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事故物件の掃除「特殊清掃」とは?費用の目安と業者選びの3つのポイント

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事故物件の掃除「特殊清掃」とは?費用の目安と業者選びの3つのポイント

家やマンションなどで人が亡くなり事故物件になった場合、室内の状況や汚れ具合によっては「特殊清掃」が必要になります。

特殊清掃とは、特別な機材や薬剤、技術を使って室内をきれいにして原状回復するための清掃です。

事故物件であっても、特殊清掃を行うことによって売却がしやすくなります。

事故物件を売却する際の特殊清掃についてくわしく知りたい場合は、ぜひこちらの記事を一読して参考にしてみてください。

【この記事で具体的にわかること】

  • 家やマンションで人の死があり、事故物件になるのはどのような場合かがわかる
  • 特殊清掃の内容や依頼する流れ、費用などがわかる
  • 特殊清掃業者を選ぶ際のポイントがわかる
この記事はこんな人におすすめ!
発見が遅れた孤独死のあった家をどうすればいいかわからない人
事故物件をきれいにしてもらう流れや費用を知りたい人
特殊業者を選ぶポイントを知りたい人

1.事故物件になる場合について

3つのポイント

  • 事故物件になるのは、自殺や他殺といった住む人がいやな気持になる不自然な人の死(心理的瑕疵)があった場合
  • 病死や老衰などの自然死であっても、発見が遅れた場合は事故物件になることがある
  • 事故物件になるかどうかは自己判断しないように注意する

家やマンションなどで人の死があると、必ず事故物件になると思われがちです。しかし、人の死があった家やマンションが、すべて事故物件になるわけではありません

特殊清掃について説明する前に、まず事故物件になるのはどのような場合かを解説します。

1-1.事故物件になるのは不自然な人の死があった場合

家やマンションの室内で人が亡くなったとしても、事故物件になる場合とならない場合があります。

なぜなら、同じ人の死であっても、自殺殺人などの不自然な死と、病死や老衰、すぐに発見された孤独死などとでは判断が分かれるからです。

近年まで、事故物件になる人の死についての判断がバラバラであったため、さまざまなトラブルが起きました。

そこで、2021年に国土交通省はトラブルの未然防止の観点から、宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインを公示しました。

国土交通省が発表したこのガイドラインによると、事故物件になるかならないかは、告知義務のある人の死かどうかによるとされています。

告知義務があるのは自殺殺人などで、告知義務がないのは病死や老衰、すぐに発見された孤独死などです。

このガイドラインのくわしい内容や事故物件の売却については「事故物件とは?事故物件になる瑕疵の告知義務や相場価格の基礎知識を解説」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

1-2.自然死でも事故物件になる場合がある

自殺や殺人といった不自然な人の死ではなく、病死や老衰といった自然死であっても、事故物件になる場合があります。それは、亡くなってから発見まで長い間放置されていた場合です。

亡くなってから放置されていた期間が長いと、たとえ病死や老衰であっても告知義務の対象となるため、事故物件の扱いになるのです。

そのような場合は、室内に汚れやにおいが染み付いていることが多いため、「特殊清掃」が必要になります。

1-3.事故物件かどうかは自己判断しない

孤独死がどれくらい放置されていると事故物件になるのかや、どの程度の汚れから特殊清掃が必要になるかなどについては、法律で明確に定められていません。

そのため、自己判断で対応すると、売却後のトラブルにつながる恐れがあります。

売却したい物件が事故物件になるかどうかわからない場合は、まず不動産会社に相談することが大切です。

事故物件の売買を得意とする不動産会社に相談すれば、適切なアドバイスをしてもらえます。

どの不動産会社に相談すれば良いかがわからない場合は、ぜひイクラ不動産をご利用ください。

事故物件の売却や買取に強い不動産会社を探すことができます。

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2.事故物件の掃除は特殊清掃専門業者に依頼

3つのポイント

  • 特殊清掃では一般の清掃では落ちないようなにおいや汚れを落とすことができる
  • 特殊清掃でも汚れやにおいが落ちない場合はリフォームするケースもある
  • 特殊清掃の費用は状況によって大きく違ってくるため、必ず見積もりを取ってから検討することが大切

事故物件と判断されるような場合、室内の床材や壁紙などに「におい」や「汚れ」などが染みついてしまっていることがほとんどです。場合によっては血液が飛び散っていることもあるでしょう。

そのような状況のままでは、当然、住み続けることも売ることもできません。そこで、特殊清掃を実施して部屋を元の状態に戻す必要があります。

特殊清掃で部屋を元の状態に戻す

事故物件の現場は特殊であるため、一般のハウスクリーニング業者に依頼しても断られることがあります。

そこで、事故物件の掃除は、特殊な薬品などを使った作業が必要なので、専門としている特殊清掃業者に依頼する必要があるのです。

2-1.特殊清掃の作業内容

特殊清掃では室内をきれいにするためにどのような作業を行うのか、一般的に行われる作業の内容を紹介します。

2-1-1.体液や汚物などの除去と洗浄

遺体から染み出ていた体液や血液を特殊な薬剤で除去し、洗浄します。

体液や血液などの汚れは非常にしつこく、洗浄するためにはおよそ1~2時間程度かかります。

2-1-2.殺菌と一時消臭

事故物件の現場には、体液や血液が飛び散っていることが想定されるため、感染症の恐れがあります。そのためまずは濃度が高い次亜塩素酸水を噴霧して、殺菌しなければなりません。

そのあと遺体から発生して染みついた臭いを取り除くために、オゾン燻蒸を行います。オゾン燻蒸はおよそ30分程度かかります。

2-1-3.家財の撤去・遺品整理

故人の遺品は必要なものと不要なものに分けて整理します。

貴重品や形見の品は依頼主またはご遺族に、不要なものは市区町村のゴミ分別に合わせて分別し、現場から全て持ち出します。

2-1-4.完全な消臭作業

遺体の発見が早く、汚染が広がっていない場合は特殊清掃のみで完了しますが、体液などが染みこんでしまっている場合には、その部分を解体しなければ臭いを完全に除去できません。

まず臭気の染みこんだクロスを剥がします。においが染みついたクロスを清掃するよりも、クロスを交換した方が安いからです。

体液が染みた床などは床を解体し、床下の洗浄を行い、体液が染みている部分は特別コーティングなどを施します。そして、オゾン燻蒸を数日行い作業完了です。

これらの作業をしてから、必要に応じてリフォームを検討します。

2-2.特殊清掃完了までの流れ

遺体を発見してから、特殊清掃完了までの流れは次のとおりです。

  • STEP.1
    警察に通報する
    事件や事故、孤独死であった場合でも、遺体を発見したら、まず警察に通報します。警察は事件か事故かを調べるために、実況見分を行います。
  • STEP.2
    特殊清掃会社へ連絡する
    警察が現場検証をしている間の立ち入りは禁止されますが、この時点で特殊清掃会社に連絡がついた場合は、わかる限りの状況を説明しましょう。
  • STEP.3
    現場での見積もり・作業内容の説明
    警察からの立ち入り許可が出たら、特殊清掃会社のスタッフと現場の状況を確認してもらったうえで、見積もりを出してもらいます。
  • STEP.4
    特殊清掃の実施
    契約を交わしたのちに、特殊清掃が実施されます。
  • STEP.5
    必要に応じて解体・リフォーム作業を行う
    現場の状況によっては、床をはがすなどしないと完全に臭いを消せないこともあります。根本的な解決のためには、解体や大がかりなリフォームが必要になることも考えられます。
  • STEP.6
    状況確認・作業終了
    すべての作業が終了したら、立ち会いのもと現場を確認して特殊清掃が終了します。

2-3.特殊清掃にかかる費用の目安

特殊清掃にかかる費用の大まかな目安は、次の表のとおりです。

間取り 料金の相場 作業人数
ワンルーム 3〜10万円程度 1〜2人
1K〜1LDK 10〜30万円程度 2〜4人
2K〜2LDK 15〜50万円程度 3〜6人
3K〜3LDK 30〜80万円程度 4〜8人

特殊清掃の料金は、次のような要因によって作業内容が変わります。

  • 現場の広さや状況
  • 処分したい家財の量や種類
  • 各市区町村ごとの一般廃棄物費用
  • 作業に要する人数や日数

特殊清掃は状況によって作業内容が大きく変わるため、ひと部屋の特殊清掃にかかる費用を断言することはむずかしく、どうしても料金に幅が出てしまいます。

思わぬ損をしないためにも、特殊清掃を依頼する前には、必ず見積もりを出してもらいましょう。

特に、解体やリフォームが必要となる場合には、さらに大きく費用がかさみます。

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3.特殊清掃業者を選ぶ3つのポイント

3つのポイント

  • 特殊清掃業者を選ぶポイント①解体工事業の登録がされているかどうかを確認する
  • 特殊清掃業者を選ぶポイント②一般廃棄物処理の許可を受けているかを確認する
  • 特殊清掃業者を選ぶポイント③特殊清掃の実績が豊富な業者を選ぶようにする

特殊清掃は特別な技術や機材を必要とするため、いいかげんな業者に依頼すると臭いが残ってしまい、再度依頼しなければならないということにもなりかねません。

ここでは、特殊清掃業者を選ぶときのポイントを3つ紹介します。

3-1.①解体工事業登録がされている

特殊清掃での完全消臭には解体作業が伴うことがあります。

2019年6月1日より、特殊清掃業には解体工事業の登録が必須になりました。該当の都道府県において、解体工事業登録がされていない特殊清掃業者が施工すると違法となります。

実績があって完全消臭できる業者であっても、解体工事業登録ができていない業者が解体作業を行うと違法になってしまうのです。

もちろん解体作業の必要のない特殊清掃もありますが、現場の状況により急に必要になることもあります。

解体作業のできない業者が表面上だけ清掃・消臭したとしても、臭いのもとが残っている限り完全に消臭はできません。

そのため、特殊清掃業者を選ぶ際には、解体工事業登録がされている特殊清掃業者に依頼するようにしましょう。

3-2.②一般廃棄物処理の許可を受けている

貴重品や形見の品以外、現場にある物のほとんどはゴミとして処分されることになります。家庭からのゴミは一般廃棄物になるため、産業廃棄物とは異なります。

現場となる市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けているのが一番ですが、そのような業者はごく一部です。一般廃棄物収集運搬業の許可を所持していない場合は、廃棄物の処分方法を確認しましょう。

なかには、「不用品はサービスで持ち帰ります」という業者もありますが、その分の費用は、全体の手数料や作業費に上乗せされていることが多いです。

見積書や契約書に「廃棄物処理費」という項目がない場合は、別の費用に上乗せされていると考えて間違いありません。

別の名目で高い費用を支払うことにならないように、「不用品やゴミはどのように処分してくれますか?」と聞いてみることをおすすめします。

見積もり内容や処分費用をきちんと説明してくれる業者を選びましょう。

3-3.③特殊清掃の実績が豊富

特殊清掃は、その名の通り特殊な掃除が必要になるため、どれだけの知識と経験があるのかはもっとも重要なポイントです。

しっかりと作業や施工がされないと、特殊清掃が終了したあとに

奥様
臭いや汚れ、シミがまだ残っている…

といったトラブルが起こる可能性も考えられます。

特殊清掃業者を探すときには、ホームページや口コミなどで、実績がどの程度あるのかをきちんと確認することがおすすめです。

また、複数の業者に見積もりを出してもらうことも大切です。それぞれの業者が出した見積もり額や内容を比較し、信頼して作業を任せられそうなところを選びましょう

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まとめ

この記事のポイントをまとめました。

  • 家やマンションで人が亡くなって事故物件になるのは、自殺や殺人といった不自然な死があった場合
  • 老衰や病死といった自然死があっても事故物件にはならないが、発見が遅れた場合は事故物件扱いとなる
  • 室内に汚れやにおいが染み付いている事故物件は、通常の清掃ではなく特殊清掃が必要
  • 特殊清掃でもきれいにならない場合は、リフォームや解体をしなければならないこともある
  • 特殊清掃の費用は物件の広さや状態によってさまざまななので、複数の業者から見積を取って比較してから選ぶ
  • 特殊清掃業者を選ぶポイントは次の3点
    ①解体工事業登録がされている
    ②一般廃棄物処理の許可を受けている
    ③特殊清掃の実績が豊富

家やマンションが事故物件になって室内が汚れている場合は、まずは特殊清掃を行うことが必須です。

特殊清掃でもにおいや汚れが残る場合は、解体やリフォームを検討することになります。

ただし、事故物件を売却する予定であれば、解体やリフォームについては不動産会社に事前に相談するようにしましょう。

どのような状況で事故物件になったかにもよりますが、買い手が一般消費者である仲介の場合では、一般的に孤独死が放置されていた場合だと相場価格の1割程度自殺や殺人の場合だと3~5割程度安くなります

事故物件の売却の場合、解体やリフォームをしたからといって決して高く売れるわけではありません。そのままの状態で安く購入し、自分の好みに合うように建て直したり、リフォームしたいと考える人もいます。

また、すぐに手放したい場合は、不動産会社に買取を依頼することも可能です。ただし、売却価格は事故物件の相場価格からさらに3割ほど安くなります。

事故物件を売却したい場合は、まずは信頼できる不動産会社を探し、どのようにすべきか相談すること大切です。

特殊清掃の依頼が必要になる場合は、じっくりと時間をかけて業者を選定することができないケースが多いですが、できる限り複数の業者に見積もりを出してもらい比較するようにしましょう。

事故物件を売却する場合は、まず、不動産会社に相談することが大切です。告知義務事項を買主に慎重、かつ上手に伝えなければならないため、売却を依頼する不動産会社の役割がとても重要となります。

事故物件を売却したいけれど、どこの不動産会社に相談すればよいのかわからないという人は「イクラ不動産」をご利用ください。売却事情に合った売却に強い不動産会社を選べます。

さらに、事故物件の売却でわからないことがあれば、宅建士の資格を持ったイクラの専門スタッフに相談できるので安心です。

イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。