祖父が転倒して亡くなった家を売却したいのですが… こちらはイクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容です。 病気や不慮の事故により、家の中で人が亡くなるケースは決してめずらしいことではありません。 しかし、いざ人の死があった家を売却するとなると、どのように売却すれば良いのかわからずに悩む方も多いことでしょう。 こちらでは、病気や不慮の事故で人が亡くなった家の売却についてわかりやすく説明します。 もくじ 家の中での不慮の事故死の件数は、意外と多く起きています。 厚生労働省「平成30年人口動態調査」によると、2018年度の家庭内での不慮の事故による死亡者数は1万4984人でした。これは、年間の交通事故の死亡者数の4倍以上の数字です。 家庭内における不慮の事故死は、高齢者や小さな子どもの割合が多い傾向にあります。原因は、件数が多いものから「溺死」「窒息」「転倒・転落」です。 これらの調査結果や数字から、家庭内での不慮の事故は決して珍しいものではないと言えるでしょう。 日常生活で「事故物件」という言葉を耳にすることはあっても、具体的にどのような場合に事故物件になるのかを詳しく知っている方は少ないかもしれません。 ここでは、家やマンションといった不動産が事故物件になるのはどのような場合なのかをわかりやすく説明します。
人が死んだ家は事故物件になると不動産会社に言われました。
このような場合は事故物件になるのでしょうか?
1.家での不慮の事故死は多い
(平成 30年(2018)人口動態統計(報告書) – 厚生労働省)2.事故物件になる場合とは?
2-1.告知義務のある物件とは?
家やマンションなどは非常に高価な買い物になるため、当然ですが、購入者は慎重にさまざまな点を確認します。
もし、買ったあとで
などとなった場合、買主が売主や不動産会社を訴えたり裁判になったりすることになりかねません。
そのようなことが起きないように、売主や不動産会社は、売却する家やマンションといった不動産の良い情報だけでなく、悪い情報もすべて買主に伝えることが義務付けられています。
これが「告知義務」と呼ばれるものです。
2-2.心理的瑕疵とは
瑕疵(かし)とは、不具合や欠陥といった意味を持つ言葉です。売却する家やマンションといった不動産に瑕疵がある場合、売主は買主に必ずそのことを伝えなければなりません。なぜなら、瑕疵は、先ほど説明した告知義務の対象だからです。
瑕疵の中でも、家の建物や設備などに不具合はないものの、そこに住む人が嫌な気持ちになったり住みたくないと感じたりするようなものを「心理的瑕疵(しんりてきかし)」と呼びます。
心理的瑕疵の一例をあげると、自殺や殺人といった自然でない人の死があった、近くに暴力団事務所や焼却場、墓地などの嫌悪施設があるなどです。
売主と売却する不動産会社は、このような心理的瑕疵がある場合は、売るときに買主に必ず伝えなければなりません。
心理的瑕疵に対して、雨漏りやシロアリの被害といった建物自体の不具合や欠陥のことを「物理的瑕疵」と言います。
3.どのような死が告知義務になるの?
心理的瑕疵と見なされるような告知義務のある人の死があった場合、その家やマンションは事故物件と呼ばれます。
しかし、これまで事故物件になる告知義務の判断基準が非常に曖昧でした。そのため、事故物件かそうでないかをめぐるトラブルが起こりやすかったのです。
そこで、国土交通省は、それらのトラブルを未然に防ぐことを目的とした「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を2021年に公示しました。このガイドラインには、事故物件となる基準が取りまとめられています。
こちらのガイドラインや事故物件の売却については、「事故物件はどうすれば売却できる?相場や売却方法をわかりやすく説明する」で詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
では、不慮の事故死が事故物件につながるのか、詳しくみてみましょう。
3-1.不慮の事故死では事故物件にならない
国土交通省が発表した「事故物件ガイドライン案」によると、家の中での不慮の事故死、病死といった人の死の場合は、原則として事故物件にならないとされています。
そのため、売却予定の家の中で転落やごえんといった不慮の事故によって人が亡くなっていたとしても、原則として買主に告知をする必要はないと考えられるでしょう。
しかし、人の死についての感じ方は人それぞれ違います。不慮の事故死や病死なので告知義務がないからといって購入希望者に伝えず、あとから近所の人などの話で漏れ伝わった場合、買主が嫌な思いをするかもしれません。
無用のトラブルを避けるためにも、不慮の事故死があった家を売却する場合は、売却の仲介を依頼する不動産会社に上手に伝えてもらうことがおすすめです。
事故死のあった家の売却経験のある不動産会社に依頼をすると、スムーズに売却できる可能性が高くなります。
そのような不動産会社を知らない、どの不動産会社に頼めば良いのかわからないといった場合は、イクラ不動産をご利用ください。売却事情に応じて、売却に強い不動産会社を選べます。
3-2.事故死でも事故物件になる場合がある
通常、不慮の事故死や病死は事故物件にはなりません。しかし、亡くなってからすぐに発見されなかったような場合は、事故物件になってしまいます。
また、そのような場合だと室内がひどく汚れていることが多いため、家を売る際には特殊清掃やリフォームが必要なケースがほとんどです。
特殊清掃やリフォームについては、「事故物件のリフォーム費用はいくらかかる?売却でもリフォームは必要?」「事故物件の掃除「特殊清掃」とは?費用の目安と業者選びの3つのポイント」で詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
また、不慮の事故ではなく火災やガス中毒などの事件による死も、自然死や不慮の死ではなく不自然な事故死として取り扱われるため、告知義務の対象になる場合があります。
告知義務の対象になるかどうかは自己判断せず、まず不動産会社に相談してください。
火事のあった家の売却については、「火事のあった家を売るには?状態によって売却方法を選ぼう」で詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
4.事故死のあった家の売却
事故死のあった家を売る際に、いくらぐらいで売れるか気になっている方もいることでしょう。
事故死や不慮の死があった家の価格は、どのような事故だったのか、亡くなってから発見までのどれくらいの期間があったのかなどによって変わるため、一概には決まっていません。
ここでは、事故死のあった物件の価格や売却方法について、詳しくみてみましょう。
4-1.事故物件かどうかで価格が変わる
告知義務事項にならないような病死や不慮の死の場合、相場価格で売れることがほとんどです。
しかし、亡くなってから発見までに時間が経っていて事故物件扱いになった場合は、仲介での売る相場価格の1割程度安くなります。
例えば、仲介による売却の価格が2,500万円の家であれば、2,250万円程度になるということです。
事故死であっても事件性があるような場合は、さらに相場価格より安くなることもあります。
ただし、事故に遭ってすぐに病院に運ばれたような事故死や不慮の死であれば、事故物件扱いにはなることは少ないため、ほぼ通常の相場価格で売却できる可能が高いでしょう。
4-2.売却を急ぐ場合は買取
事故死や不慮の死があった家やマンションの売却を急ぐ場合や、周囲に知られずに売却したい場合は、仲介ではなく買取を利用するのも一つの手です。
買取とは、広告や宣伝をして購入希望者を探して売却するのではなく、不動産会社が直接買ってくれるというものです。買主を探す必要がないため、不動産会社との売却条件さえ整えば、すぐに現金化できます。
ただし、買取の場合は、相場価格の7割程度の額でしか売却できない点がデメリットです。例えば、相場価格が2,500万円の家であれば、買取だと1,750万円程度になります。
万が一、告知義務のある事故物件になってしまった場合、買取価格は事故物件の相場価格の7割程度です。先の例で、事故物件になったため相場価格が2,500万円から2,250万円になった家だと、買取価格は、そこからさらに3割程度安い1,575万円程度になります。
また、なかには、
などと、安く買い叩こうとする不動産会社がいるのも事実です。
そのような不動産会社に騙されないためにも、査定は複数の会社に依頼しましょう。そして、単に価格を聞くだけでなく、
とたずねることをおすすめします。不動産会社によっては、途中でさまざまな経費を差し引く場合があるからです。
事故のあった家やマンションを少しでも高く売りたい場合は仲介での売却、できるだけすぐに現金化したい場合は買取というように、目的に応じて売却方法を選ぶと良いでしょう。
まとめ
浴室での溺死や転落死など、不慮の死があった家の売却は原則として事故物件にはならないため、相場価格に近い額で売却できます。
しかし、不慮の事故死であっても、事故物件になる場合もあるため注意が必要です。また、なかには次のような人がいるかもしれません。
売却後のトラブルを回避するためにも、事故で亡くなった人がいる場合は、あらかじめ不動産会社に伝えておくようにしましょう。
事故死や不慮の死があった家(マンション・一戸建て)を売りたいけれども、どこの不動産会社に依頼すればよいかわからないという方は、まずイクラ不動産をご利用ください。
売却に強い不動産会社を選べるだけでなく、無料&秘密厳守で宅建士の資格を持ったイクラの専門スタッフに不動産の査定や売却相談もできます。
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