マンションの売却をしたくて不動産屋さんに話を聞いているのですが、仲介手数料の値引きのお願いはできるのでしょうか?
やはり良い印象はないですかね…?
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
不動産会社に支払う「仲介手数料」は、決して安くはないので「値引きしてもらえたら…」と考える人もいます。値引き交渉は無理ではありませんが、交渉するかどうかは慎重に検討しなければなりません。
そこで、どのような場合であれば仲介手数料は値引きしてもらえる可能性があるのか、値引き交渉してしまうと売却の際に何か影響があるのかという疑問についてわかりやすく解説します。
もくじ
1.仲介手数料とは
家やマンションなどの不動産を売ったり買ったりする際、個人で売主や買主を探したり、滞りなく取り引きを行うことは至難の業です。
そこで多くの場合、不動産売買のプロフェッショナルである不動産仲介会社に売却や購入を依頼します。
そして買主が見つかって売買契約が成立した場合、仲介をした不動産会社に支払う成功報酬が「仲介手数料」です。
1-1.マンションを売るときの仲介手数料はいくら
マンションを売ろうと考えたときに気になるのは、マンションがいくらぐらいで売れそうかということと、仲介手数料がいくらぐらいになるのかということではないでしょうか。
不動産会社が受け取れる仲介手数料の上限額は、「宅地建物業法」という法律で定められており、売買取引の額に応じた率を乗じて算出されます。
売買代金が400万円を超える場合、仲介手数料の上限額の計算式は以下の通りです。
例えば、2,000万円でマンションを売った場合、仲介手数料の上限額の計算は次のようになります。
このように法律で仲介手数料の上限額が定められている理由は、不動産会社が法外な額の仲介手数料を設定したり請求したりしないようにするためです。
よって仲介手数料の上限額は、法律が定めた適正な額になっているといえます。
そのほかにかかる売却の費用については「お家を売却したらどんな費用がかかり、結局いくら手元に残るの?」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
2.売却の仲介手数料は値切ることはできるのか
仲介手数料の計算方法がわかったところで、次はマンション売却の際の仲介手数料の値引が可能かどうかを説明します。
2-1.仲介手数料は上限が基本
先に述べた通り、仲介手数料の上限額が法律で定められているのは、不動産会社が法外な仲介手数料を請求しないようにするためです。
つまり仲介手数料の上限額は「上限」という位置づけであるものの、定められている額、すなわち「定額」といった意味合いを含んでいるとも考えられるでしょう。
もちろん、商品やサービスの代金が値引きされたりセールになったりすることがあるのと同様に、不動産会社が仲介手数料の値引きをしたり安く設定していたりすることもあります。
しかし基本的に仲介手数料は、法律で定められている上限額が定価のようなものであると認識されている場合が多いようです。
2-2.「専属専任媒介」「専任媒介」なら交渉の余地あり
マンションを売るときの仲介手数料を値引きしてもらうコツとして、媒介契約を「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」で結ぶという方法があげられます。
媒介契約とは、マンションなどの不動産を売却する際に不動産会社と結ぶ仲介依頼の契約のことで、売却活動の内容や契約が成立した際に支払う仲介手数料の額などをあらかじめ取り決めておくというものです。
媒介契約には3つの種類があり、それぞれの主な特徴は以下の通りになります。
2-2-1.専属専任媒介契約
- 1社の不動産会社としか媒介契約を結ぶことができない
- 自分で買主を見つけた場合でも、不動産会社の仲介で契約をしなければならない
- 不動産会社は、媒介契約後、5日以内に物件情報をレインズ(※)に登録しなければならない
- 不動産会社は、1週間に1度、売主に売却活動の報告をしなければならない
(※レインズとは:不動産会社が情報交換のために利用している不動産流通機構のネットワークシステムのこと)
2-2-2.専任媒介契約
- 1社の不動産会社としか媒介契約を結ぶことができない
- 自分で買主を見つけた場合は、不動産会社の仲介なしで契約することができる
- 不動産会社は、契約後、7日以内に物件情報をレインズに登録しなければならない
- 不動産会社は、2週間に1度、売主に売却活動の報告をしなければならない
2-2-3.一般媒介契約
- 複数の不動産会社と、媒介契約を結ぶことができる
- 自分で買主を見つけた場合は、不動産会社の仲介なしで契約することができる
- 不動産会社は、レインズに物件情報を登録する義務がない
- 不動産会社は、売主に売却活動報告をする義務がない
専属専任と専任の媒介契約は、売主が不動産会社1社としか媒介契約を結べないため、ほかの不動産会社が契約をまとめることはあり得ません。
つまり契約が成立すれば仲介手数料が必ず得られるため、不動産会社は専属専任か専任の媒介契約を結びたいと考えています。
そこで、専属専任か専任媒介契約のどちらかを結ぶことを条件にして仲介手数料の割引を交渉すると、割引してもらえる可能性が高くなると言えるでしょう。
媒介契約についてさらに詳しく知りたいという方は「【媒介契約とは?】3つのうちどれを選ぶべきなのか解説!」も併せてご覧ください。
2-3.「両手取引」なら値引きが可能になる場合も
「両手取引」とは、1つの不動産会社が、売主と買主、両方の仲介をすることです。
一般的には、売主と買主がそれぞれ別の不動産会社が仲介をすることも多く、その場合、不動産会社は、売主、または買主の一方からしか仲介手数料を受け取ることができません。
一方、両手仲介であれば、売主と買主の両方からの仲介手数料を受け取れるので、どちらかの仲介だけをする場合の2倍の仲介手数料になり、不動産会社の得られる利益が多くなります。
そのため両手仲介だと、仲介手数料を割引してもらえる可能性が高くなるのです。
仲介手数料の割引を希望するならば、両手仲介になった場合は仲介手数料を安くしてもらえるよう、媒介契約を結ぶ際に交渉してみてもよいかもしれません。
2-4.住み替え先の購入も依頼する
住み替え(買い替え)でマンションを売却する場合なら、売却の仲介を依頼する不動産会社に住み替え先の家やマンションの購入の仲介も依頼して、仲介手数料の割引の交渉をするというのも1つの手です。
つまり、売主としてと買主としての依頼を1つの不動産会社にまとめることにより、先に述べた「両手仲介」の状態を作り出すことになります。
真摯な対応をしてくれて信頼できる不動産会社ならば、売却と購入の両方の仲介を依頼し、仲介手数料を安くしてもらえるよう交渉してみてもよいでしょう。
買い替えの時の仲介手数料については「買い替えの仲介手数料はいくら?値引きはできるの?」も併せてご覧ください。
3.値引き交渉のデメリット
仲介手数料の割引を交渉することは、出費を抑えられるというメリットだけではなく、デメリットもあります。
]仲介手数料の値引き交渉をすることで、どのようなデメリットがあるのかをみていきましょう。
3-1.不動産会社の成約意欲が減退する
仲介手数料は成功報酬なので、契約が成立するまで不動産会社は仲介手数料を得ることができません。
そのため、売却の仲介を依頼された不動産会社の担当者は、買主を早く見つけようと販売活動を積極的に行い、売主と買主、双方が満足して契約をまとめられるよう尽力、奔走します。
しかし契約をまとめた報酬である仲介手数料が値切られて安くなってしまう場合、契約をうまくまとめようという意欲が減退してしまうことは言うまでもないでしょう。
さらに、売主側の仲介であれば、売主のために少しでも高く売れるように頑張ろうという気持ちも減ってしまうかもしれません。
その結果、高い値段で購入してくれる買主を見つけられず、結局、値下げせざるを得ない状況になる恐れがあることも念頭においておきましょう。
3-2,十分な広告をしてくれなくなる
仲介をメイン業務にしている不動産会社にとって、仲介手数料は重要な収入源です。
その仲介手数料を安くするということは、当然ですが会社全体の収益が減ることになるため、売り出している物件の広告にかける費用などの経費を減らさないといけない状況になる可能性があります。
3-3.なかなか売れなくなる
仲介手数料を安くすることで不動産会社の収益が減り、広告宣伝費を減らすようになってしまうと、当然ですが、購入希望者の目にとまりにくくなります。
そうなると、単純に売却期間が長くなってしまうだけでなく、
と何か問題があって売れ残っている物件なのではないかと怪しまれ、さらに売れにくくなるという悪循環に陥ることもあり得るため注意が必要です。
仲介手数料を安くするということは、売却仲介の担当者の意欲を下げるだけでなく、広告費が削られることによって、売れにくくなる可能性があるということを覚えておきましょう。
まとめ
仲介手数料は金額も大きいので、マンション売却時にはできることなら値引きしてもらいたいと考えるのは決して悪いことではありません。
ただし、ここまででみてきたようにデメリットもあるため、値引きをお願いするかどうかは慎重に検討しなければなりません。
それよりも高い価格で売却してくれる不動産会社に依頼するほうが、結果として得をすることになります。
仮に、「仲介手数料半額にします」という不動産会社で売却が少し長引いてしまい結果3,000万円で売れたケースでは、仲介手数料は1,056,000円の半額で528,000円となります。
一方、仲介手数料上限いっぱいであっても3,200万円で売れたケースでは、仲介手数料が1,122,000円となります。
仲介手数料だけで比べると、前者の方がお得に見えますが、売却代金から差し引くと、前者は29,472,000円、後者は30,878,000円手元に残ることとなります。
そのため仲介手数料を値引きしてくれる会社どうか、よりも少しでも高い金額で売却してくれる売却に強い不動産会社に依頼することのほうが重要なのです。
とはいえ、どこの不動産会社に依頼すればよいのかよくわからないという方は多いです。そのような方は、まず「イクラ不動産」にご相談ください。無料&秘密厳守で簡単に素早く査定価格がわかるだけでなく、あなたにピッタリ合った不動産会社を選べます。
- 合わせて読みたい
- 【不動産売却の基礎知識まとめ】初めての不動産売却で知っておくべきこと
- 不動産売却における減価償却とは?計算方法を知っておこう
- 契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いを確認
- 家の解体の相場っていくらくらい?解体前に確認しておくべきポイントも解説!
- 不動産を売るタイミングはいつ?3つのお悩みポイントを解決する
- イクラ不動産とは
- 売るのか貸すのかどちらにすべき?賃貸のメリットとデメリットについてまとめた
- 本当に春と秋が家を売るベストシーズン?不動産売買の真実を徹底検証
- なぜ投資用不動産のオーナーチェンジ物件は居住用の物件より安いのか
- 家を売るときの仲介手数料はいくら?高い?なぜかかるの?
- レインズとはなにかわかりやすくまとめた