家やマンションを売りに出したものの購入希望者が現れず、値下げするしかないかと心配になる場合があります。
安心してください。このような家がなかなか売れないケースは決して珍しくありません。また、値下げ以外の対策もあります。
この記事では、売りに出している家やマンションが売れない原因や解決方法について、具体的にわかりやすく説明します。
- この記事はこんな人におすすめ!
- 売出し中の家やマンションがなかなか売れなくて困っている人
- できれば値下げをせずに売る方法を知りたい人
- 売却を依頼している不動産会社を変更したい人
もくじ
1.家の売却は「ストレス」であることを知っておく
仲介での不動産売却は「ストレス」そのものです。なぜなら、いつ売れるかわからないからです。
こちらのグラフを見ていただけるとわかりますが、多くの買主にとって「お家の購入」というのはワクワクすることであり、時間とともに満足度が上がっていきます。
一方、お家の売却で売主が一番ワクワクするのは、査定価格がいくらなのかを知る直前です。
しかしほとんどの場合、思っていたより査定価格が安いため、ガッカリして気持ちが急降下します。
そして、実際に売り出すと、
などと、まるで自分が大切にしてきたお家の価値が否定されるような現実が待ち受けています。
また、住みながら売却活動をしている人は、週末に購入検討者が内見に来るかもしれないので予定を入れづらく、家の中も頻繁に掃除しなければなりません。
このような状態が続けばストレスが溜まり、「本当に売れるのだろうか?」と不安になって当然です。
不動産の売却においては、ほとんどの人がストレスを感じるものであり、あなただけが不安になっているわけではないことをまず知っておきましょう。
2.家が売れない原因は大きく3つに分けられる
売出し中の家やマンションが売れない原因は、大きく次の3つに分けられます。
- 不動産会社に問題がある
- 価格に問題がある
- 物件に問題がある
それぞれの原因と問題点を確認していきましょう。
2-1.不動産会社に問題がある
1つ目の売れない原因として、不動産会社が売却するための販売活動をしっかりとしていないことがあげられます。
不動産会社が買主を集客する方法は、おもに次の6つです。
- インターネット
- チラシ
- 電話
- 来店
- レインズ
- オープンハウス
不動産会社に支払う仲介手数料には、上記「①〜⑥」の売却活動の費用もすべて含まれています。
当然ですが、不動産会社に上記の方法をできる限りすべて行ってもらい、1人でも多くのお家を探している人に、あなたのお家を知ってもらうことが重要です。まず、知って、見てもらわない限り、そもそも購入を検討されません。
この際に注意しなければならないのは、「レインズ」です。
レインズとは、簡単にいうと不動産会社だけが利用できる情報共有サイトのことです。
あなたのお家をレインズに掲載することで、他の不動産会社が抱えている購入希望者を紹介してもらうことができます。
不動産会社に問題がある最悪のケースとしては、売却活動の依頼で「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」を結んだにもかかわらず、レインズに物件情報を掲載しない悪質な不動産会社がいることです。
このような、物件情報を他社に開示しないことで、自社内での契約を目指す行為を「囲い込み」といいます。
囲い込みをする理由は、自社内で売主・買主を見つけられると(両手仲介・両手取引)、不動産会社が受け取る仲介手数料の額は2倍になるからです。
しかし「できるだけ高く、早く売りたい」と希望する売主にとっては、どの不動産会社が買主を見つけてくれるかは関係ありません。
囲い込みは、売主の利益を考えないで自社の利益のみを追求した悪質な手口だと言えます。
また逆に、レインズに登録だけして、チラシやインターネットでの広告をまったくしない不動産会社もあります。
「この価格じゃ高すぎて売れないから」と自社で買主を見つけるのをあきらめ、他社の力を借りて「売れたらラッキー」ぐらいに考えている不動産会社もあるのです。
そのような不動産会社に、売れたからといって仲介手数料を支払うのはおかしな話です。
もし、不動産会社が売るための努力を怠っているとわかったときは、すぐに別の不動産会社に変更しましょう。
不動産会社を変更することで、価格を下げずに売却できる場合もあります。
不動産会社を変更したい場合は、イクラ不動産をぜひご利用ください。
イクラ不動産には、売却実績が豊富で、売主の利益のために早く、高く売ることに熱意のある不動産会社が揃っています。
また、無料&秘密厳守で売却力のある地元の不動産会社を選べるだけでなく、イクラ独自の価格シュミレーターを使えば、簡単に素早く相場価格を調べることも可能です。
さらに、不動産会社選びや家の売却でわからないことがあれば、宅建士の資格を持つイクラの専門スタッフにいつでも相談できるので、安心して不動産会社を乗り換えることができます。
2-2.価格に問題がある
2つ目の売れない原因として、そもそも販売価格が相場に比べて高すぎることがあげられます。
不動産の価格は「需要(買いたい人)と供給(売りたい人)」のバランスで成り立っています。購入を検討している人が「この価格ではちょっと高すぎる。それなら他の不動産にしよう」となるのではいつまでも売れません。
お家の購入を検討している人は、毎日のようにSUUMOやHOME’S、athomeなどのポータルサイトやチラシを見ています。
そのため、
と、その地域での不動産の相場をよく知っており、相場よりも安い不動産が出てくると
と不動産会社に問い合わせが殺到します。
また、あなたがお家を探している人と同じ立場なら、新築のマンションや一戸建ても含めて検討することも理解しておきましょう。
前提としてまったく同じ条件であれば新築が選ばれるので、中古のマンションや一戸建ては、基本的に新築に比べて価格が安くないと比較・検討されません。
すでに売却を開始してどのくらいの期間が経っているのかにもよりますが、売却活動を始めて1〜2ヵ月以内の内見が2〜3組未満ということであれば、販売価格が相場より高すぎる可能性があります。
その原因として次の2つが考えられます。
- 一番高い査定価格を提示した不動産会社を選んでしまったから
- 不動産会社の提示した査定価格より高めの価格で売り出ししたから
それぞれの原因について説明します。
2-2-1.一番高い査定価格を提示した不動産会社を選んでしまったから
そもそも、最初に不動産会社に査定を受けたときに、いい加減な価格を言われている恐れがあります。
そこで査定価格が一番高いからという理由で不動産会社を選んでしまうと、的外れな価格で売り出すことになってしまうため、なかなか売れないという状況に陥ってしまうのです。
不動産業界では「◯◯価格」という業界用語が多く、まずはこの違いを知らなければなりません。
- 相場価格(そうばかかく)…現時点で市場に出して「実際に売れるであろう金額」のこと
- 査定価格(さていかかく)…本当は「おおむね3ヵ月以内に売れると想定した金額」のことを指すが、実際は不動産会社が売主の様子を見ながら提案することも多い
- 売出価格(うりだしかかく)…売却スタート時点の販売価格
- 販売価格(はんばいかかく)…現在売出ししている不動産の価格。価格を下げていない場合は「売出価格=販売価格」になる
- 成約価格(せいやくかかく)…値引きなどして、実際に売れた価格
査定価格における「実際は不動産会社が売主の様子を見ながら提案することも多い」という部分が問題です。
不動産会社によっては、売れない価格とわかっていても、明らかに相場価格よりも高い査定価格を出す場合があります。
これは、不動産会社にとって「購入」のお客様より「売却」のお客様の方が重要であり、なんとしても売却を自社に任せてもらおうとして、高めの査定価格を出すという不動産会社の戦略の1つなのです。
不動産会社の戦略については、「不動産会社が買い手より売却する売主の方を重要視する理由を解説!」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
売出価格が相場価格に比べて高ければ高いほど売却期間が長くなり、結局、価格を下げて売ることになってしまいます。
多くの人がこのように考えがちですが、一番高い査定価格を出してきた不動産会社を選んでも意味はありません。
なぜなら、査定額は「売れると想定した」価格であり、必ずしもその額で売れるとは限らないからです。
査定価格が高くても意味がない理由については、「査定額とは?高ければいいの?不動産の査定についてわかりやすくまとめた」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
査定額が適切かどうか判断するために相場価格を調べたい場合は、イクラ不動産の価格シュミレーターぜひご利用ください。
無料&秘密厳守で、簡単にあなたのお家(マンション・一戸建て・土地)の直近の相場価格を知ることができます。
2-2-2.不動産会社の提示した査定価格より高めの価格で売り出したから
もう一つは、あなたが不動産会社の提示よりも、高めに価格を設定し売り出したパターンです。
現時点で内見希望者がほとんどいないのであれば、その価格では売れない(買わない)ということが明白なため、価格を下げるしかないでしょう。
一般的には、相場価格よりも少し高めの価格で売りに出して様子を見ます。
高めに売り出すと言っても、相場価格に比べて約1割高ぐらいが目安です。たとえば、中古相場4000万円のマンションなら、4400万円で売り出すことになります。
その価格で売り出しても、まったく反響がなければ待ち続けても意味がありません。
売却するためにも、できるだけ早めに価格を下げるほうが良いでしょう。
媒介契約期間中の価格変更については、「価格を下げるべき?媒介契約中の価格変更の基準とは」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
2-3.物件に問題がある
3つ目の売れない原因として、物件そのものに問題がある場合があげられます。
具体的には、家が汚い、築年数が古い、不便な立地、人気のないエリアにあるなどです。
また、広告や販売図面に掲載している物件写真と実際の状態が、修正などにより大きく違っている場合も売れにくくなる原因になります。
物件に問題があって売れない場合は、価格を下げたりリフォームしたりするなどの対策が必要です。
3.問い合わせや内見が少ない場合の対策3つ
家やマンションが売れない場合の問題点がわかったところで、具体的にどのような対策をすれば良いのかをみてみましょう。
まず、購入希望者からの問い合わせ数や内覧数が少ない場合にできる対策を3つ紹介します。
3-1.不動産会社の売却活動を確認する
まず、不動産会社が購入希望者を募るために、十分な売却活動をしているかどうかの確認をしましょう。
具体的にチェックするのは、次のような点です。
- わかりやすくきれいな広告や図面を作成しているか
- いろいろな広告媒体を使って購入希望者を集めているか
- 「囲い込み」をしていないか
購入希望者は、物件の広告をチェックして内見するかどうかを決めます。
物件の写真が暗かったりわかりにくい図面だったりすると、それだけで内見の対象から外されることがあるため、実際に使っている広告を見せてもらいましょう。
囲い込みされていないかどうかは、先に説明した不動産会社同士が物件情報のやり取りで使っている「レインズ(REINS)」で調べるのがおすすめです。
不動産会社が売却物件として情報をレインズに登録すると、売主に「登録証明書」が交付されます。
その売主専用のIDとパスワードを使えば、レインズでの売却物件の登録情報の確認が可能です。「公開中」になっているかどうかを確認しましょう。
もし情報が掲載されていないかったり、購入希望者がいないのに「商談中」となっていたりしたら、囲い込みをされている恐れがあります。
不動産会社に確認するとともに、不動産会社の変更を検討しましょう。
3-2.売り出し価格の見直をする
家の販売価格が相場よりも高すぎるのであれば、売り出し価格の見直しが必要です。
特に物件が古い場合やエリア的な問題で、人気がないために売れないような場合には、ある程度思い切った値下げをしなければなりません。
相場価格について詳しくは「不動産の相場価格とは?自分でネットで調べる方法をわかりやすく解説!」で説明していますので、ぜひご覧ください。
3-3.不動産会社を変更する
不動産会社の売却活動が不十分であると判断された場合、活動内容の改善を依頼することもできますが、思い切って担当者や不動産会社を変更するのも一つの手です。
具体的な不動産会社の変更方法は、あとで詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
3. 内見から購入決定につながらない場合の対策2つ
次に、問い合わせから内見まで進む購入希望者はいるものの、なかなか購入決定につながらない場合の対策を2つご紹介します。
3-1.掃除やホームステージングなどで内見準備を徹底する
購入決定は、内見時の印象によって大きく左右されます。
特に住みながら売却する場合、徹底して家の中を整理整頓したり掃除をしたりすることが大切です。
室内を整理整頓するだけでなく、玄関や水回りなどもきれいに掃除しておきましょう。汚れ具合によっては、ハウスクリーニングを利用するのもおすすめです。
また、使っていない家具や不用品をトランクルームに預けたり、室内をおしゃれに演出してくれるホームステージングを利用したりしても良いでしょう。
家が古くそのままの状態で売りにくい場合には、リフォームをしてから売るという方法もあります。
しかし、リフォームした代金を売却代金で回収できるとは限らないため、必ず不動産会社に相談してから検討しましょう。
3-2.内見時の対応を見直す
内見時の対応も、購入希望者に良い印象を持ってもらうために重要です。
住みながら売却する場合は、説明をする人が一人だけ残るようにして、ほかの家族は席を外しておくほうが購入希望者が落ち着いて内見できます。
また、売主自身が出しゃばって説明する必要はありません。おもな説明は不動産会社の担当者に任せて、質問を受けた場合だけ回答するほうがおすすめです。
不動産を買うか買わないかは、意外と「人」を気に入るかどうかで決まることが多いため、購入希望者に良い印象を持ってもらうことが、結果として「家を買う」決断を後押ししてくれることになります。
4.不動産会社を変更する方法
売却を依頼している不動産会社を変更する方法は、契約更新時か契約期間中かによって異なります。
それぞれの手順を確認しましょう。
4-1.媒介契約期間の満了時であれば更新をしない
不動産会社を変更しやすいのは、媒介契約期間の満了時です。
媒介契約は、3ヵ月を上限として期間が定められているため、媒介契約を結んでから3ヵ月近くが経過した際に不動産会社から更新の話があります。
ここで更新しなければ、契約期間満了をもって解除することが可能です。
4-2.媒介契約期間中でも途中解除はできる
契約期間中であっても、不動産会社の売却活動が不十分だったり不正があったりした場合は、無条件で媒介契約を解除することが可能です。
ただし、不動産会社側に非がなく、完全に売主の都合による途中解除の場合、専任媒介契約や専属専任媒介契約だと不動産会社からそれまでにかかった実費を請求される恐れがあります。
媒介契約解除時に費用を請求されることは稀ですが、媒介契約期間中に不動産会社を変更したい場合は、まず媒介契約書に記載されている解除条件など確認してからにしましょう。
また、契約解除の申し出は口頭や電話ではなく、書面やメールなど、記録が残る形で行うことが大切です。
不動産会社の変更については、「不動産会社や担当者を変えたい!変更方法と注意点についてまとめた」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
す。
まとめ
売出し中の家やマンションが売れない場合、売主ができる根本的な解決方法は、不動産会社を変更するか、価格を下げるかの2つしか選択肢はありません。
この2つの問題が解決しないと、売るための対策をいくら立ててもあまり効果は得られないでしょう。
売れにくい物件の場合や購入希望者が現れない場合は価格を下げるしかありませんが、あくまでも不動産会社が売るための努力(販売活動)をきっちりしてくれたうえでの話です。
不動産会社が力を尽くして売却活動をしてくれているにもかかわらず売れないのであれば、価格を下げるしかないと納得できます。
値下げをしたくないのであれば、まず売却を依頼している不動産会社の変更を検討してみましょう。
いくら仲介手数料を安くしてくれたり対応が良かったりしても、売れなければ意味がありません。
売却に強く、本当に売ってくれる不動産会社かどうかを見極めるポイントは、マンションであればそのマンションを何回売却しているのか、一戸建てや土地であればその地域で何回売却しているのかといった売却実績です。
売却に強い不動産会社は、売却物件を仲介する度に購入客を集客しているため購入希望客も多く抱えており、経験から売り方もよくわかっています。
不動産業界の格言に、「売れない不動産はない」という言葉があります。
安心してください。きちんと対策をすれば必ず売れます。
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イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。