家やマンションを不動産会社に直接買い取ってもらうのが「買取」です。
買取で少しでも家を高く買い取ってもらうコツは、不動産会社同士を競わせることと、手取りの金額が一番高いところを選ぶことの2つです。
この2つのコツについて、元不動産屋がわかりやすく説明します。
- 買取による売却とは?仲介とはどのように違うのか
- 買取には4つのタイプがあり、買取の目的に合わせて選ぶことが大切
- 家を高く買い取ってもらう2つのコツと具体的なやり方
- この記事はこんな人におすすめ!
- 家やマンションを買取で売却しようかと検討している人
- 買取で少しでも高く家やマンションを売れる不動産会社を選びたい人
- 家やマンションを高く買い取ってもらうコツを具体的に知りたい人
1.買取と仲介の違いを簡単におさらい
買取で高く買い取ってもらうコツを説明する前に、まず、買取と仲介の違いについて確認しておきましょう。
買取と仲介の特徴は、次のとおりです。
買取の特徴 | 仲介の特徴 |
---|---|
・不動産会社に直接買い取ってもらう ・最短数日でお家を現金化できる ・周囲に売却していることがバレない ・仲介手数料がかからないことがある ・価格は相場の7割程度 |
・一般の人に買ってもらう ・いつ売れるかわからない ・見学の対応で手間や時間がかかる ・仲介手数料がかかる ・相場に近い価格で高く売れやすい |
一般的な売却方法は仲介になります。
仲介にもデメリットはいくつかあるものの「できるだけ多くのお金を手元に残したい」という売主の願いが叶う売却方法です。
一方、すぐに現金化したい人や、周囲に売却を知られくない人は「買取」が合っています。
2.買取に強い不動産会社を選ぶために知っておくべきこと
買取会社の種類や買取の仕組みを理解しておくことで、買取に強い不動産会社を選ぶことができます。
買取を依頼する不動産会社選びで失敗しないためにも、買取会社の種類や買取の仕組みをしっかりと理解しておきましょう。
2-1.不動産買取をしている会社の種類と内容を知る
買取をしてくれる不動産会社はたくさんありますが、その中から買取に強いところを選ぶためには、まず不動産買取をしている会社の種類を知る必要があります。
買取してくれる不動産会社は、大きく分けて次の4種類です。
買取会社の種類 | 買取先 | 仲介手数料 |
---|---|---|
自社で買取をしていない不動産仲介会社 | 他社 | 発生する |
自社で買取できるが買取はしていない不動産会社 | 他社(まれに自社) | 発生する(自社の場合は発生しない) |
自社で買取もしている不動産仲介会社 | 自社 | 発生しない |
買取専門会社 | 自社 | 発生しない |
一般的に、「買取のメリットは仲介手数料がかからないこと」と強調されていますが、実はそうではありません。不動産会社によっては仲介手数料の支払いが必要です。
そのように聞くと、仲介手数料がかからない不動産会社を選びたくなりますが、単に仲介手数料の有無だけで選ぶと、結果として損をしてしまうことがあります。
仲介手数料がかかっても、一番手取り額の高い不動産会社を選ぶことがお家を高く買取してもらうコツなのです。
買取してくれる不動産会社について、順に説明していきます。
2-1-1.①自社で買取をしていない不動産仲介会社(仲介手数料が発生する)
こちらは、大手不動産会社であることが多いパターンになります。
大手の不動産会社が自ら買取しないのは、何千万というお家を買取して、売れなかった場合のリスクを避けたいからです。
自社で買取しない不動産会社は、買取専門業者と売主の間を仲介します。そのため、仲介手数料の支払いが必要です。
大手の場合は、同じグループ内の買取専門会社を紹介することもあります。
買取は仲介に比べて大幅に売却価格が下がるため、売主はまず仲介での売却の話を聞き、それでもすぐに現金化したいなどの事情がある場合に買取を選択するのが一般的です。
売却物件を集める力が大変強い大手不動産会社には、買取専門会社がひっきりなしに訪れます。よって、紹介できる買取業者の数も多く、高値を出してくれる可能性も高くなります。
また、買取業者も大手不動産会社とのつながりを大事にするため、無理をして高値で買い取ってくれるケースがある点もメリットです。
一方で、仲介手数料がかかる点がデメリットだと言えるでしょう。
2-1-2.②自社で買取できるが買取はしていない不動産会社(仲介手数料が発生することがある)
一般的な不動産会社であることが多いパターンです。
①と同じように自社で買取もできるが、積極的に買取をしていない不動産会社は、買取専門業者と売主の間を仲介します。仲介をした場合は、仲介手数料が発生します。
なぜ、自らの会社で買取できるのに買取しないかと言うと、単純に買取金額が合わないことが多いからです。
金額が安ければ安いほど不動産会社も買取ができますが、「その金額では売らない」と売主に言われてしまうとどうしようもありません。
そのため、①と同じように、買取専門会社を探して仲介するのです。
①とほとんど同じですが、②には自社で買取する場合もあるため(③のケース)、仲介手数料なしに高値で購入してくれる可能性もある点がメリットだと言えるでしょう。
2-1-3.③自社で買取もしてる不動産仲介会社(仲介手数料が発生しない)
②の一般的な不動産会社で、さらに自らの会社で買取もしているパターンです。
不動産会社が直接買主になるため、仲介手数料がかからないことが最大のメリットになります。また、その分、高く買い取ってもらうこともできます。
買取額によっては、手元に多くのお金を残すことが可能です。
2-1-4.④買取専門会社(仲介手数料が発生しない)
恐らく、この不動産買取をメインとしている会社のほうが、パターン③の買取できる不動産仲介会社よりも、高く買ってもらえる可能性が高いでしょう。加えて、仲介手数料も必要ありません。
また、買取専門会社も仲介会社に購入時の仲介手数料を支払わなくて済むため、できれば売主から直接買い取りたいと考えているはずです。
しかし、現実には、売主が買取専門会社に直接連絡するケースはほとんどありません。
なぜなら、繰り返しの説明になりますが、買取は仲介に比べて大幅に売却価格が下がるため、売主はまず仲介の話を聞いて、それでも、すぐに現金が必要などのさまざまな事情から買取を選択するのが一般的だからです。
したがって、最初に知り合った仲介会社との関係の方が強くなってしまうことが多いため、①や②の構図が成り立ちやすいと言えます。
3.「買取」で家やマンションを少しでも高く売る2つのコツ
買取で家や不動産を高く売るためのコツは、次の2つです。
①不動産会社同士を競わせる
②買取額ではなく最終的に手元に残る額で判断する
それぞれのコツについてと、具体的に売主がやるべきことについて説明します。
3-1.不動産会社同士を競わせる
買取してもらう不動産会社同士を競わせるために売主がやるべきことは、次の2つです。
①複数の不動産会社に買取価格を見積もりしてもらう
②ほかの不動産会社の査定額を見せる
具体的にどうすれば良いかをみてみましょう。
3-1-1.複数の不動産会社に買取価格を見積もりしてもらう
買取してくれる不動産会社の種類がわかったら、次は実際に買取査定をしてもらいます。
少しでも高く買取ってもらうためには、できるだけ多くの不動産会社に買取価格を見積もりしてもらいましょう。
その際、いろいろなタイプの不動産会社に査定してもらうのがおすすめです。
しかし、売却したい物件のある地域で、買取をしてくれる不動産会社を探すだけでも大変なのに、さらにいろいろなタイプを選ぶとなると時間も労力もかかります。
そのようなときにおすすめなのが、「イクラ不動産」です。
売却したい不動産のある地元で買取をしている不動産会社がわかるだけでなく、それぞれの不動産会社の強みや特徴別に探すことができます。
さらに、買取や売却でわからないことがあれば、宅建士の資格を持ったイクラの専門スタッフにいつでも無料で相談できるので、不動産売却に不安のある人でも安心です。
3-1-2.不動産会社に査定額を見せて競わせる
単に多くの不動産会社に、見積もりしてもらうだけでは、買取額は高くはなりません。
いくつかの不動産会社に見積もりをしてもらったら、ほかの不動産会社の査定書を見せると、オークション形式で買取価格が上がっていくことが多いです。
また、不動産会社の方から、他社の買取価格を聞いてくることもあります。
不動産会社としては、できるだけ安く買取りたいけれども、他社に買取物件は取られたくないため、探りを入れてくるのです。
そのため、他社の買取価格を聞かれた場合は、そのまま伝えてみましょう。
不動産会社は、あなたのお家を買い取った後、リフォームや建て替えをして再販売する目的のため、他社の査定額を聞いて「この物件は必ず売れる!」と思われるお家であればあるほど、多少無理してでも高く買い取ってくれます。
3-2.買取額ではなく最終的に手元に残る額で判断する
もう一つの高く買い取ってもらうためのコツは、買取額だけを比べて不動産会社を選ぶのではなく、最終的に手元のに残る額で判断することです。
ここで、先ほど説明した買取をしてくれる不動産会社の種類や買取の仕組みの知識が役に立ちます。
手元に残る額で判断するために売主としてやるべきことは、次の2つです。
①査定のときに最終的に手元に残る額を教えてもらう
②買い取ってもらいたい家やマンションの相場価格を調べておく
具体的に説明します。
3-2-1.査定のときに最終的に手元に残る額を教えてもらう
買取額の査定をしてもらう際は、さまざまな費用を差し引いたあとの「最終的に手元に残る額」を教えてもらいましょう。
いくら買取額が高くても、解体費や手数料などが多額にかかってしまうと、手元に残るお金は少なくなってしまいます。
築年数が経った古家(建物)付きの土地を買取してもらう際は注意しましょう。
いくら買取価格が高くても、建物の解体費、処分費、土地の測量費など、別途、売主が負担するお金が発生することがあるからです。いくら買取価格が高くても、多額の解体費などがかかると、結局、手元に残るお金は少なくなってしまいます。
また、もし買取時に仲介手数料がかかったとしても、買取額そのものが高い不動産会社を選べば、最終的に手元に残るお金が多くなることは言うまでもありません。
買取額を提示してもらったあとは、必ず「手取りのお金はいくらですか?」と聞くことが、買取で最終的に手元に残るお金を少しでも多くするために欠かせないポイントです。
3-2-2.買い取ってもらいたい家やマンションの相場価格を調べておく
買取査定を依頼する前には、必ず買い取ってもらいたい家やマンションの相場価格を調べておきましょう。
相場価格を知っておくと、不動産会社が提示した買取査定額が妥当かどうか判断できます。
仲介での売却とは違い、買取の場合は査定額から必要経費を差し引いた額が「売却額」です。
買取査定のときに足元を見られないためにも、あらかじめ相場価格を調べておくことをおすすめします。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 買取で家やマンションを売却すると、すぐに現金化できるが売却額が3割ほど安くなる
- 買取している不動産会社は、次の4種類。買取の目的と最終的に手元に残る額で比較して選ぶようにする
・自社で買取をしない不動産仲介会社(仲介手数料がかかる)
・自社で買取もできるが買取はしていない不動産会社(仲介手数料がかかることがある)
・自社で買取もしている不動産仲介会社(仲介手数料がかからない)
・買取専門会社(仲介手数料がかからない) - 高く買い取ってもらうコツその①不動産会社同士を競わせる
- 不動産会社同時を競わせるためには、複数の会社に査定をしてもらって他社の見積もりを見せる
- 高く買い取ってもらうコツその②買取額ではなく最終的に手元に残る額で判断する
- 手数料などを差し引いて、最終的に手元に残る額を不動産会社に聞いておく
家やマンションなどを少しでも高く買い取ってもらうには、次のコツを必ず守るようにしましょう。
①不動産会社同士を競わせる
②1円でも手取りの金額が高い不動産会社を見つける
仮に仲介手数料が発生しても、最終的な手取り額が多くなるようであれば、その不動産会社を選ぶべきです。
また、あらかじめ買い取ってもらいたい家やマンションの相場価格を調べておくこと、不動産会社が提示した査定額が妥当かどうかわかります。
家や土地の買取や売却で、どうすれば良いのかわからないという人は、まず「イクラ不動産」でご相談ください。
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さらに、売却でわからないことがあれば、宅建士の資格を持ったイクラの専門スタッフにいつでも相談できます。
イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
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