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家を建てたばかりや買ったばかり、新築の建築中で離婚をする場合について解説

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家を建てたばかりや買ったばかり、新築の建築中で離婚をする場合について解説

家を建てたばかりや買ったばかり、また、新築の家を建築中に離婚が決まるケースもあります。そのような場合、家をどうすれば良いかと困っている人もいることでしょう。

家を建てたばかりや買ったばかり、新築で建築中に離婚をしても、購入や住宅ローンの契約などを取り消すことはできません。そのため、状況に応じた適切な対処が必要です。

こちらでは、家を建てたばかりや買ったばかり、また、新築の家を建築中に離婚する場合について、どうすればよいのかわかりやすく説明します。

この記事で具体的にわかる3つのポイント

  • 家を建てたばかりや買ったばかり、または建築中でも離婚をすることはできる
  • 離婚と家の購入、建築などに法的なつながりはないため、離婚をしても購入や建築をキャンセルすることはできない
  • 建てたばかりや買ったばかりの家、建築中の家も財産分与の対象となる
この記事はこんな人におすすめ!
家やマンションを買ったばかりで離婚することになった人
新築の家を建築中に離婚が決まり、建築をキャンセルできないかと考えている人
買ったばかりの家やマンションが離婚でいらなくなった場合、どうすれば良いのかを知りたい人

1.家を建てたばかりや買ったばかり、建築中でも離婚できるのか?

家を買ったり建てたりするときには、夫婦で話し合い、納得したうえで購入の契約をしているはずです。また、お金もかかるので、夫婦で住宅ローンを組んでいることも多いでしょう。

このような大きな負担が発生しているにもかかわらず、離婚ができるのだろうかと思う人もいるかもしれません。

まず、家を建てたばかりや買ったばかり、または建築中で離婚できるかを確認しましょう。

1-1.協議離婚や調整離婚なら可能

家を買ったばかりや建てたばかり、建築中であっても、「協議離婚(きょうぎりこん)」や「調停離婚(ちょうていりこん)」であれば離婚することはできます。

これらの離婚の場合は、夫婦の双方が離婚に納得し、合意さえすれば離婚が成立するからです。

1-2.裁判離婚なら事情によっては可能

夫婦での話し合いがむずかしい場合や相手が離婚に応じてくれないような場合は、「裁判離婚(さいばんりこん)」をすれば離婚できる可能性があります。

裁判離婚で離婚を認めてもらうには、次の5つの事情の内1つ以上の該当が必要です。

  1. 不倫
  2. 悪意の遺棄(あくいのいき:生活費不払いや家出など)
  3. 3年以上の生死不明
  4. 回復しがたい精神病
  5. その他婚姻生活を継続し難い重大な事由

たとえば、相手が不倫した場合などには、家を買ったり建てたりしたタイミングにかかわらず、裁判によって離婚することが可能です。

なお、離婚の流れについては「離婚するかも?有利に進めるために離婚の流れをわかりやすく解説!」も併せてご覧ください。

1-3.家を建てたばかりや買ったばかりで離婚を切り出しても慰謝料は発生しない

どちらかに不倫などの離婚の原因があるのでなければ、家を建てたばかりや買ったばかりの状態で離婚を切り出したからと言って、夫婦関係を破綻させた有責配偶者にはなりません。

よって、家を買ったばかりや建てたばかりで離婚を希望しても、相手への慰謝料の支払いは不要です。

もし、相手が不倫していることが発覚したので、家を建てたばかりだけど仕方なく離婚するといったケースであれば、相手が有責配偶者にあたるため、こちらから慰謝料を請求することが可能です。

なお、家を慰謝料にすることについては「離婚時、慰謝料代わりに家をもらうことはできる?税金はかかるのか?」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

1-4.住宅ローンはどうなる?

家を購入するためや建てるために組んだ住宅ローンと離婚については、法律的なつながりは一切ありません

そのため、離婚で家がいらなくなったとしても、住宅ローンを借りたからには、当然返済義務が生じます

たとえば、夫の単独名義で住宅ローンを組んだ場合は夫が、夫婦でペアローンを組んだ場合は夫婦の両方が、離婚をしてからもローンを返済し続けなければなりません。

離婚後の住宅ローンの支払いについては、「離婚時、住宅ローンの残りは財産分与で折半しないといけないのか?」や「離婚時の住宅ローン対策!ローンの借り換え、名義変更について解説」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。

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2.家の建築中に離婚することになった場合

次に、家の建築中に離婚することが決まった場合、家の建築と離婚との関係について、どのように考えるべきかについて説明します。

2-1.家の建築と離婚は無関係

夫婦で住むはずだった家を建てたばかりの状況や建築中に離婚が決まってしまった場合、もう家はいらなくなったという理由で家の建築を止めてもらいたくなります。

しかし、家の建築工事と夫婦の離婚に法律的なつながりはありません。そのため、夫婦が離婚することになっても、家の建築工事はそのまま継続されます。

「離婚するから工事を止めてほしい」というわけにはいかず、また離婚が決まったからと言って工事が中止されることもありません。

2-2.離婚によりどうしても建築を中止したいときは?

「離婚するので、もう家はいらない」となり、どうしても建築を中止したい場合、何をどのようにすれば良いのかを説明します。

2-2-1.家の「建築請負契約」の内容を確認してみる

離婚で建築中の家がいらなくなった場合は、まず、請負契約の内容を確認してみましょう

もし、「夫婦の離婚時やその他の重大な事情変更が発生した場合には解約できる」といった途中解約の条項が入っていたら、契約を解約できる可能性があります。

ただし、一般的な請負契約の場合、「離婚によって解約できる」と定められているケースは少ないです。

2-2-2.契約解消できるか建築業者と協議する

契約内容に「離婚による解約」が入っていない場合は、建築業者との間で「協議」によって契約解消するかどうかを決めるしかありません。

途中で解約するとしても、すでに着工している場合には出来高に応じた代金の支払いが必要です。場合によっては損害賠償を求められる可能性もあります。

夫婦の離婚という個人的な事情によって一方的に契約を解約するのですから、ある程度の負担は覚悟しておきましょう。

2-3.家を完成させてから財産分与する方法もある

離婚によって家の建築を途中でやめると、建築費だけでなく土地も無駄になってしまうため、あまり経済的でないことが多いです。

そのような場合は、家を完成させたうえで新築として売却し、売却代金を夫婦で財産分与するほうが良いでしょう。

3.建てたばかりや買ったばかりの家、建築中の家の財産分与について

財産分与(ざいさんぶんよ)とは、夫婦が結婚中に協力して築いた財産を、離婚時に夫婦それぞれ分け合うことをいいます。

家やマンションなどの不動産は、財産分与の対象です。建てたばかりや買ったばかりの家、建築中の家であっても同じ扱いになります。

財産分与の分け方は、基本的に夫婦が2分の1ずつです。したがって、夫婦が共同で購入した家も、夫婦が半分ずつ分け合うことになります。

ただし、家自体を半分にすることはできないため、離婚により夫婦で住まなくなった家を財産分与する場合は、次で紹介する2つの方法のどちらかを取ることが多いです。

3-1.夫婦のどちらかが受け取る

まずあげられるのが、離婚後の財産分与として、夫婦のどちらかが家を受け取るという方法です。

この場合、家の価値やほかの財産との兼ね合いにより、家を受け取るほうが相手に代償金を支払う場合もあります。

また、住宅ローンがある場合は、家を受け取らない側に住宅ローン返済の負担がかからないようにしなければなりません。

夫婦でペアローンを組んだり連帯保証人などになったりしていなければ、住宅ローンの単独名義人が居住すれば、もう一方にはローン負担が発生しないので、そのまま離婚しても大丈夫です。

一方、夫婦でペアローンを組んでいたり連帯保証人になったりしている場合は、そのまま離婚すると家に住まない側にもローン返済の責任が及んでしまいます。

その場合には、ペアローンを解消してもらう、住宅ローンの連帯保証人から外してもらうなどの対応が必要です。

離婚で連帯保証人から外れる方法については、「離婚で住宅ローンの連帯保証人から外れる3つの方法をまとめた」でくわしく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。

3-2.売却して売却代金を分ける

もう一つは、買ったばかりや建てたばかりの状態で、家を売却して売却代金を分けるという方法です。

新しい状態で家を売りに出せば、比較的高い価格で売ることができるでしょう。

ただし、住宅ローンを組んで建てた家を売却する場合は、住宅ローンを完済して抵当権を外してもらう必要があります

家の売却代金が住宅ローンを上回る場合は問題ありませんが、住宅ローンの額が売却代金よりも多い「オーバーローン」の状態で家を売る場合は、ローン完済に足りない額を貯蓄やほかからの借り入れなどして補填しなければなりません。

離婚による家の売却については、「 離婚で家やマンションを売る時の確認ポイント5つと売却後にやるべきことを解説!」で、オーバーローンの家を売却する方法については、「オーバーローンの家やマンションは売却できる!調べる方法と5つの対処法を解説」でくわしく説明しています。

また、家の財産分与については「離婚の際、不動産を財産分与する方法についてわかりやすくまとめた」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。

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4.家を建てたばかりや買ったばかり、建築中で離婚するときの注意点

建てたばかりや買ったばかりの家や建築中の家があって離婚する場合は、次のようなことに注意が必要です。

4-1.相手が離婚に応じない可能性がある

家を買ったばかりや建てたばかり、また建築中で相手に離婚を持ちかけると、離婚に応じてもらえない可能性が高くなります。「家を買ったばかりなのにもったいない」「離婚する必要はない」と言われてしまいがちです。

そうなると、協議離婚や離婚調停はできないため、裁判で離婚(離婚訴訟)するしかなくなります。

離婚を切り出す前に、離婚せざるを得ない事由を明確にしておくことが大切です。

4-2.周囲が反対する可能性がある

家を建てたばかりや建築中に離婚するとなると、親や友人などの周囲も離婚に反対する可能性が高くなります。「家も買ったばかりだし、もう少し我慢してみたら?」などと言われるかもしれません。

離婚調停をしても、調停委員から「今すぐ離婚せず様子を見てはいかがですか?」などと説得される可能性もあります。

このような反応が来ることも踏まえたうえで、離婚を切り出す準備をしておくようにしましょう。

4-3.離婚裁判で離婚原因が認められにくい

家を買ったばかりや建築中の場合、離婚裁判でも離婚原因を認めてもらいにくい可能性があります

なぜなら、「つい先日まで夫婦で家を買おうとしていたのだから、婚姻関係は破綻していない」と判断されてしまうからです。

相手の「不倫」など明確な離婚理由がないと、裁判で離婚することもむずかしいかもしれません。

離婚裁判になった場合は、弁護士を通すほうが離婚を進めやすくなるでしょう。

4-4.住宅ローンが残る可能性が高い

家を建てたり購入したりするときには、高額な住宅ローンを組むケースが多いです。そのため、建てたばかりや買ったばかりだと、ほとんどのケースで「オーバーローン」の状態になっています。

オーバーローンとは、残っている住宅ローンの金額が不動産の価値を上回っている状態です。

オーバーローン

オーバーローンの場合はマイナスの財産になるので、そもそも財産分与の対象には含まれません

そのため、家は財産分与の対象にはならず、ローンの名義人がそのままローンを返済していくことになります。

また売却するとなると、抵当権を外すためにローンを完済するか金融機関の承諾を得て任意売却をしなければなりません。

家を建てたばかりや建築中に離婚をする場合は、残っている住宅ローンをどうするかを話し合って決めておくことが大切です。

離婚時のオーバーローンについては、「離婚時に家が「オーバーローン」かどうかの調べ方と対処方法」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。

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まとめ

この記事のポイントをまとめました。

  • 離婚することは家の建築に法的な影響は何もないため、離婚が決まったからといって家の購入や建築を中止することはできない
  • 住宅ローンも離婚により何の影響も受けないため、離婚をしてもローンの名義人が支払いを続けていかなければならない
  • 離婚により新築の建築を中止したいときは、次のような点を確認をする
    ・家の「建築請負契約」の内容を確認して、離婚による契約解消ができるかを調べてみる
    ・契約解消できるか、建築業者と協議する
  • 買ったばかりや建てたばかりの家、建築中の家も財産分与の対象なので、次のような方法で分けることが多い
    ・どちらかが家を受け取って住む
    ・売却して売却代金を分ける
  • 住宅ローンのほうが売却額よりも多い「オーバーローン」の状態で売却する場合は、ローンを完済するか任意売却することになる

家を建てたばかりや買ったばかり、新築の建築中でも、やむなく離婚にいたることはあります。しかし、離婚は家の建築に何の関係もないため、離婚をするからといって建築を止めてもらうことはまずできません。

出来高分の支払いをして建築を中止するという方法もありますが、少しでも損を減らしたいのであれば、完成させてから売却するほうが良いでしょう。

建てたばかりや買ったばかり家を売りに出しても、大きく損をせずに売れるケースはあります。しかし、住宅ローンを組んでいる場合は、売却額で住宅ローンを完済できないオーバーローンであることが多いため、売却時のローンをどうするか話し合っておくことが大切です。

離婚時の家の取り扱いについては「離婚したら家はどうする?分ける方法、もらう方法についてまとめた」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

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