「任意売却は、住宅ローンが返済できない場合に利用する」といった言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、任意売却がどのようなものか、はっきりとわかっていない人も多いでしょう。
任意売却(にんいばいきゃく)とは、住宅ローンの返済が完了していない家やマンションなどを売るために、住宅ローンを借りている金融機関の承諾を得て抵当権を外してもらうという売却方法です。
住宅ローンの完済が苦しくて家やマンションを売りたいとき、任意売却をしようかと迷うことがあります。しかし、その前にデメリットやリスクについても知っておくことが大切です。
こちらでは、任意売却とはどのようなものかをはじめ、メリットやデメリット、注意点についてわかりやすく説明します。
- 任意売却とはどのようなものか、なぜ任意売却が認められるのかについてわかる
- 任意売却のメリットとデメリット、リスクについてわかる
- 任意売却の際の注意点がわかる
- この記事はこんな人におすすめ!
- 任意売却についてくわしく知りたい人
- 住宅ローンの返済が苦しくて滞納しそうな人
- 住宅ローンがたくさん残っている家やマンションを売却したい人
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1.任意売却(にんいばいきゃく)とは?
- 任意売却とは、金融機関の承諾を得て住宅ローンが残っている家の抵当権を外してもらって「オーバーローン」の場合でも売却できるようにする方法
- 競売よりも任意売却のほうが相場に近い金額での売却が期待できるため、金融機関は任意売却を認めている
- 任意売却できる期間は、住宅ローンを滞納してから競売が開始されるまでの約半年間しかない
まず、任意売却とはどのようなものか、なぜ任意売却という売却方法が認められているのかなど、任意売却についての基本的な知識について説明します。
1-1.任意売却の仕組みについて
任意売却(任売・任意売買/にんばい・にんいばいばい)とは、金融機関の合意を得ることにより、家の売却価格が住宅ローンの残債(残高)を下回っている(=ローンの残額の方が家の売却額よりも高い)「オーバーローン」の場合でも売却できる方法です。
そもそも家を売却するには、住宅ローンを完済して抵当権を外す必要があります。
抵当権とは、住宅ローンなどを借りる際、万が一、あなたからの返済が滞ったとき、金融機関が確実にお金を回収するために不動産(土地・建物)を担保にできる権利のことです。
オーバーローンで家を売却したい場合であっても、本来は住宅ローンの残債を全て返済し、抵当権を外さなければなりません。そのためには、ローンを完済するための不足分を預貯金などの手持ちから出す必要がありますが、現実的にはむずかしいケースが多いでしょう。
そこで、金融機関の同意を得ることで、完済できるお金が用意できなくても抵当権を外してもらい、売却可能な状態にするのが「任意売却」です。
任意売却する際は、不動産会社があなたと金融機関の間に入って交渉をしてくれます。
任意売却をするには住宅ローンを遅延・滞納していることが必須条件です。現在、住宅ローンを遅延・滞納していなくても、任意売却を希望するならわざと住宅ローンを遅延・滞納する必要があります。
オーバーローンについては、「オーバーローンでも家やマンションを売却できる?5つの対処法を解説」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
任意売却以外の売却方法について知りたい場合は、「家やマンションをどう売る?4つの不動産売却方法と選び方のポイントを徹底解説」もあわせてご覧ください。
1-2.任意売却がなぜ認められるのか?
なぜ、住宅ローンを全額返せない状態であるのに、金融機関が抵当権を外す任意売却が認めてもらえるのでしょうか。
住宅ローンの担保として家やマンションに抵当権を設定するのは、万が一、ローンの返済が滞ったとき、金融機関は裁判所に申し立てて、担保になっている不動産を競売にかけて優先的に貸したお金の回収ができるようにするためです。
ただし、競売の場合だと、一般的に、相場価格の約60%~70%の額でしか売れません。また、競売後に残った住宅ローンの残債は、免除されるわけではないので引き続き返済していかなければなりません。
金融機関にとってもあなたにとっても、1円でも高く家を売り、返済できるお金をいかに増やせるかが損を減らすための重要なポイントになります。
そこで、金融機関は、競売に比べて相場に近い金額での売却が期待できる任意売却を認めている、というわけです。
1-3.任意売却の流れと任意売却できる期間
住宅ローンの支払いが苦しいからといって、すぐに任意売却できるわけではありません。
任意売却の流れと期間は、次の表のとおりです。
内容 | 滞納してからの期間 | |
---|---|---|
①「競売告知通告」や「督促状」が届く | 金融機関から住宅ローン返済の催促が書面などで届く | 滞納してから3ヵ月程度 |
②「代位弁済予告通知」が届く | 債権者(お金を貸している側)が銀行から保証会社に切り変わるという予告 | 滞納後、3〜6ヵ月程度 |
③「期限の利益喪失」の通知が届く | 保証会社から住宅ローンの一括返済を求められる(※この時点から任意売却が可能となる) | 滞納後、6〜7ヵ月程度 |
④「代位弁済通知」が届く | 債権者(お金を貸している側)が銀行から保証会社に切り変わった通知が届く | 滞納後、8ヵ月程度 |
⑤「担保不動産競売開始決定通知」が届く | 競売開始が決まった通知が届く | 滞納後、10〜12ヵ月程度 |
⑥競売開始 | 競売が開始される(※競売開始後は任意売却できなくなる) | 滞納後、1年〜1年半程度 |
住宅ローンを滞納すると、まず届くのが①「競売告知通告」や「督促状」です。
そのまま放置していると、滞納してから3ヵ月から半年の間に②「代位弁済予告通知」が届き、次に③「期限の利益喪失」という住宅ローンの一括返済を求める通知(書類)が届きます。この通知が届いた時点から、任意売却の手続きが可能です。
そして、債権者が金融機関から保証会社に切り替わったという④「代位弁済通知」が届きます。
そのまま放置していると届くのが、⑤「担保不動産競売開始決定通知」という通知(書類)です。これは、家やマンションが競売にかけられることが決定した通知です。しばらくすると、現地調査が行われたあと、購入希望者による期間入札が開始されます。
⑥競売開始後、開札日を経て落札されると、購入者(買受人)が確定するため任意売却は不可能になります。
つまり、任意売却ができる期間は、「③期限の利益喪失」の通知から、⑥競売開札日前日までの約半年間です。
なお、開札日前日までに売買契約ではなく、残代金の受け取りまで終えている必要があります。
1-3-1.債権者が銀行から保証協会やサービサーに切り替わる「代位弁済」とは?
代位弁済とは、保証会社があなたに代わって、残っている住宅ローン全額を立て替えて銀行に支払うということです。
これにより、債権者(お金を貸している側)が銀行から保証会社に切り変わり、この通知(書類)以降は、保証会社とやり取りしなければなりません。
また、金融機関や住宅ローンの種類によっては、保証会社ではなく債権回収会社(サービサー)になっていることもあります。
銀行が取り立てをするのは大変なので、その役割を保証会社やサービサーに任せるのです。
任意売却を進めるには、銀行ではなくこの保証協会やサービサーと交渉を進めなければならないことに注意しましょう。
2.任意売却のメリット
- 任意売却のメリットとしてまずあげられるのが、競売よりも相場価格に近い額で売却できる点
- 競売のように公示されないので、周囲に住宅ローンの滞納や金銭的な苦労を知られることがない
- 競売と違い、売却時の費用や引っ越し代を出してもらえる可能性があるほか、引っ越し時期の調整もできる
住宅ローンの返済が苦しくなった場合に、競売を回避して任意売却をするメリットは次の5点です。
- 相場に近い金額で売却できる可能性がある
- 住宅ローン残債の分割返済が可能になる
- 近隣に住宅ローンを滞納したことがバレない
- 売却時の費用や手数料は自ら出さなくて良い
- 引越しの時期の調整ができ、引っ越し代を出してもらえる可能性がある
それぞれのメリットについて説明します。
2-1.①相場に近い金額で売却できる可能性がある
前述したように、競売での落札価格は相場価格の約60%~70%になってしまうケースが多いです。
ただでさえオーバーローンになるにも関わらず、相場の60%の価格でしか売却できないと、残る借金が多くなってしまいます。
一方、任意売却は時間的な余裕はないものの、仲介で売る場合とほとんど差がないため、相場に近い金額(約75〜90%)での売却が期待できるのです。
2-2.②住宅ローン残債の分割返済が可能になる
任意売却後に残った住宅ローンは、引き続き返済しなければなりません。しかし、金融機関との話し合いによっては、今より大幅に負担を減らした金額で分割返済が可能になります。
毎月の返済額は5,000円から3万円程度に設定されることが多く、収入や生活などの状況を考慮した上での返済計画がたててもらえることもメリットの1つです。
2-3.③近隣に住宅ローンを滞納したことがバレない
住宅ローンの滞納が続き家やマンションが競売にかけられると、裁判所の執行官が家の調査にきます。
そのあと、新聞やインターネットなどで物件に関する競売情報が詳細に公開されるため、近隣の人に競売がバレることは避けられません。また、裁判所に行けば、個人情報も公開されています。
一方、任意売却では仲介と同じように売却が行われるため、お金がなくて困っていることを近所の人に知られることなく売却することが可能です。
2-4.④売却時の費用や手数料は自ら出さなくて良い
任意売却も、仲介での売却と同じように仲介手数料や税金がかかります。
それ以外にも、抵当権抹消や差押えの解除の費用、管理費や修繕積立金を滞納している場合はその返済もしなければなりません。
競売で強制的に家を売却された場合、これらの費用はすべて自己負担することになりますが、任意売却の場合は、売却代金から配分されて支払われます。
そのため、売却に必要となる諸費用を自ら用意する必要がないのです。
任意売却は、正規の仲介手数料(3%+6万円)+消費税で売却を引き受けてくれる不動産会社がほとんどです。
2-5.⑤引越しの時期の調整ができ、引っ越し代を出してもらえる可能性がある
競売の場合だと、強制的に立退き(たちのき)を迫られ、もし従わなければ不法占拠者とみなされて法的措置をとられます。
それに比べて任意売却の場合は、金融機関との交渉によって、引越しの時期についても融通を利かせてもらえます。
また、競売の場合だと引越し代の請求をすることはできません。お金がない状況で引越し代を捻出するのは、かなり厳しいです。
一方、任意売却では金融機関との交渉により、売却代金の中から引越し代が出る可能性があります。
こちらについては金融機関の厚意であり、必ず出してもらえるわけではありません。
おもな保証協会・サービサーの一覧と対応については、次の表のとおりです。
保証会社・サービサー | ローンの借入先 | 出してもらえる仲介手数料の額(取引額に対して) | 出してもらえる登記費用の額 | 出してもらえる引越代の額 |
住宅債権管理回収機構 | フラット35 | 3%+6万円 | 抹消1件1万円+印紙代+登録免許税 | 上限20万円(税込) |
日立キャピタル債権回収 | 3%+6万円 | 抹消1件1万円+印紙代+登録免許税 | 上限20万円(税込) | |
エム・ユー・フロンティア債権回収 | 三菱UFJ銀行 | 3%+6万円 | 上限5万円(税込) | 上限20万円(税込) |
SMBC信用保証 | 三井住友銀行 | 3%+6万円 | 上限5万円(税込) | 上限20万円(税込) |
SMBC債権回収 | 3%+6万円 | 交渉 | 上限10万円(税込) | |
みずほ信用保証 | みずほ銀行 | 3%+6万円 | 上限32,400円(税込) | 交渉 |
りそな保証 | りそな銀行 | 3%+6万円 | 上限5万円(税込) | 上限10万円(税込) |
三井住友トラスト保証 | 三井住友信託銀行 | 3%+6万円 | 上限5万円(税込) | 上限20万円(税込) |
全国保証 | 信用金庫など | 3%+6万円 | 上限5万円(税込) | 上限20万円(税込) |
3.任意売却のデメリットとリスク
- 任意売却のデメリットとしてまずあげられるのが、任意売却できる期間が限られている点である
- 任意売却したからといって必ず売却できるとは限らず、また競売よりも高く売れるとも限らない
- 競売は裁判所主導で進めてもらえるが、任意売却は任意売却が得意な不動産会社を探さなければならない
競売(けいばい・きょうばい)と比べて、メリットしかないと言われている任意売却ですが、デメリットやリスクも少なからずあります。
任意売却のおもなデメリットやリスクは、次のとおりです。
- 債権者の同意が必要
- 時間制限がある
- 必ず売れるとは限らない
- 競売より高く売れるとは限らない
- 売却活動に協力しなければならない
- 信用情報機関のブラックリストに載る
- 誰に依頼すればいいのかわかりにくい
それぞれについて、くわしく確認していきましょう。
3-1.①債権者の同意が必要
任意売却するには、まず、債権者(銀行などの金融機関)の同意が必須です。
住宅ローンの残債(残高)よりも低い価格で家を売却してもいいかどうか交渉しなければなりません。
実際に、金融機関と交渉するのは任意売却を依頼する不動産会社です。しかし、家の査定価格が低くて債権者に納得してもらえなかったら、任意売却を始めることすらできません。
3-2.②時間制限がある
任意売却には「時間制限がある」ことに注意が必要です。
任意売却と同時に債権者は競売の手続きを進めていきます。競売の開札日前日までに任意売却が完了していないと、競売の取下げができません。
たとえ、開札日ぎりぎりで買主が見つかったとしても、債権者は納得せず取下げに応じてくれないのです。そのため、もっと早い段階で買主を見つけて、開札日前日までに「残代金の受け取り」まで完了しておく必要があります。
早めに着手して、早期に買主を見つけなければ、任意売却が結局できない可能性があることもデメリットの1つです。
3-3.③必ず売れるとは限らない
任意売却の際は、「仲介」と同じ方法で家を売却することになるので、買主を一般消費者の中から見つけなければなりません。実際に買い手を探すのは、売却を依頼した不動産会社です。
ただし、売却価格は債権者から承諾を得た金額でないといけないので、売主の独断でむやみに価格を下げることはできません。そのため、人気のない物件の場合、なかなか買手が見つからないケースがあります。
前述したように、任意売却には時間制限があるので、その期間内に売れないと失敗します。
3-4.④競売より高く売れるとは限らない
任意売却は、「競売より高く売れる」と言われていますが、必ずしもそうとは限りません。
確かに多くのケースで競売より任意売却の方が高く売れますが、なかには競売の方が高額で売れる事例も存在します。
地域や家の状態、マンションか一戸建てかなどによって判断が異なってくるため、任意売却や競売にくわしい不動産会社にどちらが良いのか相談してみましょう。
3-5.⑤売却活動に協力しなければならない
前述したように、仲介と同じ流れで売却を進めることになるので、不動産会社と媒介契約(ばいかいけいやく)を結んで売り出し、購入希望者が現れたら家の見学案内なども行わねばなりません。
売買の条件交渉や売買契約の締結、決済への立会や登記への協力なども必要です。競売であれば裁判所が主導で行ってくれます。
こうした諸々の対応をしなければならない点も、任意売却特有のデメリットだと言えるでしょう。
3-6.⑥信用情報機関のブラックリストに載る
任意売却すると、信用情報機関のブラックリストに載ってしまいます。
そのため、今後、約5年間は新たにローンを組んだり、現在使っているクレジットカードも利用できません。
ただし、こちらのデメリットは競売になった場合も同様です。
3-7.⑦誰に依頼すればいいのかわかりにくい
任意売却は、仲介と同じ方法で売却を進めていくので、どの不動産会社に依頼しても同じだと思われがちです。
しかし、これまで見てきたように債権者との交渉や時間的な制限がある分、任意売却は不動産会社にとっても非常に難しいのです。中には任意売却を受け付けないといった債権者もいるため、より経験豊富な専門的知識のある不動産会社に依頼することが重要です。
ただし、店舗の前に大々的に「任意売却やります」と表示している不動産会社は少ないですし、インターネットで見つけた会社も本当に信頼できるのかどうか自身で判断するには限界があります。
税理士事務所や司法書士事務所、弁護士事務所などでも任意売却の案内ができるケースがありますが、士業事務所にいきなり電話をかけるのもハードルが高いと感じるものです。
「イクラ不動産」であれば、あなたの状況に合った任意売却の経験が豊富な不動産会社を無料で選べます。もちろん、無料&秘密厳守で相談可能です。
4.任意売却をする際の注意点
- 任意売却をするには、まず住宅ローンを滞納しなければならない(ブラックリストに掲載されることになる)
- 任意売却したからといって、住宅ローンの返済そのものがなくなるわけではない
- 自己破産を予定している場合でも、任意売却するほうが良い場合がある
任意売却をする際の注意点として、次のようなものがあげられます。
- 住宅ローンを滞納しなければならない
- 連帯保証人や連帯債務者の同意が必要
- 住宅ローンがなくなるわけではない
- 自己破産でも任意売却すべき
4-1.住宅ローンを滞納しなければならない
任意売却は、住宅ローンを延滞・滞納していることが必須条件です。
そのため、現在、住宅ローンを遅延・延滞していなくても、任意売却したい場合は、わざと住宅ローンを遅延・延滞しなければなりません。
4-2.連帯保証人や連帯債務者の同意が必要
連帯保証人や連帯債務者がいる場合は、これらの方の同意が必要です。
ローンを滞納すると、連帯保証人や連帯債務者にも返済の請求がいくことになります。
離婚などが理由で、別々に住んでいる場合でも、任意売却するには連絡を取り同意を得なければなりません。
任意売却や競売では、最終的に家を出ていかなければなりませんので、どちらかが住み続けている場合は、きちんと話し合って決める必要があります。
4-3.住宅ローンがなくなるわけではない
任意売却をすると、必ず残っている住宅ローンを完済できると思っている方がいますが、それは間違いです。
任意売却によってローンを完済することができるのは、ローンの残債よりも家が高く売れたケースに限られます。確かに、競売よりは高額で売れて、多めにローンを返済できる可能性は高いです。
しかし、そもそも任意売却は、オーバーローンになる場合の売却方法なので、ローンの残債を上回って売却できることは稀です。
そのため、任意売却後に残った住宅ローンは引き続き返済していかなければなりません。
住宅ローン以外の借金がある場合の対処法については、「家を手放さずに借金を減らす!自己破産・任意整理・個人再生以外の方法はある?」で説明しているので、ぜひ読んでみてください。
4-4.自己破産でも任意売却すべき
「多額の借金を抱えたので自己破産する予定だから、任意売却をする意味がない」という人もいます。しかし、必ずしも意味がないとは言い切れません。
なぜなら、自己破産は資産があるかないかによって方法が異なるからです。
不動産という資産が無い場合は費用がかかりませんが、不動産がある状態で自己破産すると資産があるとみなされ、預貯金がなくても50万円以上の予納金が必要となります。
もし、本当に自己破産を考えているのであれば、任意売却後の資産がなくなった状態の方がよいかもしれません。
タイムリミットがくると金融機関は不動産を差し押さえて競売の手続きに入るため、任意売却できる期間中に売却することが必須です。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 任意売却とは、住宅ローンの返済が苦しくなった際に、金融機関の承諾を得て住宅ローンが残っている家の抵当権を外してもらって「オーバーローン」の状態でも売却できるようにする方法のこと
- 競売よりも任意売却のほうが相場に近い金額での売却が期待できるため、金融機関は任意売却を認めてくれることが多い
- 任意売却の流れは次のとおり
1.「競売告知通告」や「督促状」が届く
2.「代位弁済予告通知」が届く
3.「期限の利益喪失」の通知が届く
4.「代位弁済通知」が届く
5.「担保不動産競売開始決定通知」が届く
6.競売開始 - 任意売却は「期限の利益損失」と「代位弁済通知」が届いてから競売が開始されるまでの間なので、約半年間程度しかない
- 任意売却のメリットは次のとおり
・相場に近い金額で売却できる可能性がある
・住宅ローン残債の分割返済が可能になる
・近隣に住宅ローンを滞納したことがバレない
・売却時の費用や手数料は自ら出さなくて良い
・引越しの時期の調整ができ、引っ越し代を出してもらえる可能性がある - 任意売却のデメリットやリスクは次のとおり
・債権者の同意が必要
・時間制限がある
・必ず売れるとは限らない
・競売より高く売れるとは限らない
・売却活動に協力しなければならない
・信用情報機関のブラックリストに載る
・誰に依頼すればいいのかわかりにくい - 任意売却する際の注意点は次のとおり
・住宅ローンを滞納しなければならない
・連帯保証人や連帯債務者の同意が必要
・住宅ローンがなくなるわけではない
・自己破産でも任意売却すべき
ここまで見てきたように、任意売却にもさまざまなデメリットやリスクがあります。しかし、それでも競売と比べるとメリットの方がはるかに大きいと言えるでしょう。
しかし、任意売却は競売と異なり強制力がないので、あなた自身の意思(任意)で行動することが必要です。
銀行などの金融機関にとってはすでに損失を被っているわけですから、わざわざ「任意売却しませんか?」と助けの手を差し伸べてくれることはありません
直接債権者と交渉するのは不動産会社ですから、いかにメリットを提示して説得させる交渉技術があるのかどうかと、債権者の納得する金額で購入してくれる買主を見つける力があるのかどうかは非常に重要です。
また、少しでも高く売却することで住宅ローンを多く返済し、今後の生活に少しでもゆとりをもてるかどうかも、不動産会社にかかっていると言えます。
任意売却の知識と経験が豊富な不動産会社を探している方は、まず「イクラ不動産」でご相談ください。
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