相続した不動産を売却したい場合は、通常の不動産売却よりやるべきことや手続きが多くなります。
しかし、相続した不動産を売却する手続きには期限のあるものもあるため、放置したままにすると、将来、さまざまな問題が生じかねません。
ここでは、相続した不動産の売却方法や売約の流れ、手続き、やるべきこと、注意点などについてわかりやすく解説します。
- 相続した不動産の売却方法や流れ、手続き、やるべきことなどがわかる
- 相続した不動産の売却にかかる費用や税金と、税金と軽減するための方法がわかる
- 相続した不動産を売却する際の注意点がわかる
- この記事はこんな人におすすめ!
- 相続した不動産を売却したい人
- 相続した不動産にかかる費用や税金について知りたい人
- 相続した不動産売却時の注意点を知りたい人
1.相続が発生してから不動産を売却するまでの流れ
まず、相続が発生してから相続した不動産の売却が完了するまでの大まかな流れを確認しておきましょう。
やるべきこと | ✅は必ず行うもの | |
---|---|---|
① | 遺言の有無を確認して相続人を確定する | ✅ |
② | 遺産分割協議をする | (必要に応じて) |
③ | 相続登記をする | ✅ |
④ | 売却を開始する | ✅ |
⑤ | 売買契約を結ぶ | ✅ |
⑥ | 物件の引渡し・売却代金の受取り | ✅ |
⑦ | 相続税や譲渡所得税などを納める | (必要に応じて) |
相続した不動産の売却と通常の不動産売却の大きな違いは、①〜③の部分です。
何をすべきかがあらかじめわかっていると、相続した不動産売却のハードルがぐっと低くなります。
それぞれの段階おいてやるべきことは何か、どのような注意点があるのかについて、くわしく確認していきましょう。
1-1.①遺言の有無を確認して相続人を確定する
相続が発生したら、まず、遺言書の有無を確認が必要です。
遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って相続人や相続する遺産の割合などが決まります。
遺言がない場合、遺産はすべて法定相続人(相続受ける人全員)の共有財産です。
ただし、遺言書があっても勝手に開封すると無効になってしまうため注意しなければなりません。
遺言のある相続については、「遺言書がある場合の家の相続手続きについてわかりやすく説明する」で説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
1-2.②遺産分割協議をする
遺言書がない場合、相続人を決めるための遺産分割協議の開催が必要です。
法定相続人全員は、協議をしたうえで相続した遺産の分割を決めて、遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)を作成します。
相続人が複数いる場合の話し合いについては、「家を相続したときの話し合いの方法についてまとめた」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
1-3.③相続登記申請をする
不動産を相続する人が決まれば、不動産の名義人を亡くなった人から相続した人へ変更します。これが相続登記申請です。
相続登記申請をしなければ、相続した不動産を売却することができません。
相続登記申請をする際は、まず次の書類を用意しましょう。
取得場所 | |
---|---|
亡くなった不動産所有者の戸籍謄本 | 居住していた市区町村役場 |
亡くなった不動産所有者の住民票の除票 | 居住していた市区町村役場 |
相続人全員の戸籍謄本 | 居住している市区町村役場 |
相続人全員の住民票 | 居住している市区町村役場 |
相続人全員の印鑑登録証明書 | 居住している市区町村役場 |
登記事項証明書(登記簿の写し) | 不動産所有者(または法務局) |
不動産の固定資産評価証明書 | 不動産所有者(または市区町村役場) |
遺産分割協議書または遺言書(検認を受けたもの) | 相続人で作成したもの・不動産所有者 |
これらの書類と相続登記申請書とを合わせて法務局に提出し、相続登記の登録免許税(固定資産税評価額✕0.4%)を支払って相続登記の手続きをします。
相続登記について、くわしくは「相続した家の売却に必要な相続登記とは?手順と義務化についても解説」で説明しています。ぜひ読んでみてください。
1-4.④売却を開始する
相続登記が完了すると、相続した不動産を通常の不動産と同じように売却できるようになります。
不動産の売却方法は、大きく分けると「仲介」と「買取」の2種類です。
売却期間がかかっても少しでも高く売りたい場合は仲介、売却期限が迫っているなど、すぐに現金化したい場合は買取を選ぶと良いでしょう。
仲介と買取、それぞれのメリットとデメリット、特徴をまとめたものが次の表です。
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
買い手 | 一般消費者 | 不動産会社 |
売却期間 | 平均3〜6ヵ月 | 即日〜1週間も可能 |
売却額 | 相場価格に近い額 | 相場価格の7割前後 |
仲介手数料 | 売却金額×3%+6万円(+消費税) | 基本的に不要 |
メリット | 相場価格に近い額で高く売ることができる | そのままの状態ですぐに現金化できる |
デメリット | 買い手が見つかるまで売れない(売却活動に時間がかかる) | 仲介で売るより安くなってしまう(相場価格の7割程度) |
相続した不動産をすぐに現金化したい場合は買取がおすすめですが、売却価格が仲介で売却する場合の7割程度になってしまいます。状況に合わせて売却方法を選ぶようにしましょう。
買取については、「不動産買取とは?なぜ安くなる?相場額や注意点、おすすめの場合を解説」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
1-5.⑤売買契約を結ぶ
仲介の場合は買い手が見つかれば、買取の場合は不動産会社との条件が整えば、売買契約を結びます。
不動産の相続人が複数いる場合、売買契約の締結には、相続人全員の同意と売買契約書への署名捺印が必要です。
ただし、相続人が複数いたり遠方に住んでいたりなどで、全員が売買契約に立ち会うのがむずかしい場合があります。そのようなときは、代表者(相続人代表者)を決めて、売買契約を締結しても良いでしょう。
代用者を任命する際の委任状には、相続人全員の署名捺印に加えて、次のような内容を記載しておきます。
- 売買金額(取引額)
- 受領する手付金の額
- 違約金の額および契約解除の条件や期限
- 引き渡しおよび決済の時期
- 売却にかかる費用の負担について
委任状にこれらの権限の範囲を設定しておくことで、代表者が勝手に取引内容を変更するのを防ぐことができます。
1-6.⑥物件の引渡し・売却代金の受取り
物件を引渡して売却代金を受け取れば、相続した不動産の売却完了です。
複数の相続人がいる場合は、売却代金から売却にかかった費用を差し引いて、残った額を遺産分割協議で決めた割合で分けます。
1-7.⑦相続税や譲渡所得税などを納める
相続した財産には、相続税が課せられます。相続した不動産を売却した場合も同様です。売却額に応じた相続税を納めます。
相続税の納税期限は、相続の開始があったことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内です。遅れると無申告加算税が課されます。注意しましょう。
また、相続した不動産を取得したときの額よりも高く売れた場合、つまり、売却によって利益を得た場合は、売却した翌年に確定申告をして、その利益に対して譲渡所得税を納めなければなりません。
相続税と譲渡所得税については、次でくわしく説明します。
2.相続した不動産の売却にかかる費用や税金
ここでは、相続した不動産を売却する際にどのような費用や税金がかかるのか、また税金を安くできる特例や控除について説明します。
2-1.相続登記の費用
相続した不動産の名義を被相続人から相続人に変更する際は、相続登記の登録免許税がかかります。
登録免許税の計算式は、次のとおりです。
【登録免許税の計算方法】
登録免許税 = 固定資産税評価額 ✕0.004( 0.4%)
相続登記申請の手続きが大変な場合は、司法書士に依頼しても良いでしょう。
その場合の相場費用の目安は、次のとおりです。
【司法書士への報酬の目安】
- 相続登記申請手続きだけの場合:数万円〜10万円程度
- 遺産分割協議書の作成なども含む:10万〜15万円程度
2-2.相続税
不動産をはじめ、何らかの財産を相続したら「相続税」が課せられます。
ただし、相続税を計算する際の基準となるのは遺産の純総額ではなく、控除や軽減されたあとの額(課税遺産総額)です。
したがって、控除や軽減される額が多いと、相続税を少なくすることができます。
2-2-1.基礎控除について
相続した額が基礎控除額の範囲内であれば、申告も納税も必要ありません。
基礎控除額の計算式は、次のとおりです。
相続した財産の総額から、この計算式で算出された基礎控除額を差し引いた額に相続税が課せられます。
相続税の基となる額を算出したら、その額に税率を乗じて控除額を差し引き、相続税額を相続人ごとに計算します。
相続税の税率と控除される額は、次の表のとおりです。
課税される額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | − |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
2-2-2.相続税の納税期限
相続税は、被相続人(死亡した人)が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に申告し、納税することが定められています。
納税期日を過ぎると延滞税がかかるため、期日までに納めるように注意しましょう。
相続税の計算方法などについては、「相続した家に相続税がかかる?かからない?計算方法や家の評価額の調べ方も解説」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
2-3.相続した不動産の売却にかかる費用
不動産会社に売却を依頼して、仲介で売却した場合にかかるおもな費用は、次のとおりです。
- 仲介手数料(400万円以上の取引額の場合、取引額の3%+6万円+消費税)
- 印紙税(取引額による。1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円)
- 抵当権抹消登記の費用(住宅ローンが残っている場合に必要。2〜5万円程度)
- 住宅ローン返済事務手数料(住宅ローンが残っている場合に必要。金融機関によって異なる)
買取の場合であれば、基本的に不動産会社に支払う仲介手数料は不要ですが、土地の測量費用や建物の解体費用などがかかる場合があります。
あらかじめ売却に際してどのような費用がかかるか、不動産会社に確認しておくようにしましょう。
不動産の売却にかかる費用については、「家やマンションの売却にかかる費用を解説!手元に残るのは結局いくら?」で説明しています。ぜひ参考にしてみてください。
2-4.譲渡所得税
相続した不動産を売却して利益(譲渡益)が発生した場合には、相続税だけでなく、譲渡所得税も申告して納める必要があります。
譲渡所得税が課せられるのは、売却額ではなく、売却額から売却にかかった費用を差し引いた「課税譲渡所得」に対してです。
課税される譲渡所得額の額は、次の計算式で算出されます。
課税譲渡所得=売却額−(取得費+譲渡費用)−控除額
取得費とは、売却した不動産を取得した際にかかった費用の総額です。不動産を購入した費用以外にも、購入する際に不動産会社に支払った仲介手数料なども含まれます。
譲渡費用とは、売却した際にかかった費用の総額です。売却時に不動産会社に支払った仲介手数料なども含まれます。
この課税譲渡所得に、譲渡所得税の税率を乗じたものが、譲渡所得税です。つまり、取得費と譲渡費用が多くなればなるほど課税譲渡所得額が少なくなり、結果として譲渡所得税も安くなります。
譲渡所得税が課せられるのは、相続人で売却代金を分割したあとではなく、分割する前の全額に対してです。
また、譲渡所得税は、売却して譲渡益を得た翌年に確定申告をして納めることになります。忘れないようにしましょう。
2-4-1.譲渡所得税の税率は所有年数によって変わる
譲渡所得税の税率は、その不動産を所有していた年数が5年以下(短期譲渡所得)か5年を超える(長期譲渡所得)かによって変わります。
所有期間による譲渡所得税の違いは、次の表のとおりです。
短期譲渡所得(所有期間5年以下) | 課税譲渡所得×39.63% | ||
---|---|---|---|
所得税:30% | 住民税:9% | 復興特別所得税:所得税額の2.1% | |
長期譲渡所得
(所有期間5年超) |
課税譲渡所得×20.315% | ||
所得税:15% | 住民税:5% | 復興特別所得税:所得税額の2.1% |
所有期間のカウント方法は、実際に所有していた期間ではなく、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかとなります。
また親などから相続した不動産の売却時には、所有年数を引き継ぐことが可能です。
国税庁「No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」
2-5. 相続税や譲渡所得税を節税できる控除や特例
ここでは、相続した不動産を売却した際に、納める税額を軽減することができる控除や特例について説明します。
2-5-1.小規模宅地等の特例
この特例は、一定の要件を満たしていれば、相続した不動産の評価額を5~8割減額できるというものです。不動産に課せられる相続税の計算基準となる評価額が安くなるため、結果として相続税を安くすることができます。
この特例を適用できる土地は、居住用や事業用などの4種類です。それぞれにおいて面積の上限や減額される割合などが異なり、また適用にはさまざまな要件を満たさなければなりません。
しかし、相続税を節税できる額が大きいため、まずは適用できるかどうかを確認してみると良いでしょう。
国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」
2-5-2.相続税を取得費にする「取得費加算の特例」
相続した不動産を一定期間内に売却するなどの要件を満たせば、相続税として支払った額の一部を取得費として計上できます。
相続税を計上して取得費が増えれば、譲渡所得税課税額が低くなるため、譲渡所得税を軽減することが可能です。
取得費として加算できる相続税額は、次の計算式で求められます。
取得費として加算計上できる相続税の額=譲渡した人が納付する相続税額✕(譲渡資産の相続税の課税価格÷債務控除前のその人の相続税の課税価格)
取得費加算の特例は、相続が発生した日から3年10ヵ月以内(相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで)に売却しないと適用できません。
相続してから期間が空いている不動産を売却する際は、適用期間がいつまでかを確認しておきましょう。
また、先に相続税のところで説明した「小規模宅地等の特例」との併用は可能です。
しかし、小規模宅地特例を適用した土地を売却した場合、取得費加算の計算は小規模宅地等の特例を利用した後の金額が計算の基準となるため、取得費加算による減税額が少なくなります。どちらが得になるかを試算したうえで、併用するかどうかを決めましょう。
国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
2-5-3.譲渡所得税が軽減される「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」
売却した相続不動産が居住用の場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得額から最高3,000万円まで控除されます。
つまり、この特例を適用すれば、売却によって得た利益が3,000万円以下であれば、譲渡所得税が課せられません。
ただし、この特例を適用するためには、住まなくなってから3年が経過する年の12月末までに売却する必要があります。
また、「小規模宅地等の特例」や「取得費加算の特例」との併用はできないため、どちらが得になるかをあらかじめ計算しておきましょう。
くわしい適用要件については、国税庁のサイトで確認してみてください。
国税庁 「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
2-5-4.所有年数が10年を超えると税率が下がる「軽減税率の特例」
譲渡所得税の税率は、所有年数が5年を超えると低くなると説明しましたが、10年を超えるとさらに低くなります。これが、「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」です。
住まいとして使われていた不動産を相続して売却した際に、所有期間が10年を超えていれば、売却して得た利益(譲渡所得)のうち、6,000万円以下の部分については、次のように税率がさらに低くなります。
10年超所有の居住用不動産の譲渡所得 | 6,000万円以下の部分 | 譲渡所得税率:14.21% |
---|---|---|
6,000万円超の部分 | 譲渡所得税率:20.315% |
こちらについても、親などから相続した不動産の売却時には、所有年数を引き継ぐことが可能です。
国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
3.相続した不動産を売却する際の注意点
相続した不動産を売却する流れがわかったところで、次に、相続した不動産を売却する際は、どのようなことに注意しなければならないかを説明します。
3-1.相続登記をしなければ相続した不動産を売却できない
相続した不動産を売却する際の重要なポイントとしてあげられるのが、相続する(した)不動産を売却をするときには、必ず相続登記しなければならないという点です。
相続登記していなければ、その不動産が相続人(財産を受け継ぐ人)の所有物かどうか判断できません。
相続した不動産を売却するためには、まず、その不動産の所有者になる必要があります。
3-1-1.相続登記の義務化に注意
相続登記は、これまで特に義務付けられていませんでしたが、相続登記されずに放置されたままになっている空き家が増加してきたため、2024年4月から相続登記の義務化が施行されることになりました。
この義務化により、不動産の相続を知った日から3年以内に正当な理由がなく相続登記の申請をしないと、10万円以下の過料の対象となります。
不動産を相続した場合は、売却する、しないにかかわらず、必ず相続登記をしましょう。
3-2.相続した不動産に近い不動産会社に売却を依頼する
相続した不動産の売却は、売却したい物件の近くにある不動産会社を選ぶのがおすすめです。
売却したい物件が自宅から遠く離れたところにある場合、遠方の物件売却にも対応してくれる自宅近くの不動産会社に依頼したくなるかもしれません。
しかし、一般的な不動産会社が不動産市場を把握しているエリアはそれほど広くないため、遠方の物件だと相場感や需要がつかみきれない場合が多いです。
仲介、買取にかかわらず、売却したい物件があるエリアを得意とする不動産会社に依頼するほうが良いでしょう。
売却したい相続物件が遠方にあり、近くの信頼できる不動産会社がわからない場合は、「イクラ不動産」にご相談ください。
全国の加盟店から、あなたの状況にピッタリ合った売却力のある不動産会社をご紹介します。
不動産会社に相談する前に、売却したい物件の相場価格を知りたい場合は、イクラ独自のシミュレーターを使って自分で調べたり、宅建士の資格を持ったイクラの専門スタッフに相談したりすることができます。
3-3.住み続けたい相続人がいる場合はリースバックという手もある
相続人のうちの1人が、その家にこれまで住んでいたなどの理由から、家を売却されると困るというケースがあります。
しかし手持ちの資金がないため、相続した家を売却しないとほかの相続人への代償金が支払えないといった場合におすすめなのが、リースバックです。
リースバックを利用すれば、家の売却代金としてまとまった額のお金を受け取り、その後、賃貸として家賃を支払いながら住み続けることができます。
家の売却代金を相続人で分け、その家に住んでいた相続人は、家賃を支払うことでこれまでと同じように住み続けることが可能です。
リースバックについては、「【リースバックのまとめ】家を売っても住み続けられる!利用方法や注意点を詳しく解説」で詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 相続が発生してから不動産を売却するまでの流れは次のとおり
①遺言の有無を確認して相続人を確定する
②遺産分割協議をする
③相続登記をする
④売却を開始する
⑤売買契約を結ぶ
⑥物件の引渡し・売却代金の受取り
⑦相続税や譲渡所得税などを納める - 相続した不動産を売却する場合、相続登記申請を必ずしなければならない
- 相続した不動産には、相続税が課せられる。相続税で押さえておくべき点は次のとおり
・基礎控除の額(3,000万円+相続人数✕600万円)以内であれば、相続税の申告や納税は不要
・「小規模宅地等の特例」が適用できれば、不動産の評価額を5〜8割減額することができる - 相続した不動産の売却によって利益を得た場合、利益額が大きければ所有年数に応じた譲渡所得税が課せられる
- 相続した不動産を売却した場合の控除や特例には次のようなのもがある
・相続税を取得費にする「取得費加算の特例」
・譲渡所得税が軽減される「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」 - 相続した不動産を売却する際のおもな注意点は次のとおり
・相続した不動産を売却するには、必ず相続登記をしなければならない
・2024年4月から相続登記が義務化されたため、売却しなくても必ず相続登記しなければならない
・相続した不動産の売却は、売りたい物件の近くにある不動産会社に依頼する
・住み続けたい相続人がいて売却する場合はリースバックがおすすめ
相続した不動産を売却する場合は、まず、相続登記をしましょう。相続登記申請をして不動産の名義を変更しなければ、売却することができません。
また、2024年4月から相続登記申請が義務化されたため、売却してもしなくても、不動産を相続したら相続登記申請が必須です。手続きが大変な場合は、司法書士に依頼しても良いでしょう。
相続した不動産を売却する際の期限は決まっていませんが、控除や特例を利用するのであれば、期限内に売却しなければなりません。
さらに、相続税の納付期限は、相続発生を知った日の翌日から10ヵ月以内と定められているため、相続した不動産の売却代金で相続税を納めるのであれば、すぐに相続登記をして売却活動を開始する必要があります。
また、相続時での不動産売却は、お金が絡むため相続人同士で揉めごとになるケースも多いです。
相続税が発生するような大きな相続の場合は弁護士に入ってもらうほうが良いケースもありますが、そうでない場合は、まず、不動産会社に相談してみましょう。相続した物件の売却を依頼する不動産会社は、売りたい物件の近くで探すのがおすすめです。
相続した不動産を売却したいけれども、どうしたらよいのかわからないという人は、まず「イクラ不動産」でご相談ください。
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さらに、売却したい物件の査定価格がわかるだけでなく、あなたの状況にピッタリ合った、売却したい物件の近くにある、信頼できる不動産会社を紹介してもらうことも可能です。
イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。