量費用
売却する土地と隣地との境界があいまいで、買主から境界をきちんと確定することを要求された場合、土地の測量が必要になります。
測量は土地家屋調査士に依頼する必要があり、30坪前後の土地だと30万円前後かかるのが一般的です。
詳しくは「お家の売却で測量が必要なケースと費用についてまとめた」で説明していますので、ぜひご覧ください。
2.注意点②一戸建ては築年数ごとに売却方法が異なる
一戸建ての売却には、築年数ごとの「売るための工夫」があります。
2-1.築5年前後
いわゆる築浅の戸建ては、新築物件と比較されるため注意が必要です。同じような価格のお家だと新築を選ばれてしまうからです。
また、
と不信に思われる可能性もあるので、売却理由などを明確に伝えるべきです。
2-2.築10年前後
築10年前後の戸建ての売却は、リフォーム歴によって金額に差がでます。
ただし、売却のためにリフォームをするべきかの判断は自身ではせず、不動産会社に相談しておこなうようにしましょう。
2-3.築20年以上
築20年以上になると多くの場合、建物に価値がつかなくなります。そうなると建物を解体して「更地」として売るか、建物を残したまま「古家付き土地」として売るか選択する必要があります。
価値のない建物を解体することで売れやすくはなりますが、解体のための費用がかかることと、更地にすることで固定資産税が大幅に上がってしまうことがデメリットです。
詳しくは「空き家を更地にして売却するメリットとデメリットについてまとめた」で説明していますので、ぜひご覧ください。
3.注意点③一戸建ては売却期間がかかる
一般的に、不動産売却には3~5ヶ月ほどかかるといわれています。
ただし一戸建てはマンションと比べて売却が難しいとされているので、売れないときの対応策について知っておくべきです。
3-1.一戸建ての売却がむずかしいとされる理由
マンションは部屋ごとに多少の差はあるものの、同じマンション内で過去に売れた物件を参考にして比較ができますが、一戸建てはそうはいきません。
また、土地の査定も形状や奥行、接道状況など様々なことが影響するため難しく、一戸建ての売却は、適正価格の見極めが鍵を握るといっても過言ではありません。
3-2.一戸建てが売れないときの対応策
一戸建てが売れないときの対応策として次のようなものがあります。
3-2-1.①建物を解体する
建物が古い場合は、解体することも検討しましょう。ただし先述どおり、解体にはそれなりの費用もかかり、更地にすることで固定資産税も跳ね上がるので、必ず不動産会社の判断を仰ぐようにしてください。
3-2-2.②業者買取を検討する
一般消費者に向けて売却するのが難しい場合は、不動産業者に買い取ってもらうことも検討します。
買取価格は相場価格の7~8割になってしまうというデメリットがありますが、売れないときの対策の1つとして知っておくとよいでしょう。
詳しくは「不動産をすぐに売ることができる「買取」という方法についてまとめた」で説明していますので、ぜひご覧ください。
3-2-3.③不動産会社を変更する
解体や買取を検討する前に、不動産会社を変えることも考えてみましょう。
解体や買取は費用がかかったり、売却金額が大幅に下がったりすることがデメリットです。
一方、不動産会社の変更にお金はかかりません。一戸建てが売れない理由は、不動産会社のやる気不足や力不足であることも考えられるのです。
まとめ
一戸建ての売却は、一般的にマンションや土地よりもむずかしいと言われています。
そのため、売却を始める前に、失敗しないための注意点をしっかりと確認しておくことが大切です。
現在、一戸建てを売却中の方で売却活動がうまくいっていない場合や、これから売却しようと考えている方で何から始めたら良いのかわからないという場合は、まず「イクラ不動産」でご相談ください。
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イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。