家やマンションなどの不動産売却で失敗しないために、おすすめの不動産会社の選び方を知りたいと思うのは当然です。
ここでは、実際に不動産を売却した人に、不動産会社のどんなところに不満があったのか、売却をスタートして完了するまでスムーズに進められたのかについて調査した結果から、おすすめの不動産会社の選び方をまとめました。
- この記事はこんな人におすすめ!
- 家やマンションなどの不動産売却で失敗したくない人
- 売却を依頼するおすすめの不動産会社の選び方を知りたい人
- 売却に強い不動産会社を探したい人
1.売却活動を開始するまでの流れ
まず、家やマンション、土地といった不動産を売り始めるまでの流れとやるべきことを確認しておきましょう。
売却活動を開始するまでの流れとやるべきことは、次のとおりです。
①売却を扱っている不動産会社を探す
②不動産を査定してもらい査定価格を出してもらう
③媒介契約を結んで売却活動をスタートさせる
一つずつ説明します。
1-1.①売却を扱っている不動産会社を探す
最初にやるべきことは、売却価格や依頼する不動産会社の情報収集です。
一口に「不動産会社」という名称であっても、不動産業にはさまざまなジャンルがあり、取り扱っている業務内容が大きく異なります。
売却を扱っている不動産売買仲介会社の調べ方として、次のような方法があります。
- ポストに入った不動産のチラシを集める
- 不動産会社の店舗外観を見る
- インターネットで調べる
例えば、不動産会社の店舗外観の看板の順番とウィンドウに貼っている物件ですぐにわかります。看板の文字の一番最初が「売買」ならその会社は売買に強みがあり、一番最初が「賃貸」ならその会社は賃貸に強みがあります。
また、ウィンドウに貼っている物件が売買物件(価格が数百万円〜数千万・億円)なら売買、賃貸物件(賃料が数万円〜数十万円)なら賃貸に強みがある不動産会社です。
売却を扱っている不動産会社の探し方については「お家を売るとき売却に強い不動産屋さんの正しい探し方」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
1-2.②不動産を査定してもらい査定価格を出してもらう
売却を取り扱っている不動産会社を探したら、次にどれくらいで売れそうか査定をしてもらいましょう。
査定には、机上査定と訪問査定の2種類があります。
机上査定とは、漢字そのままの意味で、情報だけで実際に物件を見ずに査定する方法です。「まだ、お家を売るかどうかわからないけど、いくらぐらいなのか知りたい」という方にピッタリな査定方法だと言えます。
机上査定に対して、不動産会社が実際に訪問をして家を隅々まで確認して査定する方法が、訪問査定(実査定)です。
詳しくは「机上査定とは?不動産会社に机上査定してもらっても意味がない理由について」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
1-3.③媒介契約を結んで売却活動をスタートさせる
媒介契約(ばいかいけいやく)とは、不動産(マンション・一戸建て・土地)を売却する際、依頼する不動産会社と売主との間で締結される契約のことです。
媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
複数の不動産会社への依頼 | できる | できない | できない |
自分で買主を見つけること | できる | できる | できない |
媒介契約期間 | 特に決まりはない | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
レインズへの登録義務 | 特に決まりはない | 7日以内に登録 | 5日以内に登録 |
売主への報告義務 | 特に決まりはない | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
不動産会社に売却を依頼する際は、いずれかの媒介契約を結ばなければなりません。
媒介契約について詳しくは「媒介契約とは?3つのうちどれを選ぶべきなのか解説!」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
2.売却が得意な不動産会社の探し方
売却を依頼できる、おすすめの不動産会社をインターネットで見つけるのは至難の業ですです。
なぜなら、インターネットの情報だけでは、その不動産会社が売却が得意かどうかがわからないからです。
おすすめの不動産会社を調べる方法として「口コミ」を調べる人もいるでしょう。しかし、不動産会社の口コミを見ても参考になりません。
不動産を売却する頻度が少なすぎるため口コミが発生しづらいこと、また、ほかの不動産会社と比較しづらいことがその理由です。
詳しくは「不動産会社の口コミを見ても家を売るときに参考にならない」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
そのため、口コミを調べておすすめの不動産会社を見つけるより、「おすすめできない、ダメな不動産会社を見分けて排除する」という消去法で選ぶ必要があります。
2-1.おすすめできないダメな不動産会社の見分け方
おすすめできないダメな不動産会社を見分けるために、実際に不動産を売却した人が、不動産会社のどのような点に不満を持ったかをみてみましょう。
こちらは、不動産ポータルサイトLIFULLHOME’S(ライフルホームズ)が、2016年に調査した10年以内に不動産売却を経験したことのある、20代~60代までの男女541人の「不動産会社の対応で不満だったこと」の回答(『HOME’S PRESS』参照)です。
理由 | 割合 | |
A | 売却活動の報告が少なかった | 15.5% |
B | 営業担当者の知識・経験不足を感じた | 11.8% |
C | 内見(=購入希望者の案内)が少なかった | 11.3% |
D | 折込やネットなどの広告に積極的に掲載してくれなかった | 9.2% |
E | 売却をお願いした後はまったく連絡がなかった | 8.3% |
F | 契約や引渡し時に不備があった | 6.5% |
G | その他の不動産会社に対する不満 | 2.6% |
H | 特に不動産会社に対する不満はなかった | 55.8% |
このアンケートの結果から、売却活動の報告が少なかったことや、担当者の知識や経験不足、購入希望者の案内が少なかったことに不満を抱いた売主が多いことがわかりました。
2-1-1.見分けポイント①売却活動中の報告頻度
売却を「決断」するまでは、紆余曲折(うよきょくせつ)あるかもしれませんが、一旦、売却すると決めて売却活動を開始したら、売主はできるだけ早く売れることを願います。
売れるまでは「いつ売れるのか」と不安になるのは当然のことです。
このあたりが、Aの「売却活動の報告が少なかった(15.5%)」やEの「売却をお願いした後はまったく連絡がなかった(8.3%)」につながっているものと思われます。つまり、不動産会社が「きめ細やかな連絡やコミュニケーションを取ってくれそうか」が、不動産会社選びの大事なポイントの一つだと言えるでしょう。
報告頻度を確認する
2-1-2.見分けポイント②集客力と売却活動
また、Dの「折込やネットなどの広告に積極的に掲載してくれなかった(9.2%)」やCの「内見が少なかった(11.3%)」という声もあります。これらは、売却活動を積極的に行ってくれなかったことから生じる不満です。
よって、不動産査定のときに「どのような広告戦略や集客方法を考えていますか?」と確認しておくようにしましょう。大手の不動産会社だからといって、誰もが知っている不動産ポータルサイトに掲載しているわけではありません。
集客方法について、詳しくは「家を売るとき、不動産会社はどうやって買いたい人を集客しているの?」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
集客方法や売却活動を確認する
2-1-3.見分けポイント③担当者の経験と知識
Bの「営業担当者の知識・経験不足を感じた(11.8%)」についてですが、不動産会社は不動産のプロにも関わらず、売主がこのように感じること自体が問題だと言えます。しかし、実際にこのように感じた方が多いというのがアンケートの結果です。
不動産の訪問査定のときに、営業担当者と直接やりとりして「あれ、心配だな」と思うのであれば、その不動産会社に依頼することをやめておく方が良いでしょう。
不動産会社に質問すべき内容について、詳しくは「訪問査定とは?訪問査定で不動産売却の成功が決まる理由について」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
営業担当者の知識やレベルを確認する
2-2.「不満がなかった」と「満足した」は同じではない
そして、最も多い回答が、「特に不動産会社に対する不満はなかった(55.8%)」です。この結果を見て
と思うかもしれません。
しかし、それは違います。こちらはすでに不動産の売却が終わった売主のアンケートです。
売却を依頼した結果、不動産が売却できたのであれば、目的を果たせたので満足するはずです。対価として、その分の仲介手数料も不動産会社に支払っています。
よって、売却が完了した売主の「不満がなかった」は、必ずしも「満足した」と同じではないため、この感想は当てになりません。
不動産会社選びで失敗しないようにするためには、経験者が「不満に思った部分」について注目し、自分がそうならないように学んでおく必要があります。
3.家の売却中の注意点〜家はなかなか売れないことを理解しておく〜
次に、売却をスタートして完了するまでスムーズに進められたのかのアンケート結果をみてみましょう(『HOME’S PRESS』参照)。
- A まったく手間取らなかった 24.2%
- B さほど手間取ることはなかった 49.2%
- C 少々手間取ることがあった 21.8%
- D 非常に手間取った 4.8%
不動産の売却は、何度も経験するものではないため、「不動産売却のスタンダードな方法」自体わからないでしょう。
そのため、スムーズに売却できたかどうかについては、「ああ、こんなものなのかな」という感想になり、Aの「まったく手間取らなかった」やB「さほど手間取ることはなかった」を選択していると考えられます。
3-1.売却中の不満について
以下は、Cの「少々手間取ることがあった」とDの「非常に手間取った」と回答した144人の理由についてです。
3-1-1.思っていたより時間がかかる
3-1-2.買主がなかなか見つからない
3-1-3.不動産会社の対応に不満
3-1-4.不動産会社からの連絡が少ない
3-1-5.価格に不満
不動産会社の不手際という理由以外、ほとんどが「なかなか売れない」ことに対する不満であり、そのことが「手間取った」につながっています。
3-2.家がなかなか売れない理由は査定価格が高すぎるから
なぜ、なかなか売れないかというと、売却前に不動産会社に提示された査定価格が「相場価格より明らかに高い」からです。
相場価格より高い価格で売りに出すと、なかなか売れないだけでなく、最終的には大幅な値下げをすることになり、結果として損をすることになりかねません。
まず、自分のお家がどれぐらいの価格だったら売れるのか、相場価格を客観的に知っておくことは非常に重要です。
相場価格について詳しくは「不動産の相場価格とは?自分でネットで調べる方法をわかりやすく解説!」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
4.おすすめの不動産会社は売却実績が多い会社
おすすめの不動産会社というのは、口コミでは見つけられないことがわかりました。
不動産会社の口コミが参考にならない理由は、「不動産会社の口コミを見ても家を売るときに参考にならない」で詳しく説明しています。ぜひ一読してみてください。
口コミが参考にならないのであれば、何を参考にすればよいのでしょうか。それは、「売却実績が多いかどうか」です。
4-1.売却実績が多い不動産会社がおすすめな理由
こちらは、不動産業界にいると一度は聞く『論より証拠』です。不動産会社が好きな言葉でもあります。
「論より証拠」とは、ものごとの良し悪しをはっきりさせるには、いくら上手に説明しても意味はなく、 証拠となるものを目の前に示したほうが、明らかにはっきりするという意味です。
不動産会社を選ぶ際は、口コミよりも実績を重視するようにしましょう。
なぜなら、実際にその地域において売却実績の多い不動産会社は、すでに物件を探している「見込み客」を多く抱えているからです。また、売却実績が多いということは、その地域での不動産の売り方を熟知していることにもなります。
売却実績が豊富な不動産会社を選んだうえで、実際に何社に査定と依頼して担当者を比較し、「その不動産会社の営業担当者に信頼がおけるかどうか」を自身でチェックして選びましょう。
まとめ
家やマンションといった不動産の売却は、売却を依頼する不動産会社選びが成否を左右すると言っても過言ではありません。
実際に不動産を売却した売主のアンケート結果から、不動産会社選びのポイントは次の3点だということがわかりました。
- 報告頻度を確認する
- 集客方法や売却活動を確認する
- 営業担当者の知識やレベルを確認する
また、なかなか売れないという売却中の不満をなくし、大幅な値下げを回避するためには、相場に近い正しい査定価格を出してくれる不動産会社を選ぶことも大切です。
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不動産というのは一番高い財産であり、そう簡単に売れるわけではありません。しかし、売主は「いつ売れるのか」と売れるまで不安です。
不動産会社にとっては当たり前のことでも、売主にとってはすべてが初めてのことであり、当たり前ではありません。それでも、手数料という対価を支払うのは売主であるあなたです。
売却中や売却後に後悔することがないよう、売却する前にしっかりと勉強しておきましょう。
イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。