
家を売ろうと考えているのですが、どれくらいで売れそうか、相場価格を自分で簡単に調べる方法はないのでしょうか?
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
相場価格を知らないと、売ったあとで知ったときに

と後悔しますし、高く売れると

と納得しての売却となります。
そこでインターネットで検索すると、それっぽい価格が掲載されているサイトがみつかります。
しかし、ほとんどのサイトで掲載されている価格は成約価格ではありません。売出価格です。
この売出価格は相場価格ではありません。
相場価格を調べるには、以下を調べる必要があります。
- 近隣の似ている家の過去の成約価格を調べる
- 近隣の似ている家が今、いくらで売りに出ているかを調べる
ここではまず、家を売却する上で必ず知っておかなければならない相場価格・査定価格・売出価格・成約価格のそれぞれの意味と違いについて、また、相場価格を自分で簡単に調べる方法をわかりやすく説明します。
だから!

もくじ

不動産の◯◯価格とは?
不動産業界では「◯◯価格」という業界用語が多く、まずはこの違いを知らなければなりません。
相場価格(そうばかかく):過去実際に売れた価格から判断して、現時点で市場に出して「実際に売れるであろう金額」のこと。
査定価格(さていかかく):本当は「おおむね3か月以内に売れると想定した金額」のことを指すが、実際は不動産会社が売主の様子を見ながら提案することも多い。
売出価格(うりだしかかく):売却スタート時点の販売価格。
販売価格(はんばいかかく):現在販売中の不動産の価格。
成約価格(せいやくかかく):「実際に売れた金額」のこと。
皆さんが思い浮かべる「相場価格」とは「今、売った場合の金額」のことですよね。
ただし、実際に売れる金額がわかるわけではありません。なぜなら、不動産は世界にたった一つしかない商品のため、似たような物件であっても、同じ金額で売れるかどうか確実にはわからないからです。
その上で、売り手と買い手が成立した「成約価格」は、現時点におけるその地域の不動産の需要と供給が一致する価格=相場価格を計算する上の根拠となります。
例えば、過去に売れたマンションが専有面積76.11㎡、成約価格3,600万円であるとすると、3,600万円÷76.11㎡で1㎡あたり47.3万円になります。
査定マンション | 事例マンション | |
72.94㎡ | 面積 | 76.11㎡ |
ー | 成約価格 | 3,600万円 |
ー | 1㎡あたりの価格 | 1㎡あたり47.3万円 |
3,450万円 | 査定価格 | ー |
査定マンションが72.94㎡とすると、単純に72.94㎡×47.3万円で、相場価格は3,450万円ということになります。
査定価格は、この3,450万円を基準に、売主の様子を見ながら決めることも多いのであてになりません。



なぜ、上記のような査定価格の高値釣りがおきるのかについて詳しくは、「不動産会社にとって購入より売却のお客様の方が重要なのはなぜ?」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
また、「売出価格」は、スタート時点での価格で、「売出価格=まだ成約できていない、その価格では売れない価格」と見ることもできるため、決して「売出価格=相場価格」ではないはずです。
それでは、なぜ多くのサイトは「売出価格」を掲載しているのでしょうか。
これはさも高い金額で売却できるように見せかけ、売却するように誘導しているからに他なりません。
では、売出価格と成約価格にどれぐらいの差があるのかをみてみましょう。
売出価格と成約価格にはどれぐらいの差があるの?
こちらは東京カンテイが2017年に公表した「中古マンションの売出・取引事例に基づく価格乖離率」のデータを元に、売出価格と成約価格にどれぐらいの差があるのか、わかりやすく図式したものです。
売れた成約価格がいずれも3,000万円と仮定した場合、売出価格が高ければ高いほど、売却するのに期間がかかり、かつ値下げしなければならなくなることを指し示しています。
重要な点として「いつまでに手元にお金が必要なのか」売却期間が決まっている場合は、相場からかけ離れた売出価格を設定すべきではないということになります。

このような場合、期間内に売るために、相場価格からいくらぐらい上乗せして、売り出せばよいのか、上記のデータを利用すると、次のようになります。
相場価格×倍率 | 売出価格をいくらにすべきか | |
1ヶ月 | 1.03倍 | 3ヶ月以内に売りたい場合は、相場価格の1割高い価格に設定 |
2ヶ月 | 1.05倍 | |
3ヶ月 | 1.07倍 | |
4ヶ月 | 1.09倍 | 相場価格の1割〜1.5割 |
5ヶ月 | 1.11倍 | |
6ヶ月 | 1.13倍 | 相場価格の1.5割以上高い価格で売り出すと、売れるまでに半年以上かかる可能性を考えておく |
7ヶ月 | 1.15倍 | |
8ヶ月 | 1.16倍 | |
9ヶ月 | 1.18倍 | |
10ヶ月 | 1.18倍 | |
11ヶ月 | 1.20倍 | |
12ヶ月 | 1.17倍 |
つまり、3ヶ月以内に売りたいのであれば、売出価格は、相場価格の1.1倍(+10%)ぐらいの金額に設定すべきで、逆に相場価格の1.15倍(+15%)以上で売り出すと、売れるまでに半年以上かかるということを覚悟しておいた方が良いでしょう。
では、どうやって相場価格を調べたら良いのでしょうか?
相場を自分でネットで調べる方法
相場価格を調べるには、次の2点を調べる必要があります。
- 近隣の似ている家の過去の成約価格を調べる
- 近隣の似ている家が今、いくらで売りに出ているかを調べる
①近隣の似ている家の過去の成約価格を調べる
まず、自宅と近隣の似ている家が、過去いくらで売れたのか成約価格を調べましょう。
マンションの場合は、同じマンション内、土地・一戸建ての場合は、同じ町域内で過去5年以内に売れた価格を参考にすべきです。
自分でネットで調べる方法として、3つの方法があります。
イクラ不動産
(イクラ不動産)
イクラ不動産は、不動産会社が過去実際に売却した物件(マンション・一戸建て・土地)を掲載しているサイトです。こちらでは、いつ(何年何月)・いくら(成約価格)で売れたのがひと目で確認することができ、まさに近隣物件の相場価格を知ることができます。
レインズマーケットインフォメーション
レインズとは、不動産会社しか利用できない「過去にいくらで売れたのか成約価格がわかる」サイトです。そこで、一般の消費者も相場や適性価格を知ることができるよう「RMI(レインズ・マーケット・インフォメーション)」にて、一部の売買成約情報について公開していますが、所在地の詳細がわからないため、いまいちわかりにくいかもしれません。
土地総合情報システム
土地総合情報システムは、不動産取引を実際に行った人を対象にしたアンケート結果をデータベース化したサイトで、直近1年間の売買情報が検索できます。 所在地別に、㎡(坪)単価や価格、面積、間取りなどの情報が一覧表示されます。
②近隣の似ている家が今、いくらで売りに出ているかを調べる
売出し中の物件は「まだ売れていない=その価格では売れない」ということから参考にします。また、自分のお家を売る上でのライバル物件となるため、必ずチェックが必要です。
SUUMOやLIFULL HOME’S、athomeなど購入者向けの物件検索サイトを使えば、現在売り出し中の不動産と価格がわかります。
マンションの場合は「マンション名」を、一戸建てや土地の場合は「町名+戸建(土地)」とGoogleで検索しましょう。購入者向けのサイトが出てくるはずです。
自分のお家に条件の近い物件がいくらで売り出されているか確認して売出価格の参考にしましょう。
まとめ
相場価格を調べると、

とガッカリされる方は少なくありません。
中古品を売買できるフリマアプリのメルカリをご存知であればわかりやすいのですが、メルカリは売れた価格を調べて、今出ている価格をみて、出し値を決めて、それで売れなければ、値段を下げていきます。
この作業は不動産も全く同じです。
相場価格を調べて、今販売中のライバル物件の価格をみて、出し値を決めて、それで売れなければ、価格を下げていきます。
違いは「値付けをプロ(不動産会社)に相談しながら自分で決める」ことです。
この「実際に売れた価格」が「相場価格」で、目安として相場価格より1割以上高く売り出すと、3ヶ月以内に売れる確率がぐっと減ってしまいます。
不動産会社は、マンションや土地について過去の成約価格をもとに査定価格を出しています。あなたが家を売るとき、最初におよそいくらぐらいなのか相場価格が知りたいのであれば、売出価格ではなく、成約価格での数字を参考にするようにしてください。
メルカリと違うのは、手数料が10%ではなく3%であることと、家を売るために不動産会社がSUUMOやHOME’Sなど買い手が集まるサイトに広告手数料を支払って掲載するということです。
ですから、「価格」の値付けと「不動産会社」選びが重要になってきます。
「相場価格が知りたい」という人は、まず「イクラ不動産」でご相談ください。
不動産会社に行かなくても、自宅で簡単に素早く不動産(マンション・一戸建て・土地)の相場価格がわかります。さらに、あなたの状況にピッタリ合った売却に強い不動産会社を選ぶことが可能です。