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都市計画道路予定地って売却できる?事業決定前なら可能です

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都市計画道路予定地って売却できる?事業決定前なら可能です

売却したい土地が都市計画道路予定地に入っています。
売ることはできるのでしょうか…。

こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。

所有している土地が都市計画道路予定地に入っている場合、売却できるのかどうかわからなくて困っている方もいることでしょう。

都市計画道路の予定地に入っていても、事業の計画の進み具合によっては通常通り売却できる場合があります。

ここでは、都市計画道路予定地に入っている土地の売却について詳しくみてみましょう。

1.都市計画道路予定地とは

都市計画道路予定地とは、都市計画法に基づいて道路を整備する予定となっている土地のことです。

【都市計画法】

機能的な街づくりを進めるために、道路や公園、上下水道などがどうあるべきかを定めた法律

各自治体は都市化を健全に進めるために、必要に応じて既存の道路を拡張したり、新設したりする大がかりな工事を行うことがあり、その対象となった土地が都市計画道路予定地と呼ばれます。

都市計画道路予定地は計画段階にあるというだけで、事業が正式決定しているわけではありません。都市計画道路予定地に指定されたものの、何十年も計画段階で放置されている土地も実際に多く見られます。

ただし、事業が正式に決定したときには、行政側と交渉をしたうえで、土地は収用されることになります。合意のうえで立ち退きを求められるので、その土地で生活し続けるのは難しくなるでしょう。

計画道路予定地については「都市計画道路とはなにか調査方法についてわかりやすくまとめた」でも詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。

2.計画決定:土地の収容が予定されている段階

「計画決定」とは、事業の計画が決まった段階です。計画段階であるため、具体的な事業開始時期や工事計画などはまだ決まっていません。

土地収用に向けた交渉はもちろん、工事についての説明も行われていない段階なので、都市計画道路予定地を含めた土地全体を売却することが可能です。

2-1.計画決定していると建築制限がある

計画決定の段階では、土地の売却自体にはなんの問題もありませんが、一定の建築制限が設けられています。

そのため、都市計画道路予定地に家を建てる際には、都市計画法第53条に基づいて、都道府県知事(政令指定都市においては市長)の許可を得ることが必要です。

建築制限の内容は自治体により異なりますが、一般的には以下の内容となっています。

  • 移転や除去が容易であること
  • 地階を有せず、2階以下であること
  • 主要構造部(壁や柱、はりなど)が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造などであること

道路予定地として計画決定されている土地である以上、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリート造など、耐久性があり移転や解体が難しい建築物は許可されません

建築制限は買主側には問題となり得ます。事実を伝えていなかった場合、契約不適合責任を問われる可能性もあるため、売却の際には建築制限があることを重要事項説明書に必ず明記するようにしましょう。

2-1-1.緩和路線であれば建築制限が緩和されている

自治体により緩和規定が適用された路線であれば、建築制限が緩和されている場合があります。

長期間にわたって事業が開始されていない都市計画道路のなかには、経済が右肩上がりであった時代に計画されたものが多くあります。そのため景気が長期間低迷し、国や自治外の財政が悪化している現在のような状況下では、いつ事業化できるのかわからない計画も少なくありません。

そのため、多くの自治体が、建築制限の緩和を実施しています。緩和規定の内容は、自治体により多少異なることがありますが、おおむね以下のとおりです。

  • 当該区域の事業の実施が近い将来見込まれていない
  • 市街地開発事業(区画整理・再開発など)などの支障にならない
  • 階数が3階、高さが10m以下で、地階を有しない
  • 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造など
  • 建築物が都市計画道路区域の内外にある場合は、将来において、都市計画道路区域内にある部分を分離することができるよう、設計上の配慮をする

階数などについては緩和されていますが、計画下にある以上、移転や除去が容易であることが前提となることは同じです。

しかし緩和路線については、事業が実施される可能性が低いと考えられることから、都市計画道路予定地であっても売却に支障がないケースがほとんどです。

2-2.計画決定段階での売却の注意点

計画決定段階での都市計画道路予定地は、建築制限がありはするものの、再建築不可物件のように厳しいものではありません。

緩和路線となっているのであれば、さらに建築条件は緩和されます。

それでも事業決定された場合には、収用されるリスクがあります。リスクを加味したうえで、計画決定段階での都市計画道路予定地の売却価格は、市場価格の1割引き程度に設定するといいでしょう。

3.事業決定:土地の収容が確定している段階

「事業決定」とは計画に事業許可が下り、具体的な工事着手の日程や工事計画が決まる段階です。

工事イメージ

事業決定されると、土地収用に向けての説明や補償金の交渉・支払いが行われ、実際に道路の造成工事が始まります。都市計画道路予定地の部分に関しては、原則として家を建てることはできなくなってしまいます。

3-1.予定地は売却できない

事業決定されると、都市計画道路予定地自治体に収用されてしまうので売却できなくなります。その場合でも、都市計画道路予定地となっている部分以外は売却が可能です。

ただし、都市計画道路予定地が収用されることで所有している土地がどのようになるのかにより、価格は大きく変動します。

3-1-1.収用される面積が小さければ値下がり幅は小さい

事業決定されると、都市計画道路予定地は分筆されて収用されます。しかし収用される面積が小さく、残される土地が家を建てるのに問題がないケースでは、大きく値下がりすることはありません

残された土地は建築制限も解除され、建築基準法の範囲内であれば、好きな高さ・広さの家を建てられるので、売却に支障が生じることもないでしょう。

3-1-2.収用されずに残る面積が小さい・形状が悪い場合は大きく値下がりする

収用される土地の面積が大きく残る土地の面積が小さくなる、あるいは残る土地の形が悪くなるなら、土地の価格は大きく値下がりしてしまいます。

所有している土地の真ん中が道路予定地として収用されて分断される、土地の一部が切り取られて三角形になるといったことも決して珍しくありません。

家を建てられないほど土地が狭くなってしまうケースでは、買主を見つけるのはかなり困難になるでしょう。

3-2.土地が収容されると金銭で補償される

都市計画道路予定地が収用されるときには、土地の所有者が損失を受けないように事業者が補償する仕組みになっています。

国土交通省が定める土地と建物についての補償内容は、以下のとおりです。

土地の補償 土地の価格は正常な取引価格で補償されます。補償額は取引事例価格、公示価格、基準価格、不動産鑑定評価などをもとにして適正に算定されます。
建物の補償 再築工法 既存の家の解体と再築の費用。ただし築年数に応じた補償額となるため、新築費がすべて補償されるわけではありません。
曳家工法 一時的に家を浮かせて、収用される土地以外の場所へ移動させるのにかかる費用
改造工法 建物の一部を取り除き、残った部分を増改築する費用
除去工法 対象となる部分がわずかで取り除いても影響がないときには、その部分だけ解体除去する費用
工作物の補償 看板・門・塀などを移転または同程度のものを作る費用
立木の補償 移転または伐採する費用
その他の補償 1.動産移転料の補償 引っ越しにかかる費用
2.仮住居等補償 一時的に仮住まいが必要な場合の費用
3.借家人等に対する補償 仮家人が移転するために必要な費用
4.家賃減収補償 家賃が減少する場合の家賃相当額
5.移転雑費 移転先を探したり手続きしたりするための費用
6.墳墓改葬等補償 お墓などを移転する費用
7.祭祀料等補償 神社仏閣などを移転する費用
8.営業補償 店舗や工場を移転するために一時休業する場合の費用
9.残地補償 収用の対象とならない土地の面積や形が変わったことによって価値が減少されたぶんの補償

その他の補償には、残地補償が含まれます。収用によって土地の面積や形が変わって地価が下がってしまったときには、価値が減少したぶんもきちんと補償されるので安心です。

土地の正常な取引価格を知りたいときには、不動産会社に確認するようにしましょう。

まとめ

都市計画道路予定地に入っている土地であっても、事業計画が決定している前であれば通常通り売却できます。また、緩和道路であれば建築の規制も緩和されているので、建物を建てることも可能です。

ただし、どのように売却すればよいのか、いくらぐらいで売却できるのかがわからない場合は、信頼できる不動産会社に相談しながら売却を進めると良いでしょう。

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