家の名義人が主人なのですが、長期間、行方不明でどこにいるのかも分かりません…
ローンの支払いの問題などもあり家を売りたいのですが、売却することはできるのでしょうか?
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
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行方不明の状態が長期間に渡れば、安否確認だけではなくさまざまな問題が発生してきます。そのうちのひとつが、行方不明者名義の家や土地など不動産の処分です。
家や土地の所有者が行方不明の場合、他の人が代わりに売却することはできるのでしょうか。
結論から述べると、行方不明者名義の不動産を売却することは可能です。
ここでは、行方不明者名義の家や土地を売却する方法や、手続きの流れについて説明します。
もくじ
1.「失踪宣告」とは?
行方不明者が名義の家や土地などの不動産を売却する方法のひとつとして、「失踪宣告」というものがあります。
失踪宣告とは、生死不明の者に対して法律上死亡したものとみなされる制度のことです。失踪宣告の申し立てをするには、まず失踪状況を明確にすることが必要です。
失踪状況には、普通失踪と特別失踪(危難失踪)があり、内容が異なります。
1-1.普通失踪
特別失踪に該当するような原因がなく、生死が7年以上わからない場合は、失踪宣告を申し立てることが可能です。
普通失踪の申し立てが承認されると、失踪した日から7年経過した日に死亡したものとみなされます。
1-2.特別失踪(危難失踪)
死亡の原因になる得る戦争や船舶事故、自然災害などの災難に遭遇した人の生死が不明になった場合、特別失踪の申し立てができます。
特別失踪の場合、失踪宣告がなされるのは該当する災難が去った1年後です。
2.「失踪宣告」の申し立て方法
失踪宣告の内容についてわかったところで、次に失踪宣告の申し立て方法や手順について説明します。
2-1.失踪の申し立てをする
失踪宣告の申し立て先は、行方不明になっている人の住所地がある家庭裁判所です。
失踪宣告の申し立てができるのは、行方不明者(失踪者)と利害関係にある人です。例えば、配偶者、相続人、遺言で財産を取得する人、財産管理人などです。
利害関係のない親戚や友人が申し立てることはできませんが、利害関係がある人に申し立てを委任することは可能です。
申し立てる場合、次のような書類が必要になります。
- 申立書
- 不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 不在者の戸籍附票
- 失踪を証明する資料
- 申立人の利害関係を証明する資料(戸籍謄本など)
申し立ての費用は収入印紙代(800円)、官報公告料(4,816円)、他には連絡用の郵便切手代などがかかります。
申し立てが終わると家庭裁判所の調査が入り、書類の確認や聴き取りが始まります。
公示催告とは
行方不明者本人や生存を知る人は届け出るように、裁判所の掲示板などで催告することです。
公示催告の期間に届け出がなければ、失踪宣告が確定されます。
2-2.失踪の届出をする
失踪宣告が確定したら、10日以内に行方不明者の本籍地、もしくは申し立てた人が住んでいる地域の役所に失踪の届出をします。
失踪の届出をするときは、家庭裁判所から交付してもらう「審判書謄本」と「確定証明書」が必要となります。
なお、失踪宣告を受けると、婚姻の解消・相続の開始・相続人からの除外・死亡保険金の請求、などが認められます。
3.売却するためには
失踪宣告が確定し、失踪届を出し終えただけでは、まだ売却はできません。なぜかというと、まだこの段階では家や土地の名義は行方不明者のままだからです。
ここからは、売却するための手順や方法について説明します。
3-1.相続登記が必要
役所・役場に失踪の届出をしたら、次は法務局で所有者の相続登記(名義変更)が必要です。相続登記が完了すると、家や土地は相続された人のものになるため、売却することができます。
相続登記に必要な書類は、次の通りです。
- 登記申請書
- 被相続人(死亡した人)の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本など
- 相続人となる全員の現在の戸籍謄本
- 相続人全員の住民票の写し
- 委任状(代理人が申請する場合)
共同相続人がいる場合は、上記の書類以外に遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書の添付が必要です。
また、必要に応じて遺言書や固定資産評価証、相続関係説明図などを税務署の窓口、または郵送で提出をしなければいけません。
提出した書類に不備がなければ、法務局から「登記完了証」や、希望した場合は「登記識別情報通知書」が届き、手続きが完了となります。
3-2.行方不明者が発見された場合
もし失踪宣告を申し立てた後に行方不明者が発見された場合は、失踪宣告の取り消しを申し立てることができます。
また、失踪宣告が取り消されたときは、原則として宣告される前の状態に戻さなければなりません。
例えば、失踪宣告が確定し、相続した土地を半分売却したとします。
そして、売却後に行方不明者が発見されて失踪宣告が取り消されたら、残っている土地は行方不明者だった人に戻されます。
しかし、売却した部分の土地については、行方不明者だった人に返還する必要はありません。
4.「不在者財産管理人」とは?
不在者財産管理人とは、行方不明者の代理となり、財産を管理する人のことで、行方不明になった人の代わりに家や土地を売却することが可能です。
また、共有名義で行方不明者がいる場合も「不在者財産管理人」を選任することで売却が可能になります。
失踪宣告とは異なり、7年経過していないといけないというような期間の縛りがなく、行方不明者の生死も関係ありません。
ここからは「不在者財産管理人」を選定して、行方不明者の家や土地を売却する方法と手順について説明します。
4-1.①候補者を選ぶ
不在者財産管理人には、利害関係のない第三者がなることが一般的で、弁護士などの専門家を候補者として選ぶこともできます。
ただし、弁護士などの専門家に依頼した場合は、報酬の支払いが必要となります。
4-2.②選任を申し立てる
不在者財産管理人の候補者が決まれば、家庭裁判所で不在者財産管理人の選任の申し立てをします。
申し立てができる人は、失踪宣告と同じく利害関係のある人(配偶者、相続人など)です。
申し立るときは、以下の書類が必要です。
- 申立書
- 不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)と戸籍附票
- 不在者財産管理人候補者の戸籍附票(住民票)
- 不在の事実を証明する資料
- 不在者の財産に関する資料
- 利害関係を証明する資料
不在者財産管理人の申し立ての費用は、収入印紙(800円)と連絡用の郵便代金(申立先の家庭裁判所による)などです。
さらに、行方不明者の財産よりも、不在者財産管理人への報酬や管理の費用などの方が高額になる場合は、不足の分を申し立てた人が支払うことになります。
4-3.➂権限外行為の許可をもらう
不在者財産管理人が決定したら、家庭裁判所に「権限外行為の許可」を申請して許可をもらう必要があります。
この権限外行為の許可がない場合、不在者財産管理人が行方不明者の不動産を売却することができないので、注意が必要です。
家庭裁判所に「権限外行為許可」の申し立てをすると、承認するかどうかを判断するために、申し立てた人や不在者財産管理人が呼び出されて事情確認される場合があります。
権限外行為の許可が下りれば、不在者財産管理人が、行方不明者の家や土地を売却できるようになります。
まとめ
行方不明者が名義人になっている場合、そのまま放置してしまうということもあるかもしれません。
しかし、そのまま放置してしまうと税金や管理などが大変になってしまう場合もあります。
このような場合は、まず「イクラ不動産」をご利用ください。
無料&秘密厳守で、簡単に素早く売却したいお家の相場価格を知ることができます。また、あなたの状況にピッタリ合った不動産会社を選ぶことも可能です。お気軽にお問い合わせください。
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