
家の近くに葬儀場があるのですが、売れるのか不安です……
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
葬儀場や火葬場が近くにある場合、売却するときに価格へ影響してしまうのではないかと不安に感じる方も多いです。
こちらでは、葬儀場や火葬場などの嫌悪施設とは何なのか、また葬儀場が近くにある家の売却方法についてもご説明します。
もくじ
1.葬儀場は「嫌悪施設」に該当する?

嫌悪施設とは、大多数の人にこのように捉えられてしまうような施設のことです。
しかし、どのように感じるかは人それぞれなので、「これが嫌悪施設です」というような明確な定義はありません。
具体的に嫌悪施設と認識されているのは、このような場所です。
- 心理的に忌避される施設
(葬儀場、墓地、精神科病院、刑務所、拘置所など) - 悪臭や煤煙が発生する施設
(工場、ごみ焼却場、下水道処理場、火葬場など) - 危険を感じる施設
(ガソリンスタンド、原子力発電所、危険物取扱施設など) - 治安への影響を懸念される施設
(パチンコ店、風俗店、暴力団組事務所など) - 騒音・振動が発生する施設
(鉄道、高速道路、飛行場、学校、イベント会場など)
1-1.告知義務が必要?
嫌悪施設に明確な定義がない理由は、「住みたくないな」と感じる人がいる一方で

というように、特に気にならないという人もいるからです。売主にとって、「近くに葬儀場がある」とわざわざ伝えるのは気が引けるという気持ちになるかもしれません。
しかし、瑕疵(見えない欠点や欠陥)を伝えるということは、買主が不利益を被らないようにするという買主保護の観点もありますが、契約締結後のトラブルを避けるという意味では売主にとっても大切なことです。

このようなトラブルを避けるためにも、不動産会社には事前にしっかり伝えましょう。
1-2.瑕疵(かし)とは
お家を売却するとき、必ず不動産会社から買主に重要事項説明が行われます。その際、お家に瑕疵(見えない欠点や欠陥)があれば、併せて説明しなければいけません。
瑕疵(欠点や欠陥)は、大きく3つに分類することができます。
- 物理的瑕疵
(雨漏りや排水管の故障、シロアリ被害など) - 環境的瑕疵
(葬儀場や墓地など、物件の周辺に嫌悪施設がある) - 心理的瑕疵
(自殺や殺人など、心理的に抵抗がある)
葬儀場が近くにある場合、物件に支障がなくても周りの環境に嫌悪施設があるという点で、環境的瑕疵に該当します。
しかし、臭いや危険など具体的な被害があるというよりも、感覚的に嫌悪されているという要素が強くあります。そのため、心理的瑕疵にも該当する可能性があります。
宅地建物取引士の資格を持った人が、契約上重要な事項を説明することです。
内容が記載された「重要事項説明書」に記名押印して買主に交付し、さらに口頭でも説明しなければなりません。
2.価格への影響
葬儀場が近くにあることで環境的瑕疵や心理的瑕疵に該当する場合がありますが、相場より必ず安くなるということはありません。
しかし、場合によっては安くなる可能性もあるということも知っておきましょう。
2-1.価格が安くなる?
先ほどもお伝えしましたが、葬儀場が近くにあってもどのように感じるかは人それぞれです。
購入検討者の中には、

というように、「葬儀場が近いこと」と「価格」を天秤にかけて考えている人もいるので、値下げを求められることもあるかもしれません。そのような場合は、すぐに価格を下げずに不動産会社とよく相談するようにしてください。
2-2.立地条件が良ければ、影響はあまり無い
葬儀場が近い家はマイナス面に目を向けられがちですが、葬儀場が建てられている立地条件に目を向けると、マイナスばかりではないことに気が付きます。
葬儀場は老若男女問わず集まる場所です。
交通の便が良かったり、近くにスーパーやコンビニなどがあったり、利便性を考えて建てられていることが多いです。このような環境は、生活をする上でも優れた環境であると言えます。

このように、たとえ葬儀場が近くにあったとしても、生活環境のメリットが上回ると考えられる立地条件であれば、価格に影響せず売却することも可能です。
3.売却するときのポイント
葬儀場が近くにあるお家を売却する場合、どのような方法を取るのがベストなのか売却方法をみてみましょう。
3-1.そのまま売りに出す
「売れないかもしれない」とすぐに価格を下げるのではなく、まずはそのまま相場価格で売却してみることをおすすめします。
葬儀場が近くにあっても、気にしないという人もいるからです。他にも、利便性の高さが瑕疵(欠点や欠陥)を上回り、相場価格で売却できる可能性もあります。
相場価格よりも下げて売りに出してしまうと、元の価格に戻すのは難しくなります。まずは、一般のお家と同じようにそのまま売りに出すと良いでしょう。
3-2.価格を下げて売却してみる

まずは相場価格で売り出してみるのが1番ですが、なかなか売れないということもあるかもしれません。
葬儀場が近くにあるということを購入検討者に伝えて、もし敬遠されるようであれば価格を下げていき、できるだけ高く売却できるように価格調整をしていくと良いでしょう。
価格の変更をする際は、最初の価格設定も関係してくるので、不動産会社とよく相談してから決めましょう。
3-3.買取も検討してみる
そのまま売りに出してもなかなか売れない場合は価格を下げて売却することになりますが、このようなステップを踏んでいる間にも、固定資産税や都市計画税などの維持費用がかかってしまいます。
早く売却したいということなら、不動産会社に買取してもらうのもひとつの方法です。買取とは、一般の買主ではなく、不動産会社に直接買い取ってもらうことです。
不動産会社に買い取ってもらう場合、買主を探してもらうという工程がなくなるので、早くて1~2週間ほどで売却活動を終えることができます。さらに、仲介手数料がかからないというメリットもあります。
しかしその分、買取金額は基本的に相場価格の7割前後になってしまいますので、注意が必要です。すぐに現金化を急ぐあまり、相場価格を知らず不動産会社に不当に安い金額で買取されて、騙されることもあるからです。
そのため、相場価格は事前にしっかり調べておきましょう。
買取について詳しく知りたい方は「【不動産買取】お家をすぐに売ることができる方法をかんたん解説!」も併せてご覧ください。
まとめ
お家の近くに葬儀場がある場合、売却できるのかと不安に感じる人も多いと思います。周りの環境はとても大切なので気にされる人が多いですが、葬儀場が近いという理由で価格に影響することは、よほどの状況でない限りほとんどありません。
しかし、どう感じるかは人それぞれなので、価格に影響が出なかったとしても後々トラブルにならないように、不動産会社には事前に必ず伝えることが大切です。
また、お家の売り出し方は不動産会社によってそれぞれ異なるため、不動産会社選びもポイントとなります。大切なお家を任せることになるので、まずは複数社に相談してみてその中から信頼できる不動産会社を選びましょう。
現在のお家の価格が知りたい、売却に強い不動産会社を探したいという方は「イクラ不動産」をご利用ください。
無料&秘密厳守でお家の査定価格がわかるだけでなく、あなたの状況にピッタリ合った売却に強い不動産会社を選べます。
- 合わせて読みたい
- 不動産会社や担当者を変えたい!変更方法と注意点についてまとめた
- 【売却】媒介契約中に家が売れなかった!どうしたらいい?
- 媒介契約の解除は費用がかかるの?トラブルにならない方法教えます!
- 売却中に不動産会社を変更する方法についてわかりやすく解説する
- 【媒介契約の期限が切れる前に!】今後どうすればいいの?
- 築年数50年超えの家を売却したい!少しでも高く売るポイントを確認
- 同居が理由での家の売却方法(マンション・戸建て・土地編)
- 家を売却し始めたけど全然売れない!2つの理由と解決方法をまとめた
- 家がどうしても売れない場合に売る方法とは?
- 買い替え(住み替え)したいのに家が売れないときの対処方法
- 価格を下げるべき?媒介契約中の価格変更の基準とは
- 火災保険や地震保険に家財補償は必要なのかまとめた
- 火災保険に水災補償をつけるべきか判断する方法についてまとめた
- 火災保険や自動車保険などに付けられる個人賠償責任特約とは?
- 空き家の火災保険はどうすべきかについてまとめた
- 自然災害があった際に使える国の支援制度などについてまとめた
- 火災保険だけでは不十分?地震保険についてわかりやすく解説する
- 借地の家はなぜ安いの?査定方法と高く売却する方法をまとめた
- 浸水した家は安くなる?できるだけ高く売却する3つの方法
- 浸水想定区域にある家は売却できる?ハザードマップと価格との関係
- 川沿いにある家は売却するときに売れづらいって本当?
- ペットを飼っていた家は査定額や売却価格が下がるの?ポイントを解説
- 団地の売却を成功させよう!高く売るためのポイントを解説
- 台風被害にあった家の売却で注意すべきことは?3つのポイントを解説
- どうする?認知症になった親の家を売却する方法!手順や注意点
- 「成年後見制度」を利用して、成年後見人が親の不動産を売却する方法
- 太陽光発電を設置している家は売るときにどのくらい高いの?
- タワーマンションを高く売却するために!タイミングや特徴を掴もう
- 【墓地に近い家】売却したいけど安くなるの?ポイントを押さえよう
- 親の家を代わりに売却する2つの方法!必要な手順や注意点を解説します
- 日当たりが悪い家だけど売却したい!上手に売却するコツを紹介
- マンションの内覧件数が少ない?3つの対処方法で売却を成功させよう
- 傾いている家でも売却できる?傾きの調べ方や売却方法を解説
- 所有者以外が家などの不動産売却を代理でする方法と委任する際の注意点
- 水路に接した家や土地を売却するには占用許可が必要って本当?
- 身内に家を売却するには?親族間売買の注意点を知っておこう
- マンションの建て替えがなくなった!将来を見据えてどうすべき?
- 住宅の寿命は何年くらい?寿命を伸ばす方法もチェック
- 連棟住宅の売却は難しいの?ポイントと注意点をチェックしよう
- 家の耐用年数ってどれくらい?家の価値はいつまであるのか
- 湿気の高い家は売却できる?原因と対策を知っておこう
- マンションの耐用年数とは?価値はどれぐらい下がるの?
- 越境物のある家を売却することはできるの?その方法を知っておこう
- 所有者や共有名義人が行方不明に!家を売却する方法はあるの?
- お風呂がない家でも売れる?売却方法を工夫しよう!
- 旧耐震基準の家を売却したい!高く売るためにできることとは
- 【家の売却】値下げはどれくらいが妥当?損をしない値下げ方法とは
- 古くて汚い家だけど売却できる?手放す方法あります
- 不動産売却における減価償却とは?計算方法を知っておこう
- ひび割れのある家を売るには?上手に売るコツを確認
- ひな壇になっている土地の売却はどうやるの?
- 雨漏りした家を売却したい!上手に売却するためのポイントを解説
- 液状化した土地に建つ家は売却できる?売却方法と注意点をチェック
- 区画整理地だけど売却できる?事業段階ごとの売却の傾向と注意点
- 結露しやすい家は売却できるの?結露が発生する原因と売却方法3選
- 隣地と高低差のある土地を売却するには?売却が難しい理由を解説
- 雑種地とは?地目が雑種地の一戸建てを売却する方法
- 別荘を売却したい!売れにくい理由と上手に売却する方法を解説
- 同居するなら親子リレーローンを検討しよう!メリットと注意点
- 入院中に家を売却するにはどうするの?対処方法を解説
- 底地を売却したい!高く売れる方法を見つけよう
- 店舗住宅って売却できる?注意点と売却方法をチェック
- 【お家の売却】送電線下の家は安くなる?売却に影響するポイントを確認
- 都市計画道路予定地って売却できる?事業決定前なら可能です
- 埋蔵文化財がある土地に建つ家の売却はどうやるの?ポイントを確認