離婚で旦那名義の家を勝手に売却されそうなのですが…
私が住み続けていたら夫が勝手に家を売ることはできないですよね?
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
離婚や別居の際に、家の名義が単独で夫名義になっている場合は、勝手に売却されてしまうリスクがあります。
ここでは夫名義の家があるとき、離婚で夫が勝手に売却する危険性と対処方法についてわかりやすく説明します。
もくじ
1.旦那単独名義の家は、旦那だけで売却可能
家族で住んでいた家でも、旦那単独名義になっているとき、夫は妻への相談や協力なしに、自分1人で家を売却できます。
不動産会社に売却を依頼するのも夫だけで良いですし、売買契約の締結も夫だけでできます。
妻に連絡する必要すらありません。
1-1.旦那名義の家を売却するときの流れ
旦那さんが夫名義の家を売るとき、どのような流れになるのかみてみましょう。
まずは、不動産会社に家の査定をしてもらい、旦那さんが不動産会社と売却の媒介契約(ばいかいけいやく:売却活動を不動産会社に依頼するための契約)を締結します。契約者は家の名義人である旦那さん1人であり、妻に通知する必要はありません。
媒介契約締結後は、不動産会社が家を売り出して買主を探します。購入希望者が現れたら、不動産会社は旦那さんと金額や条件などについて話合いをします。もちろん、このときも妻は一切関与しません。
契約条件が整ったら、旦那さんと買主が「売買契約」を締結します。契約時には、売買代金のおよそ10%にあたる手付金を受け取るのが普通です。
そして決済日に、旦那さんと買主、不動産会社、司法書士が集まって手付金を除いた売買代金の支払いと家の引き渡しを行い、売却を完了します。お金の受け渡しのときも、妻がいる必要はありません。
このように、旦那名義の家を売却するときには、夫のみが対応すれば良く、妻には一切の連絡を入れる必要がありません。
つまり、夫婦が別居しているケースや旦那名義の家に住み続けているケースも、妻の知らない間に勝手に家が売却されてしまう可能性も充分にあるということになります。
流れ自体は、普通の売却と同じです。より詳しく知りたい方は「不動産売却の流れをイラスト解説!初めて売るなら何から始めるべき?」も併せてご覧ください。
2.家を売却されると、取り戻すのは難しい
いったん旦那名義の家を勝手に売却されてしまったら、妻が取り戻すことは困難です。
旦那名義ということは、もともとその家が夫の所有物であったことを示す間違いのない事実であり、旦那さんは売却する権利が無いのに売ったわけではありません。
この場合、正当な権利者が合法的な方法で家を売却しているのですから、妻が取り消すことは認められません。
旦那名義の家があって夫婦が別居もしくはその家に住み続けている場合は、妻の知らない間に家を売却されないよう、注意が必要です。
3.家を勝手に売却されないようにする方法

妻の知らない間に旦那名義の家を勝手に売却されないためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
3-1.①登記識別情報(権利証)を預かる
1つは、妻が「登記識別情報」を預かる方法です。登記識別情報は、かつて「不動産権利証」と言われていたものに代わる書類です。
登記識別情報(とうきしきべつじょうほう)
2005年3月の不動産登記法の改正によって、権利証を交付する制度を廃止し、その代わりに登記識別情報を登記した名義人に通知する制度へとかわりました。
登記識別情報とは、無作為に決められた12桁の英数字で、その不動産の登記名義人の本人であることの資料とされています。
登記識別情報もしくは権利証なので、昔の不動産の場合は権利証が必要です。
この書類を持っている人が不動産を所有している証拠として取り扱われ、不動産を売却するときには必ず提示を求められますし、基本的に再発行はされません。
妻が登記識別情報を預かって別居中の家に保管している限り、旦那さんは家を勝手に売却するのが難しくなります(ただし、再発行はできないものの、代わりとなる書類を司法書士が作成ができるため注意が必要です)。
3-2.②書面化しておく
また、別居時に「家を勝手に売却しない」という約束をして書面化しておく方法もあります。
「もしも勝手に売却した場合、家の売却代金の半額を支払う」という約束をしていたら、万が一旦那さんが家を売却しても、財産分与にもとづく請求権が維持されます。
3-3.③売り出されていないか監視する
さらに、旦那さんに怪しい動きがないか、監視しておくことも大切です。
たとえば、自宅が売りに出されていることを知った場合や不動産会社に相談して家を売ろうとしているようなそぶりがあれば、相談先の不動産会社に連絡を入れて「離婚協議中の妻ですが、このまま売却されると財産分与できなくなって困るので、止めてください」などと苦情を言えば、不動産会社も無理矢理売却を進めることが難しくなります。
3-4.④仮差押する
法的には「仮差押(かりさしおさえ)」という方法で不動産の勝手な売却を止めることができます。仮差押とは、紛争が解決されるまで、一時的に不動産を動かせなくすることです。
不動産を仮差押した場合には、離婚問題を解決するまで、不動産の売却や抵当権設定をできなくなります。不動産に「仮差押」の登記が行われるので、旦那さんが家を売却しようとしても、不動産会社は売却活動をしてくれませんし、買手もつかないので安心です。
仮差押する方法について詳しくは「離婚の財産分与を確保するための「仮差押」とはなにか」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
仮差押自体は裁判所が行いますが、その書類の作成は弁護士や司法書士に有料で依頼します。ただ、財産の約10%を供託金として裁判所に出さなければならないため、簡単にできるというわけではありません。
4.離婚時に夫婦で家を分ける方法
離婚時に旦那名義の家がある場合でも、財産分与では夫婦が2分の1ずつに分け合うのが基本の考え方です。
もしも、離婚後も旦那さんが家に住み続けるのであれば、旦那さんは妻に家の評価額の2分の1のお金を支払うことで、平等に分けることができます。
また、逆に妻が家をもらいたい場合は、旦那さんに家の評価額の半額を支払う方法もありますし、夫婦の両方が家に住むことを望まないのであれば、家を売却することも可能です。
売るならば、旦那さんが勝手に売るのではなく、妻も納得した上で家の売却を進めます。
売却代金が入ってきたら、不動産会社への仲介手数料など売却にかかる諸費用を差し引いて、残額を旦那さんと妻とで半分ずつ分けます。
売却を検討中の方は「離婚が原因で家を売却する時の5つのポイント」も併せてご覧ください。
4-1.売っても住み続けたい場合はリースバックがおすすめ
離婚の財産分与で家を分ける場合、できるだけトラブルを避けたいのであれば、売却した代金を分ける方法がおすすめです。
しかし、子供を転校させたくない、近所に知られたくないなどの理由から、家の売却をためらっているケースもあるでしょう。
そのような場合は、リースバックの利用がおすすめです。
リースバックを使えば、家を売却して売却代金を受け取り、その後、賃貸として住み続けられます。
家やマンションをリースバックで売却して夫婦で分け、どちらかが子供と一緒に賃貸で住み続ければ、今の家で同じように生活することが可能です。
リースバックについては、「【リースバックのまとめ】家を売っても住み続けられる!利用方法や注意点を詳しく解説」で説明しています。ぜひ一読してみてください。
まとめ
離婚や別居の際に、旦那単独名義の家を勝手に売却されないようにするためには、権利証を預かっておく、仮差押しておくなどの方法があります。
また、早いうちに夫婦で話し合って売却するというのも選択肢の1つです。
売却する場合は、財産分与がいくらぐらいになるのかを試算するためにも、いくらぐらいで売れるのかを知っておく必要があります。
とはいえ、売るかどうか決まっていないのに「不動産会社に査定してもらう」ということにハードルを高く感じる人は少なくありません。
離婚が理由で、自分の家(マンション・一戸建て)がいくらなのか知りたいという人は、まず「、イクラ不動産」でご相談ください。
簡単に素早く査定価格がわかるだけでなく、あなたにピッタリ合った売却に強い不動産会社を選べます。