不動産の売却方法は、一つではありません。家やマンションといった不動産の売却で失敗しないためには、売却理由や状況に合った不動産の売却方法を選ぶことが大切です。
ここでは、家やマンションを売却する4種類の不動産の売却方法と、売却理由に合った売却方法や具体的な選び方の事例などについてわかりやすく説明します。
それぞれの不動産売却方法の特徴をしっかりと理解したうえで、自分に合った売却方法を選びましょう。
- 4つの不動産売却方法(仲介・買取・リースバック・任意売却)の違いとメリット・デメリットについて
- 希望と状況に合った売却方法の選び方について
- 事例別、おすすめの不動産売却方法の選び方について
- この記事はこんな人におすすめ!
- 家やマンションなどの売却方法は、どのようなものがあるかを知りたい人
- 売却理由や自分の状況に合った売却方法の選び方を知りたい人
- 具体的な事例別に、売却方法を選ぶコツや注意点を知りたい人
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1.家やマンションの売却方法は4種類
- 家やマンションの売却方法は、大きく分けると「仲介」「買取」「任意売却」「リースバック」の4種類がある
- 仲介とは不動産会社に買い手を探してもらう売却方法で、買取とは不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法
- 任意売却とは金融機関の承諾を得て抵当権と外してもらって売却する方法で、リースバックとは売却した家に賃貸として住み続けることができる売却方法
家やマンションの売却方法は、大きく分けると、「仲介(ちゅうかい)」「買取(かいとり)」「任意売却」「リースバック」の4種類です。
それぞれに特徴があり、メリット・デメリットがあります。
特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
①仲介 | 不動産会社の仲介で一般の買い手に売却する | 相場に近い価格で高く売却できる | いつ売れるかわからない |
②買取 | 不動産会社に直接買い取ってもらう | すぐに現金化できる | 仲介より売却額が安くなる(相場価格の7割程度) |
③任意売却 | 住宅ローンが残っている状態で抵当権を外してもらって売却する | 住宅ローンが残っていても売却できる | ブラックリストに載る |
④リースバック | 買取による売却後、賃貸として済み続ける | 売却してもそのまま住み続けられる | 仲介の7割程の売却金額になる |
これら4つの売却方法について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
1-1.①仲介
仲介とは、家を売却する際に一般的に用いられている売却方法です。
家を売りたい売主が、不動産会社に売却を依頼をして一般の人から買い手を探してもらい、不動産会社の「仲介」によって売買が成立します。
仲介については、「不動産仲介とは?家を希望に近い価格で売却できる方法を解説!」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
1-1-1.仲介のメリット
仲介のメリットは、少しでも高く売れる可能性が大きいことです。
売却を依頼した不動産会社による売却活動を通して、高値で買ってくれる買い手が見つかるチャンスが多くなります。
また、売り手が売出し価格を決めることができるため、希望の価格で購入してくれる買い手が現れやすいタイミングを見極めて売りに出すことも可能です。
これらの理由から、仲介で売却すると、相場価格に近い額で売れる可能性が高くなると言えるでしょう。
1-1-2.仲介のデメリット
仲介のデメリットは、いつ売れるのかわからないこと、そして手間がかかることです。
「あなたのお家が欲しい」という人が、いつ現れるかがわかりません。売出価格や売却時期によってすぐに現れることも、なかなか現れないことも考えられます。
そのため、仲介で売却する場合は、売り出し価格を決める基準となる相場価格を知ることが重要です。
1-2.②買取
買取とは、不動産会社や買取業者に、家を直接買い取ってもらう方法です。
仲介とは異なり、買い手を探す必要はありません。ちょうど、読み終えた本を古本屋に買い取ってもらうようなイメージです。
買取について、くわしくは「【不動産買取とは?なぜ安くなる?相場額や注意点、おすすめの場合を解説」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
1-2-1.買取のメリット
買取のメリットは、すぐにお家を現金化できることです。
不動産会社にもよりますが、目安として最短で数日〜1週間以内に現金化できます。
また仲介と違い、インターネットやチラシなどに情報が載らないので、周囲に知られずに売却することが可能です。
1-2-2.買取のデメリット
買取のデメリットは、仲介よりも売却価格が安くなってしまうことです。
物件の状態や買取業者にもよりますが、おおよそ相場価格の価格の7割(70%)ほどになります。
そのため、買取の場合は相場価格を知ったうえで、できるだけ高く買取ってくれるところを見つけることが大切です。
1-3.③任意売却
任意売却とは、多額の住宅ローンが残っていて、家の売却額では完済できない「オーバーローン」の場合に、家を売却する方法です。
住宅ローンを借りている金融機関から承諾を得て、住宅ローンの完済なしで抵当権を外してもらってから家を売りに出します。
任意売却後、住宅ローンを完済しきれなかった分は、続けて支払っていかなければなりません。
任意売却については、「【任意売却とは?】わかりやすく解説!ローンの返済が厳しい方へ」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
1-3-1.任意売却のメリット
任意売却のメリットは、住宅ローンが残っていても売却できる点と競売よりも高く売れることが多い点です。
住宅ローンの遅延が続くと、最終的に裁判所によって強制的に家が売却され、貸した金融機関がお金を回収します。これが、競売(けいばい)と呼ばれるものです。
競売はオークション形式で行われ、家の落札価格、つまり売却価格は、仲介の約6割程度になってしまいます。
一方、任意売却であれば時間的な余裕はないものの、相場の約75〜90%という競売よりも高い額で売却することが可能です。
1-3-2.任意売却のデメリット
任意売却するには住宅ローンを遅延・滞納していることが必須条件となります。
もし、現在、遅延や滞納していなくても、どうしても売却するには、わざと遅延滞納しなければなりません。
そのため、信用情報機関のブラックリストに登録されてしまう点がデメリットです。
ブラックリストに載ると、現在使っているクレジットカードはもちろん使用できなくなり、また、約5年間は新たなローンが組めません。
1-4.④リースバック
リースバックは買取の一種で、不動産会社やリースバック会社に家を買い取ってもらい、そのあと賃貸借契約を結ぶことで、売却した今の家に賃貸として住み続けられるという売却方法です。
家の売却代金は必要だけれども、子供の学校や勤務場所の関係などから、今の家から転居したくない場合に適しています。
リースバックについては、「【リースバックのまとめ】家を売っても住み続けられる!利用方法や注意点を詳しく解説」で詳しく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
1-4-1.リースバックのメリット
リースバックのメリットは、家をすぐに現金化でき、さらにそのまま住み続けることができるという点です。
また、同じ家に住み続けられるので、お家を売ったことが周囲にバレないというのもメリットの1つになります。
引っ越しや子供の転校なども必要ありません。
1-4-2.リースバックのデメリット
一方、デメリットは、仲介での売却価格の7割(70%)ほどの価格になる点です。
また、賃貸契約の内容が定期借家契約だと、数年で退去が買い戻しかを選ばなければなりません。
さらに、将来買い戻す際の最購入額は、売却したときの金額よりも高くなることも踏まえておきましょう。
2.家やマンションを売る目的に合った売却方法の選び方
- 少しでも高く売りたい場合は仲介、すぐに現金化したい場合は買取を選ぶと良い
- 住宅ローンが返済できない場合は、金融機関の承諾を得て抵当権を外してもらう任意売却で売却することになる
- 売却代金が必要だけれども、売却しても今の家に住み続けたい場合はリースバックを選ぶと良い
4種類の家の売却方法がわかったところで、次に、家を売る目的や理由に合った売却方法の選び方について説明します。
2-1.できるだけ高く売却したいなら「仲介」を選ぶ
家やマンションを売る際、一番多く利用されている方法が「仲介」になります。
なぜなら、仲介が一番高く売れる不動産の売却方法だからです。
仲介での売る相手は一般の消費者で、不動産会社が、売り手である「あなた」と買い手である「あなたのお家が欲しい人」とを仲介してくれます。
無事売却することができたら、不動産会社に報酬として「仲介手数料」の支払いが必要です。
急いで現金化する必要がない、住宅ローンが残っていない(または売却代金で完済できる)といった場合は、少しでも高く売れる仲介での売却がおすすめです。
2-2.できるだけ早く売却したいなら「買取」を選ぶ
「買取」とは、不動産会社や買取業者でが買い手となって、直接、家やマンションを買い取ってくれるという売却方法です。
買取を利用すれば、買い手を探す手間や時間がかからないため、すぐに不動産を現金化したい方や周囲に知られずに売却したい方におすすめです。
買取を成功させるためには、次のポイントを意識しましょう。
- 買取の不動産会社同士を競わせる
- 1円でも手取りの金額が高い不動産会社を見つける
くわしくは「家を高く買取ってもらう方法を元不動産屋が教えます!」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
2-3.住宅ローンを返済できない場合は「任意売却」を選ぶ
家やマンションの売却額で住宅ローンの残りを完済できる状態を「アンダーローン」と言います。アンダーローンであれば、通常の仲介や買取で売却が可能です。
しかし、売却額よりも残っているローンの額が多い「オーバーローン」の状態だと、売却額で住宅ローンを完済できないため、そのままでは売却できません。
住宅ローンが残っている家やマンションの売却については、「【住宅ローン×不動産売却まとめ】住宅ローンが残っている家の売却方法と滞納リスクについて基本から解説」で、オーバーローンの場合の売却方法については、「オーバーローンの家やマンションは売却できる!調べる方法と5つの対処法を解説」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
住宅ローンを完済することができないオーバーローンの状態でどうしても売却したい場合は、不動産会社が金融機関と交渉して、ローンが残っている状態のまま抵当権を外してもらう任意売却で売ることになります。
ただし、任意売却には期限があり、またすべての不動産会社が任意売却を取り扱っているわけではないため、まずは任意売却を取り扱っている不動産会社を探さなければなりません。
任意売却を取り扱っている不動産会社は、イクラ不動産で探すことが可能です。
イクラ不動産では、不動産会社の売却実績がわかるため、任意売却を取り扱っているかどうかだけでなく、本当に売却力のある地元の不動産会社がわかります。
さらに、売却前や売却中にわからないことや不安なことがあれば、宅建士の資格を持つイクラ不動産の専門スタッフに相談することができるので安心です。
不動産会社への連絡は気軽なチャットになります。売主から開始するため、しつこい営業の心配もありません。
2-4.売却しても住み続けたい場合は「リースバック」を選ぶ
家を売ったお金が必要だけれど、家を売ってもこのまま同じ家に住み続けたいという方には、リースバックがおすすめです。
売却した家に賃貸として住み続けることができるため、子供を転校させたくない、周囲に家を売ったことを知られたくないといった場合に適しています。
リースバックを利用する場合は、次のような点を確認しておきましょう。
- 買取額とリースバック後の賃料がいくらになるのか
- いつまで家を借りることができるのか(賃貸契約のタイプ)
- いくらで買い戻すことができるのか(買い戻しの条件)
リースバックを取り扱っている不動産会社は限られていますが、イクラ不動産でなら簡単に探すことが可能です。
3.事例別、不動産の売却方法の選び方
- 買い替えでの売却は、高く売れやすい仲介で売りに出し、期限内に売れなければ不動産会社が買い取ってくれる買取保証を付けるという手がある
- 事故物件を売却する際に、室内の原状回復なしで少しでも早く手放したいのであれば買取の利用がおすすめ
- 離婚の財産分与で家を売却しても、子供を転校させたくない場合はリースバックを利用すると良い
最後に、いくつかの事例をあげて、どのような売却方法を選べば良いかを説明します。
3-1.事例①今の家を売却して買い替えするときにおすすめの売却方法
今の家を売却して新しい家に買い替えする場合は、買い替えのスケジュール内で少しでも高く売れることが重要なポイントです。
また、住宅ローンが残っている場合や仮住まいをしたくない場合は、売却と購入とのタイミングを合わせる必要があります。
今の家を少しでも高く売るために、まずは仲介で売り出してみると良いでしょう。
その際に、一定の期限までに仲介で売却できない場合は、不動産会社に買い取ってもらうことができる買取保証をつけておくと安心です。
買取保証については、「家の買い替え・住み替えで買取保証(売却保証)をつけるメリット・デメリット」で説明しています。ぜひ参考にしてみてください。
3-2.事例②相続した実家を売却するときにおすすめの売却方法
相続した不動産を売却する場合、まず相続登記の申請をしなければなりません。そのため、まずは相続による売却が得意な不動産会社を探すのがおすすめです。
そして、相続登記が完了したら、仲介か買取で売却することになります。
相続した不動産を売却する際の特例や控除の適用には期限があるため、仲介のほうが高く売れやすいですが、期限が迫っている場合は買取の利用を検討してみましょう。
相続による不動産売却については、「相続した不動産の売却方法から流れ、手続き、相続税対策まで徹底解説!」でくわしく説明しているので、参考にしてみてください。
3-3.事例③事故物件を売却するときにおすすめの売却方法
自殺や放置された孤独死などにより、事故物件になった家やマンションを売却するのであれば、不動産会社が直接買ってくれる買取がおすすめです。
仲介でも売却できる場合がありますが、なかなか売れにくいことが多く、室内の清掃や原状回復なども必要になります。
ただし、便利で人気のあるエリアにある家やブランド力が高いマンションであれば仲介でも売れやすいため、事故物件の売却が得意な不動産会社に相談してみると良いでしょう。
事故物件の売却については、「事故物件を売るには?売却方法を徹底解説!相場価格や買取のコツも紹介」でくわしく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
3-4.事例④離婚で家を売っても引っ越ししたくないときにおすすめの売却方法
離婚の際、夫婦で購入した家やマンションは財産分与の対象になります。しかし、家を半分にすることはできないため、売却した代金を分けることが多いです。
その際、子供を転校させたくない、周囲に売却を知られたくないといった理由から、今の家に住み続けたい場合もあるでしょう。
そのような場合は、リースバックがおすすめです。
リースバックを利用すれば、リースバック会社や不動産会社に家を買い取ってもらい、売却代金を夫婦で財産分与したあと、今の家に残るほうが賃貸として住み続けることができます。
離婚による不動産の売却については、「【離婚×不動産売却まとめ】離婚時の不動産の扱いについて基本から解説」でくわしく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- 家やマンションなどの不動産の売却方法は、大きく分けると次の4種類がある
①仲介:一般的な売却方法。高く売れやすいが、買い手が見つかるまで時間がかかる
②買取:すぐに現金化できるが、相場価格より3割程度安くなってしまう
③任意売却:住宅ローンが完済できなくても売却できるが、社会的信用が低くなってしまう
④リースバック:売却しても今の家に賃貸として住み続けられるが、売却額が相場価格より3割程度安くなってしまう - 高く売りたい場合は「仲介」、すぐに現金化したい場合は「買取」がおすすめ
- 家の売却代金で住宅ローンを完済できない「オーバーローン」の状態で売却する場合は「任意売却」になる
- 家を売却した代金が必要だけれども、今の家に住み続けたい場合は「リースバック」の利用を検討すると良い
家やマンションなどの不動産を売却する方法は、大きく分けると「仲介」「買取」「任意売却」「リースバック」の4種類です。
それぞれの売却方法の特徴やメリット、デメリットを理解したうえで、家を売却する理由や状況によって、どの売却方法を選ぶべきなのかがわかっていると不動産売却の不安を減らすことができます。
そして、いずれの売却方法を選んだとしても、あらかじめ相場価格を調べておくことと売却に強い不動産会社を選んで売却を依頼することは、不動産売却で失敗しないために不可欠です。
自分で相場価格を調べたい場合や、売却したい物件がある地域で売却に強い不動産会社を選びたい場合は、無料&秘密厳守で利用できるイクラ不動産で、ぜひご相談ください。
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また、不動産売却のことでわからないことや不安なことがあれば、宅建士の資格を持ったイクラ不動産の専門スタッフにいつでも無料で相談できるため、安心して不動産売却を進めることができます。
イクラ不動産については、「イクラ不動産とは」でくわしく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
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