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事故物件を売るには?売却方法を徹底解説!相場価格や買取のコツも紹介

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事故物件を売るには?売却方法を徹底解説!相場価格や買取のコツも紹介

事故物件を売却する際の問題点の一つは、事故物件でもちゃんと売れるだろうか?という売主の不安につけ込んで、相場より大幅に安く買い叩く不動産会社がいることです。

しかし、事故物件には事故物件なりの売却方法があります。

また、そもそも事故物件でなければ普通の価格で売れるため、まずは事故物件かどうかを正しく判断することが大切です。

ここでは、事故物件の売却方法や相場価格、事故物件になる場合とならない場合などについてくわしく説明します。事故物件の売却で悩んでいる人は、ぜひ一読して参考にしてみてください。

この記事で具体的にわかる3つのポイント

  • 人の死があった家やマンションが事故物件になる場合とならない場合についてわかる
  • 事故物件になった家やマンションを売却する際の相場価格や売却方法がわかる
  • 事故物件を少しでも高く売る方法や売却時の注意点についてわかる
この記事はこんな人におすすめ!
人が亡くなった家やマンションを売却したいが事故物件になるかどうかわからない人
事故物件がいくらぐらいで売れるのかを知りたい人
事故物件の売却方法や少しでも高く売るコツを知りたい人

1.事故物件になる場合と告知義務について

3つのポイント

  • 事故物件になるのは、自殺や他殺といった不自然な人の死があった場合
  • 不自然な人の死は「心理的瑕疵」と見なされるため告知義務の対象となる
  • 一般的に、告知義務のある人の死があると事故物件と見なされる

事故物件の売却について説明する前に、事故物件とはどのようなものを指すのかを確認しておきましょう。

1-1.事故物件になる場合とは?

事故物件とは、自殺や他殺といった事件性のある死や不自然な死があった不動産(マンション・一戸建て・土地を含む)のことです。

ただし、近年まで、事故物件に明確な定義はありませんでした。なぜなら、そもそも事故物件は「心理的瑕疵(しんりてきかし」によって判断されるため、曖昧な部分が多かったからです。

心理的瑕疵(しんりてきかし)とは

「瑕疵」とは、見えない欠陥や欠点、過失などの意味で、不動産業界ではよく用いられる言葉です。心理的瑕疵に対して「物理的瑕疵」は、雨漏りやシロアリ被害、排水管のつまりなどが挙げられます。

心理的瑕疵は、住む人に「心理的にそこに住むのは気が引けるなぁ」と思わせる事象のことです。人の死に関わる事件が起きた物件のほか、

・隣地がゴミ屋敷
・近隣に宗教施設や暴力団の施設がある

などの物件も心理的瑕疵物件に該当します。

そこで、2021年5月20日に国土交通省が初めて「事故物件についてのガイドライン案を公表し、2021年10月8日、正式に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が策定されました。

1-2.告知義務とは?

告知義務とは、心理的瑕疵に限らず、売却前に、売主が知っている物件の瑕疵を、買主に伝えなければならないという売主の責任のことです。

先に説明した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、人の死は告知義務の対象にはなるものの、病死や老衰などの自然死については、売主(貸主)は、買主(借主)に対しての告知義務はない、とされています。

つまり、次の図のように、告知義務のない自然死には告知義務がなく、それ以外の不自然な死(自殺や殺人など)については告知義務がある、すなわち、事故物件になると考えられます。

事故物件

このことは、「事故物件」≒「告知義務があるかないか」≒「告知義務がある場合は価格が大幅に下がる」ということになるため非常に重要です。

ここからは、いわゆる「告知義務がある物件」≒「事故物件」という前提で、事故物件の売却について説明します。

事故物件になるかどうかの判断については、「事故物件とは?事故物件になる瑕疵の告知義務や相場価格の基礎知識を解説」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。

2.事故物件の相場価格と売り方

3つのポイント

  • 事故物件になると売却価格は1~5割下がる
  • 高く売りたいなら仲介がおすすめだが、事例によっては買取しか選べない場合がある
  • 売れない場合は、しばらく期間を空けてから再び売りに出してみると良い

次に、事故物件になった場合の相場価格と売却方法について説明します。

2-1.事故物件の売却は可能だが相場価格は安くなる

事故物件は通常の売却と同じように売ることができます。

ただし、一般的な相場通りの価格では売れません。事例にもよりますが、相場価格から1~5割下がった額になります。

事例別にどのくらい安くなるかをまとめたものが、次の表です。

【表 死因別の事故物件の売却相場価格】
死因 売却価格 例(相場価格が3000万円の場合)
他殺(殺人) 相場価格の5割程度 1,500万円程度
自殺 相場価格の7割程度 2,100万円程度
自然死(孤独死) 相場価格の9割程度 2,700万円程度

ただし、事件や事故の凄惨さや発見時の状況によってかなりの違いが出るため、あくまでも目安として捉えておきましょう。

事故物件をいくらで売り出すのか、また買い手からの価格交渉をどの程度受けるのかは、不動産会社と担当者の経験や手腕にかかっています。

そのため、事故物件を少しでも高く、良い条件で売却したい場合は、事故物件の扱いが得意な不動産会社に任せることが大切です。

2-2.事故物件の売り方

事故物件の売却方法は、次の3つです。

  1. 普通に市場に出して仲介で売る
  2. 不動産会社に買取してもらう
  3. 期間を空けてから売る

それぞれの売却方法について、説明します。

2-2-1.①普通に市場に出して仲介で売る

時間がかかっても少しでも高く売りたい場合は、一般的な売却方法である仲介での売却がおすすめです。

ただし、仲介で売却する際の注意すべきこととして、自殺や殺人などの場合は、仲介で売却しづらい場合も多くあることを知っておきましょう。

また、媒介契約の形態は専任媒介契約専属専任媒介契約にし、依頼する不動産会社を一社に絞ることをおすすめします

なぜなら、事故物件はただでさえ売りにくく敬遠されがちなので、売却に注力してもらう必要があるからです。

一般媒介契約であれば売主は複数の不動産会社と媒介契約が結べますが、その分各社の売却に向けてのやる気が削がれてしまう傾向があります。

事故物件を仲介で売却する際に最も重要なのは、事故物件に強い不動産会社を選ぶことです。

不動産会社の中には、事故物件を取り扱っていないところや、事故物件の売却実績がないところもあります。

よって、事前に不動産会社についてしっかりと調べておくだけでなく、複数の不動産会社を比較して、自分に合ったところを選ぶことが大切です。

イクラ不動産では、事故物件のような売却がむずかしい物件でも引き受けてくれる、「どんな物件も断らない不動産屋さん」がわかります。

また、イクラ不動産独自の価格シミュレーターを使えば、無料で簡単に素早く相場価格がわかるだけでなく、事故物件の売却について、イクラ不動産の専門スタッフにいつでも無料で相談できるので安心です。

しかし、通常の相場価格から自殺で3割前後他殺(殺人)で5割前後割り引いた価格で売り出したとしても売れない場合や、そもそも不動産会社に売却活動を断られたりするケースもあります。

そのような場合は、あとで説明する買取を利用するのも一つの手です。

2-2-2.②不動産会社に買取してもらう

仲介が一般消費者の買い手を市場で探すのに対して、買取不動産会社や買取業者に直接買取ってもらう売却方法なので、売却活動の必要がありません

そのため、周囲に知られることなく、すぐに事故物件を現金化して手放すことができる点が買取のメリットです。

一方で、不動産会社に買取してもらうことのデメリットは、事故物件としての相場価格よりさらに売却額が安くなってしまうことです。

たとえば、相場価格3,000万円の家の査定額が、事故物件であることを考慮され2,100万円になってしまったとします。この場合、買取業者に売るとなると、そこからさらに2~3割価格が下がり、最終的に1,500万円程度の売却額になることもあります。

買取については、「不動産買取とは?なぜ安くなる?相場額や注意点、おすすめの場合を解説」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。

2-2-3.③期間を空けてから売る

「価格を安くしても売れない」「これ以上値段を下げたくない」という場合は、しばらく期間を空けて心理的瑕疵を和らげてから売却するのも1つの手です。

具体的には、次のような手段が考えられます。

  • ハウスクリーニングやリフォームをする
  • 事件・事故のあった家を取り壊す
  • 時間を空けてみる

これらのことを行ったとしても、事故物件でなくなるわけではありませんし、告知義務も引き続き果たす必要があります

しかし、「人のうわさも七十五日」という言葉もあるように、心理的瑕疵はあくまで気持ちの問題なので、少しでも「住みたくない」と思わせる部分を和らげることができれば、売却できる可能性は高まります。

ただし、いずれも判断がむずかしいので、不動産会社と相談してアドバイスを受けてから対策を講じるようにしましょう。

リフォームを考えている方は「事故物件のリフォーム費用はいくらかかる?売却でもリフォームは必要?」をぜひ読んでみてください。

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3.事故物件の買取の流れと高く売るポイント

3つのポイント

  • 事故物件の買取の流れは、まず葬儀を行い、それから必要に応じて特殊清掃をしてから査定を依頼する
  • 不動産会社の査定は、特殊清掃後に依頼するのが少しでも高く売るポイントとなる
  • 事故物件を買取してもらう時は、最終的に手元に残る金額が高い不動産会社を選ぶ

ここでは、事故物件の売却で選ばれることが多い、買取の具体的な流れと高く売るためのポイントを説明します。

3-1.事故物件になってから買取してもらうまでの流れ

不動産会社に事故物件を買取してもらうときの売却の流れは次のとおりです。

  • ステップ.1
    葬儀(そうぎ)

    まず、亡くなった方の葬儀を執り行います

  • ステップ.2
    特殊清掃と遺品整理

    高く売るポイント①
    不動産会社に相談する前に特殊清掃を行う

  • ステップ.3
    相続登記

    (亡くなった方が物件の名義人だった場合)相続登記をします

  • ステップ.4
    不動産会社の選定・比較

    高く売るポイント②
    手取り額が高い会社を選ぶ
    ※ステップ3とステップ4はどちらが先でも大丈夫です

  • ステップ.5
    売買契約

    買取してもらう不動産会社を決めて不動産売買契約を結びます

  • ステップ.6
    代金の受け取りと物件の引き渡し

    売買代金を受け取って物件を不動産会社に引き渡します

高く売るために重要なのは、ステップ②の「事前に特殊清掃すること」と、ステップ④の「手取り額の高い会社を選ぶこと」です。

それぞれについて、具体的に説明します。

3-2.高く売るポイント①事前に特殊清掃をしておく

まず、事故物件を高く売るコツとしてあげられるのは、査定をしてもらう前に、孤独死、自殺、事件現場などの清掃を専門とする特殊清掃をしておくことです。

特に、遺体の発見が遅れ日数が経過してしまうと、汚染物の除去、体液、汚染物質、感染症予防の為の除菌、害虫の駆除や腐敗臭の消臭を行う必要があります。

特殊清掃を行わずに不動産会社に査定を依頼すると、査定額が大きく下がります

査定するのは不動産会社の人間なので、普段から「遺体」との接触回数が多いわけではありません。そのため、「この物件を買い取って、ちゃんと売れるのかな?」と思われた時点で、買取金額は間違いなく下がります。

特に臭いが残っていると良くないイメージが浮かんでしまうため、最低限、特殊清掃してから査定を依頼しましょう。

特殊清掃の費用は、家の面積と作業内容によりますが、おおよその目安は次の表のとおりです。

【表 特殊清掃価格目安一例】
間取り 費用の相場 作業人数
ワンルーム 3〜10万円程度 1〜2人
1K〜1LDK 10〜30万円程度 2〜4人
2K〜2LDK 15〜50万円程度 3〜6人
3K〜3LDK 30〜80万円程度 4〜8人

特殊清掃があまりにも大変になりそうな場合は、不動産会社に現状のまま買い取ってもらうこともできます。

ただし、その分、価格が安くなることは踏まえておきましょう。

特殊清掃について、くわしくは「事故物件の掃除「特殊清掃」とは?費用の目安と業者選びの3つのポイント」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

3-3.高く売るポイント②買取の不動産会社は手元に残る額で決める

次に、買取をしてもらう不動産会社を選定するポイントとしてあげられるのは「手元に残る額の高い不動産会社を選ぶこと」です。

事故物件は相場がないため、不動産会社によって大きく買取金額が変わってきます。

「事故物件買取専門業者です」と宣伝している不動産会社もありますが、仮に専門だったとしても必ずしも高く買ってくれるわけではありません

特に、葬儀屋さんから不動産会社を紹介してもらった場合は、高い紹介料を支払っている可能性が高いため、買取金額が安くなりがちです。

なかには、買取と言っておきながら、実際には買取業者を紹介することで仲介手数料を請求してくる不動産会社もあります。

そのため、必ず複数の不動産会社で買取査定をしてもらいましょう。

そして、そのときに「買取にかかる費用を差し引いて、手取りの金額はいくらになりますか?」と聞いて、手元に残る額を比較してください。

査定価格ではなく、手取りの高い不動産会社を選ぶことが、事故物件を高く売るコツです。

価格以外にかかる諸費用を差し引いて手取りの金額で考えなければ意味がありません。なぜなら、不動産会社によって仲介手数料がかかる会社とかからない会社があるからです。

くわしくは「「家を高く買取ってもらう方法」を元不動産屋が教えます!」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。

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4.事例別の事故物件の売り方を簡単解説

3つのポイント

  • 自然死・不慮の事故死では発見時の状態が大事になる
  • 殺人は買取さえ断られることも多い
  • 飛び降り自殺は起きた場所や条件によって事故物件になるかならないかが決まる

この章では、自然死・不慮の事故死、殺人などの事例別に「売り方のおすすめ」を簡単に解説します。

4-1.自然死・不慮の事故死・病死

まず、自然死や病死、不慮の事故死といった事例について説明します。

老衰による自然死、転落事故や食べ物の誤嚥など不慮の事故死、病死など、告知義務が必要でない人の死の場合は「事故物件」になりません。

事故物件にならなければ、通常通りの売却が可能です。事故物件になっても売却の方法は大きくは変わりません。

  • できる限り高く売りたければ仲介
  • できる限り早く売りたければ買取

となります。

なお、発見に時間がかかって事故物件になってしまった場合、仲介であれば相場価格よりも1割程度安い売却価格になり、買取の場合は、そこからさらに3割ほど引いた額です

また、特殊清掃が必要となる場合があります。その時は、不動産会社に査定してもらう前に済ませておくようにしましょう。

自然死・不慮の事故死に関する具体的な事例やくわしい説明は「【事故物件】自然死(老衰や病死)のあった家を売るときは告知義務がある?」、病死に関するくわしい説明は「病気で人が死んだ家は事故物件になる?病死のあった家を売る方法を解説」を読んでみてください。

4-2.自殺

次に、自殺の場合について説明します。

自殺があった場合は、発見までの時間を問わず告知義務のある「事故物件」なることは避けられません

状況にもよりますが、仲介での売却額は、一般的な相場価格から3〜5割減じた額です買取を利用した場合、そこからさらに3割が引かれます。

ただし、人によって自殺等の捉え方は違うため、事故物件の売却が得意な不動産会社に依頼すれば、イメージがあまり悪くならないような伝え方を工夫してもらったり、価格の下げ幅を調整してもらったりすることが可能です。

状況によってはハウスクリーニングやリフォームが必要になるため、それらのサービスと提携している会社を選ぶと良いでしょう。

自殺のあった家やマンションの売却については「【事故物件】自殺のあった家やマンションの売却方法を解説!いくらで売れる?」や「マンションで飛び降り自殺!売却に影響する?事故物件になるの?」でくわしく解説しています。ぜひ読んでみてください。

4-3.孤独死

孤独死の場合、発見までの時間が短く、長期間放置されていなければ事故物件になりません

発見された時の状況にもよりますが、おおむね仲介で売却した場合、一般的な相場価格から1割減じた売却額になります。

発見まで時間がかかって事故物件になり、さらに遺体が腐乱していたり臭いがひどかったりする場合は特殊清掃やリフォームが必要です。

特殊清掃の価格の目安は、次の表のようになります。

【表 特殊清掃価格目安一例】
間取り 費用の相場 作業人数
ワンルーム 3〜10万円程度 1〜2人
1K〜1LDK 10〜30万円程度 2〜4人
2K〜2LDK 15〜50万円程度 3〜6人
3K〜3LDK 30〜80万円程度 4〜8人

ただし、室内の状況によってはかなり料金に幅が生じることを踏まえておきましょう。

特殊清掃の流れや業者選びのポイントなどは「事故物件の掃除「特殊清掃」とは?費用の目安と業者選びの3つのポイント」で説明しているので、一読してみてください。

リフォームは、どこをどれだけ変更するのかによってかなり価格が違ってきます。

一般的な内装のリフォーム費用の目安は、次のとおりです。

【表 内装のリフォーム費用目安一例】
リフォームの内容 相場価格
クロスの張り替え 1,000〜2,000円程度/1㎡あたり
フローリングの張り替え 3,000〜4,000円程度/1㎡あたり
クッションフロアの張り替え 2,000〜4,500円程度/1㎡あたり
畳の交換 8,000〜12,000円程度/1畳あたり

そのほか、水まわりのリフォーム費用や依頼するときのポイントなどについては「事故物件のリフォーム費用はいくらかかる?売却でもリフォームは必要?」で説明しています。

孤独死については「【事故物件になる?】孤独死があった家やマンションの売却方法を解説」でもくわしく説明しているので、一読してみてください。

4-4.殺人

最後に、殺人の場合について説明します。

殺人事件があった場合、発見までの時間を問わず告知義務のある事故物件になります。

殺人事件があった場合、仲介では一般的な相場価格から5割程度減じた額になるのが一般的です。買取の場合、その額から3割程度安くなります

さらに、そもそも買取でさえ断られることも数多くあります。そのような場合は、オフィスや店舗、倉庫といった人が住まない用途で売ると良いでしょう。

殺人のあった物件の売却については「殺人事件のあった家やマンションを売却する方法についてまとめた」でくわしく説明しているので、読んでみてください。

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5.事故物件を売る際の注意点

3つのポイント

  • 事故物件であることを隠して売ることはできない
  • 建物を壊しても告知義務は残るため、事故物件であることに変わりはない
  • 告知義務の対象ではない人の死であっても、不動産会社には伝えておくほうが良い

最後に、事故物件になってしまった家やマンションを売却する際の注意点を説明します。

5-1.事故物件であることを隠して売ることはできない

「高く売りたい」「人から変に思われたくない」といった考えから、「事故物件であることを隠して売れば良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、先で述べたとおり、売り手と不動産会社は「告知義務」という責任を負っています。

もし告知義務を果たさずに、心理的瑕疵になるような人の死があったことを隠して売却し、あとから買い手がそのことを知った場合、損害賠償の請求契約解除につながる恐れがあります。

事件や事故からかなりの年月が経過していたとしても、周囲に住んでいる人のうわさ話やインターネット上の記録から、事件や事故があったことは容易にばれてしまいがちです。

告知義務になる場合でもならない場合でも、人の死があった家を売却する際は、不動産会社を通して買い手にきちんと伝えておくようにしましょう。

5-2.告知義務がない人の死でも不動産会社に伝えておく

先にも述べたように、すぐに発見された孤独死や不慮の事故死など、告知義務がないとされている人の死があった場合でも、売却する際は不動産会社に伝えておくようにしましょう

事件性がなかったとしても、人が亡くなったうわさが周囲に広がっている場合があります。その家を購入した買主が、あとで近所の人からうわさを聞いて嫌な思いをしないとは限りません。

あらかじめ不動産会社から正しい情報を伝えておいてもらうことで、そのようなリスクを避けることができます。

告知義務のない人の死であっても、売却を依頼する不動産会社にはきちんと伝えたうえで、購入希望者に上手に説明してもらうと良いでしょう。

5-3.建物を解体しても事故物件であることには変わりない

事件や事故から時間が経てば告知義務がなくなるわけではありません。

また、事故物件となった建物を取り壊して土地だけにしても、事故物件となった事実が消えることはなく、もちろん告知義務も残ります。

賃貸物件の場合であれば、人の死についての告知義務の期間として設定されているのは約3年です。

しかし、売買物件の場合、告知義務が消えることはありません。建物を解体しても同じです。

また、事故物件であることを隠すために、建物を解体して更地で売ったとしても、いずれ近隣の住人などから買い手の耳に事故物件であることが伝わります。

冒頭で述べた通り、建物をかつてその土地に殺人事件が起こった建物が建っていたことを買い手に告知しなかったとして、大阪高裁が売り手の瑕疵担保責任を認めた判例もあります。(大阪高裁 平18・12・19 判時1971-130

売却後のトラブルを避けるためにも、事故物件であることは必ず不動産会社に伝えることが重要です。また、自己判断でのリフォームや建物解体もしないほうが良いでしょう。

くわしくは「事故物件を建て替えたり取り壊して土地にしたりすれば大丈夫なの?」や「火事のあった家を売るには?状態によって売却方法を選ぼう」で説明しているので、ぜひ読んでみてください。

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まとめ

この記事のポイントをまとめました。

  • 事故物件とは、自殺や他殺など、その家で不自然な人の死(心理的瑕疵になるもの)があった不動産のことを指す
  • 事故物件の売却額はケースによって異なるが、一般的に、相場価格から自殺で3割前後、他殺(殺人)で5割前後安くなる
  • 事故物件の売却方法
    ①普通に市場に出して仲介で売る
    ②不動産会社に買取してもらう
    ③期間を空けてから売る
  • すぐに売りたい場合やなかなか売れない場合は、買取の利用がおすすめ
  • 事故物件を少しでも高く売るためには、次の2つのポイントを押さえておくことが大切
    ・査定前に特殊清掃をしておく
    ・手元に残る額で不動産会社を選ぶ
  • 事故物件を売却する際、次の3点に注意する
    ・事故物件であることを隠して売ることはできない
    ・告知義務のない人の死があった場合でも、不動産会社に伝えておくようにする
    ・建物を取壊しても事故物件である事実は残る

家やマンションで人が亡くなった場合、亡くなった状況によって事故物件になる場合とならない場合があります。

一般的に、自殺や殺人といった不自然な死があった場合は事故物件になりますが、病死や不慮の事故死などであれば事故物件にはなりません。

ただし、事故物件にならない死であっても、売却する際は必ず不動産会社には伝えておくようにしましょう。

事故物件になる人の死があった家の売却価格は、どうしても安くなってしまいます。

目安として、自殺で3割前後、他殺(殺人)で5割前後安くなりますが、状況によって違ってくるため、こちらも不動産会社の確認が必要です。

しかし、残念ながら不動産会社の中には、事故物件であることにつけ込んで安く買い叩こうとするところもあります。

そのため、まず事故物件になるかどうかを正しく判断し、適切な方法で売却してもらえる信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。

事故物件の売却仲介や買取してくれる不動産会社を探したい方は、ぜひ「イクラ不動産」をご利用ください。

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また、宅建士の資格を持ったイクラの専門スタッフに、事故物件の査定や売却について相談をすることも可能です。事故物件の売却でお困りの場合は、ぜひ一度、ご利用ください。

イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。