
工務店で建てた家とハウスメーカーで建てた家とでは、売却するときに価格が違うのでしょうか?
こちらは、イクラ不動産をご利用いただいたお客様の実際のご相談内容になります。
※イクラ不動産は不動産会社ではなく、無料&匿名で不動産の相談・会社選び・査定ができるサービスです。
工務店で建てた場合とハウスメーカーで建てた場合とでは、家を売却する際に査定額が違うのかどうかが気になる方も多いことでしょう。
建物の建材や建具が異なれば価格が変わるため、結論から述べると、ハウスメーカーの方が建物価値は高くなることが多いです。
しかし、ハウスメーカーだからといって、必ずしも高く売れわけではありません、

ということもあります。
ここでは、工務店で家を建てた場合とハウスメーカーで建てた場合の、売却時における価格の違いについて、わかりやすく説明します。
だから!

もくじ

ハウスメーカーと工務店の違い
ここではまず、ハウスメーカーと工務店との違いについて説明していきます。
ハウスメーカーとは
ハウスメーカーとは、住宅の建築や販売をしている企業の総称として使われることが多いです。
多くのハウスメーカーは、独自のデザインや規格、システム化された工法に基づいた家を広範囲に展開しています。
そして、それぞれのメーカーによって、鉄骨や木造、ブレハブなど得意とする構造や工法が異なり、耐震構造やゼロエネルギー住宅などで他社との差別化を図っている点が特徴です。
ただし、ハウスメーカーの明確な定義はなく曖昧なため、どの企業も自社のことをハウスメーカーと呼んでいる場合があります。

ハウスメーカーの具体的な会社については「ハウスメーカーで建てた家は高く売れるの?特徴を知っておこう」で説明していますので、ぜひ読んでみてください。
ハウスメーカーのメリット
建材や規格、仕様、建て方まで画一的に統制されているため、地域差などがほとんどなく、安定した品質の家を建てられる点が、ハウスメーカーの特徴でありメリットです。
また、多くのハウスメーカーは住宅展示場でモデルハウスを展開しています。モデルハウスを見学することによって、実際に家が完成した時のイメージや住み心地を体感することが可能です。
家の仕様や構造についての詳しいパンフレットや資料が用意されている点も、ハウスメーカーならではのメリットだと言えます。
さらに、それぞれのハウスメーカーには設計やインテリアなどの専門スタッフがいるため、家づくりのイメージが明確に決まっていない人や漠然とした要望しか持っていない人でも、それらを具体的な形にしてもらいやすいです。
アフターメンテナンスについても、きちんとした基準や回数が決められているため、安心して任せることができるというメリットもあります。
ハウスメーカーのデメリット
ハウスメーカーでは、あらかじめ工場で大量生産されたパーツを使ったり、決められた規格に沿った建て方しかできなかったりする場合があります。
そのため、細かい要望やオリジナルのデザインなどを反映させた家を建てるのがむずかしい場合がある点がハウスメーカーのデメリットです。
また、ハウスメーカーでは担当部署やそれぞれの業務が細かく分けれられていることが多いため、急に不具合が生じた場合など、連絡をしてから実際の作業に取りかかってもらえるまでの間が長くかかってしまうことがあります。
加えて、大手の会社のためサービスが良い分、その分の人件費や広告宣伝費がお家の建物に上乗せされるため、どうしても高額になってしまいます。
工務店とは
幅広い地域で画一的な品質の家を建てられるサービス展開しているハウスメーカーに対して、工務店は地域に密着型のサービスを展開し、施主(お客様)と二人三脚で一から家づくりしていくような建て方が多いのが特徴です。
中には、社長自らが実際の工事に携わっているような小規模工務店も少なくありません。
しかし、「○○工務店」という名称であっても、フランチャイズ化して全国展開しているハウスメーカーのような大企業(ex.一条工務店など)もあるため、「工務店」という名前だけで一概に判断するのは難しい場合もあります。
工務店のメリット
一般的に工務店はハウスメーカーよりも小規模で展開してるので、お客様である施主の要望や意見を反省した自由度の高い家づくりができることが多い点がメリットです。
また建材や間取り、仕様などでハウスメーカーから断られた場合でも、実現可能な場合があるといった融通がききやすい点が工務店のメリットだといえます。
さらに地域に密着している工務店の場合、アフターメンテナンスだけでなく、日頃のちょっとした修理や不具合に対しても、フットワークよく対応してくれることが多い点が特徴です。
工務店のデメリット
ハウスメーカーと違い、それぞれの工務店は独自の方法で建材の調達や仕様、工法を展開していることが多いため、品質やサービスのバラつきが大きい点がデメリットです。

そのため、希望する家づくりの形や要望に合った工務店に依頼することができれば、理想通りの家が建てやすくなりますが、合致しなかった場合は、思ったような家が建てられない恐れもあります。
また、モデルハウスやパンフレットなどの資料が十分に準備されていないこともあるため、完成後の家をイメージすることがむずかしいかもしれません。
アフターメンテナンスや修繕のフットワークが良い点が工務店のメリットですが、会社の規模が小さい場合だと人手が足りないことがあるため、修理などを依頼しても、すぐに対応してもらえないと場合も考えられます。

建築基準や耐震基準など含めて、法的について全てクリアしているお家であることに、ハウスメーカーと変わりはないからです。
査定価格に影響する要素

ハウスメーカーや工務店で建てたり購入したりした家を、将来売却することもあり得ます。
ここでは、戸建ての家を売却することになった際に、築年数や立地条件以外にどのような要素が査定価格に影響するのかについて詳しくみていきましょう。
構造
家は構造によって資産価値が変わり、その指標となるのが減価償却と耐用年数です。
建物は、建てられた時から経年劣化による資産価値の減少が始まります。この経年劣化によって、次第に資産価値が減っていくのが「減価償却」です。
建物は目的や構造別に、税務上資産価値がゼロになるとみなされる「法定耐用年数」が定められており、この法定耐用年数によって償却率が決まります。
居住用建物における主な構造別の法的耐用年数と償却率は次の通りです。
構造 | 法定耐用年数 | 償却率 |
木造 | 33年 | 0.031 |
木骨モルタルの住宅 | 30年 | 0.034 |
金属造、主要な鉄骨の肉厚が3mm以下 | 28年 | 0.036 |
金属造、主要な鉄骨の肉厚が3〜4mm以下 | 40年 | 0.025 |
金属造、主要な鉄骨の肉厚が4mm超 | 51年 | 0.021 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 70年 | 0.015 |
この表からわかるように、木造よりも鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造の方が耐用年数が長く、償却率が小さく定められています。
つまり、木造よりも鉄骨や鉄筋コンクリート造の方が建築費はかかりますが、その分、耐用年数も長くなるため、売却する際の資産価値も高く査定されるといえるでしょう。
家の寿命については「住宅の寿命は何年くらい?寿命を伸ばす方法もチェック」で詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
アフターメンテナンス

家の査定は、築年数だけではなくメンテナンスや管理がしっかりとされているかどうかという点が大きく影響します。
雨漏りやシロアリ被害などの不具合が起こらないようにするだけでなく、定期的に外壁の点検や補修、排水管の清掃が行われているかなどが査定時の重要なポイントになるため、普段から定期的な点検やメンテナンスをしておくことが大切です。
アフターメンテナンスが充実しているハウスメーカーであっても小回りのきくアフターフォローをしてくれる工務店であっても、きちんとメンテナンスをしてもらわなければ意味がありません。
日頃から家の様子をチェックしておき、点検や修理などをしてもらう際にしっかりと伝えるようにしましょう。
リフォーム
ハウスメーカーで建てた家でも工務店で建てた家でも、築年数が経つにつれ修繕では対応できないような劣化が増えてきます。
特に浴室やトイレ、台所などの水回りは、普段きれいに掃除していたりメンテナンスをしていたりしても、どうしても経年による劣化が目立つことが多いです。
家の資産価値の下落を少なくするためには、修繕や補修だけでなく、必要に応じたリフォームを検討しても良いでしょう。
ただし、間取りや内装などを個性的なものにし過ぎると、売りに出した場合、たとえ資産価値そのものが下がっていなくても購入希望者が現れにくくなることがあります。
もし、将来に家を売却する可能性があるのならば、修繕の延長上といったリフォームの方がおすすめです。
まとめ
一般的にハウスメーカーはネームバリューが高く、アフターメンテナンスが充実していることからも人気が高い傾向にあります。一方、工務店の対応は小回りがきくため、きちんと修繕をしてもらっていれば家の価値を維持し続けることが可能です。
家の維持管理がきちんとできていれば、売却時の査定額も高くなります。家の査定については「家を査定するときのポイントをわかりやすく解説する」で詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。
家の価値や査定は不動産会社で調べてもらうことができますが、その前に自分でおおよその査定額を知っておけば、査定額が妥当かどうかを判断することができます。
家の査定額を知りたい場合は、まず「イクラ不動産」でご相談ください。簡単に素早く査定価格がわかるだけでなく、あなたにピッタリ合った不動産会社を選べます。