家を売却したいのですが、敷地の周囲に水路があるんです。
何でも売る際には「水路の占用許可」がいるとか…。それって何ですか?
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
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売却を考えている家や土地が水路に接していると、「売却するときになにか問題が発生するのでは?」と気になるものです。
ここでは水路に面している土地や家を売却するにあたって問題となる点を解説し、スムーズに売却できる方法を紹介します。
もくじ
1.水路に面している不動産のデメリット
一般的に水路に面した不動産には、以下のようなデメリットがあると考えられます。
・建築不可の可能性
・再建築不可の可能性
・軟弱地盤の可能性
・浸水の可能性
それぞれについて、詳しく解説していきます。
1-1.建築不可の可能性
家を建てるためには、土地が建築基準法で定められた接道義務に従って、道路に面している必要があります。
接道義務では、「建築物の敷地は、幅員4m以上の建築基準法上の道路に2メートル以上接しなければならない」と決められています。(建築基準法第43条)
土地のどこかが2m以上道路に接していればいいのですが、道路に面しているものの間に水路を挟んでいる場合は問題になります。
「水路」が建築基準法上の道路にあたるかどうかは、行政が管理しているのが一般的です。
「水路部分は建築基準法上の道路に該当しない」と役所が判断した場合、その土地は接道義務を果たしていないことになります。
つまり現行の建築基準法を満たしていないと判断され、建築不可と判断されてしまいます。家を建てられないのであれば、住宅用地として土地を売却するのは困難です。
また、わかりやすく水路になっていればともかく、ふたで覆われているなどしてパッと見て水路に見えない「暗渠(あんきょ)」になっているケースもあります。
暗渠の可能性がある場合には、公図を確認するようにしましょう。
公図で「水」とされている場合には、役所の道路管理課などで実際に水路かどうかを確認するようにしてください。
1-2.再建築不可の可能性
今、建っている家の中には、建築基準法が改正される前に建てられたものがあります。
建築当時は接道義務がなかったため問題がなかった場合でも、今の建築基準法にあてはめると、「既存不適格建築物」とされることがあるため注意が必要です。
・既存不適格建築物とは
建築基準法や施行令などが施行された時点ですでに存在していた建築物などは、建築基準法や施行令に適合しない部分があっても違法建築としないという特例(建築基準法3条)
つまり建物が建っている限りは、今の建築基準法にはあっていませんが、違法建築扱いはされません。
しかし、建て替えるときには現在の建築基準法を満たす必要があるのです。水路に面していて接道義務を果たしていない既存不適格建築物の家を中古で購入しても、建て替えるときに「再建築不可」となり、家を建てられない可能性があるのです。
将来建て替えられない可能性がある家を、好んで購入する人はいないと考えられます。
1-3.軟弱地盤の可能性
水路に面している土地は、水分を多く含んでいるため、地盤が弱い「軟弱地盤」と考えるのが妥当です。
軟弱地盤には明確な定義はありませんが、一般的には土の強度が弱くて柔らかく、圧縮しやすい地盤を指します。つまり家を建てるときに、基礎地盤として十分な重さに耐える力が足りないと考えられます。
そのため実際に家を建てるときには、地盤の補強工事が必要になるのが一般的です。購入後の負担が増えることを考慮して、相場より価格を下げなければ売却できない可能性が高くなります。
1-4.浸水の可能性
多くの場合、水路は川からの分流となっています。雨で川が増水した場合には、水路に流れ込む流量も増えて、水路からあふれる可能性があります。
家が建っている場所で雨が降らなくても、上流で豪雨が発生すると、自然と下流や分流の水量が多くなることにも注意が必要です。
水路の許容を超える水が流れ込んだ場合には、水があふれて家の敷地に流れ込み、家が浸水してしまうかもしれません。
近年とくに、台風や豪雨による河川の氾濫被害が相次いでいます。2020年7月の、熊本県での球磨川の氾濫による大浸水が記憶に新しい人も多いでしょう。
多くの人が水害に対する高い関心と危機意識を持ち始めていることから、浸水被害の心配がある水路沿いの家や土地を購入することを敬遠する人が増えているのです。
2.水路に面している不動産の売却方法
建築基準法を満たす必要性や浸水の可能性など、水路に面した家には問題が多いと聞くと「家を売却できないのでは」と心配になった方もいるのではないでしょうか。
水路に面した土地であっても、売却が不可能なわけではありません。
考えられる売却方法を、2つ紹介します。
2-1.水路の占用許可をとって売却する
現在水路に面している土地が接道義務を果たしていないことが問題なら、土地と道路の間を流れる水路の上に、道路に2m以上接する橋を架けることで解決できます。
水路の上に橋をかけるときには、水路を管理している市町村に水路の占用許可を取らなければなりません。また市町村によっては、占用料が発生する場合もあります。
たとえば京都市では「京都市準用河川流水占用料等に関する条例」に基づいて、占用面積1㎡あたり年額750円の占用料を求められます。
また売却に際して橋をかけた場合には、占用許可を買主に継承できるかの確認も必要です。
もし占用許可が継承できなければ、買主は不法に水路を占用していることとなり、自治体とトラブルになることも考えられます。
占用権を継承できない場合には、買主がどのような手続きをすればいいのかを役所に確認してしっかり書類にまとめておくと、売買に際して安心してもらえるでしょう。
2-2.ただの土地として売却する
水路占用許可を取れば家を売却できるといっても、橋をかけるには場合によっては数百万円かかることもあります。それだけの費用を負担しても、水路沿いの土地は地盤の問題などもあり、住宅用地として売却できるかどうかはわかりません。
それであるなら、住宅を建てるための土地ではなく、ただの土地として売却するのもひとつの方法です。近隣の住民が駐車場用、あるいは物置小屋を建てる土地として、購入する可能性はあります。
ただし購入者が絞られなかなか買い手が見つからない、買い手が現れても高く売れないなどは覚悟しておく必要があるでしょう。
水路沿いの不動産を売却するときには、橋をかけるかどうかも含め、まずは地元の情報に詳しい不動産会社に相談することをおすすめします。
水路に面した不動産を売却したいけど、どの不動産会社に依頼すればよいかわからないという方は「イクラ不動産」でご相談ください。
無料&秘密厳守でお家の査定価格が簡単にわかるだけでなく、あなたの状況にピッタリ合った不動産会社を選べます。
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