この記事では、北海道の
- 中古戸建ての売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向
という中古戸建てを売る際に知っておきたい基本情報に加えて、
- 高く売れる中古戸建ての特徴
- 売れにくい中古戸建ての特徴
- 売れにくい中古戸建てを売るための対策方法
について知ることができます。
もくじ
この記事のポイントまとめ
1.【2022年度版】北海道の中古戸建てが売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向
売却成約までにかかった期間は平均約3.7ヵ月、平均売却価格は約1,730万円です。
また相場の動向は、おおまかに以下のとおりです。
- 2019年に比べ売却価格は、約9.6%上昇
- 2019年に比べ成約した物件の㎡単価は、約14.8%上昇
- 2019年に比べ成約件数は、約▲38.9%下降
詳しくは、「1.【2022年度版】北海道の中古戸建てが売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向」をご覧ください。
2.北海道で高く売れる中古戸建ての特徴(2022年度版)
北海道で高く売れる中古戸建ての一般的な特徴は以下のとおりです。
- 札幌市・函館市・旭川市など人気のあるエリア
- 延べ床面積が広い
- 車の出し入れがしやすい
- 駐車場付き
- 外観・内観の状態がいい
上にあげたような特徴が多くあてはまり、なおかつ「駅や商業施設などが近くにある生活しやすい立地」に建っている中古戸建ては査定額が高くなります。
詳しくは、「2.【チェックリスト付き】北海道で高く売れる中古戸建ての特徴(2022年度版)」をご覧ください。
3.北海道で売れにくい中古戸建ての特徴(2022年度版)
北海道で売れにくい中古戸建ての特徴としてあげられるのは、一般的に次のようなものです。
- 人気のあるエリアにない
- 延べ床面積が狭い
- 車の出し入れがしにくい
- 駐車場がない
- 外観・内観の状態が悪い
詳しくは、「3.北海道で売れにくい中古戸建ての特徴(2022年度版)」をご参照ください。
4.【事例で解説】北海道売れにくい中古戸建てを売るための対策方法3つ(2022年度版)
北海道で売れにくい中古戸建てを売るための対策方法3つについて、実例でご紹介いたします。
主な対処方法は、次のとおりです。
対策方法(例) | |
---|---|
延べ床面積が 狭い |
・周辺環境の良さをアピールする |
駐車場が ない |
・近隣の月極駐車場を案内する |
外観・内観の 状態が悪い |
・リフォームをして売却する |
「4.【事例で解説】北海道で売れにくい中古戸建てを売るための対策方法3つ(2022年度版)」の章で、詳しくご覧いただけます。
1.【2022年度版】北海道の中古戸建てが売却成約までにかかった期間及び売却価格・相場の動向
1-1.【2022年度版】北海道の中古戸建てが売却成約までにかかった期間
北海道平均 | |
---|---|
戸建ての売却成約までにかかった期間 | 約3.7ヵ月 |
不動産の売れやすさは「マンション>戸建て>土地」の順になっています。
中古戸建ては、空き家になっている相続物件を売却する場合など、急いで売る必要がないケースも含まれるため、マンションよりも売却期間が長くなりがちです。
ただし、北海道の戸建て取引件数は、最新のデータでは全国第8位と活発で、比較的早く売却できるケースが多いと言えるでしょう。
参考として実際に売却成約した売主へのアンケート結果を見てみると、全体の半数以上が3ヵ月以内に売却が成立しており、中古戸建ての需要が高いことがわかります。
順位 | 売却にかかった期間 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 3ヵ月以内 | 50.9% |
2位 | 6ヵ月以内 | 32.3% |
3位 | 1年以内 | 10.1% |
4位 | 2年以内 | 3.9% |
5位 | 2年以上 | 2.8% |
※イクラ不動産の利用者アンケートより
1-2.【2022年度版】北海道の中古戸建ての売却価格・相場の動向
北海道平均 | |
---|---|
戸建て売却価格・相場 | 約1,730万円 |
2022年現在、北海道の中古戸建て相場の動向は次のような傾向です。
〈2022年度版 北海道の中古戸建て相場の動向まとめ〉
- 2019年に比べ売却価格は、約9.6%上昇
- 2019年に比べ成約した物件の㎡単価は、約14.8%上昇
- 2019年に比べ成約件数は、約▲38.9%下降
【主な要因】
- JR北海道の所有地など、駅から近い土地が再開発され、商業施設が多く建ち並び生活がより便利になった
- 札幌市など主要都市で道外から引っ越してくるケースが増えた
- テレワーク需要が高まり、札幌市近郊で生活する人が増えた
2030年に北海道新幹線の新函館(仮称)~札幌間が開通するにあたり、札幌市をはじめ駅前再開発が行われている影響で、駅から近い物件・土地の資産価値が上昇しています。
特に札幌市中央区は人気があり、取引価格・件数は北海道内ではトップクラスです。
さらにテレワーク需要の増加から、札幌市内のマンションから近郊の戸建てに引っ越し、生活をする人も増えており、総務省「地方公共団体が誘致又は関与したサテライトオフィスの開設状況調査」においても、北海道内のサテライトオフィス開設数は2021年度末時点で110か所と、全国で最も多くなっています。
そのため、小樽市・石狩市・恵庭市・千歳市・苫小牧市といった地域も取引が成立しやすいです。
また、以下のようなエリアの住宅需要・地価が高まっています。
〈住宅需要・地価が高まっているエリア〉
1.札幌市近郊の小樽市・千歳市・苫小牧市のエリア
⇒札幌市のオフィス街への通勤時間が1時間以内
⇒JR函館本線、JR千歳線、JR室蘭本線沿い
2.地方でも、以下の条件に当てはまるエリア
⇒道南エリア:函館市
⇒道北エリア:旭川市
⇒道東エリア:釧路市、北見市
【主な要因】
- テレワークの普及による住まいへの考え方の変化
- 通勤が減ったため、通勤時間で居住地を選ぶ人が減った
参考:総務省「地方公共団体が誘致又は関与したサテライトオフィスの開設状況調査」
一戸建ての売却期間については、「一戸建ての売却期間はどれくらい?特徴を掴んでスムーズに進めよう」で詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
2.【チェックリスト付き】北海道で高く売れる中古戸建ての特徴(2022年度版)
基本的に中古戸建ては「駅や商業施設が近くにある立地」でないと高く売れません。
なぜなら中古戸建ての価格は主に土地の価格相場動向に左右されるため、そのような立地でないと土地の価格が上がらないからです。
加えて北海道では以下のような特徴に多くあてはまっているほど査定額が上がります。
チェック項目 | チェック | |
---|---|---|
札幌市・函館市・旭川市など人気のあるエリア | ・商業施設や公園などが充実しているエリアにある物件 ・札幌市・千歳市・小樽市・苫小牧市 等 |
✅ |
延べ床面積が広い | ・北海道の平均延べ床面積122㎡より広い | ✅ |
車の出し入れがしやすい | ・駐車場・カーポートのサイズにゆとりがある ・駐車スペースから幹線道路まで、車を出し入れしやすい |
✅ |
駐車場付き | ・敷地内に十分な駐車場を完備 | ✅ |
外観・内観の状態がいい | ・屋根、外壁の状態がいい ・内装が綺麗 等 |
✅ |
以下の章で、これらの特徴について詳しく解説します。
2-1.[特徴1]札幌市・函館市・旭川市など人気のあるエリア
2030年の北海道新幹線延伸に向け再開発が行われている影響もあり、札幌市中央区をはじめ、札幌市は全体的に人気が高まっています。
また、JR函館本線やJR千歳線、JR室蘭本線沿いも人気が高く、小樽市・石狩市・恵庭市・千歳市・苫小牧市のエリアにある物件も取引が多くされています。
駅から徒歩10分圏内の物件は特に買い手がつきやすいですが、人気のあるエリアに建てられた物件の場合、駅から徒歩20分~25分の距離にある物件でも売買されています。
2-2.[特徴2]延べ床面積が広い
2022年に取引のあった物件の平均延べ床面積は約122㎡だったので、延べ床面積が100㎡以上あれば高く売れる物件になると言えます。
2-3.[特徴3]車の出し入れがしやすい
駐車場を家で確保するために戸建ての購入を検討する人も多くいるため、車の出し入れがしやすいと高く売れやすくなります。
土地から接面している道路に車が出しやすいかどうかだけでなく、
- 幹線道路まで車が行き来しやすい
- 急な曲がり角や一方通行の道が周辺にない
といった条件も満たされているとより一層高く売れます。
2-4.[特徴4]駐車場付き
電車やバスなど公共機関が充実している都市部では、駐車場がない物件でも買い手がつきやすいですが、地方では車移動が必要になることが多く、駐車場付き物件は需要が高いです。
雪の多い北海道では、屋根付きのカーポートやインナーガレージが人気です。
また、住んでいる地域によっては、複数台車を駐車できるスペースがある物件のほうが人気が高いケースもあるため、不動産会社に売れ筋の物件の特徴を確認しておくと良いでしょう。
2-5.[特徴5]周辺環境が良い
戸建ての買い手はファミリー層が多いため、周辺環境が良いエリアがのほうが高く売れます。
商業施設や病院、銀行といった生活に必要な施設だけでなく、学校や幼稚園、公園などが近隣にあると、より一層買い手が付きやすくなります。
北海道では、特に道央エリア(札幌市・小樽市など)は施設が充実しているため人気があります。
- 合わせて読みたい
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3.北海道で売れにくい中古戸建ての特徴(2022年度版)
説明 | |
---|---|
人気のあるエリアにない | ・商業施設や公園などが少ないエリア ・子育て支援が他地域と比べて少ないエリア |
延べ床面積が狭い | ・北海道の平均延べ床面積約122㎡より狭い ・居住人数の平均延べ床面積に届かない |
車の出し入れがしにくい | ・駐車場・カーポートのサイズにゆとりがない ・道路が狭く車を出し入れしにくい ・幹線道路へ一方向からしか出ることができない |
駐車場がない | ・敷地内に駐車できるスペースがない ・駐車スペースが狭く1台しか置けない |
外観・内観の状態が悪い | ・老朽化が目立つ・設備やシステムが古い 等 |
以下の章で、これらの特徴について詳しく解説します。
3-1.[特徴1]人気のあるエリアにない
人気のあるエリアにない、需要が下がっているエリアにある物件は暮らしにくいという印象を持たれ、買い手がつきにくいです。
例えば、
- スーパーやコンビニなどの商業施設や病院が少ない
- 子育て支援が十分ではない
- 近隣エリアと比べ治安が悪い
このような特徴のあるエリアが該当します。
北海道の場合、これらの条件に加え札幌市や函館市といった都市部から距離が離れるほど、やや需要が下がる傾向にあります。
3-2.[特徴2]延べ床面積が狭い
北海道の平均延べ床面積約122㎡より狭いと買い手が付きづらいです。
4人家族の健康で文化的な住生活を送れる基本水準(最低居住面積水準)と世帯人数に応じて豊かな住生活を実現する基本水準(誘導居住面積水準)は下記㎡数とされています。
4人家族の場合
- 最低居住面積水準:50㎡=15.1坪(45㎡=約13.6坪)
- 誘導居住面積水準:125㎡=37.8坪(112.5㎡=約34坪)
※()内は3~5歳児が1名いる場合
3-3.[特徴3]車の出し入れがしにくい
車の出し入れがしにくい物件は、買い手がつきにくい傾向にあります。
例えば、
- 駐車場のスペースが十分ではない
- 家の前の道路が4mしかない
- 幹線道路へ一方向からしか出ることができない
といった特徴に当てはまる物件が該当します。
また、売却の際に車の出し入れのしやすさをきちんと伝えておかないと、売却後のトラブルに繋がるケースもあるため、注意が必要です。
3-4.[特徴4]駐車場がない
交通の便が良い都心部の物件であればそれほど問題になりにくいですが、郊外にある物件だと、駐車場の確保は不可欠です。
北海道では、札幌市など都市部は車以外の交通網が発展しているため、駐車場がない物件も比較的買い手がつきやすいですが、その他の地域では駐車場がないというだけで、売却がしにくくなります。
3-5.[特徴5]外観・内観の状態が悪い
「外観や室内の状態が悪い」「雨漏りがある」といった建物の不具合が出てくるというのが一般的に古いと売れにくくなる理由です。北海道では特に屋根や外壁の状態が良く、雪の被害を受けないかどうかが重視されます。
また、建築基準法が改定された1980年以前に建てられた家の場合、現在の耐震基準が満たされていない場合があるため買い主から警戒されます。
リフォームやリノベーションを施す、構造検査や耐震検査(ホームインスペクション)を実施して補強するなどの対策を講じましょう。
耐震基準については「旧耐震基準の家を売却したい!高く売るためにできることとは」、ホームインスペクションについては「家を売却するときホームインスペクションをするべき?注意点を解説」をぜひ読んでみてください。
用語解説
- ホームインスペクション……中古住宅の売却前に、第三者の住宅建築の専門家などが行う調査のこと
4.【事例で解説】北海道で売れにくい中古戸建てを売るための対策方法3つ(2022年度版)
北海道で売れにくい中古戸建てを売るための対策法3つについて、実例でご紹介いたします。
その方法は、次のとおりです。
対策方法(例) | |
---|---|
延べ床面積が 狭い |
・周辺環境の良さをアピールする |
駐車場が ない |
・近隣の月極駐車場を案内する |
外観・内観の 状態が悪い |
・リフォームをして売却する |
〈事例1〉
延べ床面積が狭い場合の成功事例
概要
売主Aさんは、札幌市にある20坪の土地に建設された2階建て物件を相続し、売却することになりました。周辺環境の良さをアピールすることで、取引を成立させることができました。
高く売れたポイント
- ・周辺環境の良さをアピールする
- 周辺環境の良い物件は、北海道に限らず、全国的にも売れやすい傾向にあります。
- スーパーやコンビニなどの商業施設
- 小学校などの教育機関
- 病院などの医療機関
これらの施設が徒歩何分圏内にあるか、日常生活に困らないことや子育てのしやすさ、治安の良さをしっかりとアピールするのがポイントです。
お客様の声
札幌市内にある、親から相続した物件を売却することになりました。
20坪の土地に建った狭い家だったので需要があるか不安でしたが、不動産会社の人に周囲に商業施設があることや駅から15分圏内にあることなど、生活のしやすさを前面に押し出してアピールしてもらい、4ヵ月後に売ることができました。
〈事例2〉
駐車場がない場合の成功事例
概要
売主Kさんは、千歳市で駐車場がついていない物件をお持ちでしたが、近くの月極駐車場を押さえることで売却することができました。
高く売れたポイント
- ・近隣の月極駐車場を案内する
- 物件の敷地内に駐車場がない場合、近隣の月極駐車場を確保すると売却に繋げやすくなります。
- 月極駐車場のオーナーへ空き状況の確認をする
- 空きがある場合は予約・確保をしておく
物件の購入者がすぐに駐車場を使えるように準備をしておくと良いでしょう。
お客様の声
私の家は家の大きさを確保するために、敷地内に駐車場を作っていませんでした。今回売却するにあたり、駐車場のない家は売れにくいと聞き、どうしようか悩んでいました。
自分が契約していた徒歩5分圏内にある月極駐車場を確保しておき、購入者の方が困らないようにしました。無事に買い手がついて良かったです。
〈事例3〉
外観・内観の状態が悪い場合の成功事例
概要
売主Hさんは、函館市に築30年の物件をお持ちでしたが、子どもと同居するにあたり売却をすることになりました。リフォームをすることで、売却をすることができました。
高く売れたポイント
- ・リフォームをして売却する
- 外観まで新しくできなくても、室内や水回りがきれいになっていれば、買い手は現れやすくなります。
北海道では雪の被害を受けないかどうかが重視されるため、リフォーム時にしっかり防水・積雪対策をしておくことが大切です。
リフォームにかけた費用を売却額で回収できるかどうかを試算したうえで、リフォームを手がける建築会社と提携している不動産会社などに依頼するとよいでしょう。
お客様の声
高齢になり子どもと同居することになったため、暮らしていた築30年の物件を手放すことになりました。
外壁や屋根の汚れや床の傷などが気になったため、リフォームを行うことにしました。費用はかかりましたが、綺麗になったことが評価され、思っていたよりも早く売却することができました。