
お家を売りに出したいのですが、壁などにひび割れがあります…
このような状態のお家でも売れるのでしょうか。
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
家を売ろうと考えているときに、ひび割れを発見してしまったら「買ってもらえないんじゃないか」「売ったあとで問題になったらどうしよう」と心配になることでしょう。
この記事では、ひび割れのある家を売却するにはどうすればよいかを詳しく説明します。ひび割れがある家の売却を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.どこにどの程度のひび割れがあるかを確認する
売却しようとしている家にひび割れがあったとしても、必ず問題になるわけではありません。
なぜなら、外壁材やコンクリートには元々ひび割れが生じる性質があるので、どのような家でも壁などに多少のひび割れがあることが多いからです。
しかし、住宅に悪影響を与えるひび割れがある場合には問題になります。そのため売却を考えるときには、どこにどの程度のひび割れがあるのかを確認することが必要です。
1-1.ひび割れの状況は既存住宅状況調査のチェック項目を活用
現在、国では中古住宅の安定供給を目指して、既存住宅状況調査(インスペクション)を推進しています。
2018年(平成30年)には宅建業法が改正され、既存住宅のホームインスペクションに関するチェック項目が、重要事項説明書に設けられました。
売却や購入の申し込み時にインスペクションするかどうかを確認され、実施した場合には重要事項説明時に調査結果を報告します。
調査を実施しなかったとしても、問題を認識していれば重要事項説明書に内容を記載して買主に告知しなければなりません。ひび割れがあることを黙っていた場合、またもし知らなかったとしても、告知義務違反で契約不適合責任を問われる可能性があります。
そのためひび割れをチェックするときには、インスペクションのチェック項目に基づいて行い、告知すべき程度かどうかを判断すると良いでしょう。
ひび割れの入っている場所と程度によって価格への影響度合い異なります。売却価格への影響をインスペクションの基準沿って、基礎・外壁・内壁に分けてそれぞれ詳しくみてみましょう。
2.基礎のひび割れは価格に影響
基礎とは家を支える土台にあたる部分のことです。基礎部分にひび割れがあると、家の構造に大きなダメージを与える恐れがあるため、売却価格に大きく影響します。
2-1.幅0.5mm以上のひびは指摘事項
基礎については、幅が0.5mm以上のひび割れはインスペクションの指摘事項です。そのため、売却価格に影響するとみなされるでしょう。
また幅が0.5mm以下であっても、深さが20mm以上あってサビ汁を伴うひび割れがあれば、瑕疵(かし)が存在する可能性が高いとされます。
このようなひびが発生しているケースでは、相場価格から2〜3割安くなるのが一般的です。
なおひび割れの幅については、インスペクション時にはクラックスケールと呼ばれる定規のような専用道具を使用します。自分でチェックするときには、0.5mm太さのシャープペンシルの芯をひび割れにあてがって調べてみると良いでしょう。
3.外壁のひび割れは要注意
外壁については、家を支えたり強度を保ったりするものではないので、基礎ほど家に深刻なダメージは与えません。
しかし、外壁は雨風などから家を守る役割をしているため、基礎部分と同様にひび割れがある場合には状況を確認し、買主に報告することが必要です。
3-1.下地材にまで達している場合は価格に影響
外壁のひび割れが下地材や防水シートまで達している場合には、雨水が浸入することによって建物を劣化させる可能性が高くなります。
雨漏りや水漏れにもつながる恐れがあるため、相場から10〜20%程度価格が安くなるのが一般的です。
4.内壁のひび割れは価格に影響しない
家の中の内壁に生じたひび割れは、下地のボードがずれる、仕上げ材の石膏ボードが衝撃を受けるなどで発生することがほとんどです。
このようなひび割れは建物の構造にはあまり関係がないので、価格に影響することはありません。
4-1.不同沈下でのひび割れなら価格に影響
内壁のひび割れは、ごくまれに不同沈下によってもおこります。
不同沈下とは、軟弱な地盤の上に家を建てたとき、家の重みで地盤の水中が横に逃げてしまって地盤が沈下し、だんだん家が傾いていく現象のことです。
家が傾くことによって壁がひび割れている場合は、家全体に深刻な問題が発生していることを意味するので、売却価格に大きく影響する可能性があります。
内壁にひび割れがあるケースでは、家のほかの部分に不同沈下の兆候がないか、調べるようにしましょう。
5.新築から10年以内の物件は瑕疵(かし)担保責任の対象
2009年(平成21年)10月1日以降に引き渡しされた新築住宅に対しては、住宅瑕疵担保履行法が適用されています。
住宅瑕疵担保履行法とは
正式名称を「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」といい、新築住宅を供給する事業者に、住宅の引き渡しから10年間の瑕疵担保責任を義務づけるものです。
瑕疵(かし)とは「欠陥」を意味し、住宅瑕疵担保履行法では「構造耐力上主要な部分(瑕疵があると強度が弱くなってしまう部分)」と「雨水の浸入を防止する部分の欠陥」を指します。
基礎は「構造耐力上主要な部分」、壁は「雨水の浸入を防止する部分」に含まれるので、新築から10年以内の物件なら、住宅事業者に対して補修や対策工事を求めることが可能です。
住宅事業者は過去10年間の建築戸数に応じた供託金を積むか、新築住宅1軒につき2,000万円以上の保険に加入する必要があり、ほとんどのケースでは瑕疵担保保険に加入しています。
万が一、住宅事業者が倒産していたとしても、買主は瑕疵保険の加入法人に直接保険金を請求できます。
なお瑕疵担保責任保険は住宅事業者が加入するため、保険証券は売主が保管し、買主には保険付保証明書のみ渡されます。築後10年たっていないにもかかわらず、基礎の深刻なひび割れや雨漏りの原因となるような壁のひび割れが発生していたら、まずは住宅事業者に連絡するようにしましょう。
6.ひび割れがある家を売るコツ
家にひび割れがあるときには、ひび割れの箇所や程度によって価格に影響を及ぼすことがわかりました。ここでは、ひび割れがある家を少しでも高く売るためのコツをご紹介します。
6-1.ホームインスペクションを受ける
ひび割れのある家を売るときには、ホームインスペクションを受けて家の状況を正確に伝えると、買主は安心して家を購入できます。
既存住宅のホームインスペクションに関するチェックが重要事項説明に設けられたと前述しましたが、インスペクション自体が義務化されたわけではありません。
しかしひび割れの状態を正確に伝えなかった、あるいは売却後に深刻なひび割れが発見された場合には、告知義務違反となり契約不適合責任を負わされる可能性があります。
契約不適合となると、契約解除になったり賠償責任を問われたりすることにもなりかねません。
のちのちのトラブルを避けるためにも、ホームインスペクションを受けておくと安心です。
6-2.補修して修繕履歴を残しておく
家にひびが入っていることを購入希望者が知っていたとしても、実際に内覧などでひびの状況を見てしまうと、不安が大きくなり購入を取りやめてしまうかもしれません。
修繕できる程度のひびであれば、きちんと補修しておくほうが買主を見つけやすくなります。家を購入してから行った屋根や壁の塗り直しなどのメンテナンス記録とあわせ、きちんとした修繕履歴を残しておけば、買主の信頼も得られるでしょう。
6-3.価格交渉を受け入れる
基礎や外壁に深刻なひび割れが見られる家を買いたいと思う人は、なかなか見つかるものではありません。ひび割れのある家は、相場より安い価格が設定されているものですが、それでも買い手が見つからないことは十分考えられます。
もし提示している売却価格より安ければ検討したいという購入希望者が現れたら、柔軟に価格交渉に応じる姿勢でいたほうが、売却はスムーズに進むでしょう。
6-4.買取を検討する
仲介に出してみたけれども購入希望者が現れず、このまま売れないのではと不安を抱えているのなら、買取専門の不動産会社に買い取りを依頼することも検討しましょう。
買取を依頼すると、売却価格からさらに安くなるためデメリットに感じるかもしれません。しかしいつまでも売れない心理的負担を考えると、すぐに現金化できる買取は検討する価値があります。
買取専門の不動産会社なら、ひびが入っていることを理解したうえで買い取ってもらえるため、契約不適合責任を問われる心配がない点もメリットです。
買取なら仲介手数料が不要になるので、ひび割れのある家の売却先としてはおすすめの選択肢のひとつです。
まとめ
売却しようとした家にひび割れがあった場合、売れるかどうか心配になります。ひび割れの場所や程度によっては、そのまま売却することも可能ですが、ホームインスペクションなどできちんと調べておくと安心です。
また、売却価格は安くなりますが、買取を利用するのも一つの手だと言えるでしょう。
ひび割れのある家をどのように売却すればよいのかわからない場合に、頼りになる不動産会社に相談できれば安心です。どの不動産会社がよいかがわからない場合は、ぜひ「イクラ不動産」をご利用ください。
無料&秘密厳守で、簡単に素早くお家の査定価格がわかるだけでなく、あなたの状況にピッタリ合った売却に強い不動産会社が選べます。
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