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【事故物件×不動産売却まとめ】告知義務や売却相場と併せて売り方の基本を解説

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【事故物件×不動産売却まとめ】告知義務や売却相場と併せて売り方の基本を解説

事故やトラブルで人が亡くなった、いわゆる「事故物件」であっても売却は可能です。また、死因によっては事故物件にならないケースもあります。

【この記事で具体的にわかること】

  • 事故物件の告知義務の概要
  • 事故物件の売り方・相場価格
  • 事故物件を高く売るコツ
  • 事例別の事故物件になる場合・ならない場合
  • 賃貸している物件で人が亡くなった場合
  • 「大島てる」にデマ情報が載った場合

事故物件の売却で悩んでいる、次のような方におすすめです。

この記事はこんな人におすすめ!
告知義務がある事故物件になるかかどうか判断が付かない!
事故物件の売却方法や相場価格が知りたい!
事故物件でも少しでも高く売るコツを知りたい!

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もくじ

1.事故物件と告知義務の概要

3つのポイント

  • 人が亡くなったからといって、必ずしも事故物件になるわけではない
  • 告知義務のある人の死があった場合、売買物件では時効はない
  • 告知義務がない場合でも自己判断で黙って売りに出してはいけない

この章では、事故物件と告知義務について解説します。

1-1.事故物件となる「心理的瑕疵」は、買主への告知が必須

所有する物件に何らかの不具合や問題がある場合、必ず買主に告知しなければなりません。これが「告知義務」です。

不動産において、買主の生活に影響を及ぼしかねない不具合のことを「瑕疵」と呼び、次のような4つの種類があります。

〈一覧表 説明が義務付けられている瑕疵4つ〉
瑕疵の種類 概要 具体例
心理的瑕疵 買主の心理状態に悪影響を与える恐れのある場合 ・過去に自殺や事故があった物件
・嫌悪施設の跡地 等
法律的瑕疵 現在の建築基準法に違反している、もしくは法的制限のある場合 ・再建築不可物件
・建築基準法違反
・市街化調整区域に建っている 等
物理的瑕疵 土地・家屋そのものに欠陥がある場合 ・耐震強度不足
・地中埋設物
・シロアリによる被害
・ヒビ、水漏れ 等
環境瑕疵 物件を取り巻く環境に問題がある場合 ・隣人トラブル
・嫌悪施設が付近にある
・騒音がひどい 等

心理的瑕疵に値するような人の死があった場合は、告知義務の対象となり、いわゆる「事故物件」となります。

なお、売買の場合、告知義務に時効はありません

物件に告知義務のある瑕疵がある場合、売主は告知書(物件状況報告書)にその旨を正しく記載する必要があり、不動産会社もこれに基づいて売却方法などを決めます。

万が一記載をせず、その瑕疵や不具合が売却した後に発覚した場合は、たとえ売買契約書で「瑕疵担保免責」を定めていたとしても、契約解除や売主に損害賠償義務などが発生してしまうリスクがあります。

用語解説

  • 瑕疵担保免責……売却した不動産に瑕疵(何らかの不具合や欠陥)があっても売り手はその責任を一切負わないとする契約時の特約のこと

1-2.告知義務により、事故物件になる場合とならない場合がある

ここで大切なのは、建物内で人が亡くなった場合、心理的瑕疵の告知義務がある事故物件に必ずなるわけではないということです。

告知義務の対象となるのは、主に次のような「不自然な死に方」があった場合です。

  • 殺人
  • 自殺
  • 火災による死亡
  • 長期間にわたって人知れず放置された自然死や事故死

反対に、次のような「自然死や不慮の事故死」の場合は、告知義務の対象になりません。

  • 老衰
  • 病死
  • 事故死(転落、転倒、食事中の誤嚥など)

2021年に国土交通省が公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を参照すると、詳しい判断基準が分かります。

自然死や不慮の事故死の場合は、基本的には告知義務の対象にはなりませんが、亡くなったまま長く放置された場合には告知義務が発生します。

ただし、その「長く放置」が具体的にどのくらいの期間であるかは素人には判別がつきにくいです。

そのため、告知義務にあたらない場合であっても勝手に判断をせず、売却を依頼する不動産会社には事実を伝えておきましょう。

事故物件の売却を得意としている不動産会社であれば、告知すべきかどうか判断してくれるだけでなく、買い手にも上手に伝えてくれます。

2.事故物件の売り方

3つのポイント

  • 事故物件になると売却価格は1~5割下がる
  • 高く売りたいなら仲介がおすすめだが、事例によっては買取しか選べない場合がある
  • 買取してもらう時は手元に残る金額が高い不動産会社を選ぶ

2-1.事故物件は通常売却で売れるが売却額は安くなる

事故物件は通常の売却で売ることができます。

ただし、一般的な相場通りの価格では売れません。事例にもよりますが、相場価格から1~5割下がった額になります。

事例別にどのくらい安くなるかをまとめたものが、次の表です。

【表 死因別の事故物件の売却相場価格】
死因 売却価格 例(相場価格が3000万円の場合)
他殺(殺人) 相場価格の5割程度 1,500万円程度
自殺 相場価格の7割程度 2,100万円程度
自然死(孤独死) 相場価格の9割程度 2,700万円程度

ただし、事件や事故の凄惨さや発見時の状況によってかなりの違いが出るため、あくまでも目安として捉えておきましょう。

事故物件をいくらで売り出すのか、また買い手からの価格交渉をどの程度受けるのかは、不動産会社と担当者の経験や手腕にかかっています。

そのため、事故物件を少しでも高く、良い条件で売却したい場合は、事故物件の扱いが得意な不動産会社に任せましょう。

2-2.事故物件の売り方

事故物件であっても、通常の売却と同じように、次の2つの売却方法が選べます。

  • 一般の消費者に売る「仲介
  • 不動産会社に買ってもらう「買取

仲介と買取の売却方法の違いは、次の通りです。

【死因別の事故物件の売却相場価格】
仲介 買取
売却価格 相場価格に近い額で売却できる可能性が高い 仲介よりも安くなることが多い(相場価格の7割程度)
売る相手 一般消費者(個人) 不動産会社や買取業者
売却にかかる期間 売却完了まで時間がかかる(数ヵ月〜) 条件が合えば売却完了まで数日〜1週間程度
売却費用 仲介手数料がかかる 仲介手数料がかからない

2-2-1.仲介がおすすめな場合と利用における注意点

時間がかかっても少しでも高く売りたい場合は、仲介がおすすめです。

注意すべきこととして、自殺や殺人などの場合は、仲介で売却しづらい場合も多くあることを知っておきましょう。

なお、仲介で売る際のポイントとして、媒介契約の形態は専任媒介契約か専属専任媒介契約にし、依頼する不動産会社を一社に絞った方が良いでしょう。

一般媒介契約であれば売主は複数の不動産会社と媒介契約が結べますが、その分各社の売却に向けてのやる気が削がれてしまう傾向があるためです。

事故物件はただでさえ売りにくく敬遠されがちなので、売却に注力してもらう必要があります。

事故物件を仲介で売却する際に最も重要なのは、事故物件に強い不動産会社を選ぶことです。

不動産会社の中には、事故物件を取り扱っていないところや、事故物件の売却実績がないところもあります。

よって、事前にしっかりと不動産会社について調べるだけでなく、複数の不動産会社を比較して、自分に合ったところを選ぶことが大切です。

イクラ不動産では、事故物件のような売却の難しい物件でも引き受けてくれる、「どんな物件も断らない不動産屋さん」がわかります。

また、イクラ不動産独自の価格シミュレーターを使えば、無料で簡単に素早く相場価格がわかるだけでなく、事故物件の売却について、イクラ不動産の専門スタッフにいつでも無料で相談できるので安心です。

2-2-2.買取がおすすめな場合と利用における注意点

「一刻も早く手放したい」、「周りの人に知られたくない」という場合は、買取がおすすめです。

不動産会社や買取業者に事故物件を直接買い取ってもらうので、買い手を見つけるための「売却活動」が不要のため、すぐに現金化することが可能ですし、人に知られることもありません。

一方で、事故物件としての仲介で売却した場合よりもさらに売却額が安くなってしまうことが注意点です。

買取価格は、一般的な相場価格より何割か安くなった価格である事故物件の相場価格から、さらに3割程度引かれた額になります。

例えば、相場価格3,000万円程度の家が、事故物件になったことで仲介で売却する際の査定価格が2,100万円になったとします。

この物件を買取で売却すると、そこからさらに3割ほど価格が下がり、最終的に1,500万円程度の売却価格になります。

【表 事故物件の買取価格の例】
【相場価格3,000万円】
通常の場合 事故物件の場合
仲介価格 3,000万円 2,100万円
買取価格 2,100万円 1,050万円

しかし、仲介で売れないような物件も売りやすく、事故物件全般に適した方法と言えるでしょう。

買取してもらう不動産会社を選ぶ際は、買取額だけでなく、最終的に手元に残る額を提示してもらって比較し、一番高いところを選ぶことが大切です。

ただし、もう一つの注意点として、凄惨な事件が起きた物件であると買取さえ断られることがあります。そうなるとある程度期間を置いてから売るか、住まいとしての売却をあきらめるほかありません。

イクラ不動産では、売却に強い不動産会社だけでなく、買取に特化した不動産屋さんも紹介しています。

事故物件の売却や買取を依頼できる不動産会社を探している場合は、ぜひご利用ください。

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3.事例別の事故物件の売り方を簡単解説

3つのポイント

  • 自然死・不慮の事故死では発見時の状態が大事になる
  • 殺人は買取さえ断られることも多い
  • 飛び降り自殺は起きた場所や条件によって事故物件になるかならないかが決まる

この章では、自然死・不慮の事故死、殺人などの事例別に、「事故物件になるかならないか」「売り方のおすすめ」などを簡単に解説します。

3-1.自然死・不慮の事故死・病死

まず、自然死や病死、不慮の事故死といった事例について説明します。

3-1-1.事故物件になるかならないかの基準

老衰による自然死、転落事故や食べ物の誤嚥など不慮の事故死、病死など、告知義務が必要でない人の死の場合は「事故物件」になりません。

事故物件になるかどうかを決める大きな要素は、心理的瑕疵になるかどうかです。

死後、長時間が経った場合は室内に臭いがついたり近所で噂になったりして、買主に嫌な思いをさせる場合があります。

したがって、死亡から発見までに長く時間がかかってしまった場合は事故物件になります。

いつまでに発見したら告知義務の対象にならないといった基準はないため、売却の際には必ず不動産会社に伝えて判断してもらいましょう。

3-1-2.売り方のおすすめ

事故物件にならなければ、通常通りの売却が可能です。事故物件になっても売却の方法は大きくは変わりません。

  • できる限り高く売りたければ仲介
  • できる限り早く売りたければ買取

となります。

なお、発見に時間がかかって事故物件になってしまった場合、仲介であれば相場価格よりも1割程度安い売却価格になります。買取の場合は、そこからさらに3割ほど引かれます

また、特殊清掃が必要となる場合がありますので、その時は売却前に済ませておくと良いでしょう。

自然死・不慮の事故死に関する具体的な事例や詳しい説明は「【事故物件】自然死(老衰や病死)のあった家を売るときは告知義務がある?」、病死に関する詳しい説明は「病気で人が死んだ家は事故物件になる?病死のあった家を売る方法を解説」を読んでみてください。

3-2.自殺

次に、自殺の場合について説明します。

3-2-1.事故物件になるかならないかの基準

自殺は、発見までの時間を問わず告知義務のある「事故物件」になります

ただし、マンションなどの共同住宅の場合は、必ずしも建物全体が事故部件になるわけではありません。

マンションで事故物件になるケースは、主に次のようなものです。

  • 自殺のあった部屋そのもの
  • 上下左右の部屋から飛び降り自殺があった
  • 飛び降り自殺の落下地点が庭であった
  • 連日報道されるような自殺(事故物件より風評被害が問題となる)

一方、同じ建物内の上下左右以外のほかの部屋や、廊下、エントランスといった共有部分については、自殺があった時期やよく利用する場所かどうかなどによって、告知義務がないと見なされる場合もあります

その場合、売主や不動産会社が知らないで告知をしなかった場合でも、違反にはなりません。

3-2-2.売り方のおすすめ

自殺の場合、状況にもよりますが、仲介では一般的な相場価格から3〜5割減じた額になります買取の場合、そこからさらに3割が引かれます。

ただし、人によって自殺等の捉え方は違うため、事故物件の売却が得意な不動産会社に依頼すれば、イメージがあまり悪くならないような伝え方を工夫してもらったり、価格の下げ幅を調整してもらったりすることが可能です。

状況によってはハウスクリーニングやリフォームが必要になるため、それらのサービスと提携している会社を選ぶと良いでしょう。

自殺のあった家やマンションの売却については「【事故物件】自殺のあった家やマンションの売却方法を解説!いくらで売れる?」や「マンションで飛び降り自殺!売却に影響する?事故物件になるの?」で詳しく解説しています。ぜひ読んでみてください。

3-3.孤独死

ここでは、孤独死の場合について説明します。

3-3-1.事故物件になるかならないかの基準

孤独死の場合、長期間放置されず、発見までの時間が短ければ事故物件になりません

ただし、いつまでに発見したら事故物件にならないといった明確な基準はないため、自己判断はせず売却の際には必ず不動産会社に伝えるようにしましょう。

3-3-2.売り方のおすすめ

発見された時の状況にもよりますが、おおむね仲介では一般的な相場価格から1割減じた売却額になります。

発見まで時間がかかって事故物件になってしまった場合、腐乱していたり臭いがひどかったりすれば特殊清掃やリフォームが必要です。

特殊清掃の価格の目安は、次の表のようになります。

【表 特殊清掃価格目安一例】
間取り 費用の相場 作業人数
ワンルーム 3〜10万円程度 1〜2人
1K〜1LDK 10〜30万円程度 2〜4人
2K〜2LDK 15〜50万円程度 3〜6人
3K〜3LDK 30〜80万円程度 4〜8人

ただし、室内の状況によってはかなり料金に幅が生じます。

特殊清掃の流れや業者選びのポイントなどは「事故物件の掃除「特殊清掃」とは?費用の目安と業者選びの3つのポイント」で詳しく説明しているので、一読してみてください。

リフォームは、どこをどれだけ変更するのかによってかなり価格が違います。

一般的な内装のリフォーム費用の目安は、次のとおりです。

【表 内装のリフォーム費用目安一例】
リフォームの内容 相場価格
クロスの張り替え 1,000〜2,000円程度/1㎡あたり
フローリングの張り替え 3,000〜4,000円程度/1㎡あたり
クッションフロアの張り替え 2,000〜4,500円程度/1㎡あたり
畳の交換 8,000〜12,000円程度/1畳あたり

そのほか、水まわりのリフォーム費用や依頼するときのポイントについては「事故物件のリフォーム費用はいくらかかる?売却でもリフォームは必要?」で説明しています。

孤独死については「【事故物件になる?】孤独死があった家やマンションの売却方法を解説」でも詳しく説明しているので、一読してみてください。

3-4.殺人

最後に、殺人の場合について説明します。

3-4-1.事故物件になるかならないかの基準

殺人事件があった場合、発見までの時間を問わず告知義務のある事故物件になります。

なお、マンションについては、同じ建物内のほかの部屋や、廊下やエントランスといった共有部分については、その場所を利用する頻度や事件の内容、いつ事件が起きたかなどによって、告知義務があると見なされない場合もあります。

しかし、それでも殺人事件の場合は伝えておく方が良いでしょう。

3-4-2. 売り方のおすすめ

殺人事件があった場合、仲介では一般的な相場価格から5割程度減じた額になるのが一般的です。

買取の場合、その額から3割程度安くなるため、例として相場価格で2,000万円であったとすると、700万円程度になります。

さらに、そもそも買取でさえ断られることも数多くあります。そのような場合は、オフィスや店舗、倉庫といった人が住まない用途で売ると良いでしょう。

殺人のあった物件の売却については「殺人事件のあった家やマンションを売却する方法についてまとめた」で詳しく説明しているので、読んでみてください。

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4.事故物件に関する困りごと2選とその解決策

3つのポイント

  • 貸していた物件が事故物件になった場合、賃料の設定は事故物件になる前の30~50%減になる
  • 賃貸の場合、告知義務はおおむね3年と定められている
  • 「大島てる」に載ったデマ情報は消せる

ここでは、貸していた物件で人が亡くなった場合と、事件や事故などのあった事故物件の情報を共有するサイト「大島てる」に載った情報を消せるのかどうかについて解説します。

4-1.貸していた物件で人が亡くなった場合

一般的に、老衰や病死、食べ物の誤嚥などの「自然死・不慮の事故死」であれば事故物件にはならず、殺人、自殺、発見までに時間を要した死など「不自然な死」は事故物件になります。

ただし、必ずしも建物全体が事故物件になるわけではありません

マンションには、個人の所有権が認められている「専有部分」とマンションの住人が共同で利用する「共用部分」があります。一般的には、それぞれの部屋(室内)が専有部分、廊下や階段、エントランス、駐車場といった場所が共用部分です。

専有部分で事件が起きれば、もちろんその部屋自体が事故物件になります。

一方、共用部分で事件があった場合は、起きた場所の位置や住民の利用頻度などが、告知義務になるかどうかの判断基準です。

国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、住み心地の良さに影響を与えると考えられる共用部分(共用の玄関・エレベーター・廊下・階段などの日常生活で使用する場所)で事件が起きた場合、告知義務があるとされています。

【表 マンションにおける人の死の告知義務判断目安】
事件が起きた場所 告知義務の有無
エントランス ある(ただし、時期と状況による)
エレベーター ある(日常生活における利用機の場合)
廊下 ある(日常利用する場所の場合)
階段 ある(日常生活で利用する場所の場合
使用が制限された屋上 ない(日常的に立ち入ることがない場所の場合)
ほかの部屋のベランダ ない(隣室や上下室の場合は状況による)

マンションで人の死に関する事件が起きたとしても、自分の部屋や普段よく使う場所でなければ告知義務の対象にならない場合があります。

しかし、事件が起きた時期や状況によって判例が異なるため、一概には判断できません。

また、事故物件にはならないとしても、何らかの事件があったことを知っている場合は、不動産会社を通して賃貸に出している物件の買い手に伝えてもらうことがおすすめです。

告知義務に値しないからといって伝えずに売却してしまうと、買い手から契約解除や損害賠償請求を受けることになるかもしれません。

賃貸物件が事故物件になった場合、告知義務は基本的に3年間です。ただし、賃貸物件であっても、売却する場合は告知事務の時効はありません。

そのまま賃貸として貸すのであれば、賃料の設定は事故物件になる前の30~50%減となり、売却する場合は通常の仲介で売却した場合よりも10~50%程度安くなります。

詳しくは、「賃貸物件で人が亡くなった!事故物件になる?貸し続けるべきか売るべきか?」で説明しているので、ぜひ読んでみてください。

4-2.「大島てる」に情報が載った場合、削除の可否について

「大島てる」とは、事件や事故などのあった事故物件の情報を共有するサイトです。ここに間違った情報やデマが載っている場合は、削除してもらうことができます。

しかし、事実の場合であれば、削除要請やクレームには一切応じてもらえません。

詳しくは「「大島てる」に載っているけど削除方法は?告知義務は?事故物件って安くなるの?」で説明しているので、一読してみてください。

5.事故物件を売る際に注意すべきことと出来るだけ高く売るコツ

3つのポイント

  • 事故物件であることを隠して売ることは出来ない
  • 建物を壊しても告知義務は残る
  • 特殊清掃などは事前に済ませ、買取は複数の会社を比較することが大切

5-1. 事故物件を売る際に注意すべきこと

5-1-1.事故物件であることを隠して売ることはできない

「高く売りたい」「人から変に思われたくない」といった考えから、「事故物件であることを隠して売れば良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、先で述べたとおり、売り手と不動産会社は「告知義務」という責任を負っています。

もし告知義務を果たさずに、心理的瑕疵になるような人の死があったことを隠して売却し、あとから買い手がそのことを知った場合、損害賠償の請求契約解除につながる恐れがあります。

事件や事故からかなりの年月が経過していたとしても、周囲に住んでいる人の噂話やインターネット上の記録から、事件や事故があったことは容易にばれてしまいがちです。

告知義務になる場合でもならない場合でも、人の死があった家を売却する際は、不動産会社を通して買い手にきちんと伝えておくようにしましょう。

5-1-2. 建物を解体しても事故物件であることには変わりない

事件や事故から時間が経てば告知義務がなくなるわけではありません。

また、事故物件となった建物を取り壊して土地だけにしても、事故物件となった事実が消えることはなく、もちろん告知義務も残ります。

賃貸物件の場合であれば、人の死についての告知義務の期間として設定されているのは約3年です。

しかし、売買物件の場合、告知義務が消えることはありません。建物を解体しても同じです。

また、事故物件であることを隠すために、建物を解体して更地で売ったとしても、いずれ近隣の住人などから買い手の耳に事故物件であることが伝わります。

冒頭で述べた通り、建物をかつてその土地に殺人事件が起こった建物が建っていたことを買い手に告知しなかったとして、大阪高裁が売り手の瑕疵担保責任を認めた判例もあります。(大阪高裁 平18・12・19 判時1971-130

売却後のトラブルを避けるためにも、事故物件であることは必ず不動産会社に伝えることが重要です。また、自己判断でのリフォームや建物解体もしないほうが良いでしょう。

詳しくは「事故物件を建て替えたり取り壊して土地にしたりすれば大丈夫なの?」や「火事のあった家を売るには?状態によって売却方法を選ぼう」で説明しているので、ぜひ読んでみてください。

5-2. 事故物件を出来るだけ高く売るコツ

事故物件は、通常の相場価格よりも安くなることは避けられません。

しかし、少しでも高く売るために、次のような工夫ができます。

  • 事前に特殊清掃をしておく
  • 買取の不動産会社は手元に残る額で決める
  • しばらく期間を空けてから売却する

ここでは、これらの事故物件を少しでも高く売るためのコツについて説明します。

5-2-1. 事前に特殊清掃をしておく

自殺や殺人があったり孤独死の発見が遅れたりした場合に、室内が汚染されていた場合、汚染物や体液の除去、感染症予防の為の除菌、害虫の駆除や腐敗臭の消臭といった対処が必要です。

このような事故物件における特別な清掃のことを「特殊清掃」と呼びます。

特殊清掃の費用は、家の面積と作業内容によりますが、おおよその費用目安は次の表の通りです。

【表 特殊清掃価格目安一例】
間取り 費用の相場 作業人数
ワンルーム 3〜10万円程度 1〜2人
1K〜1LDK 10〜30万円程度 2〜4人
2K〜2LDK 15〜50万円程度 3〜6人
3K〜3LDK 30〜80万円程度 4〜8人

特殊清掃をせずに不動産会社に査定を依頼すると、査定額が大きく下がります。

そのため、仲介で売るにしても買い取ってもらうにしても、少しでも高く売るには事前に特殊清掃をしておくことが大切です。

特殊清掃があまりにも大変になりそうな場合は、不動産会社に現状のまま買い取ってもらうこともできます。

ただし、その分、価格が安くなることは踏まえておきましょう。

5-2-2. 買取の不動産会社は手元に残る額で決める

仲介で売却する場合、不動産会社が出す査定額は「売却できそうな額」であり、「必ず売却できる額」ではありません。

しかし、買取の場合は「不動産会社の査定額=売却額」です。

そのため、少しでも高い額を提示してきたところを選んで買い取ってもらうと良いでしょう。

比較の際には、売却額から諸経費を差し引いて、最終的に手元に残る額を比べることが大切です。

なかには、買取と言っておきながら、実際には買取業者を紹介することで仲介手数料を請求してくる不動産会社もあります。

実際に手元に残る金額はいくらになるのか、不動産会社に同じ条件を出して直接聞き、最終的な決定をしましょう。

5-2-3.しばらく期間を空けてから売る

売却を急いでいない場合は、少しでも高く売るために期間を空けてから売るのも1つの手です。

建物内での人の死が気になるかどうかは、あくまでも買い手の気持ちの問題です。そのため、時間が経てば事件の記憶や周囲の噂も小さくなり、少しだけでも良い条件で売却できる可能性が高くなります。

ただし告知義務は消えないため、一般的に言われている事故物件であることに変わりはありません。

よって、期間を空けたとしても、事故物件になるような人の死があった場合は、必ず不動産会社に伝えるようにしましょう。

また、状況や物件によって、期間を空けることが有効なのかどうか、またどの程度期間を開ければ良いのかといった判断は異なりますので、事故物件を扱った実績が多く、売却に強い不動産会社を選ぶことが大切です。

まとめ

不自然な人の死があった、いわゆる「事故物件」でも売却することは可能です。

亡くなった原因や状況によって、告知義務のある事故物件になる場合とならない場合がありますが、売却後のトラブルを防ぐためにも、告知義務にならない場合であっても、売却を依頼する不動産会社には人の死があった事実を伝えておくようにしましょう

事故物件の売却に長けている不動産会社であれば、告知義務になるかならないかの判断をしてくれるだけでなく、買い手にも上手に伝えてくれるため、後々のトラブルにも発展しにくくなります。

また、事故物件は通常の不動産より売却額が安くなることは避けられませんが、その下げ幅なども調整してもらえます。

よって、事故物件の売却は、事故物件の売却実績が多い不動産会社に依頼することが何よりも重要です。

イクラ不動産では、事故物件の売却に強い不動産会社が選べるだけでなく、イクラ不動産独自の価格シミュレーターを使って、匿名&無料で簡単に素早く価格を調べることができます

さらに、自分に合った売却方法や不動産会社の選び方を知りたい場合や売却でわからないことがあった場合などは、イクラ不動産の専門スタッフに無料で相談することが可能です。

宅建士の資格を持ったスタッフが親身になってお話をお聞きし、中立で公平な立場からアドバイスさせていだだきます。

事故物件のような売れにくい物件の売却も依頼できる、「どんな物件も断らない不動産屋さん」もご紹介いたします。

売却でお悩みの方は、ぜひイクラ不動産をご利用ください。

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