
親の家を相続しましたが、荷物がいっぱいで遺品整理のやり方がよくわかりません。
今後、相続した家をどうすべきなのかも迷っています。
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
相続した家を売るにしても貸すにしても、避けては通れないのが家の片付けです。
いわゆる遺品整理(いひんせいり)です。遺品整理とは、亡くなった人の残した物を整理することで、遺品処理や遺品処分ともいいます。
こちらでは「遺品整理」ともいわれる、相続した家の片付けの方法についてわかりやすく説明します。
だから!

もくじ

基本的に遺品整理は相続人が行う
遺品整理は基本的に相続する権利を有する人が行います。相続人は、故人の持っていた権利と義務の全てを受け継ぐこととなるため、故人の遺品を整理しなければならないという義務も当然に受け継ぐからです。
有効な遺言がある場合は、遺言で指定された人が財産を受け継ぐ権利がありますが、有効な遺言がない場合は、法定相続人(民法で定められた相続人のこと)が財産を相続することとなります。
法定相続人とは誰のこと?
まず、配偶者は常に相続人になります。その他の人の優先順位は次のとおりです。
第1順位:子ども
第2順位:親
第3順位:兄弟姉妹
子どもがいなければ親が、親がいなければ兄弟姉妹が相続人となります。被相続人(亡くなった人)に子どもがいる場合、第2順位の親や第3順位の兄弟姉妹は法定相続人になりません。
相続放棄する場合は遺品整理をしてはいけない
相続放棄とは、被相続人(亡くなった人)の財産に対する相続権の一切を放棄するということです。
相続放棄で注意しなければならないことは、相続財産の一部でも処分や消費・隠匿してしまった場合、相続したとみなされて、相続放棄ができなくなってしまうという点です。
そのため、遺品整理をしてしまったことによって、相続したとみなされる可能性があるため、相続放棄を検討している場合は、遺品整理をしてはいけません。
相続放棄をしていても、資産価値のないものに関しては、遺品整理ではないとの考えもあるため、処分したり貰ったりすることができます。
例えば、手紙や大切にしていた写真など確実に資産価値がないというものに関しては問題がありません。
相続した家の片付けが必要な理由


このように、相続した家の片付けを後回しにしてしまっている方は多いです。
しかし、相続した家の片付けはなるべく早く済ましてしまうべきです。その理由は次の3つです。
売却などで活用するため
相続した家を売却したり貸したりする場合は、家の中を空っぽにしなければなりません。
近年、空き家問題が深刻化していますが、空き家の数が増えていることともに空き家の「放置」が問題になっています。放置してしまう要因の1つとなっているのが、相続した家の片付けができないことです。
相続した家を放置することは、あなたにとって有益なことではないはずです。継続的にかかる固定資産税や修繕などの維持費用や管理の手間から抜け出すためには、売却や賃貸などの活用が不可欠です。
そのための家の片付けは、相続したらまずすべきことだといえます。
相続財産の把握をするため
相続する財産は、多くの場合、家や預貯金だけではありません。遺産分割や相続税の算出をするには、相続財産を全て把握する必要があります。
例えば、相続財産として扱われるものとして次のようなものがあります。
・預貯金、現金
・有価証券
・不動産
・ゴルフ会員権、リゾート会員権
・貴金属、骨董品
・車
・著作権、商標権
・保険金(一部非課税になる場合も) など
・住宅ローンなどの借入金
・クレジットカードの未決済分
・未払の医療費や税金
・葬式費用 など
これだけの費用を全て把握するのは、時間と手間がかかります。特に会員権や貴金属、骨董品などは、家の片付けをしなければ出てこないこともあります。
相続の承認や放棄の申告は相続開始から3ヶ月以内に、相続税の納税は10ヶ月以内におこなわなければなりません。この観点からも、相続した家の片付けはなるべく早く取り掛かるのが賢明です。
相続税については「相続したお家に相続税がかかるかどうか簡単にわかる方法」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
重要な書類を見つけるため
相続した家を売却する場合、権利証(登記識別通知)は必ず必要になる書類です。
権利証は家の金庫などに保管されているケースが多いので見つかりやすいのですが、その家を取得したときの不動産売買契約書や建築請負書などの書類がどこにあるのか見つけておくべきです。
これらの書類は、家を売ったときに売却益が出た際の計算に用いるものです。購入など取得したときの費用がわかる書類がないと実費以上の売却益とみなされ、所得税が高額になってしまいます。この書類が見つからないことで、多くのケースで高額な譲渡所得税がかかっています。
すぐに売却を考えていない場合でも、取得費と取得にかかった諸費用(仲介手数料やリフォーム費用など)がわかる書類は、あらかじめ見つけておくことをおすすめします。
参考 取得費の計算方法イクラちゃんねる遺品整理の3つの方法
相続した家は、ご自身で片付けするのが一番ですが、家が遠方にあったり、時間が取れなかったり、物が大量にあり、ごみが多く出そうでなかなか手をつけられないというケースがあります。

①遺品整理業者にお願いする
清掃業者に相続した家の片付けをお願いしたいのだけれども、なかなか依頼できない理由には、次のような心配があるのではないでしょうか。
- 大事なものがなくなってしまう
- 価値のあるものまで処分されてしまう
- 費用が高そう
このような心配から、遺品整理は自分でやるしかないという結論になる方も多いですが、今は超高齢化社会ということもあり、遺品整理を専門にしている業者が多くあります。
遺品整理業者の特徴は、単に荷物の片付けや処分をするのではなく、
- 探し物を探しながら
- 価値がありそうなものを見分けながら
- 大事なものか遺族に聞きながら
作業をしてくれることです。
参考 買取&お片付けサービスエコマケ孤独死や事故物件の場合のクリーニングに対応している業者もあるため、ご自身の状況や予算にあった業者を比較してみてください。
②不動産会社にお願いする
遺品整理後の売却をお考えの場合は、売却をお願いする不動産会社に遺品整理の相談してみるのも1つの手です。
最近は相続対策や相続税改正などにより不動産の相続が多くなっているため、多くの不動産会社がサービスの一環として遺品整理や不用品回収などの手配をおこなっています。
とはいえ、不動産会社は遺品整理の専門業者ではないため、専門業者に手配し、紹介料を専門業者から取っているケースもあります。
③解体とともに処分する
相続した家を解体するつもりの方は、解体業者に家に残った遺品をまとめて処分してもらうこともできます。
ただし家に残った細かなものまで全て処分してくれるのか、タンスや机などの木製家具のみの処分しか対応してくれないのかは、業者によって異なります。また料金設定も様々なので、しっかり比較と検討することが大事です。
ただ、そもそも「今すぐに解体が必要なのか」という点については、しっかり考えるべきです。
家を解体してしまうと、それまで最大1/6にまで減税されていた土地の固定資産税の優遇がなくなってしまいます。
売却や駐車場での活用など決まった上での解体なら問題ありませんが、その後の使い道が決まらないうちに安易に解体してしまうのは避けるべきでしょう。
解体するか迷っている方は「空き家を売却するときは取り壊して解体すべきかどうかについてまとめた」も併せてご覧ください。
遺品整理が遅くなると損する可能性もある
基本的に遺品整理は、気持ちの整理がついてから始める方が多く、特に家などの不動産については、いつまで経っても売却に踏ん切りがつかないという方もいます。しかし、長い年月放置したままでいると手間がかかったり損をしてしまうリスクがあります。
主なリスクは以下のとおりです。
- 管理の手間がかかる
- 固定資産税の支払いが続く
- 家の価値がどんどん下がっていく
- 特定空き家に指定される可能性もある
家の劣化を防ぐためには、定期的に空気の入れ替えや掃除が必要です。ただ、どれだけ綺麗に保っていても建物の価値はどんどん下がります。

そのため、基本的には今が一番家の価値としては高いといえます。また、固定資産税の支払いも当然ながら続いてしまうので、少なからず負担となります。
遠方に住んでいるのであれば、なかなか定期的に管理に訪れることは難しいでしょう。リフォームやリノベーションすれば、まだまだ売れた物件も見た目がボロボロになれば、更地として売るしかなくなるので、解体費用を負担するしかありません。
家の管理を放置しすぎると、最悪の場合「特定空き家」に指定されてしまい、固定資産税の優遇措置がなくなるため、実質、増税となってしまうリスクもあります。
現在の状況的にも家の管理が大変になるかもしれないという可能性が少しでも考えられるのであれば、次に大事に住んでくれる方に譲っていくという方法も検討してみるべきではないでしょうか。
売却については「相続した家の売却方法」も併せてご覧ください。
とはいえ、まずは売却する・しない、どちらにしても相続税がかかるのかも含めて財産を確定するためにも、家の価値を知っておく必要があります。
相続した家の価値が知りたいという方や、相続した家をどうするのか相談したいという方は「イクラ不動産」をご利用ください。
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