訪問査定とは、不動産の価格を正確に知るために不動産会社の担当者が物件を直接調査し、周辺環境や物件の状態を反映して査定価格を算出する方法です。
情報だけで査定する机上査定と異なり、現地での確認を行うため、実際の売却価格に近い数字が提示されることが特徴です。
この記事では、訪問査定とはどのような査定方法か、机上査定より訪問査定を選ぶ理由、訪問査定で売却成功へと導いてくれる不動産会社を見極める方法についてわかりやすく説明します。
不動産売却を検討している方や適正価格を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事で具体的にわかる3つのポイント
- 「訪問査定」とは、どのような査定なのかがわかる
- 家を売るのであれば、机上査定ではなく訪問査定を選ぶべき理由がわかる
- 訪問査定で売却成功へ導く不動産会社を見極める方法がわかる
- この記事はこんな人におすすめ!
- 訪問査定とはどのような査定方法なのかを知りたい人
- なぜ家を売るのであれば机上査定ではなく訪問査定を選ぶべきなのかを知りたい人
- 訪問査定で売却を成功させる不動産会社を見極める方法を知りたい人
もくじ
1.「訪問査定」とは、どのような査定なのか?
家を売ろうと思ったときに、最初に知りたいのが不動産の価値=査定金額です。売却したい家やマンションが「いくらで売れそうか」をプロの目で判断してもらわなければなりません。
そのため、不動産会社に査定を依頼することが、不動産売却の第一歩です。
まず、「訪問査定」とはどのような査定なのかについて説明します。
1-1.「訪問査定」とは?「机上査定との違いについて
訪問査定(ほうもんさてい)とは、不動産会社の担当者が、売却予定の家やマンションを実際に訪問、調査して査定をする方法です。訪問査定は実査定と呼ばれることもあります。
実際に不動産会社の担当者がやってきて、物件の周辺や室内などをくわしくチェックして査定額を出す方法です。
訪問査定の大まかな流れは、次のようになります。
不動産会社を選んで訪問査定を依頼する
不動産会社に物件情報を伝えて訪問日を調整する
不動産会社の担当者が物件を訪問して確認する
数日〜1週間程度で査定結果が提示される
訪問査定に対して、不動産会社があなたのお家の中を見ずに査定する方法を机上査定(きじょうさてい)と呼びます。
机上査定は、過去の成約価格、現在販売中の物件、公的な価格、景気の動向などのデータから査定価格を出す方法で、まだ売るか決まっていないけれども、おおよその金額が知りたいという人におすすめの査定方法です
くわしくは、「机上査定とは?机上査定してもらっても意味がない理由について」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
1-2.訪問査定のメリットとデメリット
訪問査定のメリットとデメリットは、次のとおりです。
【訪問査定のメリット】
- 物件を確認するので正確な査定価格がわかる
- 個別性の高い戸建てなどの査定にも対応できる
【訪問査定のデメリット】
- 不動産会社とスケジュールを調整して対応しなければならない
- 査定結果が出るまでに時間がかかる
訪問査定は、実際に不動産会社の担当者が現地を訪れて物件を確認したうえで査定するので、正確な査定額を出すことができます。
特に、戸建てなど個別性が高い物件を査定する場合は、実際に物件をチェックする訪問査定でなければ、物件の現状を反映した正確な査定はできません。
一方で、売主として訪問査定のスケジュール調整をして立ち会わなければならない点や、査定結果が出るまでに時間がかかる点がデメリットだと言えるでしょう。
また、訪問査定は机上査定よりも査定額に差が出やすいため、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。
訪問査定を依頼する不動産会社を探したいときは、無料&秘密厳守で利用できる「イクラ不動産」をぜひご利用ください。売却したい物件がある地域で、売却に強い不動産会社を探すことができます。
2.机上査定より訪問査定を選ぶべき理由
インターネットから査定依頼すると、必ず次の項目が出てきます。
依頼する人の70%は「机上査定(メールでの査定)」を選びます。
しかし次のような理由から、家やマンションといった不動産を売却するのであれば、机上査定ではなく、最初から訪問査定を選ぶべきです。
- 正確な査定価格が出る
- 査定にかかる時間を短縮できる
- 売却理由や期間に応じた査定ができる
一つずつ、くわしく説明します。
2-1.正確な査定価格が出る
訪問査定は、実際に売却する家やマンションを不動産会社の担当者に見てもらって査定額を出してもらう方法です。
不動産会社は、土地の状況や建物の劣化状況、室内の状態などをチェックして査定価格を出します。そのため、机上査定価格より正確な査定を出すことができるのです。
特に、土地や中古戸建であれば、机上査定は本当に何の意味もありません。なぜなら、その不動産に価値があるのかどうか、調べないといけないことがたくさんあるからです。
実際問題として、家や外壁の状況、室内の劣化状況、日当たり、騒音や臭いなどの周辺の環境といった点については、現地に行かなければわかりません。家の前の道路によっては、家自体を建て直すことができないといったこともよくあります。
このような不動産の場合、価格は大きく下がります。また、土地の境界がどこなのかきっちり定まっていない場合、隣のお家ともめることも非常に多いので、役所や法務局で詳細な調査が必要になります。全ての境界標を調べるには、敷地に入り、次のような「物件調査表」に基づいて調査する以外にありません。
マンションであれば、同じマンション内で過去に売れた物件の事例がある場合、その成約価格を参考に査定価格を出します。
そのため、土地や戸建ほど査定金額が大きく変わるということはほとんどないでしょう。
ただし、マンションでも室内の状態やリフォームの有無によって、査定金額が変わります。丁寧に使用されている家とリフォームが必要な家とでは、買主にとって購入後に必要なお金が変わってくるため、同じ査定価格にはなりません。
したがって、戸建てであってもマンションであっても、正確な査定額を出すためには訪問査定が不可欠なのです。
2-2.査定にかかる時間を短縮できる
家やマンションの売却が完了するまでには、準備期間も含めて、早くても3ヵ月程度、長ければ半年以上かかります。
そのため、家やマンションを売る予定があるのなら、まず訪問査定をしてもらっておくことで売却期間を短縮できるのでおすすめです。
机上査定をしてから訪問査定を依頼する不動産会社を選ぼうとすると、その分、どうしても時間がかかってしまいます。
今すぐではなくても売却を検討しているのであれば、今後どうすべきかについて早めに不動産会社に相談すべきです。少しでも早い行動が、売却成功と売却期間短縮につながります。
不動産の売却期間については、「不動産売却の流れを徹底解説!売却にかかる平均期間と早く売るコツも紹介」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
不動産売買の手数料は売却完了してから支払う成功報酬になるため、何回相談しても無料です。
2-3.売却理由や期間に応じた査定ができる
家やマンションといった不動産を売却する際は、売却理由と売却したい期間によって、売却金額が変わります。たとえば、転勤による売却なら売却期限が決まっていますし、金銭的理由による売却であれば少しでも高く売りたいでしょう。
訪問査定であれば、こうした売却理由や売却期間に応じた査定が可能です。
机上査定でも、だいたいの価格はわかりますが、査定価格は売却金額ではありません。そのため、売主の希望や条件によって、不動産会社の売却方法の提案が変わります。
訪問査定がどれだけ面倒でも、家を売却するのであれば、最後には不動産会社の担当者に直接査定をしてもらい、希望や条件を伝えなければならないのです。机上査定では有益な情報は手に入りません。
不動産会社から、無料で有益な情報を手に入れるために、訪問査定をしてもらうといっても過言ではありません。家は一番高い財産です。面倒がらず、一步踏み出してみましょう。
3.訪問査定で売却成功へ導く不動産会社を見極める方法
訪問査定は、どこの不動産会社に依頼するかを見極めて選択する機会でもあります。
つまり、訪問査定での不動産会社選びが、不動産売却の成功につながるのです。
初めて出会う不動産会社の担当者を見極めるためには、次のような質問をしてみましょう。
- 査定価格を聞く(いつまでに売れると考えているのか聞く)
- 見込みの買い手がいるかを聞く
- 集客方法を聞く
- この地域にくわしいかを聞く
- 他社とのサービスの違いを聞く
- 期間内に売れなかった場合のプランを聞く
一つずつ、くわしく説明します。
3-1.①査定価格を聞く
まずは、訪問査定前に、査定価格がいくらぐらいになりそうかを聞きましょう。
その地域をよく知っている不動産会社であれば、実物の不動産を見なくても、住所さえわかれば「この不動産は、この金額なら売れそうだ」という経験上の相場観を持っています。そして、その相場観は、相場価格とほぼ一致しています。
しかし、それだと、消費者に関心を持ってもらえません。ほかの不動産会社と比べて関心持ってもらうために、相場価格よりわざと数百万円も高めに査定する不動産会社が出てきます。
それを見抜くために、必ず複数の不動産会社に査定を依頼したうえで、査定価格の根拠と、その査定価格でいつまでに売れると考えているのかを必ず聞いてください。
3-2.②見込みの買い手がいるかを聞く
売却に強い不動産会社とは、その地域で年間売却(成約)経験の多い不動産会社です。
売却に強い不動産会社は、売却物件を仲介する度に購入客を集客しているため、購入希望客も多く抱えています。
くわしくは「不動産会社によって購入より売却のお客様の方が重要なのはなぜ?」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
あなたのお家の売却金額は、不動産会社があなたの地域のマンション・一戸建て・土地を欲しがっているお客様をどれぐらい抱えているかによっても変わってきます。
3-3.③集客方法を聞く
不動産会社が、あなたのお家を購入してくれる買主を見つける集客方法には、インターネット、チラシ、電話、来店、オープンハウス、レインズといった6つの方法があります。
売却活動に力を入れている不動産会社を探したいのであれば、「御社の集客方法を教えてください」と質問しましょう。
不動産売買成功の鍵は、売主と買主のマッチング成功率をいかに上げられるかです。今、家を探している、という人に情報が届かないと、売れるものも売れません。
不動産会社にできる限り全ての集客方法を行ってもらうことで、あなたのお家を1人でも多くの購入希望者に知ってもらうことが重要です。
不動産会社の集客方法については「家を売るとき、不動産会社はどうやって買いたい人を集客しているの?」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
3-4.④この地域にどれだけくわしいかを聞く
売却を成功させるたいのであれば、売却したい家やマンションがある地域にくわしい不動産会社を探すことが重要です。
多くの人が「不動産屋さん」に対して、恐らく「不動産のプロなのだから地域の情報にくわしい」と思っていることでしょう。
しかし、残念なことに、地域の情報を良く知らない不動産会社の担当者も多くいます
地域にくわしい担当者かどうかを見極めるのであれば、次のような質問をしてみましょう。
「ここの小学校区と中学校区ご存知ですよね?」
「ここに近いスーパーをご存知ですよね?」
「ここに近い病院をご存知ですよね?」
このような当たり前のことを回答できない担当者が多くいるのが現状です。
あなたの家を買いたいという人にお子さんがいるのであれば、自分がこれから住もうという地域の小学校区と中学校区を知りたいはずです。ご年配の方であれば、近くの病院がどこにあるのか知りたいでしょう。
買い手の背中を押すためにも、その地域にくわしいことはプロとして必要不可欠なのは言うまでもありません。
このようなことも知らずに「この地域には自信があるので売却をお任せください!」などと、平然と語る不動産会社があります。それも大手・中小の会社に関係なくです。
訪問査定のときに、担当者が地域にくわしいかどうかをしっかりと見極めるようにしましょう。
3-5.⑤他社とサービスの違いを聞く
各社の提案を聞いて、同じ提案内容であればサービスが良い不動産会社を選ぶべきです。そのため、各社どのようなサービスがあるのかを聞きましょう。
不動産会社によっては、売却後、買主からのクレームの不安を取り除くために建物や住宅設備の保証を無料で提供していたり、ハウスクリーニングや荷物の処分撤去費用などの負担をしてくれたりと、さまざまなサービスがあります。
他社のサービスを良く知らないという不動産会社は、明らかに勉強不足です。そのような不動産会社は、選ばないほうが良いでしょう。
3-6.⑥期間内に売れなかった場合のプランを聞く
家やマンションといった不動産の売却は、簡単なものではありません。
そのため、希望している期間内に売れなかった場合のプランを聞いておくことも、不動産会社の担当者を見極める方法としておすすめです。
当初の予定期間で売れなかったとき、優秀な不動産会社の担当者であれば、どのようにするかをあらかじめ考えています。
不動産売却は「ストレス」そのものだと言っても過言ではありません。なぜなら、いつ売れるかわからないからです。
売りに出した家やマンションが売れない原因は、おもに次の2点にあります。
- 価格が相場に比べて高すぎる
- 不動産会社がしっかりと売る努力をしていない
期間内に売れなかった場合、これらの点をどうするのかプランをしっかりと聞いておくことが大切です。
売却する前に、こちらの「家が売れない3つの問題点と5つの対策!値下げをしない方法も紹介」を読んでおくことをおすすめします。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 「訪問査定」とは、不動産会社の担当者が実際に売却予定の家やマンションを訪問して査定をすること
- 訪問査定に対し、物件情報だけで査定する方を「机上査定」という
- 訪問査定のメリットとデメリットは次のとおり
【訪問査定のメリット】
・物件を確認するので正確な査定価格がわかる
・個別性の高い戸建てなどの査定にも対応できる
【訪問査定のデメリット】
・不動産会社とスケジュールと対応が必要
・査定結果が出るまでに時間がかかる - 家やマンションを売却するのであれば、次のような理由から、机上査定ではなく訪問査定を選ぶべきである
・正確な査定価格が出る
・査定にかかる時間を短縮できる
・売却理由や期間に応じた査定ができる - 訪問査定時に不動産会社の担当者を見極めるには、次のようなことを聞いてみるのがおすすめ
・査定価格を聞く(いつまでに売れると考えているのか聞く)
・見込みの買い手がいるかを聞く
・集客方法を聞く
・この地域にくわしいかを聞く
・他社とのサービスの違いを聞く
・期間内に売れなかった場合のプランを聞く
不動産売却を成功させたいのであれば、大手中小関係なく、地域での豊富な売却実績がある複数の不動産会社に訪問査定を依頼するのがおすすめです。
複数の不動産会社に訪問査定を依頼すれば、それぞれを比較したうえで自分に合った不動産会社を選ぶことができます。
また、売却実績がわかれば、次のような非常に参考となる情報を得ることができるだけでなく、その経験を活かしての販売戦略を聞いたり、立てることができるからです。
・売却活動を開始してから実際に売れた期間はどれくらいなのか
・価格交渉があったのか
・どのような方がどのような理由で購入されたのか
・売れた物件は他にない特徴があったのか
・売主はどのような理由で売却したのか
・チラシやインターネット等、どのような広告を利用したのか
これらの疑問に対して詳細に答えることができる不動産会社は、売却力のある不動産会社だと言えるでしょう。
なぜなら、高い査定価格を出してもらったところで、その価格で売れるわけではありません。むしろ、どのようにして売るつもりなのか売却プランを聞くことが大切だからです。
売却したい家やマンションがある地域で、売却実績が多い優良な不動産会社を探したい場合に便利なのが「イクラ不動産」です。
無料&秘密厳守で簡単に素早く査定価格がわかるだけでなく、あなたにピッタリ合った売却に強い不動産会社を選べます。さらに、家の売却でわからないことがあれば、宅建士の資格を持ったイクラの専門スタッフにいつでも相談できるので安心です。
イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
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