
我が家は川沿いにあります。近所の方が家を売却されたんですが「なかなか売れなかった」っておっしゃってました。
川沿いにある家だと売れづらいって本当ですか?
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
家を売ろうとした時にあなたの家を評価するのは赤の他人です。
客観的に見て川沿いの家の評価はどんな感じになるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
もくじ
1.川沿いの家のデメリット
家の売却を考えるときに「これがデメリットとなって価格が下がるのでは…」と考えると、気になってしまいますよね。
川沿いにある家にはどのようなデメリットがあると、一般的には考えられているのでしょうか?
1-1.地盤が弱い場合がある
川の近くの家は、地盤が軟弱な場合が多いことがデメリットとなります。
河川の流域は、上流から大量の土砂が運ばれて積み重なった低地となっているため、多くの水分を含んでいることがあります。
地盤が軟弱だと、地震などの自然災害が発生したときに地盤沈下が起こったり、家が傾いたりするかもしれません。
1-2.虫やゴミ、臭いが気になる
川の周囲に土手がある、流れが弱く中州があるなどの場合には、虫が多いことも気になります。
草木が生い茂って水がたまる場所で蚊や小さな羽虫が発生すると、家に侵入することもあるでしょう。
流れがゆるやかで常に淀んでいたり、草むらにゴミが投棄されていたりするような川なら、臭いが問題になるかもしれません。
1-3.湿気が多い
水場が近くになると湿度が高くなりがちですが、川沿いの家も同じです。
川から吹いてくる風は水分を多く含んでいるため、窓を開けていると家の中の湿度が上がってしまいます。
湿気が多いと、カビが生えやすくなることがデメリットです。湿度を下げるために除湿をするのにも、コストがかかってしまいます。
1-4.洪水や氾濫の可能性がある
川沿いの家で一番心配なのは、洪水や氾濫の可能性があることでしょう。堤防や土手があるから大丈夫と思っていても、安心はできません。
近年想定を超える豪雨や台風による、甚大な被害が相次いでいます。2020年7月には熊本県の球磨川水系が氾濫して大きな被害が出たことが記憶に新しい人も多いでしょう。
常に洪水や氾濫の心配がつきまとうことは、川沿いの家のもっとも大きなデメリットです。
2.川沿いの家を売却する際のポイント
川沿いの家にはデメリットが多いと評価されてしまうと「高く売れないのでは」「買ってくれる人がいないのでは」と心配になってしまいますよね。
川沿いの家を売却するときには、どのようなポイントを押さえるといいのでしょうか?
2-1.ハザードマップを確認する
家が川沿いにあるからといって、必ずしもすべての家が洪水や浸水の危険にさらされているわけではありません。
家の建っている場所が、洪水や浸水のリスクがあるかは「洪水ハザードマップ」で調べられます。
洪水ハザードマップ:主に河川の氾濫を想定した地図のことを言うことが多く、堤防が決壊した際の浸水想定区域およびその際の水深を示した浸水想定区域図に、避難場所などを加えた地図です。
洪水ハザードマップは、洪水が発生したら重大な被害をもたらす恐れがあるとして、国土交通省が指定した河川についてのみ用意されるものです。
ハザードマップの例:大阪市北区の水害ハザードマップ(淀川が氾濫した場合)
つまりそもそも洪水ハザードマップが用意されていないような河川なら、洪水や氾濫の危険性は低いと考えられているともいえます。
ただし洪水ハザードマップがない、浸水区域に入っていない場合でも、洪水や氾濫が起こる可能性がゼロなわけではないことには留意が必要です。
またハザードマップで浸水区域に入っていたとしても、家を売却できなかったり、安く売らなければならなかったりといったことはありません。不動産価格は、洪水などの災害については発生の危険性を織り込んだうえで、すでに評価されているためです。
ただし浸水被害の規模や、最近新たに浸水想定区域に含まれたのであれば、価格に影響する可能性があります。
家の評価額がいくらになるのか知りたいときには、不動産業者に査定を依頼するようにしてください。イクラ不動産でも家の評価額がわかります。
2-2.被災する前に売却する
浸水区域に入っていても売却できる、価格が下がるわけではないといわれても、いつ洪水や氾濫が起こるか心配で仕方ない……という方もいるでしょう。
また洪水被害にあっていなければ評価額に影響はありませんが、一度でも被災してしまったら価格は下がってしまいます。
「水害にあうかも」と心配して暮らしたくないなら、被災する前に住み替えを検討するとよいでしょう。
3.被害を受けた場合の売却価格への影響
浸水想定区域に入っていても評価額には影響はないけれども、一度でも被災すると価格は下がると前述しました。それは浸水被害にあった家は、「瑕疵(かし)物件」とされる可能性が高いからです。
3-1.瑕疵(かし)物件とは?
瑕疵物件とは、いわゆる「訳アリ物件」のことです。瑕疵物件には、以下の4種類があります。
・物理的瑕疵物件
・法的瑕疵物件
・環境的瑕疵物件
・心理的瑕疵物件
浸水した物件は、この中で「物理的瑕疵物件」に該当します。
物理的瑕疵物件は、「土地や建物に物理的な欠陥がある」ことを意味します。
売却を考えている物件が、過去に浸水したことがあれば、土地については地盤が弱くなっている可能性があると考えるのが妥当です。
また建物についても、基礎など大切な構造部分が水に浸かったことで劣化が速まり、腐食してしまう可能性があります。
そのため浸水した家は、物理的瑕疵物件と判断されてしまうことが多いのです。
3-2.浸水したことがある家の相場は2〜3割下がるが状況による
瑕疵がある物件を、相場通りの価格で買いたいと思う人はあまりいません。そのため浸水したことがある物件は、相場の取引価格から2〜3割ほど下がるのが一般的です。
また自分の家は無事だったけれども、近所が浸水したようなケースも、そのエリア一帯の平均価格が下がってしまう可能性があります。
しかし駅から近い、近くに商業施設が多いなど利便性が高い立地なら、需要が供給を上回り、資産価値がそれほど下がらないケースも少なくありません。
さらにホームインスペクション(建物状況調査)を受けて家の劣化状況を調査してもらったり、地盤調査を行って地盤に問題がないことを明らかにしてもらったりできれば、買主に安心感を与えられるので、それほど価格が下がらない可能性もあるでしょう。
ホームインスペクションとは、ホームインスペクター(住宅診断士)と呼ばれる国土交通省の所定の講習を受けた専門家が、第三者的な立場から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見極め、アドバイスを行なう住宅診断サービスのことです。
3-3.地域のことをよく知る不動産会社に相談しよう
浸水したからといって、必ずしも家の価格が下がってしまうわけではありません。
「売却できない」「価値が下がって安くしか買ってもらえない」とあきらめず、まずは不動産会社に相談するようにしてください。
不動産会社は、家のある地域に詳しく、状況をよく理解している会社を選ぶと安心です。地域に詳しい不動産会社はイクラ不動産で見つけることができます。
まとめ
川沿いの家のデメリットについて見てきましたが、どのような家でも大なり小なりデメリットは存在します。
デメリットを理解して売却するのと、理解せずに売却するのとでは、最終的な満足度が変わってきます。


しっかりした不動産会社に依頼すれば、あなたの家を正しく評価してもらえます。
信頼できる不動産会社を見つけたい場合は、ぜひイクラ不動産にご相談ください。
無料&秘密厳守で、簡単に素早くお家の査定価格がわかるだけでなく、あなたの状況にピッタリ合った売却に強い不動産会社が選べます。
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